昭和歌謡・時代劇系の傑作「子連れ狼」

 

 

橋幸夫さんが亡くなった。

国民的歌手とまでいわれた、昭和歌謡の代表的な歌い手だが、

さすがに僕は、吉永小百合とのデュエットとかは、

リアルタイムでは知らない世代。

だけど子供のころ、「潮来笠」(デビュー曲)や「子連れ狼」などの

時代劇系の歌が好きだった。

 

自分ではよく覚えてないが、「潮来笠」は

♪いたこのいたろう ちょっとみなれば~

と、三度笠に見立てたザルを持って歌っていたらしい。

 

「子連れ狼」はもともと大人向けのマンガ(劇画)で

テレビドラマ化され、小学生の頃、ちょっとしたブームになった。

この曲は劇画のイメージソングとして企画され、

ドラマの主題歌になったのは後付けだったらしい。

1位にはならなかったが、

1か月くらいベスト10入りしていたと思う。

 

作詞は劇画の原作者である小池一雄。

イントロと途中で語りが入るのは、いかにも昭和歌謡らしい。

 

歌詞の1番で「しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん」=雨、

2番で「ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる」=北風、

3番で「ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ」=霜と、

きびしい自然を表現する、オノマトペの使い方が秀逸。

橋さんと子供合唱団の共演で3分間のドラマを生み出している。

 

訃報を聞いて、久しぶりに聴いてみたが、

やっぱりこれは名曲だなぁと感心した。

と同時に、小学生の時(確か5年生か6年生)の

友だちのことを思い出した。

 

ちなみに父がこの漫画を全巻揃えていたので、

いないときに読んでみたが、

けっこう濡れ場がふんだんに出てきて、

盗み読みするのに罪悪感を覚えた。

子供心にかなりショッキングな描写もあったが、

最近は、アニメなどでもやたらと、

刃物でズタズタ、バラバラにされる描写が出てくるので、

今思うと、かわいいものだったのかもしれない。

 

ゆるぎない昭和歌謡の傑作を世に送り出してくれた

橋幸夫さんのご冥福を祈ります。