週末の懐メロ120:ユー・メイ・ドリーム/シーナ&ロケッツ

 

1979年リリース。

「夢・ドリーム」という日本語と英語の掛け合わせは

ほとんどダジャレの部類だが、

そうしたジョーク感も含めて、このバンドが好きだった。

1979年はまだまだロックで夢を見られた時代だ。

 

ニューウェーブロックという印象が強いシーナ&ロケッツ。

基本はロックンロールなのだが、

細野晴臣がプロデューサーとして関わっていたせいか、

デビュー当時はちょっとテクノポップ風の

ニュアンスが混じっていた。

 

シーナのハラハラさせるような危なっかしい、

けど魅力的なヴォーカルと

インチキっぽく謎めいたカタカナ英語も懐かしい。

そして、何と言っても鮎川誠のギターがカッコよかった。

 

NHK-FMでエアチェックした鮎川参加の

YMOツアーの番組を

カセットテープに録音して長らく愛聴していたのだが、

YMOのサポートギタリストのなかでも

鮎川のギターがいちばんキレていたように思う。

 

シーナの死後8年、その鮎川が先月末、この世を去った。

そう言えば今年に入ってからYMOのドラマーだった

高橋幸宏も去っている。

 

誰が死んだってロックンロールは不滅だぜ、

と言いたいところだが、

やっぱり寂しさを禁じ得ない。

1979年は、とてもとても思い出深い年だった。

せめてシーナと鮎川といっしょに、

ユメ、ユメ、ユメ、ユー・メイ・ドリーム……

と呟いていよう。

 

 

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