週末の懐メロ23:同志/イエス

 

あまりにシンプルで、あまりに日常的な

「イエス」という言葉を新たな世界観で捉え、

芸術の次元まで昇華させたのは、

オノ・ヨーコの神業だった。

 

ジョン・レノンの魂を鷲掴みにした

あの有名なエピソードを、

ビートルズの曲が大好きだという

このバンドのメンバーが知らなかったわけがない。

 

彼らがどの程度、意識したかは知らないが、

「イエス」というたった3文字のバンド名と、

ヴォーカルのジョン・アンダーソンが紡ぎ出す

哲学的な世界観の音楽は、

オノ=レノンが目指したものと相通じている。

 

プラスティック・オノバンドに参加していた

ドラマーのアラン・ホワイトが途中から加入したのも

何かの縁かもしれない。

 

プログレッシブロックは狂

気や闇の世界を描く楽曲が多いが、

イエスが描き上げるのは光の世界--

あくまで肯定的な「イエス・ワールド」だ。

この世の森羅万象を自分の一部として受け入れる姿勢。

 

1972年リリースのアルバム「危機(Close Edge)」を

初めて聴いたのは中学3年のときだったが、

以来、イエスの音楽は、つねに僕の脳内にある

“もう一つの地球”の浄化装置として稼働し続けている。

 

オーケストラと共演した2001年のライブ。

「危機」の中の一曲、「同志(And You AND I)は

彼らの音楽性が最も優美に結実した佳曲。

 

歌詞は文学的な言葉遣いだが、

曲名通り「あなたとわたし」のラブソングとして、

おおらかな音の波に身をゆだねて楽しむことができる。

 

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ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

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ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。

ブログより33編を厳選・リライト。

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

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