見世物小屋とインターネット

 

 詩人・劇作家の寺山修司は、かつて「見世物小屋の復権」を提唱し、いわゆる社会の中の異端とされる人を(隠蔽するのではなく)、舞台に上げて、あえて見世物にすることによって、いわゆるフツーの人(観客)との幸福な結びつきが得られる、といったことを語っていました。

 

 そんな彼の思想を反映して1970年代に活動していた劇団・天井桟敷の前衛的な舞台は、本当に芸術的・人間的な刺激と感動にあふれていました。

 

 あの頃から30年以上の時を経て、彼の唱えていたことがインターネットの世界で展開し、FBやらブログやらで、日常生活も仕事のことも趣味のことも自分の頭の中のことも、それぞれのBeing=存在性が見世物になって陳列され、刺激し合っているのではないか、と思います。

 

 寺山先生がこの現代のあり様を見たら何と言うだろうか・・・。

 天国に行って聞いてみたい気がします。