子どもの頃、マンガが好きで、
小学生まで暇があればマンガを描いていた。
しかしどうしてだか、
登場人物の顔がことごとく左向きになってしまっていた。
左向きの顔はすらすら描けるのだが、
右向きの顔がうまく描けないのである。
あとから知ったことだが、マンガにおいて
左向きは未来を見る顔、
先に進もうとする気持ちが現れた顔。
右向きは過去に向かう顔、
止まったり振り返ったりするサインだという。
「さあ行こうぜ」と言う時は左向き。
「ちょっと待てよ」と言う時は右向きというわけ。
これは日本のマンガが右から左へとページを
めくっていくことと関連している。
マンガ家自身にそういう生理感が身についており、
この右向き・左向きの心のベクトルが
一種の「マンガ文法」になっている。
これは映画も同じで、画面で左を向いたら未来を見ている、
右を向いたら過去を見ている表現だという。
欧米には日本のようなマンガ文化はないが、
映画の場合は、演劇の生理に基づいていると思われる。
登場人物が上手(観客から向かって右)から
下手(同・左)へ動く時は未来へ向かう、
逆の場合は過去に向かうというのが基本形。
これは人間の脳のメカニズムと関連しているのだと思う。
自分の話に戻すと、
子どもの頃は過去時間の分量が少なかったから
右向きの顔が描けなかったのだろうか?
けれども今でもちょっと落書きで人間を書くと、
手が覚えているのか、正面でないときは、
無意識に左向きの顔を描いている。
いずれにしてもこのマンガ文法・映画文法を意識して
マンガや映画を観ると面白い。
一昨年公開されたアンソニー・ホプキンス主演の
映画「ファーザー」は、認知症患者の視点で描かれている。
観客を混乱に陥れるような
ミステリアスでサスペンスフルな展開。
しかしその実、認知症患者と介護の現実を突きつける
ドキュメンタリータッチの映画でもある。
もともとは舞台劇で、舞台はロンドン。
派手なシーン展開は一切なく、
ドラマはほとんど家の中で進む。
それでも1時間半、画面から目が離せない。
目の前で何が起っていくのか、
ひとつひとつを固唾を飲んで見守らざるを得なくなる。
無駄なものを一切そぎ落としたシャープな演出と構成。
そして何よりもアンソニー・ホプキンスの圧倒的な演技力。
嘘っぽさがみじんもないリアルの極致。
こんなふうに認知症患者を演じられる役者が他にいるのか。
そして、その行く先は、やはり辛くて悲しい。
広告では「感動」と謳っているが、
いや、多くの人はそれよりも
言いようのない不安と怖さに晒されるのではないか。
そういう映画だと思う。
けれども認知症が蔓延していくこれからの社会、
現実と向き合いたくない人、逃げ出したい人も、
せめてこの映画で認知症のことを知ってほしい。
2021年アカデミー賞・主演男優賞と脚本賞。
現在、アマゾンプライム見放題で視聴可能。
認知症について学ぶ。
認知症から学ぶ。
認知症介護の日々を綴った
おりべまことの面白エッセイ集。
専門医の解説も併載。
「認知症のおかあさんといっしょ」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BR8B8NXF ¥500
言わずと知れたディズニーのアニメ映画
「アナと雪の女王」の主題歌。
「レリゴー」が
懐メロと言えるかどうかは微妙なところだが、
2013年のリリースから早や10年近く。
その人気度・浸透度、そして50年後も聴き継がれ、
歌い継がれるであろう、楽曲のクオリティの高さは、
もはや立派に名曲として殿堂入りしていると思う。
映画のサントラとしても最高峰の一曲ではないか。
美しさと疾走感を併せ持つメロディラインは、
吹雪の中で覚醒したエルサが雪の女王に変貌し、
瞬く間に氷の宮殿を築き上げるシーンと相まって
何度聴いても胸が熱くなる。
作詞・作曲は、ブロードウェイの舞台や、
映画・テレビの音楽を数多く手がけている
クリスティン・アンダーソン=ロペスと
ロバート・ロペスの夫妻。
制作の裏話では、出来上がってきたこの曲を聴いて
衝撃を受けたスタッフが、
ストーリーも、エルサとアナのキャラクターも
それまで作ってきたものを一掃して書き替えたという。
(エルサは当初、芯から冷酷で戦闘的な
氷の女王という悪役だったらしい)
まさに新たな作品世界の礎となるだけの
エネルギーを持った楽曲だ。
オリジナルの歌唱は、声優としてエルサを演じた
アメリカ人女優で歌手のイディナ・メンゼルだが、
公開されるやいなや、
世界中で数えきれないほどのアーティストが魅了され、
この名曲をカバーしている。
なかでも僕が好きで、冬になるといつも聴いているのが、
何もない雪原で、エルサとアナとは似ても似つかぬ
二人のおっさんが、真っ白なピアノとチェロで奏でる
インストゥルメンタル。
間奏とエンディングにビバルディの「四季・冬」を
絡めた超絶パフォーマンスは驚愕に値し、
テンションが上がりまくる。
「ピアノ・ガイズ」は、出演のピアニスト、チェリスト、
映像クリエイター、音楽プロデューサーからなるチームで、
映画音楽、クラシックを融合リアレンジし、
映像をネット上に公開。
美しい大自然の中でユーモアを交えて繰り広げられる
演奏・映像が話題を呼んでいる。
冷たい風が吹きすさぶ中、情熱をこめて、
この上なく楽しそうに演奏する姿は、
映画の世界をそのまま拡張したかのような
「レット・イット・ゴー」のアナザーワールドを
見事に表現している。
そして、凍えるような季節がやってきても、
僕たちも熱く楽しく、愛を持って
毎日を生きたいと思わせてくれる。
「僕が作った武器なんて何の役にも立たないんだ。
怪獣はみんなウルトラマンが倒してくれるんだから」
無力感に苛まれたイデ隊員は、戦うことを放棄して
空に向かって声を振り絞ってウルトラマンを呼んだ。
「ウルトラマーン、早く来てくれ。
ウルトラマーン!」
ウルトラマンであるハヤタ隊員はその姿を見て、
変身するのを躊躇ってしまう。
初代ウルトラマンの第37話「小さな英雄」は、
子ども心に全エピソード中、最も感動的な話だった。
じつはこの回の主役は怪獣ピグモンなのだが、
僕の中では完全にイデ隊員が主役だった。
イデ隊員は第23話「故郷は地球」でも主役だった。
辺境の惑星で怪獣になってしまった宇宙飛行士ジャミラは
人間に復讐するために地球に帰って来た。
科学特捜隊は、彼の正体を隠したまま、
抹殺しろと命令を受ける。
破壊を繰り返すジャミラにイデ隊員は悲痛な叫びをあげる。
「ジャミラ、おまえは人間の心さえ失くしてしまったのか!」
昨年亡くなった二瓶正也さん演じるイデ隊員は、
科学特捜隊の兵器やマシンを開発する天才科学者でもある。
しかし、○○博士といった威厳ある趣はみじんもなく、
ヒラ隊員に甘んじており、
普段はひょうひょうとした3枚目キャラだ。
けれども彼のシリアスでヒューマンな面を印象づけた
この2つのエピソードが
「ウルトラマン」のトーンを決めた。
イデ隊員が表現する人間性こそが
「ウルトラマン」の本質なのである。
当時、僕は6歳だったが、
子どもの胸に入り込んだものは、
とてもとても信じるに値する。
「シン・ウルトラマン」は劇場で一度見たが、
配信が始まったので昨日、家でもう一度見た。
ここには、かつてのウルトラマンという物語の
エッセンスが凝縮されている。
細部にわたる庵野監督の仕掛けはさすがだと思う。
旧作へのオマージュもふんだんに盛り込まれている。
さらに現代社会への風刺も。
世界は核兵器による脅し合いで成立している。
核に代わるパワー、核を凌駕するパワーを
どの国も求めていることが、
登場人物のセリフから伝わってくる。
ウルトラマンの軍事利用。
ベータシステムの政治利用。
メフィラスとの交渉シーンでは、
そのあたりが実にうまく表現されている。
メフィラスを演じる山本耕史は最高だ。
そうした現代ならではの要素
(実は55年前と大して変わっていないけど)を
盛り込みつつ、ちゃんと本質を抑えている。
「シン・ウルトラマン」を観ていて
僕にイデ隊員を想起させたのは、
有岡大貴が演じる禍特対(禍威獣特設対策室専従班)の
滝明久である。
滝は粒子物理学者で、かなりの天才らしいが、
メンバー中最年少の若僧。
劇中、けっこう生意気な口を叩くが、
最後のゼットン登場によって、
「小さな英雄」のイデと同じく、
深い無力感と絶望感に苛まれる。
「ウルトラマンも勝てない相手だ。
もう人間はおしまいなんだ」
彼には少しエヴァのシンジくんも入っているようだ。
けれども滝もまた、あの時のイデ隊員と同じく、
奮起し、自分のできることをする
(それがすごいんだけど)。
人間がアホで能なしで臆病で、
しょーもないゼツボー的生き物であることは
わかっているけど、そんな現実に
めげてないで一生懸命やるしかないのである。
一生懸命やってれば、いつかどこかで
ウルトラマンも助けてくれるかもしれない。
一口で言えば、
それがウルトラマンという物語のメッセージだ。
ウルトラシリーズで最も評価されているのは
「ウルトラセブン」だと思う。
確かにセブンは引き締まったシリアスな展開で、
おとなっぽくてドラマとしての質も高い。
