週末の懐メロ171:僕たちの家/クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング

 

僕は暖炉に火をくべ、きみは花瓶に花を挿す———

と歌う「僕たちの家」は1970年リリース、

CSNY(クロスビー・スティルㇲ・ナッシュ&ヤング)の

名盤「デジャ・ヴュ」からシングルカットされたヒット曲。

 

歌っているのは何気ない日常のひと時。

好きな人と同じ家でいっしょに暮らしている喜び・幸福。

 

名盤とか名曲とか音楽史的価値とか、

どれだけ売れたとか、

CSNYがいかに偉大なバンドだったか、

そんなことはどうでもよくて、

いま聴いても思わず口ずさみたくなる

楽しくて、やさしい歌だ。

 

むかしは恋人でも、夫婦でも、友だちでも、親子でも、

好きな人といっしょにいれば、

ただそれだけで楽しかったのに。

そう思うことはありませんか?

 

人間、齢を取るごとに、

好きな人といっしょにいるだけでは足らなくなり、

いろいろなものが欲しくなり、

約束された未来を手に入れたくなる。

そして、欲しいものが手に入らないと、

好きだったはずの人も好きでなくなってしまう。

 

欲しいものを手に入れようとがんばるから

人間は成長・進化するのだ。

そう言うかもしれないが、

それは実は成長でも進化でもなく、

人間がねじ曲がる変化・変貌ではないか。

 

人生はメルヘンではないけど、

たまにはこんな懐メロを口ずさみ、

単純に幸福だった時代、

楽しく暮らしていた時代を思い出してもいいかもね。

 

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