愛しきブタと「ねほりんぱほりん」のFIRE

 

NHK・Eテレの「ねほりんぱほりん」のファンなので、

先週末から新シリーズが始まってうれしい。

見たことある人はご存じだが、

これはモグラの人形に扮した山里亮太とYouが

インタビュアーになって、

ブタの人形に扮したゲストに根掘り葉掘り

事情を聴いていく、という番組である。

 

ゲストは皆、一般人で、

いろいろ話題になる社会現象の当事者。

普段は聞けないその裏事情を容赦なく暴いていく。

てか、本人もぶっちゃけたいから出てくるわけだが。

 

顔出しはNG。

音声ももちろん変えてある。

そこで人形に扮するわけだが、そのへんの手間暇かけた

丁寧な作り方が、

雑なのが多い今どきのテレビ番組の中でひときわ光る。

 

ところでゲストの人形はなぜブタなのか?

番組側の説明によると「タブー」をひっくり返した

言葉遊びの発想から生まれたものらしい。

 

しかし見ていると、

これはやっぱりイヌでもネコでもサルでもダメ。

絶対ブタが大正解と思えてくる。

 

欲の深くて、業が深くて、ずるくて、煩悩まみれ。

なのに、愛らしく、切なく、泣けて笑えて

ヒューマンタッチ。

その人間らしさを表現できる動物は

ブタ以外にあり得ない気がする。

 

先日、ムスリム(イスラム教徒)にとって、

なぜブタはタブーなのか、という理由として

「豚は余りに人間に似すぎていて人肉食に通じるから」

という珍説を唱えてみた。

 

皮膚や臓器の移植事例など、科学的にもそうだが、

イメージとしても、ブタはサルよりも人間に近い。

実際、ブタはその豚生(?)の中で

かなり人間に近い喜怒哀楽の感情を体験するようだ。

 

新シーズン初回の「ねほりんぱほりん」は

Lean FIRE(リーン・ファイア)の20代・30代がゲスト。

 FIREは早期退職してリッチに遊んで暮らす人たちという

イメージだったが、

リーン・ファイアは、

働かず資産のみで暮らすのは同じだが、

最低限の暮らしで資産を作り、

これまたその最低限で暮らす。

「ミニマリスト」と言えば聞こえはいいが、

一言で言えば、胸が切なくなるほどの貧乏暮らし。

 

そこまでしてやめたかったというのは、

よほどひどいブラック企業に勤めてしまい、

会社勤めそのものに絶望感を

抱いてしまったのだなと思った。

そこもまた家畜(社畜)であるブタの哀愁を感じさせる。

 

社畜を脱するためにFIREしたお二人。

でも、人生は長い。

会社も辛かったようだが、

そのFIRE、けっこう辛いのではないか。

 

よけいなお世話かも知れないが、

まだ若いんだし、起業するなり、

バイトでもボランティアでもするなりして、

どこかで働く喜び、仕事する楽しさを見出してほしい。

そう思ったぞブヒ。