それに対して「ウルトラマン」は
メルヘンあり、コメディあり、ホラーあり、
ファンタジーありの子どもっぽいバラエティだ。
(前作の「ウルトラQ」の世界を引き継いでいる)
おそらく初めて観た時の年齢が関係していると思うが、
僕は子どもこ心に訴える、
柔らかで広がりのあるコンテンツとして、
戦闘的なウルトラセブン
(およびその後のシリーズの各作)よりも
ウルトラマンのやさしいヒューマンな物語が
好きなのである。
ただ、おとなになった今、原本のウルトラマンは、
さすがに稚拙さ・子どもっぽさが目立って
まともには見られない。
今回の「シン・ウルトラマン」は、
2時間の重厚でリズム感あふれるドラマに仕立て上げて
その真髄を見せてくれた。
ラストもキレがあり、シャレが効いている。
願わくば「故郷は地球」のエピソードを活かしてもう1作。
最終兵器のゼットンを出しちゃったから無理かと思うけど。
脚本もセリフも素晴らしい。
それを3日かけて観た。
1日1幕ずつの3幕劇。
村上春樹の小説を濱口竜介監督が映画化した。
昨年のカンヌ国際映画祭脚本賞、
今年のアカデミー賞国際長編映画賞など、
世界的に評価された作品。
第1幕、序盤のハイライトは濡れ場。
こちらの世界とあちらの世界へ、
ファンタジー要素のない、リアルベースの物語なら、
日常のマテリアルな世界から、
内面のマインドな世界へぬけるために、
セックスをトンネルとかブリッジに使うのは、
村上春樹の常套手段だが、
それを映像化すると、こんなにエロくなるのかと
ちょっと驚いた。女優さんが上手だ。
第2幕は演劇の世界。
主人公が演出家なので、演劇のシーンが多いのだが、
その空気感もビンビン伝わって来た。
すごく久しぶりにチェーホフの戯曲に触れた。
若い頃はチェーホフなんて退屈で嫌いだったのだが、
いま観ると面白そうだ。
韓国の俳優さんたちがいい味を出している。
舞台が広島というのもいい。
そういえば、瀬戸内にはもう何十年も行ってない。
第3幕はロードムービー。
広島から北海道へ、タイトル通りドライブ・マイ・カー。
クライマックス。
主人公とドライバーの女の子のセリフが胸を打つ。
でも、すごく感動!という映画ではない。
てか、やたら淡々とした地味な映画だ。
しかもその割に長い。
なんと3時間近くもある。
それもあって1日では見られず、3日かけて観たのだ。
でも、そのおかげですごく心に染みる映画として見られた。
べつにこれは皮肉ではない。
本を読むように、ページを見返しながら、
ちょっと戻し戻し見ながら、
1シーン、1シーンを噛み締めながら楽しむ。
正直、映画館で見たら途中で寝てしまって、
「なんだか地味で、よくわからなくて退屈だった」
あるいは
「序盤の濡れ場だけがやたら印象に残った」
という感想しか抱かなかっただろう。
今はネット配信で、何日でもかけて、
いくらでも止めながら観られる。
今までの映画の見方からすれば、
そんなの邪道なのかもしれないけど、
そのほうがいい作品もあると思う。
今だとAmazonPrimeの見放題で見られます。
良い映画なんでおすすめです。
もちろんイッキに見てもいいし、
1週間かけてちびちび見るのも良し。
「大怪獣のあとしまつ」という映画が先週から公開されている。
最初に概要を見たとき、
すげえ題材に目を付けたな、と思った。
ヒーローが大怪獣を倒すが、
死体は消えてなくなるわけではない。
人間があとしまつをつけなくてはならない。
その顛末・奮闘劇を面白おかしく描く。
これはおいしい。
今まで誰もこんな話は作っていない。
それをこの令和4年にやる、というところにビビッときた。
「大怪獣」とは一種のメタファー(暗喩)である。
自分でもいろいろ書いているが、今やネット上には
昭和の振り返り情報――
政治や企業の栄枯盛衰から怪事件、怪人物、怪商品、
映画、音楽、マンガ、テレビ、アニメ、特撮、
芸能人あyスポーツ選手のスキャンダルなど
ーーがあふれかえっている。
大怪獣とは、後世に様々な影響を残した
戦後昭和という強烈な変動期のことであり、
終わって30年以上たった今、
僕たちは懐かしい、あの頃に帰りたいと
ブツブツつぶやきながら、
そのあとしまつに勤しんでいる、というわけだ。
なんだか残された家族が遺品整理をしているようである。
また、大怪獣とは災厄・災禍のメタファーでもある。
初代ゴジラが核兵器の化身だったように、
庵野監督のシン・ゴジラが東日本大震災の
イメージをまっとていたように、
人間が太刀打ちできない圧倒的なパワーの象徴として現れる。
なんとかそれを乗り切って生き延びても
そのあとしまつがまた大変だ。
東日本大震災ももう11年が経とうとしているのに、
原発の問題を始め、多くの傷跡が治療もされずに
置きざりにされたままだ。
そして今ならコロナ禍である。
オミクロンがピークアウトすれば、
コロナ禍は終わるかもしれないが、
喜んでばかりはいられない。
今度はコロナ禍で混乱し、取っ散らかってしまった社会の
後始末をどうつけるか、が大問題になるだろう。
これがけっこう心配だ。
いろんなところに想像もできないような歪が起き、
物理的な面・精神的な面、双方で
僕たちは何年も後始末に明け暮れるのではないか、
という気がする。
てなことをいろいろ考えて、「大怪獣のあとしまつ」、
そんなメタファーがふんだんに盛り込まれた、
それでいながら笑えるという、
すごい映画なのではないかと期待していたが、
ネットでチラ見してしまった評判は、あまり芳しくない。
あれこれ妄想を膨らませて夢を描いているだけのほうが
いい気がしてきた。
先日トラックが盗難事故に遭った
こぐま座のコンサートがYouTubeにUPされている。
彼らのレパートリー
「三匹のこぶた」「ももたろう」「ピノッキオ」などの
主題歌メドレー、
および、この劇団のスーパーアイドル、
ファンキーなラッパーゴリラ・ゴンタの
パフォーマンスが見られる。
1月18日、盗難されたトラックが帰ってきたけど、
自走が困難になってしまったため、
廃車することになったそうだ。
それで、日本全国を幾度となく旅して回った
トラックの最後の思い出として
荷台ステージでのコンサートとなったようだ。
皆さん、新しいトラックで活動再開したら、
子どもや孫を連れて観に行ってみてください。
こぐま座の人形劇は、日本の偉大な文化の一つです。
もちろん、おとながひとりでブラっと行って
童心を取り戻してもええんでないかい?
メアリー・シェリーは「フランケンシュタイン」の
作者である。
そのメアリー・シェリーを描いた映画が
2017年に公開されていたのを知って、
例によってAmazonPrimeで観た。
「メアリーの総て」という邦題は
わかりやすいけど、イケてない。
もうちょっと気の利いたタイトルは
付けられなかったのかと思う。
今や知らない人はいない人造人間フランケンシュタイン。
正確にはフランケンシュタイン博士が
死体をつなぎ合わせて作った怪物。
その原作小説を書いたのは女性で、
「シェリー夫人」とい
う人だーーということは
子どもの頃、読んだ雑誌で知っていた。
そのシェリー夫人という名前から、
僕は長年、妙齢の有閑マダムだと思っていた。
その雑誌にもイラストで40歳か50歳くらいの
金持ちそうなおばさんが描かれており、
「すごく怖い夢を見たの。この夢をもとに小説を書くわ」
といったセリフが付いていた。
さらに
「こうしてフランケンシュタインは誕生したのですーー」
といった解説がついていた。
おそらくその雑誌のライターも
シェリー夫人については何も知らなかったのだろう。
実際のシェリー夫人=メアリー・シェリーは、
もとは19世紀ロンドンの本屋の娘で、
両親がちょっと名を知られた思想家だったようだ。
そのためか、彼女にも文学的才能があり、
若い頃から怪奇小説を書きたがっていた
というベースがある。
そして彼女はフランケンシュタインの物語を書いたのは、
まだ18歳の時。
出産も経験していたものの、まだ少女と言っても
おかしくない齢だった。
執筆時、のちに夫となる詩人パーシー・シェリーとは
まだ正式に婚姻関係を結んでいなかった。
「フランケンシュタイン」をSFの元祖、
ロボット小説の元祖と見る向きもあるが、
メアリー・シェリーは科学に興味を持っていたものの、
科学的知識、理系のセンスはほとんどない。
フランケンシュタインの物語は、
あくまで当時、19世紀・大英帝国時代の
イギリス・ヨーロッパにおける思想・哲学・文学の
水脈から生まれてきたものだ。
そこには現代よりもずっと厳しい道徳性や保守思想、
それに反発する自由への希求、美への憧れ、
理想主義などが渦巻いている。
映画ではなぜ若い彼女があの物語を生んだのか、
ただのひらめだけでなく、その背景にどんな事実があり、
どんな心の動きがあったのかを丁寧に描いていて、
僕にはとても興味深かった。
ただし、「フランケンシュタイン」からイメージする
ホラー要素を期待して観るととがっかりする。
画面に怪物は一切出てこない。
しかし、怪物なるものの正体は、
ストーリーの中でとても分かりやすく描かれている。
ジャンル分けをするなら、
ヒューマンとか恋愛映画に入るのかな?
