オリンピックは20世紀のレガシーシステム

 

3年ほど前に「オリンピックはオワコン」と書いた記事に、

ここのところ毎日のようにアクセスがたくさん来る。

 

あの頃は日本の関係者の利権がらみのゴタゴタに

腹を立てて書いたのだが、

ここ数日のIOCの発言は、

そのオワコンぶりを十二分に印象付けている。

 

1年前、延期を決めた時は

「人類がコロナウィルスを克服した証として開催したい」

なんてカッコイイこと言ってた。

 

それなのに、

「緊急事態宣言が出ていても開催する」とか、

「犠牲を払え(日本人を対象に言ったのではないらしいが)」

とか、とうとうなりふり構わぬホンネ丸出しになってしまった。

 

結局、IOCは会社であり、事業体であり、

自分たちのビジネスを遂行することが最優先なのだ。

 

普通の会社や事業体と確実に違うのは、

開催によって感染が広まるなど、

何か非常事態が起きても、

その責任・後始末は開催国なり、

開催都市にあることにして

自分たちは責任取らないこと。

 

ビジネス優先はいいとしても、

今どき、生活者(消費者)がどうなろうが

知ったこっちゃないです、

なんて言っている企業は

10年後には確実に滅びている。

 

IOCもこのままなら同じ運命をたどるだろう。

そもそも日本は大騒ぎしているけど、

他の国はオリンピックに対して至ってクールらしい。

 

「アメリカのテレビの放送権がIOCの収入の大半」と

聞いてたので、アメリカ人も楽しみに空いているのかと

思ってたら、9割くらいの人はてんで興味なくて、

ロクに話題にも上らないらしい。

 

オワコンが言いすぎなら、

IT用語でいう「レガシーシステム」

(アップデート不可な古いコンピューターシステム)か?

いずれにしても

20世紀の華やかなオリンピックはもう期待できない。

 

東京2020の開催が決まった時、

「1964年の夢よもう一度」というムードが広がったことに

イヤ~な気がしていたが、

まさかこんなことにんるとは・・・。

国民全体が昭和の夢の再現を求めたことが、

そもそも間違いだったと思わざるを得ない。

 

開催されたら、選手の皆さんには頑張ってほしいと思う。

だけどこの先は、もうオリンピックは夢の舞台、

人生のすべてをかけて取り組むものではなくなる。

そんなことを強制する大人の言うことなど

聴かないほうがいいよ。

申しわけないけど、そう思っておくべきだ。

 

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