すでに懐かしの渋谷ハロウィーン騒動

 

年に一度のハロウィーンなのに、今夜の東京はひどい雨で残念。

それでも渋谷はどうなっているのか、気にする人は多いようで、

ネットではライブ中継をやっている。

天気が悪いこともあるが、

もうかつてのような盛り上がりというか、

迷惑な大騒ぎは起こりそうにない。

 

2,3日前のことだが、ハロウィーンにちなんだ

子供たちの集まりが終わった後だったのだろうか。

いろいろな扮装をした、

幼稚園の年中・年長あたりの子供たちが15,6人、

わいわい言いながら駆け回っていた。

悪魔ちゃんや妖精ちゃん、鬼太郎やねこ娘、

お姫様にクロミちゃんウサギ、

中にはばっちりジョーカーもどきのメイクをした子もいる。

 

しかし、いちばん目を引いたのは

なぜか警察官みたいな恰好をした男の子だ。

紺色のつなぎっぽい服の背中に

でかでか「POLICE」と書いてある。

 

なんでハロウィンに警察?と不思議に感じたが、

すぐに、あ~DJポリスだ!と思い至った。

コロナ禍の前、渋谷のハロウィーンの夜に出動した

DJポリスのパフォーマンスは、

当時のお祭り騒動と相まって、大きな話題になった。

 

ほんの数年前の出来事に思えるが、

今や子供の仮装用コスチュームになるくらい

伝説化・物語化しているのかと、ちょっと感心した。

もしや、あの子の両親は、

あの頃のハロウィーン騒動を体験した

若者だったのだろうか?とも想像した。

 

当時の渋谷ハロウィーンは、特に若い人たちの、

日常の抑圧されたエネルギーを発散する場として

機能していたのだと思われる。

賑やかな街を舞台に、ひとりひとりが思い思いの衣装をまとい、

異次元の登場人物になって、歌ったり踊ったりできる

演劇空間・祝祭空間だったのかもしれない。

そして、大勢の名も知らぬ仲間たちとともに

自分の存在を確かめられ、

孤独感をぬぐえる時間だったのかもしれない。

 

あちこちに迷惑をかけたり、

暴動っぽいことも起こったりしたので、

あまりほめたり、共感したりはできないのだが、

ああした一種の解放区が衰退してしまった今、

若者たちの心は、抑圧された魂はどこへ行くのか、

それぞれ、自分を良い状態を保つ解決策を見つけているのか、

ちょっと気にところではある。