現代の人間と社会の表と裏が コロナウィルスで炙り出される

 

いまや世界は新型コロナウィルスを中心に回っている。
けっして大げさな言い方ではないと思います。
医療問題はもとより、政治も経済も日常生活も、
あらゆることがコロナの影響を受けています。

 

もっと言ってしまうと、
現代の人間のありよう、社会のありようが
コロナウィルスによって炙り出されている気がします。

 

さらに日本はオリンピックを抱えていることもあり、
社会における問題の深刻度は他国と段違いに深い。

 

オリンピック前に終息させるためには
花見なんかも中止だ、
どうぜ今年は「桜を見る会」もやめたんだから、
花見なんかないなくたっていいんだ。

 

そんな安倍さんの声が聞こえてきそうです。

 

オリンピックの問題は、イコール、日本経済の問題でもあります。
せっかく56年前の夢よ、もう一度の東京五輪だったのに、
もし中止や延期になったら、
国の名誉や経済に対するダメージは計り知れない。

 

そんなわけで政府の指針はとにかく経済第一、
オリンピック第一。
3月は停滞やむなし、4月になって終息のめどが見えてきて、
大型連休になる頃に無事終息。
晴れて「日本は大丈夫」と世界に宣言して、
オリンピック・パラリンピックへGO!
という政府のシナリオを産業界も共有しているようです。

 

僕もそうなるといいなとは思いますが・・・
まず半月後にどうなているかですね。
それに日本では落ち着いても、
世界のほかの地域でどうなっているか。
いま、あまり感染が広がっていないアメリカなんかは
これから、ってことはないのだろうか?

 

考えてみたらペスト、天然痘、コレラ、赤痢など、
人間は数多くの恐るべき感染症を克服してきました。

それに比べれば新型コロナウィルスは重篤化率は低く、
感染率もそう高いわけでもなく、大して怖い病気じゃない。
かつて――といってもほんのちょっと昔の20世紀なら、
たぶんあまり気に留められなかった類の

病気なのではないかと思います。

 

それがここまで大きな騒ぎになるのは、
21世紀の100年ライフ時代ならでは、
と言ってもいいのかも知れない。

 

僕も最初はコロナウィルスに関する情報洪水にうんざりし、
さめた目で見ていました。
しかし不遜な言い方ですが、今はかなり興味津々です。

 

かつてヨーロッパの人口の半分にしたという
ペストがそうだったように、
コロナは社会について、人間について、
そしてもしかしたら未来について、
つまりこれからの世界がどうなるかについて
教えてくれるのかも知れない。
ここ1週間ほどの報道を見ていると、
そんな思いが沸き上がってきます。