新春特別カエルトリップ:椎名町・金剛院

 

義母の「カエル病」に対処すべく、

お正月スペシャルサービスとして椎名町へ。

 

昭和10年、目白の豪邸にお生まれの超お嬢様だが、

わけあってその数年後、父が破産。

4歳だか5歳だかで椎名町の貧乏長屋に落ち着いた。

 

現在も高級住宅街として知られる目白と

池袋から西武線で一つ目のこの椎名町とは

目と鼻の先だが、

当時は現在よりもさらに住環境の格差が大きかったらしい。

 

義母の記憶の奥底にある「家」のイメージが

どちらのことかはわからないが、

口から出てくる言葉は「椎名町」なので、

貧乏長屋のほうが故郷と言えそうだ。

 

電車を乗り換え、「さあ椎名町だよ」と連れて来たのだが、

本人はべつに喜ぶだけでもなく、

「へー、そうなの」という感じ。

全然わかってない。

電車に乗って遠足を楽しんだという感じ。

まあ、シナリオ通りだが。

 

ここの駅前には「長崎神社」というお宮と

「金剛院」というお寺が隣同士、並んで立っている。

古くて小さなお宮に比べ、

お寺は近年、改築・整備をしたのでとてもきれいだ。

 

しかし、今日はまだお正月。

やはりコロナリベンジなのか、

長崎神社には初詣客が長蛇の列を作っているのに比べ、

金剛院は閑散状態。

 

本来はどっちにお参りしてもいいのだが、

いつの頃からか、大みそかはお寺で除夜の鐘を突き、

元旦から3が日は神社で初もうでというのが

日本人の間で習慣化してしまった。

 

義母を連れて行列に並ぶのはまっぴらなので、

今日はお寺のほうにお参り。

 

じつはこの金剛院、

「月刊仏事」の「寺力本願(じりきほんがん)」

という連載記事の1回目で取り上げた、

僕にとってもご縁のある天台宗のお寺である。

取材をしたのは3年前だ。

 

境内には弘法大師像とともに、

「マンガ地蔵(ウィズ・ドラえもん)」や

かわいい赤い帽子の「ひとことお願い地蔵」がある。

おしゃれなカフェも併設されていて、

明るく楽しいお寺なのだ。

 

以前も紹介したことがあるが、

ここにマンガ地蔵がいるのは、

近所にかの「トキワ荘ミュージアム」があるから。

確かおととし、TOKYO2020に合わせてオープンした

(コロナのせいで少し遅れたかも知れない)が、

まだ一度も行っていない。

(たしか要予約)

ぜひ今年は単独で足を運んでみたい。

 

それにしてもシナリオどおりではあるものの、

本日の椎名町訪問はやっぱり空振り。

今年も認知症のカエル病には悩まされそうだケロ。

 

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