いい人のサービス残業問題

 

  「働き方改革」のおかげでサービス残業が増えたと言う人が増えているらしい。

 タイムカードをがっちゃんこした後にパートさん、バイトさんが「もうちょっとだけお願い」されてしまうという。

 

 今日だけ。ちょっとだけ。最後まで片付けて帰らないとあなたも気持ち悪いでしょ。

 そうだな、忙しいからしかたないかな。

 

 そんな感じで、デートがあろうが、家族が待っていようが、子供の誕生日だろうが、自分の将来のための勉強の時間が潰れようが、まじめな人、責任感の強い人、いい人は引き受けてしまう。

 

 そこまでいい人してどうする?

 

 本当に1回だけ、ちょっとだけで済むならいいけど、こういうことってえてして常習化しがちだ。

 

 あの人は頼めばやってくれる。

 いったん会社側にそうインプットされて、習慣になってしまうと、頼む方も罪悪感がなくなって、やってくれて当然になってしまう。

 

 なんだかドラッグ中毒に似ている。

 

 記録に残らないということは法規外。

 なので会社としては大助かり。

 正規社員じゃないことも都合がいい。

 何かあったとしてもいくらでも言い逃れできそうだ。

 「いや、うちはちゃんと就業規定守ってます。

 彼(彼女)はいつも定時で上がってますよ」

 

 最近はパートだってバイトだって責任ある仕事を任されることがままある。それはいい。

 でも、それなら相応の対応をしてもらわなければいけない。

 

 サービス残業で過労死――では、洒落にならない。

 その仕事に命を賭けてる、人生を捧げてるから、お金なんて関係ないんだ!

 みんな、ありがとうと言ってくれるし、助かる~と喜んでくれるし。

 ――と言って、あなたが満足・納得してるなら、よけいなお節介はしませんが。