今日もまたざしきわらしがやって来た

 

ここのところ、一緒に暮らしている認知症の義母のもとに、

ざしきわらしが頻繁に出没しているようだ。

ほぼ毎日、朝昼晩問わず

「あのちっちゃい子どこ行った?」とか

「こっちの部屋に来てない?」とか言ってくる。

 

「いないね~」と言いつつ、

いっしょに探したりもするのだが、

いないんだとわかるとすぐ忘れてしまう。

ところがまた、しばらくすると

バタバタバタと同じことを言いにやって来るのである。

 

この間、ある本を読んでいたら、

マンガ家の水木しげるさんの話が出ていて、

彼は睡眠至上主義を謳い、

長年、1日10時間睡眠を実践していたという。

 

晩年はともかく、

何本も雑誌の連載を抱えていた時代なんか

ほんとうにそんな時間が確保できたのかと疑問だが、

よく寝て休息することで集中力が増し、

却って仕事が速くできたのかもしれない。

奥さんにも子供が寝ている時は無理に起こすなと

厳しく言っていたようだから、筋金入りだ。

 

水木さんの場合、睡眠を多くとるのは休息とともに、

異世界との交信という重要な意味合いが

あったのではないかと思う。

睡眠至上主義が、世界に冠たる、

あの妖怪マンガを産み出したのだと思うと、かなり面白い。

 

そう言えば義母も1日10時間くらいは寝ている。

異世界との交信によって、

自由自在にざしきわらしを呼びよせられるのか?

だとすれば認知症、おそるべし。

またネタをいただいて、なんかお話書こうかな。