長崎の原爆は誰がさく裂させたのか?

 

今日のNHKのニュースで、

長崎原爆資料館の展示物の表記を

原爆が「投下された」から「さく裂した」に

変えると聞いた。

僕は違和感を感じ、なんで?と思った。

「投下」は主体がはっきりしている。

原爆を搭載した米軍機が飛行するイメージが浮かぶ。

 

米軍が投下した。米軍が原爆を投下した。

Atomic Bomb was Droped.(by U.S. Army)

U.S. Army droped Atomic Bomb.

 

ところが「さく裂」だと主体があいまいだ。

飛行機の姿も見えない。

 

原爆がさく裂した。

Atomic Bomb was Exploded.

 

そこに(by U.S. Army)が入る余地はない。

原爆が自然にさく裂したのか?

原爆がみずから意思を持ってさく裂したのか?

あるいは、どこか別の惑星から地球外生命体がやってきて

さく裂させたのか?

 

そんなはずはない。

そんなのわかっているだろ。

おまえの言っていることはおかしい。

くだらんツッコミを入れるな。

と言われるかもしれない。

 

ニュースの内容は以下の通り。

 

長崎市の原爆に関連して「11時2分」という

時刻について、

長崎原爆資料館では一部の展示物で

原爆が「投下された」時刻と表記されています。

これについて被爆者の一部からはより正確に

「さく裂した」という表記にあらためるべきだ

との意見が出ていることなどから、

長崎市は今後、展示物の表記を見直す方針です。

 

被爆者の人の指摘なら仕方ないかとも思うが、

主語は大切にした方がいい。

主語があいまいになると、責任もあいまいになる。

 

そもそも「投下された」という受動態も変だ。

当たりが柔らかくなるからか、

責任をボカした方が都合がいいからか、

日本人はやたらと受動態の文章を好み、

人ではないモノ、概念などを主語にしてしまう

ケースが多い。

 

同資料館が子どもが原爆について学ぶ場であり、

後世に伝えていく施設であるなら、

“誰が”原爆を投下したのか、

“誰が”この暴力・殺戮を行使したのか、

言わずもがなにせず、
一読ではっきり
事実と責任が

かるように表現すべきではないかと思う。

 

 

「米軍が投下した原爆が、

11時2分に長崎市上空でさく裂した」