チェコのカッパ

 

チェコの民話を読んでいたら、
チェコにもカッパがいた、ということが判明しました。

 

首都プラハの市街中心部には
ヴァルタヴァ川が流れています。
近年はクルーズ観光でも人気の川ですが、
その畔の一地域、ポドスカリー付近で
夕暮れ近くになるとカッパが出没し、
あたりをうろうろしていたらしいのです。

 

それどころか、プラハの街の中を堂々と
歩き回ることもあったらしく、
いつも緑色のマントを着て、
左の指をピチピチ鳴らしていたとか。

 

この“ピチピチ”という擬音が、
水かきのあるカッパらしくていいですね。

 

でも街の人たちはカッパを歓迎していたようです。
なにせこのカッパは客寄せの福の神。
カッパがお店に来ると、決まってその店は大繁盛したとか。

 

酒場に来て一杯やるのがお好きなようで、
日本のカッパは清酒ですが、
チェコのこのカッパはビールを飲むのだそうです。

カッパが来ると店のマスターは、どうぞどうぞと大喜び。


「緑の旦那が来てくれた。さあ、忙しくなるぞ!」

 

さて、このチェコガッパ、たぶん川の精とか、水の精を
翻訳者が「河童」と訳したのだと思います。

 

日本のカッパに似てるのかどうかは、
容姿についての描写がないのでよくわかりませんが、
「緑色のマント」とか、「緑の旦那」というくらいだから、
体色はグリーンで間違いなさそうです。

 

そしてなんとこのカッパには奥さんがいて、
彼女の名前が「サーラ」というのだそうです。

え、皿? 頭の?

日本のカッパとどれくらいリンクしているのか、
よくわからんけど面白い。


民話として語られるほど昔から
日本とチェコにつながりがあったのだろうか・・・。
もしかしたらかつては地下水脈でつながていたとか。
けど、遠すぎるなぁ。

 

そういえば先週だったか、
コロナウィルスでイタリアの経済活動が滞ったせいで
ベネチアの運河に魚やイルカがやってきた、
という記事を読んでびっくりしました。

 

人間の経済活動が停滞すると、
地球環境がよみがえるのか?

 

経済が死んでしまっては困るけど、
民話で語られているように、
かつて共存していた
地球各地の精霊やら妖怪やらが
この先、息を吹き返す可能性はあるかも知れません。

 

それに加えてチェコは、作家カレル・チャペックが
その作品「R.U.R」で
世界で初めてロボットをの生み出した国。

 

そう遠くない未来、
人間は生産活動の主役となるAI・ロボットと、
地球環境を守る精霊・妖怪との橋渡し的存在になるのだろうか?

 

(※参考文献:チェコスロバキアの民話「河童」より 大竹國広・訳編 恒文社 1980年刊)