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終戦記念日。
日本人として78年前のあの惨劇に向き合う日。
――というのは正論だが、
「戦争を知らない子どもたち」が
8割以上を占めてしまった今の日本では、
なかなかできないことだろう。
そんな時にこの本をおススメ。
戦争に負けたからと言って日本が滅ぶわけでも、
日本人が皆殺しにされるわけでもない。
みんなの人生は続くし、国も世界も続く。
8月15日だって玉音放送を聞いて、
日本国民が全員、泣き崩れ、
茫然自失していたわけでもない。
負けたと分かった瞬間から復興は始まったのだ。
戦後の復興について知るのに、
政治や社会情勢から入るのは厳しいが、
映画・演劇・音楽・出版・スポーツなどの
娯楽の分野からなら入りやすいのではないか。
この本はタイトル通り、
1945(昭和20)年8月15日以降の4ヵ月半の間、
映画・演劇・音楽・出版・スポーツなど、
各分野の文化の担い手たちがどう再起し、
娯楽産業を復興していったかの記録だ。
著者の中川右介は、文学・音楽・映画などの
評伝・評論を書いている人で、
膨大な資料を調べ上げ、
あくまで客観的な事実を重視したスタンスと、
むやみに感動を煽ったりしない、
淡々としたジャーナリスティックな筆致で綴っている。
それが却って胸にしみてくるのだ。
これらの娯楽産業は、コロナ禍や災害時に言われる
「不要・不急な」分野なのだが、
日本中が不安と飢えと貧困にあえぐ中、
わずか4ヵ月半で、いわゆる主要産業よりも先に
復興へ歩み出していたことに驚く。
なぜ文化の担い手たちにはそんな力が合ったのか?
そのエネルギーはどこからやってきたのか?
映画・演劇・音楽・出版・スポーツなどが
人の生活にどんな役割を果たしているのか?
そんなことを考えるのも楽しい。
最近、またもや世間は昭和ブームとかで、
懐メロや昔ばなし、昔の映像がしょっちゅう
テレビやネットで流れているが、
その源流となる1945年について知ると
もっと面白くなるかもしれない。
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夏休み無料キャンペーン第3弾
昭和96年の思い出ピクニック
8月16日(水)15時59分まで
みんなが愛して憎んで生きた昭和時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。
終戦記念日には昭和のことに思いを馳せよう。
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