なぜアフリカの国では、 すぐさまキャッシュレス決済が浸透するのか?

 

アフリカのある国――もちろん日本より

はるかに経済規模の小さい新興国――では

キャッシュレス決済が、

ほぼ100パーセント浸透しているという。

なぜかというと絶対的な必然性があるからだ。

 

その国では夫が週に5日、

都市に出稼ぎに行き、週末に村に帰って家族と過ごす、というのが一般的なライフスタイル。

最近まで昭和時代の日本同様、

1週間の労働賃金を現金でもらって

持ち帰っていたのだが、

そこにはいろいろ問題があった。

 

まず第一に、そのお金が偽物の可能性が低くない。

一所懸命働いて稼いだカネが贋金だったら

たまったもんじゃない。

 

もっとひどいことがある。

出稼ぎ者たちは村に帰る途中、

強盗に狙われる可能性が非常に高い。

「あいつはカネを持っている」というのが、

すぐばれるからだ。

カネを取られるだけならまだしも、

殺されてしまうことも少なくないという。

 

そこにキャッシュレス決済システムが導入された。

こうなると支払い側も贋金は使えないし、

受け取った瞬間に、村にいる家族にオンラインで

キャッシュレスで送ってしまえば道中手ぶらになり、

強盗に襲われる危険もない。

そんなわけで一瞬にして

国中にキャッシュレス決済が広がったという。

 

しかし、日本のように

信頼し合える相手と良好な取引ができ、

路上で強盗に出くわす危険性がほとんどない

治安の良い国ではそうした必然性がないため、

浸透するのには時間がかかるというのだ。

 

これは先日のエンディング産業展のセミナーで

DXを進めている会社から聴いた話。

 

最近は日本でも日常の買い物をはじめ、

生活のあらゆるシーンで

キャッシュレスが増えてきたが、

それでもまだまだ現金信仰が厚い。

これは世界的な視野から見ると、

一つの大きな幸福であり、

素晴らしい幸運の証なんだろうなと思う。

 

そして何となく、東太平洋の

ガラパゴス諸島で悠久の大海原を見ながら

のんびり暮らすイグアナになったような気分になる。

 

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