やよいの花とみどりの寿司と魚が苦手な寿司屋の娘

 

26年前。1995年の4月15日に結婚式を挙げた。

本日と同じく、大雨の翌日の

しゃっきり晴れ上がった日。

 

オウム真理教が「何かが起こる日」と予言したため、

東京は最初のコロナ緊急事態宣言発令日みたいになっていた。

 

というわけで、きょうは結婚記念日だった。

特別なことはしないが、一応、「ハレの日」だし、

部屋に花を飾って、寿司でも食おうということになった。

 

花は永福町の南口にある「YAYOI」という花屋に買いに行った。

引っ越してからも年に数回、

ちょっとアニバーサリーな時はここの花を買い求める。

値段が安くて質がいいし、長持ちする。

アレンジのセンスも悪くない。

 

いつもは乙女チック少女マンガの主人公が

そのまんま齢を取ったような女主人のやよいさん

(たぶん自分の名前を店名にしたのだと思う)と、

ネズミ番のやたら恰幅の良い去勢ネコ

(ネズミが花を食べに来るらしい)がいるのだが、

今日は旦那さんだった。

 

いや、実際はどうだかわからないので、

花やラップやリボンを選んだあと、

「僕はここでやよいさんと猫さんにしか

会ったことがないのですが、あの、旦那さんですよね?

」と聞こうとした。

 

ついでにあの女性は本当に「やよいさん」なのかどうかも

確認しようとしたのだが、

ラッピング作業に移った瞬間、立て続けに4人もお客さんが来た。

(実は僕はけっこう福の神体質で、

黙ってお客を呼び寄せることができる)

それで忙しくなったので、とうとう聞けずじまいだった。

 

 

寿司は久しぶりに美登利寿司を食べた。

昔、梅が丘で初めてカミさんと美登利寿司を食べた当時は、

今のように寿司チェーンなんてほとんどなかったこともあって、

その旨さと安さに衝撃を受けた。

 

その後、美登利寿司もチェーン化し、

梅が丘以外にもあちこちに店が出来たが、

遠かったり混んでたりで、あまり食べる機会がなかった。

 

それが昨年10月、七夕祭りで知られる

阿佐ヶ谷パール商店街の真ん中に

テイクアウト専門店ができたのである。

阿佐ヶ谷はチャリを飛ばせば家から15分。

永福町と変わらない距離だ。

 

昼すぎに予約しておいて、夕方取りに行く。

行列も混雑もなくすんなり受け取り、

ついでに店内のお寿司の時計が面白かったので

写真も撮らせてもらった。

 

にぎりの盛り込みと、カリフォルニアロールと、

いなりずしだったが、

義母はあんまり生魚が好きじゃないので、

いなりと玉子ばっかり食べていた。

安上がりな人である。

 

食後、YAYOIのことがあったせいか、

美登利寿司の美登利さんは、すし屋の奥さんだったのか、

娘さんだったのか、ちょっと気になった。

 

小学校の同級生に好美という女の子がいて、

彼女はすし屋の娘で、お父さんは

店の名前に「すし好(よし)」とつけていた。

 

そういえば彼女も寿司屋の娘のくせに魚が苦手で、

助六や玉子が好きだと言っていた。

 

どうでもいいことをいっぱい思い出して楽しかった。