花の都に出てきた令和の篤姫

 

「東京はすっごく楽しいですぅ!」

この春、鹿児島の田舎から出てきたという

23歳の女の子と話をした。

仮に名前を「篤姫」としておく。

 

篤姫は介護施設で働いているが、お休みの日は

友だちと渋谷に行ったり、ディズニーに行ったり、

エンジョイしまくっているようだ。

就職の面接の時(オンライン)では、

「そちらで働きたいから東京に行きます」

と言い切ったらしい。

 

それが本当だったのか、嘘だったのか、

僕はただのインタビュアー/ライターなので

問い詰める立場でもないし、そんな気もない。

いずれにしてもいったん来てしまえば

こっちのもので、誰しもそうなってしまう。

 

長年住んでるとわからないが、

それが花の都の魅力というもの。

これだけ情報化が進んだ世の中になっても

やっぱネットやテレビで見る東京と、

リアルに体験する東京とでは全然違うようだ。

そういうところは僕が出てきた45年前と

ほとんど変わらない。

 

篤姫は江戸川区の千葉との境あたりに住んでいるらしいが、

「東京の人には干渉されないからいい」という。

鹿児島の田舎では、あそこの娘は東京に行ってしまったと、

大きな話題になり、いろんな噂が渦巻いているそうな。

あー、やっぱ、そういうところも

昭和の時代と変わってない。

 

ただ、違うのは、出てきたばかりにも関わらず、

僕と話したり、仕事をやっている時は

きれいな共通語を話しており、

あの鹿児島特有の強いなまりはほとんど感じない。

そういうところはやっぱ令和っ子。

 

先のことはわからないけど、

しっかり仕事して東京を楽しんでください。

でも、若くてかわいい篤姫様は、

変な奴に狙われる可能性が高いから気を付けてね。