フランケンシュタインの物語は、
おそらくこの先も半永久的んな生命力を保つと思うが、
実は僕も原作は読んだことがないので、
こんどしっかり読んでみようと思う。
1983年。
アイリーン・キャラは、自分も出演してしていた
映画「フェーム」(1980年)と
この「フラッシュダンス」で。
続けざまに主題歌をヒットさせ、大スターになった。
この曲が流れてくるとともに、自転車に乗った主人公が
朝焼けの街を疾駆する「フラッシュダンス」の冒頭3分は、
これまでに観た映画の中で、最も希望に溢れた
オープニングシーンだ。
みどころは、もちろんダンスシーンなのだが、
僕はそれ以上に、ジェニファー・ビールス演じる
主人公アレックスの、昼間はガテンな溶接工、
夜はセクシーバーで金を稼ぐ、という
大都会で夢を追いながら生きる
タフなサバイバーぶりが好きだった。
夢見る少女ダンサーの物語に
こんな設定を加えて映画にすることができたのは、
やはり女性が自由にふるまえるようになり、
ライフスタイルが変わった80年代だったからではないかと思う。
今では女性も当たり前にガテンな仕事をするようになったが、
この頃の日本じゃ工場や倉庫や建築現場で
若い女の子が働くなんて、とても考えられなかった。
アメリカだって女性溶接工なんて、
まだそんなにいなかったと思う。
それでいてアレックスは可愛い女の子で、
自分の夢にまっすぐで、
ちょっとエッチなところもあって、
成功に向かってがんばって、
予定調和的なシンデレラストーリーを
実現させちゃう。
なんだかおいしところてんこ盛りで、
斬新でありながら、意外と古典的なヒロインの、
今考えるとよくできた話だった。
時代は変わっても、齢を取っても
やっぱり自然と希望が胸に溢れ出してくるような
音楽と映画に親しんでいたい。
白石和彌監督の映画を立て続けに3本観た。
「凶悪」「孤狼の血」「凪待ち」
どれもめちゃ面白い。
面白いが、人間やってるのが怖くなるような映画だ。
いちばん凄いのは「凶悪」で、
実際にあった連続殺人事件を題材に作られた。
本当にこんなひどい奴らがいたのかと思わせる、
本当にひどい内容・ひどい事件である。
「孤狼の血」も凄まじい暴力描写があるヤクザ映画だが、
役所広司・松坂桃季といったスターが主演しているのと、
昭和ヤクザの世界を舞台にしている分、
現代の日常からやや離れたものとして見えるので、
少し安心して観ていられる。
「凶悪」の怖さはやっぱりリアルなドキュメンタリーっぽいところか。
狂気のような人殺しをした連中が
時間と場所によって、ごく自然にスイッチを切り替えて
普通の人間に戻ってしまう。
まったく平和な日常生活そのままに
飯を食ったり、子どもに対しては
やさしい父親になってしまう。
頭からケツまで冷血非道な人間かと思いきや、
妙にあったかかったり、
可愛いところ・愛すべきところがあったりもする。
仕事術や勉強術を伝授するような本の中で
よく「なんでも習慣化すれば身に着く」
といったことを説いているが、
あれとまったく同じで、
人間、慣れれば人殺しも死体遺棄も普通に出来てしまう。
それで心が揺らぐこともない。
そんなのは特殊な人間だろ、と思うかもしれないが、
僕らだってきっとそうなれる。
それもわりと簡単に。
人殺しとかするやつは、
頭からケツまで冷血非道な人間かと思いきや、
妙にあったかかったり、
可愛いところ・愛すべきところがあったりもするのだ。
だから誰の心の中にも、こいつらと同じ「凶悪」がある、
じつはいい人も悪い人も、ほとんど違いなどなくて、
光の部分と闇の部分が交互に現れるだけ。
たまたま人生のどこかのタイミングで、
闇の部分がぱーっと広がると、
アッと言う間に人間丸ごとそれに支配されてしまう。
「凶悪」でおそるべき殺人首謀者だった
リリー・フランキーが、
「凪待ち」では、おそるべき“いい人”になるが、
彼がそれを証明しているかのようだ。
しかし、リリー・フランキー、
改めてすごい俳優だなと思う。
見た目軽くて、全然すごそうでないところがすごい。
さらに言うと、これらの作品の登場人物の特徴は、
およそ論理とはかけ離れた、不可解な行動をとる。
不条理とかシュールといった文学的な表現も
なんだか似合わない、もっと地を這うような感覚のもの。
ひどく奇妙でありながら、やたらとリアリティがあるのだ。
「人間はどうしてこういう行動を取るのか」
も白石映画の面白さの一つになっている。
撮影現場でのひらめきや俳優のアドリブなどが
たくさん含まれていると思うが、
それ以前の脚本の段階で、
こうした人物造型とストーリーを構築できるのが
素晴らしいと思う。
それにしても、映画の中でのたうち回る
犯罪者・ヤクザ・労働者・ギャンブル中毒者・
カネの亡者・借金地獄の人たちを見ていると、
明日、自分もこういう世界に
巻き込まれているんじゃないかと感じて
心底身震いがしてくる。
コロナで人類が滅亡すると思っている人は
ほとんどいないが、この先のことはわからない。
変異を繰り返して、
おそるべき大量殺戮ウイルスにならないとも限らない。
でも、そうしたら世界中の人々は
現在のように分断された状況ではなく、
心を一つにして「人類の敵」に立ち向かっていくだろう。
そんなことを考え出したのは、
そう言えばここ最近、
地球滅亡・人類滅亡系の映画を観ていないなぁと
ふと思ったからである。
最後に観たのは「アルマゲドン」だったか。
ということは、
21世紀になってからほとんど観ていないのか?
小説やマンガはどうか?
「寄生獣」などは人類滅亡系のカテゴリーに
入らなくはない。
「エヴァンゲリオン」は?
20世紀の旧作(旧劇場版)はそのニュアンスが強かった。
しかし、新劇場版になると、心の問題にすり替わった。
「地球滅亡・人類滅亡は、あなた自身の心の問題です」
というわけだ。
キリスト教瀬世界では「ノアの箱舟」など、
地球滅亡・人類滅亡は
大昔から語り継がれてきた一大テーマである。
そこから救世主・英雄の物語が展開した。
20世紀後半以降、それが現代科学の発展、
核兵器の開発などと結びついて、
SF分野で地球滅亡・人類滅亡の物語が
量産されるようになった。
また、僕らの世代の日本人は
「ノストラダムスの大予言」に当たってしまったので、
「地球滅亡・人類滅亡」に脳のコア部分が侵食されている。
僕はこの20年余り、さすがに食傷して、
あんまりその手の物語を楽しめなくなっていたが、
相変わらず滅亡映画は創られ続け、
どれもそこそこヒットしているようである。
観客がいなければ映画なんて作らないので、
やはり安定した需要があると考えられる。
そして、なんでそんなに需要があるのか?と考えると、
答は割と簡単で、先進国社会はおしなべて、
この先、人口が減っていくからである。
先進諸国の人口はピークアウトしている。
ピークアウトしているからこそ先進国であり、
豊かな経済・豊かな生活を実現していると言ってもいい。
ということは極論すると、
いずれは日本なら日本人がいなくなり、
人類が地球からいなくなるということだ。
もちろんそれは遠い遠い未来の話で、
僕たちや、僕たちの子どもや孫の時代に
起こることではない。
けれどもどれほど先かはわからないけど、
確実にそれはやってくる。
現代の人間と同じ新人類が地球に出てきたのが、
およそ20万年前だというから、
それくらいのスパンで人類は消滅するとも考えられる。
あるいは、もう人類とは呼べない、
ちがう生き物になっているのかもしれない。
ぼくたちの脳はもうそのことをどこかで感知している。
じつは得体の知れない不安のもとはそれである。
僕も含めてみんな、漠然とした将来への不安を抱え、
なんとか拭い去ろうと躍起になっているが、
はっきりいって無理である。
いずれ人類は滅亡する。
ぼくたちはその途上にいる。
人が地球滅亡・人類滅亡の物語を創り続けるのは、
一時的にでもその不安を払しょくし、
心の安定を取り戻すため。
いわば、一種の宗教的行為なのである。
そこには女神が、英雄が、救世主がいる。
そしてあなたの隣に愛する人が、大切な人がいる。
地球滅亡・人類滅亡の物語はそう教え、人々を導く。
安心できるためには、
やっぱり「愛」と「信じること」が必要なのだ。
と、ここでアルマゲドン愛のテーマ、
エアロスミスの「I Don't Want To Miss A Thing」が
ドラマチックに流れる。
ああ、また映画が観たくなった。
というわけで、もしコロナがおそるべき変異を遂げたら、
マスクしろ・しなくていい、
ワクチン打つべし・いや、あれは毒だ、支配層の陰謀だと
しょーもない喧嘩をすることなく、
人類は愛の心で一丸となてるのではないか?
もちろん、そんなことは望んでないけど、
たとえコロナが今のレベルでも、
かかったら重症化して死んでしまう可能性は誰にでもある。
べつに地球が滅亡しなくても、人瑠が滅亡しなくても、
あなたが死んだら、
あなたの地球も世界もそれで終わってしまう。
だから気を付けてね。
そして、死なないでね。
あなたの地球、あなたの世界を守るために。
電子書籍新刊「1日3分の地球人」
8月31日(火)15:59まで
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忙しくて目の前のことしか見えない。考えられない。
でも1日3分でいいから、空に浮かんで地球を見つめてみる。
脳だけ旅人にして世界を歩いてみる。
せっかくこの星に生まれたのなら、
自分が芥子粒のように思える広い空間と長い時間こ手足を伸ばして寝そべりたい。
そんな思いを抱いて綴った地球・世界についてのエッセイ集。
ブログ「DAIHON屋ネタ帳」より30編を厳選・リライト。
●もくじ
他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン
1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット
アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フランク
孤独担当相の誕生
ヒトラーの人間力
「GACHI」という言葉を外国人に説明すると
未来のことは子どもに学ぶ
人新世(アントロポセン)を生きる ほか
テレビのコマーシャルやBGMでよく耳にするこの曲は、
1999年に公開された北野武監督の映画「菊次郎の夏」のテーマ曲。
「遠く離れて暮らすお母さんに会いに行きたい」
「よし、おじさんが連れてってやる」
ちょっとどんくさい感じの少年マサオを、
たけし演じる寅さんみたいなヤクザ男・菊次郎が
小さな旅に連れ出す。
ただそれだけの話なのだが、
ふさけてて笑えて、
かわいくて切なくて、
少年の心と中年男の心が重なり合う。
