ぼーっと生きている

 

空が美しい。

雲が流れていく。

そのままボーッと見ていればいいのに、

スマホなんてものを持ち歩いているので、

つい写真を撮ってしまう。

 

子どもの頃、ぼーっとするな、とよく怒られた。

死んでからぼーっとしろ、

死んだらいくらでもボーッとできるから、

と言われたこともある。

 

だけど死んだらぼーっとしていることなんてきない。

生きているからぼーっとできるんだ。

 

生きてるのか死んでるのかわからないぐらい

ぼーっとしてるのが本来の自分であったはずなのに。

アクティブな人間世界に生まれてきたのは

何かの間違いだったはずなのに、

大人になるとぼーっとするのが難しくなった。

 

ぼーっとしながら見る世界は結構美しくて、

見とれて、また輪をかけてぼーっとなる。

でも、そうしていると、

頭の中でいろんな思考が熟していく。

 

それで結局、夜になるとパソコンに向かって

チャカチャカ何か書いている。

ああ、せっかく今日はぼーっとできた良い日だったのに。