パワースポットのある里山の葬儀場

 

里山の美しい自然に囲まれた「ひさよ斎場」。

先週、取材に伺った

群馬県吾妻郡中之条町にある葬儀場である。

 

女性社長のひさよさんは、

10年前にお父さんが始めた葬儀社を引き継ぎ、

新しくこの斎場を建てた。

普通、ケガレの場所として避けられる施設だが、

この敷地はすごいプラスパワーの気が集まる場所とされ、

ひさよさんは「悲しみの癒しスポット」の意味を込めて、

一角に神聖な手水舎を建てた。

解説もついている。

 

この地は東に赤城山、

西に白根山を眺む立地に位置しており、

そのプラスパワーにあふれたエネルギーの波動が

集まってきます。

その気を全身で受け止め、浄化して戴けたら幸いです。

手を清め、口を清め、

心明るく穏やかな日々を送られますように、

山桜に向かい合掌なさってお帰りください。

 

手水舎の中には「ひだまり地蔵」「さやか地蔵」

「よろこび地蔵」という

3体のかわいい「“ひさよ”地蔵」がいる。

 

ここは知る人ぞ知る人たちの間で話題になり、

葬儀場なのに、わざわざ東京あたりからパワーをもらいに

お参りに来る人たちもいるらしい。

ひさよ地蔵にお参りして、里山の自然を満喫して、

上州うどんなどを食って、余裕があれば温泉宿に泊る———

というのは一泊旅行としていいかもしれない。

 

霊感とか、超能力だとか、スピリチュアルとか、

ファンタジーの類の話は女性が好きで、

これまで会ってきた女性から数限りなく聞かされてきた。

僕は創作としてそういうジャンルのものは好きなのだが、

現実の世界と想像力の世界は違うという

明確な線を引いているので、

割と冷淡に聞くタイプである。

 

ただ、産む性である女性が、

死に触れる仕事をやっていると、自分を守る意味でも、

そういうものに心が傾くのは

自然なことなのかなと思っている。

統計などを取ったわけではないが、

女性の葬儀社社長はそういう人が多いのではないだろうか。

 

信じる者こそ救われるので、

スピリチュアルや気のパワーで精神が安定し、

人生が好転するのであれば、良いことだと思う。

頭のおかしな宗教家、占い師、自称超能力者などに

引っかかって、ぼったくられない限りは。

 

残念ながら霊感ゼロ人間の僕も、

文章を書いていると、

目に見えない力がどうとか、地球の意思がどうこうとか、

つい自然と話がスピリチュアル系に

なっていてしまうことがある。

なくて生活に困るわけではないけど、

霊感・超能力に少しは縁があったほうが楽しいのかな

——そんな気持ちの表れなのだろうと思う。