僕の心の地図の中で最高峰に位置する映画である。
歌詞のないインストゥルメンタル曲だが、
メロディラインの中に映画で描かれる
夏、旅、海、花火、お祭り、無垢で不器用な少年、
アホでこころやさしい大人、笑い、涙。
そして昭和から平成初期にかけての近過去の日本。
そのすべてのエッセンスが盛り込まれている。
まさしく懐メロの中の懐メロだ。
YouTubeにはこの映画と音楽に関する
北野監督のインタビューが投稿されている。
Q「『菊次郎の夏』では、作曲家の久石譲との協力が
いつにもなく強調されており、
そこから尊敬と称賛の意を受け取ることができます。
あなたがた二人がどのように作品を作っていくのか、
より詳しく教えていただけますか?」
監督「いつもは編集したものを見せて、
さあ、これにつけろとぜんぶ任せてたんだけど、
今回だけは、こういったメロディラインでって、
音楽の内容にまでかなり言ったので、
こんなような音楽が出来てくるだろうなって
思って撮っていったので当たったんだろうね」
この曲はたけし監督の想いを
見事に反映した曲でもあるのだと思う。
けれども、近所のどこの馬の骨とも知らぬおっさんが
熱中症も気にすることなく、
ヤバイ場所、うさんくさい場所も含めて
子どもをあちこち連れ回すことはもうできないし、
心を重ね合わせることもできない。
菊次郎や僕たちが体験した「昭和の夏」
「日本ならではの夏」は、
時代が変わり、社会が変わり、環境が変わった今、
洗練され、加工され、
アク抜き処理をされたパッケージ商品のようになっていく。
この先もナチュラルな形で残していくのは、
もう難しいのかもしれない。
その代わりと言っていいのかどうかわからないが、
ジブリ映画などの音楽も手掛ける久石譲は、
いまや現代の日本人の心の原風景を作っているかのようだ。
「日本ならではの夏」を伝えていくためにも
懐メロ映画や懐メロ音楽を愛し続けたい。
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忙しくて目の前のことしか見えない。考えられない。
でも1日3分でいいから、空に浮かんで地球を見つめてみる。
脳だけ旅人にして世界を歩いてみる。
せっかくこの星に生まれたのなら、
自分が芥子粒のように思える広い空間と長い時間こ手足を伸ばして寝そべりたい。
そんな思いを抱いて綴った地球・世界についてのエッセイ集。
ブログ「DAIHON屋ネタ帳」より30編を厳選・リライト。
●もくじ
他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン
1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット
アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フランク
孤独担当相の誕生
ヒトラーの人間力
「GACHI」という言葉を外国人に説明すると
未来のことは子どもに学ぶ
人新世(アントロポセン)を生きる ほか
映画情報に触れて、ふと沢田研二のことを思い出し、
聴いていたら何曲目かに出てきた「ラヴ・ラヴ・ラヴ」。
リリースは1969年末。
他のグループのメンバーも夜中にスタジオに集まってきて、
レコーディングに参加した、という逸話もあるくらい、
かなり気合を入れて作られたらしい。
が、その割にはあまりヒットしなかった。
熱狂的だったブームは瞬く間に過ぎ去り、
ザ・タイガースをはじめとする
日本のGS(グループサウンズ)の時代は
もう終わろうとしていた。
僕もまだ子どもだったので、
リアルタイムでこの曲を聴いたことは、
ほとんどなかった。
テレビで観た憶えもないし、
いつ、どこで、どう耳にしたのかわからない。
けれども、このメロディはずっと脳のどこかに
こびりついていた。
そして、おそらく50年ぶりに聴いて衝撃を受けた。
明らかにビートルズの
「愛こそはずべて(All you need is LOVE)」に
インスパイアされた曲だ。
だけどこれ、ビートルズよりうんといいやんか。
めっちゃ素晴らしい曲やんか。
沢田研二は先日公開された
山田洋次監督の「キネマの神様」で、
昨年コロナで亡くなった志村けんの代役を務めている。
エロチックでデカダンで
ファンタジック。
日本人離れしたな魅惑のパフォーマンスで
1970年代の日本のポップス界をリードした沢田研二。
あの頃の若い女と男を魅了しまくった
スーパースター“ジュリー”が、
「寅さん」に代表される山田人情映画で、
人生を破綻させた老人役を演じるなんて
誰も夢にも思わなかっただろう。
けれども年齢を重ね、
いろいろな経験を重ねた彼にとっては
そんなに特別なことではなかったのかもしれない。
僕らが抱くかつてのジュリーの幻想から離れて数十年、
沢田研二はずっとコンサートを開き、
歌い続け、音楽とともに生きてきた。
この曲も自分のソロコンサートで、
そしてタイガースの復活コンサートで、
ずっと大事に歌い継いできた。
映像は復活タイガースの2013年のコンサート。
GSの中でもトップだった人気バンドは、
ただのアイドルではなかった。
ヴォーカルも演奏力も一流だった。
5人ともすっかりじいさんになってしまったが、
サポートを受けずとも素晴らしい演奏を繰りひろげていく。
ドラマ・映画の名わき役として知られる
岸部一徳(旧名・修造、愛称サリー)の唸るベース。
ハートビートを打ち続け、
クライマックスに炸裂する瞳みのる(愛称ピー)のドラム。
このカッコよさはどうだ。
そして沢田研二のヴォーカルも
若い頃からけっして衰えていない。
むしろ齢を取って深みを増しているように感じる。
本当に時はあまりにも早く過ぎてゆく。
喜びも悲しみもすべてつかの間だ。
「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の歌詞は、
いま歌ってこそ、いま聴いてこそ、
深く心に染みる。
ラヴ・ラヴ・ラヴ 愛こそすべて
映画観に行くよ。
まだまだ終わらない。
がんばれジュリー!
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魚のいない水族館 http://www.amazon.co.jp/dp/B08473JL9F
失業し街をさまよっていた主人公が出逢った古い水族館には一匹も魚がいなかった。ところが彼がそれをブログに書くと、水族館は大人気を呼び、彼はそこに就職する。就活中のあなたと終活中のあなたに読んでほしい癒しファンタジー。
茶トラのネコマタと金の林檎 http://www.amazon.com/dp/B084HJW6PG
私立探偵の健太が受けた仕事は難題だった.依頼人のネコマタマダムとともに黄金の林檎の発掘作業に明け暮れる日々。その中で見つけたものは? 人生で大切なものは何か、探しているあなたに贈るコミカルな探偵物語。
ざしきわらしに勇気の歌を http://www.amazon.com/dp/B08K9BRPY6
認知症になった寅平じいさんの人生最後のミッション。それは最強の妖怪「むりかべ」に立ち向かうざしきわらしのきょうだいを得意の歌で応援することだった。笑ってちょっと不思議な気持ちになる、妖怪幻想譚。
俳優・田村正和さんの訃報が報じられた。
特に熱心なファンではないが、
1990年代に作られた
彼が主演した二つのドラマは好きだった。
一つはフジテレビの「古畑任三郎」。
たぶん今でもファンの多い、
「刑事コロンボ」をオマージュとした推理ドラマ。
60分1話完結、
古畑が対決する犯人役を
当時の人気俳優らが演じて話題を呼んだ。
脚本家・三谷幸喜の名を
世間に知らしめた作品でもある。
田村正和はそれまでの2枚目俳優とは
ひと味違う、コミカルさを併せ持った
絶妙の味付けで、主役の古畑を演じて
ファンを増やした。
「美しい人」は1999年の最後に放送された
TBSの恋愛ドラマ。
田村正和演じる凄腕の整形外科医が、
DV夫から逃げてきて「顔を変えてほしい」
と言う女(常盤貴子)の頼みを聞く。
そして、彼女の顔を自分の
愛する亡き妻の顔にしてしまう。
しかし、彼女のDV夫は刑事(大沢たかお)で、
その正体を見破り、執拗に追跡を続け、対決を迫る。
最終回はこのすごい設定を上回る
衝撃的なラストで、
今も胸に食い込んで離れない。
脚本が野島伸司。
当時、彼の作品はエッジが立ちまくり、
それでいて高視聴率を稼ぎ出すという
離れ技をやってのけていた。
昨日。昼飯時に「徹子の部屋」を見ていたら
追悼特集で田村さんのインタビューを流していた。
1993年と2011年の2回出演したという。
その間18年。
確かに二人とも齢を取っているのはわかるが、
それだけ時間が経っていることが
なんだかとても不思議に感じられた。
昭和後半から平成前半にかけて活躍した人たちが
次々とこの世を去る一方、
テレビでもネットでもどんどんアーカイブ映像が増える。
そうすると、そのうち誰がまだ生きていて、
誰がもう亡くなってしまったのか、
だんだんわからなくなってきそうだ。
人々の脳の中で時が止まる。
メディアに出ていた人たちは、
アーカイブの中で永遠に生き続ける。
そして現実と虚構の境界線も薄れてくる。
ふと、「美しい人」で
田村正和が演じた彼と、
常盤貴子が演じた彼女は、
今どうしているのだろうかと考えた。
年老いても元気に仲良く一緒に、
しあわせに暮らしているのだろうか、と・・・。
田村正和さんのご冥福をお祈りします。
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まじめでおもろい還暦エッセイ
昭和エッセイ集
昭和96年の思い出ピクニック
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「エヴァンゲリオン」がここまで人の心に食い込んだのは、
作品の内容はもちろんだが、テーマ曲の存在も大きい。
「残酷な天使のテーゼ」の歌詞は、
とてつもなく美しくドラマチックだ。
作詞の及川眠子がこの曲を書く際に与えられたオーダーは
「哲学的であること」「難解であること」。
それに対し、萩尾望都の漫画「残酷な神が支配する」を
元ネタにして2時間で書き上げたという。
そうして生まれたこの曲はエヴァ人気とあいまって
前世紀から常に人気カラオケ曲のトップ10に入る名曲となった。
アニメを観たことない人でも、
この歌は知っているという人は多いのではないか。
カヴァーもやたらと多い。
外国語バージョンも英語はもとより、10か国はくだらない。
それでもやはり高橋洋子のオリジナル版がいい。
このビデオは歌に合わせて、
テレビ版と旧劇場版、
