5月病は克服しない

 

 毎年GWが終わると、決まって耳に届くのが「5月病」の話題。

 ご存知の通り、新社会人や新入学した学生がかかる病気です。

 こんな美しい季節に気分がドヨーンとしちゃうなんて、もったいない。

 僕は経験したことないのでわからないけど、一体どれくらい深刻なものなのだろう?

 

 知らない強みで言ってしまえば、そんな病気にかかるのは、その仕事・職場なり、勉強・学校が自分に合っていない証拠ではないだろうか?

 そのアラームとして病気が出たのではないかと考えてしまうのです。

 

 どんな仕事・勉強だってストレスやプレッシャーはある。

 でも自分に合っていたり、大好きだったり、前向きに対処しようと思える状態なら、そんな病気にかかることはありません。

 

 ストレスにやられて5月病になってしまうのは、それが自分本来の希望に叶った道――仕事・勉強でないと、暗に心身が伝えているのではないかと思います。

 

 もしや、5月病患者の君は、誰か他の人の期待に沿うよう頑張らねば、と思ってやしないだろうか?

 たとえば親とか。

 

 最近は大学の入学式や会社の入社式にまで親がついてくるのが当たり前になっています。

 実際、1か月前にそういう光景を目にしました。

 

 表面的には微笑ましい。

 親は幸せそうで、誇らしげでもあります。

 でも君はどうだったのか?

 親孝行出来て満足だった?

 うん、きっとその時は。

 でも、1ヵ月経って落ち着いてくると、本当のきみの気持ちが頭をもたげてくる。

 

 一過性の、この5月だけの病気で済めばいいのいですが、本当にそれで終わりになるのか?

 本当は好きでもない学校・会社・仕事だけど、親は満足しているし、世間からもウケがいい。少々のストレスは付き物なんだから、おとなしく我慢するなり、心療内科で診てもらってやり過ごそう。

 そんなふうに考えているのではないだろうか?

 

 そうして我慢して頑張って、好きでもない、本当は望んでもいない仕事・生き方をして、それが習慣となっていくうちに心身には少しずつ「悪いストレス」が蓄積し、侵されていく。

 そして、人生面白くないなぁとブツブツ言いながら生活習慣として浸透していって、その結果が10年、20年先に、より深刻な病気となって出てくる可能性もある。

 現代病の多くは、そうした悪性のストレスが原因ですよ。

 

 5月病にかかってしまった人は、頑張って克服なんかしなくていいと思う。

 それよりこの際、病気に屈して静かにして、自分の心の声を聞いたほうがいい。

 そして、今後どうするかについて、自分に教えてもらったほうがいい。

 よし!と思えれば、そのまま会社も学校もやめてしまって構わない。

 

 そんなに早く方向転換できる機会が巡ってきたなんてラッキーじゃないですか。

 美しい花と新緑の季節が、そういうチャンスを与えてくれたんだと考えて、5月病を素直に受け入れ、未来の自分と向き合おう。