フレンチ・ランチinキチジョージ

 

 きょうは昨夜、無事お泊りから帰ってきたカミさんといっしょに吉祥寺に行った。

 買い物のあと、「久しぶりにミーはおフランス料理が食べたいざんす」

 という、おそ松くんのイヤミ氏みたいなセリフがおなかの底から湧き出てきて、ランチはフレンチに。

 

 フランス料理はやたら世間で褒められることが多く、舶来高級料理の代名詞になっているが、どうもその実体がつかめない。

 

 ピザやパスタに代表されるイタリア料理には「This is イタリア料理」といった明確なイメージがある。

 好き嫌いはともかく「The イギリス料理」はローストビーフや フィッシュ&チップス。「The ドイツ料理」はソーセージ盛り合わせ。

 

 だが、フランス料理にはこれらに該当するものがない。

 「This is The ○○」=これがフランス料理だ! というものがないのだ。

 少なくとも僕の中には。

 

 一応、フランスには20代の頃、3回ほど旅行したことがある。

 トータルで半月程度は過ごしているが、最も印象に残っている食事は、ノルマンジー周辺の田舎町のレストランで食べた魚のスープ〈煮込みかな〉だ。

 

 料理名も覚えてないが、なんだか味噌汁みたいな味がしてうまかったな~と、記憶に焼き付いている。

 しかしパリをはじめ、他では何を食べていたのか、フランスパンのサンドイッチとか、クロワッサンの朝食以外はとんと思い出せない。

 

 きょう入った吉祥寺の店は、タルトフランベというアルザス地方の料理をメインに出していて、これはいわばフレンチピッツァだ。

 

 カミさんが頼んだ「ロレーヌ」というのはサーモンやエビなどの具材が乗っている。

 僕はせっかくフレンチに来たのだからということで「パリ」というのを頼んだ。

 これはカモ肉・トリュフ・フォアグラという3大フレンチ食材が乗っかっているリッチ版。

 

 見た目、よく行くイタリアンピッツァの半分程度の大きさで、これじゃ足りないんじゃないかなと思ったけど、お味の方もかなりリッチで、こってり濃厚。

 二人でシェアして食べてじゅうぶんお腹がふくれた。

 ただし、この濃厚さはワインと一緒に食したほうがいい。

 

 ちなみに僕はグラスの赤ワインを飲んだけど、なかなか美味しくて食前に飲みきってしまった。

 これ以上飲んだら絶対酔っぱらって午後の用事が果たせなくなると思って2杯目は断念。

 

 この「ブラッスリー・エディブル」は、こじんまりした、パリの裏通りにあるいそうな感じの店で、お値段もリーズナブル。

 ワインと一緒に料理を楽しみたい人にはうってつけなのではないかな。

 

 ただこれが「Theフランス料理」かというと、そうではない気がする。

 フランス料理ってやっぱり正体不明。僕の中では。