つまり20世紀の旧シリーズのストーリーを
曲の尺4分に編集している。
新シリーズの完結編である「シン・エヴァ」を観た後だと、
絵もちょっと懐メロっぽい。
でも、そこがまたいい。
そして曲名どおり、
旧シリーズは本当に残酷だったなぁと感じる。
そう感じるのは、苛烈で凄惨なシーンが多いせいもあるが、
一番の要因は、女性の登場人物の運命があまりに過酷だからだ。
かつて映画の世界では、
劇中であっても女と子どもは殺してはならないという
不文律があった。
半世紀以上前の話で「女は守られるべき存在」という
一種の差別の表れでもあるのだけど。
しかし、自分が男のせいか、たとえ虚構の中とはいえ、
女が死んだり殺されたりするところを見るのは、
心が切り裂かれるような痛みを感じる。
旧シリーズでは、レイもアスカもミサトもリツコも、
主要な女キャラがみんな死んでしまった。
それもかなり無残で惨い死に方だった。
物語自体も最終的に狂気の世界に突っ込んでいき、
通常のロボットアニメ、
ヒロイックファンタジーとはかけ離れた、
前衛的なアート作品のようなエンディングになった。
そして、エヴァ人気が一種の社会現象としても扱われた。
1990年代の世紀末観、オカルトじみた事件の数々、
従来の社会常識の液状化、
人間の心の暗黒面の発見といったことも
影響してたのだろう、
それに比べて、新シリーズが
とても優しく温もりのある終焉に感じられたのは、
彼女らの命が無残に潰えることなく、救われたからだと思う。
ただ一人の死も崇高な「英雄死」だった。
庵野監督が新シリーズを旧シリーズほど
残酷な物語にしなかったのは、
齢を取って丸くなったせいもあるが、
女を殺し過ぎたことに対する
罪ほろぼしの意識があったからだろうと推測する。
男の心には必ずそういう贖罪の季節が訪れる。
この曲とこのアニメは、ある世代、
具体的には1995年から97年の
テレビアニメ放映~旧劇場版上映の時期に
ティーンエージャーだった人たち(現在の40代)にとって、
一つの原風景になった。
巨大なトラウマであり、一生消えない感動と傷跡。
幸か不幸か、僕は大人になってから出逢ったので、
適度な距離を置いて見ることができたけど、
耽溺した人を少し羨ましく思う時もある。
エヴァの素晴らしいところは、
自分の想像力でストーリーを補完し、
ひとりひとりの心の中に
「マイ・エヴァンゲリオン」をつくれるところにある。
エヴァンゲリオン補完計画発動。
四半世紀にわたった新旧シリーズが完結し、
「残酷な天使のテーゼ」が懐メロになった今、
世界中で無数の新たなマイ・エヴァが起動する。
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ポップミュージックをこよなく愛した
僕らの時代の妄想力
5月3日(月)17:00~6日(木)16:59
昭和96年の思い出ピクニック
幸運の女神」と題された1995年リリースの歌。
明るさと切なさの入り混じった印象的なメロディーを
リズミカルに、独特のハスキーヴォイスで歌っていく
ロッド・スチュワートの佳作だ。
この曲はフジテレビで放送されていた
「沙粧妙子 最後の事件」の
エンディングテーマだった。
主演の浅野温子、佐野史郎、升毅をはじめ、
当時のスター級俳優やアイドルたちが顔をそろえた
とんでもなくヘヴィで陰惨でオカルト風味満載の
心理サスペンスドラマ。
ベストセラーになり、プロファイリングという言葉を広めた
ノンフィクション「FBI心理捜査官」や
サイコスリラーの原点となった
映画「羊たちの沈黙」の影響は明らかで、
毎回おそるべき異常でミステリアスな殺人事件が起きていた。
夜9時というゴールデンタイムに公共の電波で
よくあんなとんでもない話をやっていたものだ。
思うにあの1990年代、
多くの人が、人の心の奥に計り知れない闇があることを発見し、
そこに鬼とか悪魔が生息することを認識し、
それを覗き見ることに興奮と快感を覚えてしまったのだろう。
僕はその一人である。
あの頃、異常だの狂気だのと騒がれたような事件や事象は、
いまや日常茶飯事的に起こっている。
人間と社会の、一つの進化だったのかも知れないと思う。
いずれにしても「沙粧妙子 最後の事件」は
めちゃくちゃ面白かった。
毎回、次はどうなるんだろうと盛り上がったところで
この歌が入ってきてエンディングとなる。
ドラマの濃厚な後味をクリーンにしてくれる
スチュワートの、軽くカマしているような、心地よい歌声。
何度聴いてもナイスだ。
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ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。
もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか
●アクセス
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または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。
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現在、毎週月湯深夜にNHK-BSプレミアムで
「ウルトラQ」を放送している。
「ウルトラQ」は1966(昭和40)年にTBS系で放送された
円谷プロ制作の特撮ドラマで、
ウルトラシリーズの元祖となる作品だ。
日曜夜7時からの番組で、当時のファミリーが視聴対象。
怪獣が出てくるのでもちろん子供も大喜びだが、
中身は完全におとな向けのSF、ミステリー、ファンタジー。
僕は当時6歳で、
ものすごく怖くてとても一人では見られなかった。
同じように昭和の子供たちは、
毎週「ウルトラQ」によって
恐怖のどん底に落とされていただろう。
いま振り返ると、そこには子どもが
家族といっしょに怖いものを楽しめる
安心感・幸福感があった。
そういう意味でファミリー向けだったのだ。
ほとんどが大人っぽい内容だが、
3本だけ子どもが主人公のファンタジー物語があった。
それが「育てよカメ」「鳥を見た」「カネゴンの繭」である。
この3本のオープニング(エンディング)は、
あのこわーいテーマ曲でなく、
わんぱくマーチみたいな曲が使われていた。
「育てよカメ」は少年が飼っていた亀が突然巨大化して、
そいつに雲の上にある竜宮城みたいなところに
連れて行ってもらうというおとぎ話。
確かゆめ落ちだったのではないかと思う。
雲上の竜宮城にはブランコしかなくて、
乙姫様らしき女の子がやたらおきゃんで、小悪魔っぽかった。
「鳥を見た」も、少年が飼っていた小鳥が巨大化する物語。
こちらはコミカルではなく、芸術的な短編映画のようで、
「鳥を見た」というセリフがキーワードとして使われていた。
古代の怪鳥に変貌した友だちの鳥が
夕空の彼方へ去って行くのを見送る少年。
その後姿をバックにエンドロールが流れる。
話の内容は憶えてないが、
そんな詩情あふれる美しいラストシーンを見たのは
生まれて初めてだった。
「カネゴンの繭」はおなじみ人気怪獣カネゴンが
出てくる回である。
カネゴンはおカネ大好きなカネオ君という少年がある日、
不思議な繭に取り込まれ、
出てきたらカネゴンになっていたという話で、
言ってみればカフカの「変身」のパクリである。
そのカネゴンを人間に戻すために
友だちがあの手この手で知恵を絞ってがんばる。
表現はシュールでコミカルで現代批評だが、
基本構造は友情物語なのだ。
わが散歩道・善福寺川周辺にはカメも鳥もカネゴンもいる。
カメは基本的にこの先にある和田堀公園の池にお住まいだが、
ときどき川を上って出張してくる。
鳥はいっぱいいる。
春から夏にかけてはカワウやアオサギまでやってくる。
こいつらはなかなかの迫力で、
面構えはまさしく怪鳥だ。
そして今やこのあたりの名物となったオオタカも子育て中だ。
本当に時々だが、木の陰に白い体がちらっと見える。
そしてカネゴンがぞろぞろ歩いている。
僕を含めて「オオタカを見た」「カワウを見た」
「アオサギを見た」と騒いでいる。
人間の皮を被っているけど実はカネゴン。
カネゴンはいつもおカネを食べてないと生きていけない。
胸につけてるカウンターがゼロになったら死ぬ。
僕らも預金残高がゼロになったら・・・
いや、死なないで笑って生きよう。
カネはないけど心配するな、と。
庵野監督、ウルトラマンと仮面ライダーが終わったら、
今度は「シン・ウルトラQ]をお願いします。
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★子ども時間の深呼吸:子どもエッセイ集
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★神ってるナマケモノ:動物エッセイ集
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先日、「中学生におすすめの映画」を30本ほど挙げてみた。
その中の1本に「E.T.」を入れたが、
一昨年、37年ぶりに続編が出ていたのを知ってびっくり。
ただし、これはインターネット会社の
コマーシャルとして作られらたショートムービー。
タイトルは「A Holiday Reunion」。
4分ちょっとで観られるので、
興味のある人は見てみてね。
なんと、あの時の主人公・エリオット少年を演じた俳優、
ヘンリー・トーマスが出演している。
もちろん彼は無事に大人になっていて、この時点で48歳。
作品の中ではパパとなっている。
「E.T.」の公開は1982年。
世界中で大ヒットした
スティーブン・スピルバーグ監督の作品である。
思えば80年代はハリウッド映画の黄金期で、
「スターウォーズ」「エイリアン」「ターミネーター」などの
SFアクションをはじめ、現代に繋がるエンタメ大作が
続々と作られ、ガンガンヒットを飛ばしていた。
その後、シリーズ化された作品も多く、
「E.T.」も人気に乗じて続編が作られても
おかしくないはずだった。
実際、そういう企画は上がっていたと思う。
けれどもスピルバーグ監督がやろうとしなかったのだろう。
僕もこれは彼の最高傑作だと思っている。
だからこそ、このショートムービーを観て思ってしまった。
スピルバーグ監督、失礼だけど、
きっとあなたの時間は残り少ない。
あなた自身の手でやったらどうですか、100分の続編を。
こんな世界が分断される時代だからこそ、
1982年とはまったく違った、
けれども人々が納得し共感できる「続E.T.」を。
あなたの手で作る価値があるのではないか?
