子供と「100万回生きたねこ」を読む

 

 この話を読んで泣いちゃうお母さんが結構いるらしい。

 哲学する絵本。

 愛とは何だ?

 自由とは何だ?

 人生とは何だ?……

 忘れかけていた青春の問いかけがよみがえる。

 そういう意味でもおとなの絵本と言って差し支えない。  

 

 というわけで、今週も木曜日に絵本の朗読。

 まだ8年くらいしか人間やってない小学2年生にこれがわかるのか?

 と、はじめは思いました。

 だけど、わかる・わからないということ自体が間違っている。

 だって出だしは

 

 「100万年も死なないねこがいました。

 100万回も死んで、100万回も生きたのです」。

 

 どう考えたって「あり得ねー」という世界。

 現実と違う、そういう世界がそこにある。

 おとなは頭を働かせ、適当に距離を置きますが、

 子どもはまるごとその非論理的な世界を受け入れるのです。

 

 ひとりひとりが懸命にねこの運命を追っていく。

 “死ぬのなんか平気”だった最強のスーパーねこが、普通のねこになっていく話を、ちいさなからだに取り込んでいく。

 

 読んだこちらの方が、何かフシギなひとときを過ごしたような気分になりました。