認知症 花のアートワーク

外に出て人や自然と触れ合う方が薬を飲むより効果的。

というのは、べつに医学的根拠があるわけでなく、

僕の思い込みで、ほとんど宗教行為に近い。

実際、医者も最初の1年ほどを過ぎると、

薬はほとんど効果なく、単なる気休めだという。

 

子ども、犬、鳥、花・・・

いろいろリアルな情景がある。

ただ、たんに「この世界は美しい」

と感じてもらいたくて、

いつも義母を散歩に連れ出している。

 

今日はお花見日和。

川添いのソメイヨシノは三分咲きくらいのから

八分咲きくらいまで、木によってまちまちだが、

さすがに人出が多く賑やかだった。

心なしか、コロナ前よりお花見マナーが良くなった感じ。

みんなとても幸福そうだ。

 

桜はもちろんだが、他にも小さい目立たない草花から

大きな派手なのまでいろいろな花が咲いて、

まさしく春本番。

ピンクの椿の花も丸くてかわいい。

 

義母が落ちていたのをお持ち帰りするというので、

「それはここにあるからきれいなんだよ」というと、

橋のたもとにある少年像の掌の上に、

椿の花を持たせてあげた。

 

ちょっと感心して、

「どうして持たせてあげたの?」と訊くと、

「知らない。ただこうしたかったのよ」と、

大芸術家的リアクション。

理由などない。

ただ私の魂がこう動いたのだ、と言わんばかり。

 

でも後で写真を見せたら、

「なにこれ? 誰がこんなことしたの?」だと。

今日はいつになくいっぱい歩きました。

お疲れさま。

 

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