そう僕は待望している。
フェイスブックで「中学生におすすめの映画を教えて下さい」
とあったので、いろいろ好きなのを書き出してみたら、
残念ながら半分くらいはR15だった。
でも、リュック・ベッソン監督の映画「ニキータ」「レオン」はR15だろうと思ってたらセーフ。
逆に同じベッソン監督でも「グランブルー」はNG。
バイオレンスよりエロスに厳しい。
グランブルーはきれいな濡れ場だったという印象があるけど、
とにかくやってるところや丸ハダカが出てきちゃダメってことだ。
サイコホラーの元祖みたいな「羊たちの沈黙」なんて
子供が見たら人間が怖くなりそうな映画だけどOKなんだね。
というわけで、中学生だからと言って教育上好ましい映画、
感動しますよ映画ばかり見せてちゃいけない。
怖い世界、醜い世界、残酷な世界、変な世界にも
なるべく若いうちから触れておいたほうがいいということで
オススメを出してみました。
●トミー:70年代ロックオペラ。幼少期のトラウマを克服していく青年の物語。当時のロックスターが集結する絢爛豪華な世界。
●ジーザス・クライスト・スーパースター:70年代ミュージカルの金字塔。舞台っぽい、メイキングオブ丸出しのつくりも面白い。
●レ・ミゼラブル:原作も名作。ミュージカルとしても、音楽としても名作。舞台を完全映画化。
●オペラ座の怪人:同上。舞台を見られない少年少女たちにぜひ映画で体験してほしい世界。
●ブレードランナー:これからの社会でAI、ロボットと共生する人間が見ておくべきSFを超えたリアル。
●マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ:詩情あふれる少年の成長物語。スウェーデン映画。
●ビッグ:大人になりたい子どもが一夜にして夢をかなえて活躍するファンタジックコメディ。若きトム・ハンクスの名演。
●はじまりへの旅:現代文明の中で生きる人たちの内なる希望を発見させる寓意と哲学性あるコ三カルなロードムービー。
●帰って来たヒトラー:独裁者であり大悪党とされているヒトラーだが、彼を産んだのは何だったのか?という話。現代批評を交えた物語でありながら、かなりのエンタメ。
●わたしを離さないで:原作もドラマも映画も傑作。これまた未来の社会を生きる人間が見ておくべきSFを超えたリアル。
●田園に死す:70年代アングラ演劇の帝王にして詩人・思想家の寺山修司の前衛幻想劇。中学生になったら、これくらい異様な世界に迷い込む体験をしておいた方がいい。
●その日の前に:人生を考える終活映画。宮沢賢治の詩を基調とした大林亘彦監督ならではのファンタジーワールド。
●鉄道員(ぽっぽや):詩情あふれる鉄道員のヒューマンドラマ。消えゆく日本の心を一度は堪能してほしい。高倉健さんも志村けんさんも今はもういない。
●花とアリス:かわいい女の子の恋愛話。確か原作は少女漫画。アニメ化もされた。
●万引き家族:是枝監督のおもしろ悲しい傑作。犯罪と裁判の舞台裏を描く「三度目の殺人」もおすすめ。
●実録連合赤軍・あさま山荘への道程:中学生のいじめと変わらなかった、堕した学生運動の理想と末路。日本の黒い歴史の一つとして見てほしい。フィクションなのにドキュメンタリーのよう。
●この世界の片隅で:今や戦争のことは映画で知るしかないかも知れない。これはアニメだし、入門編として最適&素晴らしい高質のドラマ。
●シザーハンズ:ジョニー・ディップの出世作。モンスターのメルヘンストーリーと映像美。
●あの頃ペニーレインと:70年代ロックをテーマに、グルーピーの女の子に恋してしまう少年の青春物語。
●街の灯:一度は見ておくべきチャップリンの名作クラシック。
●おくりびと:中学生も死を見つめる時間を持つと良い。その入門編としても面白い。
●深呼吸の必要:沖縄を舞台にした青春もので、とても癒され、さわやかになる。
●トゥルーマンショー:バーチャルワールドを生きる現代人必見の“恐怖”コメディ。ジム・キャリーの代表作。
●レインマン:自閉症の兄を助ける弟の物語。ヒューマンドラマ。ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの共演。
●太陽がいっぱい:アラン・ドロン主演。いまだ最高のサスペンスドラマに思える。フランス映画の金字塔。
●ET:宇宙人の子どもを助ける少年たちの話。思い出しただけで胸躍り、脳が宇宙に舞い上がるスピルバーグの最高作。
●ALWAYS三丁目の夕日:高度成長期は現代と地続きであり、歴史の1頁でもある。おとなのノスタルジーだけにしないで中学生にも見てほしい。
●ラジオの時間:稀代の喜劇作家・三谷幸喜のエッセンスが詰まっている。「12人のやさしい日本人」もおすすめ。
●ニキータ:泣き虫の殺し屋の大活劇。女の子が無中になる。
●レオン:やさしい殺し屋の悲劇。男の子が夢中になる。ジャン・レノが最高。
●羊たちの沈黙:「人間とはなんと恐ろしい生き物だ」と思わせる史上最恐のサスペンスにして、サイコホラーの原点。現代の異常心理を描くサイコドラマはここから始まった。
スターウォーズ、ターミネーター、エイリアン、ハリーポッター、ロード・オブ・ザ・リングなどのシリーズものは敢えて外して単独で観られるものだけにした。
こうやって書き出してみると、中学生におすすめすると同時に、自分がもう一度観たい映画ばかりだ。
死ぬまでに観られるか?
僕の脳内ジュークボックスの中で
すっかり廃盤になっていたショッキング・ブルー。
今年になってからたまたまYouTubeさんにご紹介いただいて
半世紀ぶりに聴いてみたら、まさしくショッキング。
すっかりイカれてしまった。
なんじゃ、この新鮮さ、このカッコよさは!
なにせまだ小学生だったので、
ラジオでなのか、テレビでなのか、
街中のどこかのお店でなのか、
どこで耳にしたのか、さっぱり憶えていない。
1969年「ヴィーナス」、1970年「悲しき鉄道員」と
大ヒットを連発したので、
けっこうよく聴いていたはずではある。
けれども中学生になってロック好きになってからは
「昔流行ったポップスグループ」として、
すでに過去の存在になっていた。
なんかその頃も耳にしたことがあったかも知れないけど、
古臭くて全然興味がわかなかった。
しかし、50年の歳月がそんなイメージをひっくり返した。
オランダのバンドで、
ヴォーカルのマリスカ・ヴェレスは
ジプシーの血をひく60年代型エキゾチック美人。
ーーということも初めて知った。
こんなちゃんとしたプロモビデオが残っているのも驚きだ。
世界的な大ヒットになったのは「ヴィーナス」の方だが、
僕はちょっとメランコリックなメロディーラインと
「No No No」という印象的なフレーズがリフレインされる
この曲の方がお気に入りだ。
「悲しき鉄道員」という邦題も
文学感、レトロ感が漂ってかえって新鮮で魅力的。
運転士なのか、機関士なのか、車掌なのか、駅員なのか、
はたまた開発者なのかーー
世界各地で特急列車が次々と開通し、
鉄道という産業・交通機関が花形だった時代には
「鉄道員」が一つの職業世界を表していた。
そういえば浅田次郎の小説を、
高倉健さん主演で映画化した「鉄道員(ぽっぽや)」
という20世紀の鎮魂歌のような名作もあった。
この歌のように、女よりも新列車の開発に夢中だった
レイルロードマンも大勢いたに違いない。
いまや絶滅寸前の「男のロマン」という言葉が通用した
最後の時代の名曲ともいえそうだ。
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ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力
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ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。
もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
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卒業式とは言え、僕は落第生である。
1回だけだとよくわからん。
で、さらに昨日、庵野監督のドキュメンタリー
(NHK「プロフェッショナル」)を観たので、
もう一度、映画を観に行った。
劇場に入って「おおっ!」
先週とポスターが替わっている。
先週(ちょうど1週間前の3/16)、砂浜にいたのは
パイロット5人だけだったが、
今日はゲンドウやミサトをはじめ、
他に9人の主要キャラが加わり大集合。
そうか、このポスターは芝居のカーテンコールだったのだ。
さらに真っ白だった海が、美しいブルーの、
リアルな海に変わっている。
架空世界から現実世界への回帰を
表しているのかもしれない。
ファンはたまらず泣くだろう。
おそらく最初から取り換えるプランだったと思うが、
こういうところも客のハートを撃ち抜く。
これだけでも2回来て得したような気分になる。
いい意味で商売上手。
2回目は流れがわかっているので、ある程度、
冷静に見られて、さらに面白かった。
もしや3枚目があるのだろうか?
YouTubeではネタバレ大会で、い
ろんな人が自説を並べまくってて賑やかだ。
勉強させてもらって、
もう1回、ロードショーが終わるころ、
観に来るかもしれない。
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どうして僕はロボットじゃないんだろう? ¥274
社会のニーズに応え、生活に入り込み、世界を変革していくAI・ロボット。はたしてやつらは人間の敵か味方か? 上司か部下か? ライバルか友だちか? ただの機械に過ぎないのか、それとも人類の子どもなのか?
2016年夏から2020年夏まで、AI・ロボット・インターネット・DXにまつわる考察の面白まじめエッセイ集。ブログから33編を厳選・リライト。
●もくじ
・介護士・看護師は人間か、ロボットか?
・インターネットがつくるフォークロア
・こちとら機械だのロボットだのじゃねえ。人間でぃ!
・聖書から始まった「人間VS機械」
・子どもはどうしてロボットが好きなのか?
・きみはロボットじゃないよ
・ロボットみたいな人間、人間みたいなロボット ほか
●アクセス
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春の喜びは生きる喜びと結びついている。
花を見ながら、人間も地球の一部であることを
自覚させられるからかも知れない。
近年、テクノロジーの進化とともに、
農業に関心が寄せられていること、
若い人の就農が増えていることも、
これと関係しているのではないかという気がする。
昨年来のコロナ禍でめっきり減ってしまっているが、
農業関係の取材の仕事が
そろそろ復活するかも知れない。
今週はシン・エヴァにすっかり頭をやられてしまった。
ちょっとだけネタバレになるが、
あの世界観の中で、農業が出てくるのには
かなりびっくりした。
いきなり「この世界の片隅に」へ
ワープしたような感じだった。
でもそれは僕らの心象風景。
廃墟となった街も、希望の村も。
そしてネコも出てくる。
エヴァでネコに逢うとは思わなかった。
いい味出してるネコたちに思わず涙。
生まれて生きて繁殖して死んでいく僕ら。
そのすべてが喜びであり悲しみ。
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21世紀からそう遠くない未来社会。
人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っている。12歳の少年の姿をしたレンタルロボットはダンサーとなって喝采を浴びるが、やがて戦場に送り出される。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。
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お天気も良く、ポカポカ陽気になったので、
自転車で五日市街道をひた走り、
吉祥寺の映画館まで行って、
シン・エヴァ、観て来た。
2時間半。
ネットでチケット取ったとき、
1時間半の間違いじゃないかと思ったが、
観て納得。
息子がショートメッセ0ージで書いてきた通り、
まさしくみんなの卒業式。
過去3作はもちろん、
テレビ版も旧劇場版もすべてひっくるめて、
主要登場人物ひとりひとりにすべて意味と決着をつけて、
25年にわたるエヴァンゲリオンの戦いが終わった。
すごい。
ドラマと映像の構成・密度がすごすぎる。
そして、やっぱりよくわからない。
セリフの一つ一つ、
ビジュアルの一つ一つが
すべて暗喩やストーリーの伏線になっている。
やっぱり脚本とイメージ表現がすごいんです。
最近よく聞く「神ナントカ」という言い方は
好きではないが、これは確かに神業。
神ついでに言ってしまうと、
僕たちひとりひとりの胸に愛すべき神がいて、
日常の生活、風景の中に神話が溶け込んでいる。
――ということがエヴァンゲリオンという物語だったのだ。
と思う。
庵野監督もエヴァファンも卒業おめでとう。
でも、僕は落第生で、やっぱりよくわからないので
1回観ただけでは卒業できそうにない。
少し間をおいてまた観に来ることになると思う。
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「シン・エヴァ、庵野監督とエヴァファンの卒業式だった」
昨夜、息子から来たショートメッセージに心動かされた。
いいセリフじゃないか。
僕は碇ゲンドウと違って息子に甘いので、
わが子ながら「よく言った」と褒めてしまう。
「卒業」という日本語は美しい。
納得のいく終わりも迎えられた時に
本当の意味での卒業という言葉を使うことができる。
そして未来に行くことができる。
僕にはもう人生の卒業式しか残されていないが、
コロナで死んでも、地震でも死んでも、
いつでも「卒業」を迎えられるように生きたいと思う。
皆さんも「卒業」という言葉を大事にしてください。
そして、絶対に僕にシン・エヴァの情報を流さないでください。
AmzonPrimeで過去作のおさらいをしたら観に行きます。
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先週、AmazonPrimeでドラマ「わたしを離さないで」を
一気観したことを書いた。
そのドラマの感触が何かによく似ているなぁ、
何なんだろうと思っていたが、
それが村上春樹の小説「ノルウェイの森」だと気づいた。
じつは3年ほど前に村上春樹の初期作品を立て続けに
再読したことがある。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読み終え、
しばらくしてから「ノルウェイの森」も読んだ。
二つのストーリーは共通したところはないのだが、
全体を貫くトーンと言うか、悲しみの色合いみたいなものが
よく似ていると感じるのだ。
「ノルウェイの森」は1987年の発売当時、
大ベストセラーになったので、読んだ人も多いだろう。
そして多分、嫌いになった人も多いだろう。
村上春樹を嫌いな人は
たいてい「ノルウェイの森」の悪口を言う。
僕が最初に呼んだのは20代後半の頃だったが、
それまでの現実世界から少しズレた、
クールで、幻想的な味わいのある作品が好きだったので、
何とも言えない違和感を覚えた。
そして、あのグダグダした感傷的で鬱病的な恋愛の世界と、
濡れ場の描写の妙なリアル感がかなり気持ち悪くもあった。
当時、女性の友人らともあの小説について話したが、
一体何を話していたのか、さっぱり思い出せない。
たぶん僕も彼女らも、誰もまともなことは言えなかったのだろう。
売れてるし、恋愛がテーマだから読んどくか、
みたいなノリだったのだろうと思う。
僕もその頃は恋愛は本の中ではなく、現実の世界にあった。
しかし、それから30年経って再読した「ノルウェイの森」は
全然違う世界だった。
けっしてすごい傑作だとは思わない。
やっぱりグダグダしてて感傷的で鬱病的なのだが、
それがひどくリアルに自然に感じられ、
抵抗なく受け入れることができた。
そして舞台となっている1970年の空気も
ひどく肌になじんだ。
タイムマシン効果というやつだろうか?
