ハリウッド映画の映画脚本術

 ハリウッドの映画術を勉強するのに最適な映画?
 連休中に行って観たのが「追憶の森」。おもな登場人物はたった3人。その一人が今や米国メジャー俳優に出世した渡辺謙。舞台は富士の樹海「青木ヶ原」。そこに主人公の回想シーンが行き来する。死に直面し、どんな深淵な哲学ドラマが展開するのか、という予測わ立てていたのだが・・・。

 

 「大人のファンタジー」と言えば聞こえがいい。けど、にしても随所の詰めが大甘なのです。主人公が死にたくなった気持ちはわかるけど、なんでアメリカからはるばる日本の樹海までやって来るのか? なんでそこに渡辺謙が登場するのか? そして結末は・・・なんだか甘いぞ。観ているほうはこれで安心するのかも知れないけどね、という感じ。

 

 ネタばれ・悪口を並べるのは本意でないので、これ以上、内容には触れません。

 ただ、ハリウッドの映画術を勉強するのにはとても良い見本の作品だなと思いました。

 登場人物は少なく、シンプルな構成で、余分なお肉やお化粧がついてないので、脚本や演出の骨組みがよくわかるのです。

 だから、この部分をこう変えて、設定をこういじくって・・・ということが、とても考えやすい。ここからまったく違うストーリー、違う映画にできちゃうな、と思いました。
 舞台劇にしてもいいかもしれません。ある意味、久々に新鮮な刺激。
 逆にいえば、あまりに教科書的なので・・・、もっと言うと、今の意ハリウッドはこのレベルで通用しちゃうのか?

 また、なんとなくこのプロジェクトの裏事情も気になります。最初に渡辺謙ありき、樹海ありきだったたのか、日本の市場を狙って作られたのか・・・・うーむ。本当は久々に映画館で、純粋に映画を楽もうと行ったのですが。