働かなくても食っていくのが僕の生き方だココロ

 

半年くらい前だったと思いますが、
テレビで一般の人を対象に、
べーシックインカムについての
アンケート調査をしたところ、
否定的な意見が大半だった、と報じられていました。

 

そういうものがあると働かない人が増える
→日本の経済が悪くなるからダメと、
普通のまともな人たちは考えています、いう論調でした。

 

要は現・最高額紙幣のこの方が残したあの言葉が
いまだに多くの日本人を洗脳し続けているのだと思います。

 

・・・と書いていて、
確かあれはNHKのニュース番組じゃなかったか?
と記憶を掘り起こしました。

 

もしかしてべーシックインカムについての

議論が起こっているのに対し、政府が

 

「ほーらね、そんなものを導入しろなんて言ってるのは、
ごく一部の、労働を嫌がる怠け者たちだけですよ。
普通のまともな人たちは、当たり前のように反対なんです」

 

と暗にほのめかそうと、
有利な証拠を示すための報道ではなかったか、
つまり、ソフトな情報コントロールではなかったのか?
と勘ぐっています。

 

ただ、「働かざる者、食うべからず」の言葉に
大勢の日本人が縛られているのは事実です。
だけどそれはもう昔の話なんじゃないのか?

 

今回のコロナによる騒乱が起こるずっと前から、
貧富の差が拡大――というか、
お金が儲かる業界と、
そうでない業界との格差が広がっていました。

 

例えば福祉・介護の分野など、
生産性が高いか低いかと言われれば、
低いに決まっています。

 

でも社会的ニーズはすごく高い。
そこに従事する人たちは生産性が高いわけじゃないけど、
大勢必要、絶対必要、尊ぶべき大事な仕事なんです。

 

とっくにそういう社会にシフトしているのに、
いまだ富国強兵や高度経済成長時代の論理がまかり通り、
たくさんお金を儲ける人がえらいと、
大勢が思い込んでいるところに
根本的問題があると思います。

 

コロナによる騒乱は一つのきっかけです。
地球環境の激変による自然災害の脅威もあるし、
これからの社会は何が起こるかわからない。

 

何も起きないことを前提に経済が成長し、
世の中のスケジュールが組み立てらえれてきましたが、
もうそんなことは難しくなる。

 

「働かざる者、食うべからず」→ 
働かない、働けない、金儲けができないやつは死ね から
働けなくても(お金が儲かる仕事をしなくても)食えるよ へ。

 

ベーシックインカムが無理だというなら、
税金上げてもいいからすべての社会保障をタダにするとか、
検討すべき方策はあるのではないか?

 

給付金だかお肉券だかお魚券だか、
そんな一時的な処遇なんてほとんど意味ない。
ずっと続くものでなければ、
社会不安が消えることなんてあり得ません。

 

せっかく豊かな社会になって、
ひとりひとりの命が大事なんだ、と唱えるのなら、
国の舵を取る人たちは、あるいは、経済を牛耳る人たちは、
本気で検討すべきなのでないかな。

 

赤塚不二夫のマンガ「もーれつア太郎」に登場する
「ココロのボス」というタヌキのキャタラクターの、
「働かなくても食っていくのが僕の生き方だココロ!」
というセリフがよみがえった。

 

みんな、ココロのボスになって叫んでいいと思う。
生きていくのに必要なのは、お金じゃなくて、
自分の生き方、人の生き方を尊重する心だココロ。