大事なものを失うこと、
何か得体の知れない巨大なものに奪われること、
抗いようもなく損なわれること、
それでも癒し癒されながら生きようとすること―ー
そうしたものが描かれている気がする。
そう考えてみると、「わたしを離さないで」も
こういった要素を含んだドラマだった。
こんな劇的な悲恋を体験したことなどないし、
そもそも僕にとって恋愛は遠い世界になった。
もうあんな面倒くさいことにわが身を投じる
気力も体力もない。
ただ、恋愛について考えることはできる。
半分は性的衝動だが、あとの半分は何なのだろう?と。
10代の子どものように恋に恋しているのかもしれない。
今年はどこかで時間を作って
「ノルウェイの森」をもう一度読んでみようと思う。
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僕にとってクイーンの最高傑作アルバムは間違いなく
1973年リリースの「クイーンⅡ」である。
「マーチ・オブ・ザ・ブラッククイーン」は
その劇的な構成美のクライマックスを飾る
クイーン・オブ・クイーンズとでも呼びたくなる曲だ。
デビューアルバムは大半が前身のバンド・
スマイル時代にやっていた曲か、
それを焼き直したものだったので、
「Ⅱ」が本格的なクイーンのスタート、
そして、フレディ・マーキュリーの才能が
爆発した作品でもある。
このアルバムは光と闇の世界の対比を描いた
コンセプトアルバムになっており、
アナログ盤ではA面がホワイトサイド、
B面がブラックサイドになっている。
英国のダークファンタジーに素材を取ったブラックサイドでは、
悪鬼や妖精が跳梁跋扈する曲がメドレーでつながっている。
4曲目に登場する「マーチ・オブ・ザ・ブラッククイーン」は
その世界観を集約した最高の聞かせどころだ。
スリリングな曲展開とドラマチックな構成は、
当初、ツェッペリンのパクリだの、
イエスの物まねなどと、
イギリスの音楽評論家にけなされていたが、
日本のファン(評論家ではない)は、
この頃からすでにクイーンの音楽を高く評価していた。
おそらく今でも日本では、世界的なバンドになった後期よりも
この時代の“ブリティッシュ・クイーン”のほうが
人気が高いのでがないかと思う。
2018年の映画「ボヘミアン・ラプソディ」では開始早々、
フレディ・マーキュリーが
ブライアン・メイとロジャー・テイラーのバンド
「スマイル」に出逢い、
脱退したヴォーカリストに替わってメンバーになる。
その後、バンド名を「クイーン」にして
ライブハウスに登場するのだが、
そこで「炎のロックンロール」を勝手に歌詞を替えて
歌ってしまうシーンが最高に面白かった。
そのシーン、その歌詞は、映画のテーマでもある
彼の生き方・不安定なアイデンティティの問題にも
関わっている。
映画自体は人間の掘り下げが非常に甘く、
むかし音楽雑誌で読んだクイーンのエピソードを
つぎはぎしただけのストーリーで
まったくの期待外れだった。
ただ、マーキュリーが抱えていた問題は伝わった。
イギリスという国でマイノリティとして生きる
自分とはいったい何者なのか?
このブラッククイーンにはマーキュリー自身が投影されている。
彼は自分が何者なのかを知るために、
英国の闇の女王・ブラッククイーンとなって
自分の心の中にある闇の部分を
洗いざらい表出しようとしたのだ。
楽曲の美しさ・カッコよさもさることながら、
そうした視点から聴いても面白いのではないかと思う。
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昨日はAmazon Primeで5年前にTBSで放送されたドラマ
「わたしを離さないで」にはまり、
午後から深夜までかけて10話イッキ観してしまった。
原作はノーベル賞作家・カズオ・イシグロの同名小説。
ドラマは原作の文学性をきちんと踏まえつつ、
後半は独自のドラマチックな展開も作っていて
ものすごく高質なドラマに仕上がっている。
3人の男女の過酷な運命の果て、
綾瀬はるか演じる主人公が海から戻ってくる
ラストシーンは、最近観た映画やドラマの中でも
最も美しいラストだった。
水川あさみがタイトルの言葉を叫ぶシーンも
脳裏に貼りついたまま、引き剥がせない。
ストーリーの骨格となる
臓器移植とかクローン人間という題材は
平和な日常生活からはかけ離れたもの。
自分も含めて当事者にならなければ目を瞑りたいものだが、
この物語の本当のテーマは、そことは違ったところにある。
人間は自分の運命とどう向き合い、
どう生きていけばいいのか。
社会に自分の何かを提供し、貢献することと
自分の幸福を追求することとを
どう両立させればいいのか。
そのうえで愛や友情やどう育て、
人間同士の絆を作っていけばいいのか。
そうしたことを問いかけ、心の深部に響いてきて、
見終わった後もなかなか日常に戻れなくなるくらいの
インパクトがあった。
ただ、明るく描きようがない題材なだけに、
(美しいけれども)暗く重いトーンが敬遠されたのか、
放送当時の視聴率は相当ひどかったようである。
確かに仕事や家事や子育てで疲れて
1日終えた心身で観るには
ちょっとヘヴィすぎるのかもしれない。
けれども今はAmazon Primなどの
動画配信が充実しており、
ほぼ無料に近い低料金で楽しめる。
その意味ではとても恵まれた時代になっている。
視聴率だけがすべてではない。
放送当時の人気は芳しくなくても、
面白い作品、優れた内容の作品、
そしてそのとき限りでなく、
この先も永い生命力を持ち得るであろう作品を
自分が好きな時間・好きな場所で
くり返し何度でも楽しむことができるのは嬉しい限り。
これからは作り手も視聴率ありきでなく、
そうした意識を持って制作するべきだろう。
「わたしを離さないで」は
脚本・演出・俳優、どれも高いレベルにあって
原作への愛とリスペクト、
ドラマ作りに対するチャレンジ精神と誇りと良心を感じさせる。
ぜひ再評価されてほしいと願っている。
それにしても主演のひとり、三浦春馬は、
生命の価値を問いかける、
こんな素晴らしい作品で好演しながら、
どうしてあの若さで自殺などしてしまったのか。
今さらながら、とてもとても残念でならない。
「昭和96年の思い出ピクニック」
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アイドル、マンガ、オカルト、オリンピック、新聞配達、家族、そして戦争――昭和には愛すべきもの、憎むべきもののすべてがあった。
2021年=令和3年=昭和96年になった今でも、僕たちは昭和の物語から離れられない。
海を埋めたて、山を切り開き、明日へ向かって進んだ果てに見つけたものは何だったのか?
みんなが愛して憎んで生きた時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から30篇を厳選・リライト。
もくじ
・西城秀樹さんのお葬式:青春の同窓会
・ちびまる子ちゃんとサザエさんはいつまで続くのか?
・昭和オカルト大百科
・新聞少年絶滅?物語
・死者との対話:父の昭和物語
・社会全体の児童虐待と「晴れた空」
・東京ブラックホールⅡ:「老いた東京」は美しいか?
