カエルの歌が聞こえてくるよ

 

 6月と言えばカエルです。

 いや、断然カタツムリだ!と言う人もいるかも知れない。

 紫陽花の葉っぱの上をもそもそやっているカタツムリもきらいではないけど、なんといってもサイレントです。

 だけど、カエルはトーキーだ。

 ケロケロ、ゲロゲロ、美しいとまでは言わないまでも、ユーモラスに鳴いてくれます。

 カエルの歌は雨を呼ぶ歌。雨がしとしと降ると、田んぼが潤い、稲が育ち盛りの子供のようにすくすく伸びる。

 これが正しい日本の梅雨の季節なのです。

 最近は昨日みたいなゲリラ豪雨が多くて、そんな情緒もどこかへ吹っ飛んでしまっているけど。

 

 だから日本人はけっこうカエルが好きです。

 西洋では化け物や悪魔扱いされることが多いけど、日本ではベビーフェイスで、健気ないいやつらということになっています。

 ガマガエルは悪役俳優だけど、人間や農業に危害を及ぼすわけではないし、心底嫌われているわけではない。

 彼らはお百姓さんたちにとって、田んぼや小川や池で遊ぶ、お百姓さんのかわいいペットだったのです。

 

 西洋人の耳には秋の虫の声はノイズにしか聞こえないと言うけれど、カエルの声もそうなのでしょうか?

 ただのうるさいゲロゲロ声なのだろうか?

 

 従来の日本人には心地よい音楽に聞こえていたはず。

 だから「カエルの歌」なんて輪唱曲もでき、小学校唱歌になったのだけど、まだ愛されているのだろうか?

 

 調べてみたら、なんとあの曲、もともとはドイツ民謡でした。

 ドイツではどんな時に歌われていたのかわからないけど、日本の作詞家はきっと里山でカエルの歌がどんどん広がり、いつまでも響いているような、そして、それが来る秋には黄金色の稲穂が実り、美味しいお米がどっさり収穫されるというところまでイメージして、輪唱の歌にしたのでしょう。

 

 今年は水害が起こらない程度にやさしく雨が降って、たくさんお米ができてほしい。

 カエルはそれを祈願する歌い手なのだ。ケロケロ。