原宿・穏田のお米マイスター

  1. 「(おんでん)」というのは原宿界隈の旧地名。

 表参道の裏側――明治通りをはさんだ渋谷側一帯が「穏田商店街」になっています。まるで今日(3日)の昼間みないなポカポカする名前ですね。

 

 実際、その昔・・・といっても何百年も昔でなく、昭和の前期ごろまで、このあたりは田んぼの広がる穏やかな田園地帯だったので、その名がついたとか。

 

 そう言えば、原宿っておしゃれな街だけど、クールでとんがっているわけでなく、そこはかとなくほのぼのした、田舎者でも安心して歩けて遊べる、温かい空気が流れています。

 

 ぼくも30数年前、東京に住み始めた翌日に表参道を闊歩し、「これでおいらも東京人」と悦にいって以来、原宿が一大好きです。

 

 その空気は、穏やかな田んぼだった頃の土地の記憶が醸し出しているんですね。地名には必ずと言っていいほど、そんな物語が秘めれています。

 

 田んぼがあれば当然、お米も獲れていたわけで、昭和まではこの界隈にけっこうお米屋さんもあったとか。

 しかし現在残るは1軒だけ。

 その原宿唯一のお米屋さんに本日は打ち合わせに行きました。

 

 店主は「お米マイスター」で来週末にNHKで行われるイベントの出演者。

 脳内に300種類以上のお米の味・食感のデータをインプットしており、利き酒ならぬ「利き米」をやってしまうお米のスペシャリストです。

 

 イベントではお米の試食ワークショップを開き、東北産のお米の解説や「自分にとっていちばんおいしいお米はどんな米か」といった分析も行います。