・さらばショーケン:カッコ悪いカッコよさを体現した1970年代のヒーロー
・さらば平成――みんなが昭和に帰りたがった30年
・永遠の昭和 明日のための1960年代・70年代 ほか
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この映画では母の遺言を守り、
命を懸けて無限列車の乗客を守る煉獄杏寿郎の姿に
多くの女性が涙し、杏樹郎人気が爆発したようだが、
僕はその前の、自分の夢と戦う炭治郎のシーンが面白かった。
そこには大正時代から現代までの約100年間の
日本人の家族に対する考え方・マインドの変化が
表現されているように読み取れる。
僕の親は昭和ひとケタ生まれだが、
この世代の人たちは「今の人は自分勝手」としばしば口にする。
貧しい時代に生まれ育ち、戦争まで経験した彼らは
「和をもって尊し」という教えが身体に染み込んだ世代である。
僕たちのライフスタイル・ふるまい方・考え方を見ていると、
どうしてもそういう思いが口から漏れ出てしまうのだろう。
こうした旧・日本人の成り立ち方は、
おそらく明治や大正の人も同じだろう。
とにかく貧しかったので、
家族が身を寄せ合い、いろいろ我慢を重ねて
協力し合って生きなくてはならない。
そうした生き方が大多数だったのだ。
国はそこを利用して、日本人は天皇を中心とした家族である、
という夢を見せ、富国強兵を進めて、
アジア随一の軍国国家を創り上げた。
けれども戦後、日本人はその夢から醒め、
生まれからその生活スタイルが激変した。
経済成長とともに、それぞれの個性を重んじ、
それぞれが、それぞれの幸福を追求する
個人主義の時代になっていった。
これもまた、経済成長という夢に乗っかった結果であり、
その夢もいま、醒めようとしているのだが。
いずれにしても昭和の後半、
みんな、それまでの家族の因習、
家族の寄合であるムラの因習から逃げ出すかのように街に出て、
大家族は解体され、核家族になり、
さらに個々バラバラになった。
その状況を見て、やっぱり
「昔はよかった。暖かい家庭があった。
いまの日本人は寂しい」という声が出る。
おそらくこの大正時代の炭治郎の家族を見て、
これぞあるべき日本人の家族の姿と
感動する人もいるかもしれない。
鬼が見せる甘美で幸福な夢の世界。
あの頃の母と弟・妹たちが家にいる。
すべては元通りになっている。
涙の出るような情景。
僕もこのあたりのシーンは泣いた。
そして昭和30年代の自分の子どもの頃まで思い出した。
さすがに竈はなかったが。僕の家の台所も土間だった。
煎餅を焼いた覚えはないが、
冬はみんなで火鉢を囲んで餅を焼いて食べた。
おいしかった。楽しかった。
けれども現実の世界の時計は進んでいる。
もう後戻りはできない。
水面に映った自分自身と対話して
これが夢であることを見破った炭治郎は、
涙ながらに家族に背を向け、走り出す。
そして自分で自分の首を斬ることで
甘い夢の世界から抜け出そうとする。
それは、ともすればレトロな夢にすがりたくなる
現代の日本人の心象を表しているようにも見えた。
しかし、なおも鬼は夢を見せようとする。
今度は悪夢で、死んだ家族たちが
「なぜおまえだけのうのうと生きている」と呪詛を吐く。
それは炭治郎の胸の奥にある罪悪感を突き刺す。
彼は優しい少年なので、炭を売りに出た帰り、
宿を取って一晩過ごしてしまった時に、家族が惨殺されたことに
ひどい罪の意識を抱いているのだ。
けれども彼はその悪夢も破る。
自分の大好きだった家族が自分を呪うわけがない。
彼は死んだ母やきょうだいを信じる心を取り戻し、
「俺の家族を侮辱するな!」と叫ぶ。
そのシーンは結構涙腺が崩壊した。
家族愛をテーマにした「鬼滅の刃」には、
現代の日本人のトラウマを刺激する要素が詰め込まれ、
さまざまなメタファーがあふれている。
それは近代から始まり、江戸時代、戦国時代、
そして原初の鬼・鬼舞辻無残が生まれた平安時代まで遡る。
テレビシリーズと今回の映画は
物語全体の第1幕に過ぎず、まだ2幕・3幕とある。
映画まで見てしまうと、この続きが気になって、
原作のマンガが読みたくなる。
うまいビジネスモデルになっている。
そして原作が完結しているにも拘わらず、
この先、ネタばれ状態でテレビと映画で
またアニメをやるのかも気になるところ。
いずれにしてもコンテンツが優れているからこそ
成り立つビジネスモデル。
今度は原作を読んでいろいろ研究してみようと思う。
節分は過ぎたけど鬼の話。
鬼といえば今や「鬼滅の刃」。
だいぶ遅くなったが、映画を見て来た。
節分の日。平日の午前中に行ったので映画館はガラガラ。
そういえば昨年は一度も映画館に来なかった。
さすがにAmazonPrimeで配信されるまでは待っていられない。
何といっても興行記録を塗り変えた映画である。
すごい! とまではいかないが面白かった。
「強く生まれた者は弱き者を守る使命があります」。
これがこの映画のメッセージであり、
主人公の炭治郎らが鬼と戦う理由である。
このセリフを言うのは、もう一人の主人公である
煉獄杏寿郎の母である。
病の床にあった母は、まだ少年だった杏樹郎に
この言葉を残して亡くなる。
鬼との戦いの中で杏樹郎の脳裏にその情景がよみがえるのだ。
ここで両隣に座っていた女性が泣き出した。
そのあと、最後までほぼ泣きっぱなし。
見た感じ、中年ぽかったのでお母さんなのかも知れない。
「鬼滅の刃」の人気の秘密は、
こうした女心に突き刺さったからである。
女子ウケしなければ、
ここまでの大ヒットにはならなかっただろう。
概して女性はそれぞれの技やバトルアクションよりも
登場人物らの過去の物語に関心を寄せる。
なぜ彼らはここで、こうした姿で戦っているのか、
その物語(バックストーリー)に心奪われるのである。
それは主人公チームだけでなく、
敵である鬼も同様。
鬼はもともと人間であり、
心を支配した強い思い――怨念、執念、嫉妬、憎悪などが
血肉を得て形になった化け物なのだ。
鬼の中にも泣かせるドラマがあり、
日本人の影の歴史がある。
この映画「無限列車編」には、
人間を眠らせ、夢を見させる鬼が登場する。
幸福な夢にどっぷりつからせ、その間に潜在意識の中にある
精神の核を潰して廃人にしてしまう――という恐ろしい術策だ。
というわけで眠らされた炭治郎たちは、それぞれの夢を見る。
これによって原作もテレビシリーズも観てなくても、
主人公の炭治郎がどういう運命を背負った少年なのか、
何となくわかるようになっている。
これも女子ウケの大きな要因だが、
このマンガの大テーマは「家族愛」である。
敵である鬼もまた家族愛の悲劇から生まれる。
もともと人間だったのに、どうして鬼になったのかという
物語もまたよく描かれている。
この映画では母の遺言を守り、
命を懸けて無限列車の乗客を守る煉獄杏寿郎の姿に
多くの女性が涙し、杏寿郎人気が爆発したようだが、
僕はその前の、自分の夢と戦う炭治郎のシーンが面白かった。
そこには大正時代から現代までの約100年間の
日本人の家族に対する考え方・マインドの変化が
表現されているように読み取れる。
長くなりそうなのでまた明日。
映画は映画館で観なくてはいけない。
と、僕も言っていた。
でもその信念はコロナでガラガラと崩れた。
今ではすっかりAmazonPrimeだより。
何といっても月500円で観放題と言うのはすごい。
それに家から出る必要ないので、
短時間で何本も観れてしまう。
Amazonに限らず、Netflix、Huluなど、
あっという間に映画もドラマも
ネットで観る時代になってしまった。
新作は基本的にはまだ映画館で観なくてはいけないが、
1年もすればネットで観られると思うと、
よほど面白そうなもの、これはぜひ大画面で・・・・・
というものでなくては観客を集めるのは難しいだろう。
そこで映画界が頼みの綱とするのが
アニメと特撮だ。
「もう映画館で観るのはアニメや特撮だけだよ」
と、うちの息子が正月にのたまっていたが、
実際、その通りかもしれない。
俳優の不祥事などでポシャるリスクも小さいし。
その二刀流で活躍するのが庵野秀明監督だ。
「シン・ゴジラ」の大ヒット。
完成したものの、いまだ公開されない
「シン・エヴァンゲリオン」。
そして今度は「シン・ウルトラマン」
新なのか? 真なのか?
深なのか? はたまた神なのか?
とにかく「シン」がつけば何でも観ちゃうという人たちが
特報映像公開でヒートアップ。
そして特別ビジュアルに記された一言が刺さった。
「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」
瀕死の映画館も「シン」がつけば観客が来る!
と、エヴァ、ウルトラマンの連続公開に望みを託す。
もはや庵野監督抜きで
日本の映画界は成り立たないのではないかと思えるほどだ。
ちなみに「シン・ウルトラマン」は
ゴジラと同じく、庵野氏は企画・脚本。
監督は樋口真嗣氏。
初夏公開。
2020は鬼滅、2021はシン!
コロナを倒せ、ウルトラマン。
映画ビジネスの未来のために!
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「ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力」
ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、おりべまことの音楽エッセイ集。ブログ「DAIHON屋のネタ帳」より33編を厳選・リライト。
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もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●キング・クリムゾンの伝説と21世紀版「風に語りて」
●プログレッシヴ・ロックスターの死①:ジョン・ウエットンの訃報、そしてロンドンの寿司
●プログレッシヴ・ロックスターの死②:キース・エマーソンの尊厳死(1周忌に捧ぐ)
●ヘイ・ジュード:ジョンとポールの別れの歌 ほか
またもや公開延期になってしまった
映画「シン・エヴァンゲリオン」(完結編)。
けれども、延びれば延びるほど、
ファンは盛り上がり、
YouTubeにいっぱい解説動画が上がってきた。
中でも超絶面白いのが、
オリエンタルラジオの中田敦彦氏の解説動画。
中田氏はYouTube大学というのをやっていて、
「サピエンス全史」をはじめ、
毎回、様々な思想・歴史・文学などについて
非常に面白く、わかりやすい充実した講義を行っているが、
この動画はスペシャル版。
最初に宣言しているように
「自分のために喋ります」と、
26年に及ぶエヴァの歴史、テレビシリーズ、
旧劇場版、新劇場版を全力一挙解説する。
何回見ても謎だらけのエヴァンゲリオン。
ああ、あそこはそうだったのか、
あそこはそんな意味があったのかと
と教えてもらったところがいっぱいだ。
それにしても最初のテレビシリーズが
深夜に全話一挙放映された1996年、
まさしく僕は「14歳」だった!
と言うシンクロ率MAXの中田氏のエヴァ愛はハンパない。
(エヴァンゲリオンには14歳の少年少女しか搭乗できない)
オタク丸出しの超深掘り・超充実の講義内容。
と同時にほとんど講談に近いパフォーマンス。
ものすごいその熱量に圧倒される。
ちなみにエヴァの映像は1カットも使っていない。
登場人物と使徒と作品中のキーワードのリストを書いた
ホワイトボードを前にして
前後編、合わせて5時間弱、
ただひたすらしゃべりまくるのみ。
そんな動画がすでに前編300万回以上、
後編も200万回近く再生されている。
僕も喋りだけのオンライン講義を聴いて、
こんなに笑って、こんなに泣けるとは夢にも思わなかった。
A.Tフィールド(エヴァ用語:心の壁)もぶち抜く面白さ。
「エヴァンゲリオンは現代の神話だ」と言い切る
中田氏のこの解説動画も神話になる。
ますます最後のエヴァ映画が楽しみになった。
ホントに完結するのかどうか心配ではあるけれど。
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「ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力」
ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、おりべまことの音楽エッセイ集。ブログ「DAIHON屋のネタ帳」より33編を厳選・リライト。
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もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について
●ヘイ・ジュード:ジョンとポールの別れの歌 ほか
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