ハムカツの呪い

   今回は食育について家庭内の会話です。

 

 小僧(息子): またハムカツの話?どんだけハムカツ好きなんだよ~! 

 

 僕: おれはもともとハムカツ大好き。ロンドン行ってますます好きになった。
   が、母は中学の修学旅行に行ってハムが嫌いになった。 

 

息子: あ、知ってる、その話。毎年一ぺんかニへんは聞かされている。
     もう40年くらい前の話だよね。 

 

僕: そうだ。もう40年もトラウマとして持ち続けている。

   おれなんか結婚する前からその話を繰り返し聞かされ続けているんだ。 

 

 妻(母): だって……。 

 

僕: ここで読者のために解説する。
   わが妻は中学の修学旅行で奈良京都へ行ったが、
   その旅館のメシのおかずがハムだったのだそうだ。
   朝飯にハム、それもペラペラの半分乾燥したヤツ。
   夕飯はその同じハムを揚げたハムカツ。 

 

息子: ショボ~。
    ボクなんて新潟・南魚沼でコシヒカリのごはんに、いろんなおかず満載。
    最後の日なんてお赤飯出たもんね。これがまた美味かった!
  (※詳しくは当ブログ過去記事「お米と田んぼとお母ちゃんのニッポン!」参照)

 

妻(母): いいなぁ、今の子どもは、。
      40年前は「子どもなんてハムでも食わしときゃ喜ぶだろう」

      って感覚だったからね。
      大勢いたからひとりひとりのことなんてどうでもよかったのよ。
      今のイヌネコより粗末に扱われてたと思うよ、昔の子どもは。 

 

僕:  まさしく。われわれの親世代は戦後の食糧難を経験しているから、

   子どもに対しては「食えるだけでも有り難く思え」ってのが根本姿勢だったからな。
   ちょっとでもワガママ言おうものならこっぴどく叱られた。
   おれは偏食大魔王の子どもだったから、給食の時間は地獄の苦しみだった。

   それに引き換え、今の子は確かに恵まれているね。

 

妻(母): アレルギーのこととかあるから無理に食べさせられることもないしね。

 

僕: うちの小僧君は幸い何でもだいじょうぶだからいいね。

 

妻(母): 離乳食を早くあげすぎたり、急いで進め過ぎると、トラブルが多くなるらしい。
      出来るだけ遅く始めて、ゆっくり進めるのがいいみたい。
      今は仕事に早く復帰したいお母さんにはそれが難しいみたいだけど。

 

僕: でも、あとあとのことを考えると少しの間、辛抱して「スロー離乳食」にした方が、
   親子ともにHAPPYになる確率が高いよね。
   それからオチビのうちは出来るだけレトルトや冷凍食品を避ける。
   さらにテレビを観ながら食事しない。
   やっぱこれをやると神経が分散されてしまって味覚が発達しなくなる。

 

妻(母): 赤ちゃんから食育?

 

僕:  そうだな。オチビの時ほど 食育が大事。

 

妻(母): そうするとこういうグルメな子どもになるってことね?

 

息子:  ボク、ハムの呪いがかからなくてよかった。コシヒカリのスシ食いてぇ~。

 

僕:  来年の誕生日にな。

 

  と、語らいつつハムカツで夕食を食べる我が家でした。

 

 

2111・6・8 WED