いとおかしゅうて、やがて悲しき年賀夢

 

連日、取材・原稿書き・企画書づくりなどで

あっという間に正月気分も吹っ飛んだ今週。

1週間前、遊びに来ていた息子と酒を飲み交わしていたのが

すでに遠い昔のように思える。

 

松の内も明けて、さすがに年賀状ももう来ない。

年賀状じまいも増えて、以前の半分ほどになった。

でもやっぱり年賀状はアナログがいい。

申し訳ないが、SNS系の年賀状は出す気がしない。

 

そんなことを考えていたら昨夜、友達と飲んでいる夢を見た。

昭和レトロ風だが、モダンできれいになった店だが、

なぜか飲み屋じゃなくて、お米屋である。

米屋がバーを開いているような感じで、

当然、飲んでいるのは日本酒だ。

 

夢は、記憶の中にあるいろいろな情報を、

脳がパズルみたいに組み合わせて編集し、

ほいと動画を作って上映するようなものである。

正月の息子との飲み、忘年会で行った新宿の和食飲み屋、

昨年の米騒動などが勝手に組み合わされて

出てきたのかもしれない。

 

友達5,6人で集まって何やらわいわいやっている。

皆、今はもうほとんど顔を合わせなくなった奴らだ。

とてもいい時間を過ごして、

ほろ酔い加減でその米屋バーを出てきたら、

そこは都会のど真ん中、新宿あたりの雑踏だ。

「じゃあな」「じゃあね」「またな」などと口々に言って

皆、てんでバラバラになて雑踏の中へ消えていく。

 

最後にAと僕が残り、なんだか胸がいっぱいになって、

軽くハグし、互いに「死ぬなよ」と言葉を交わして別れる。

Aも人ごみに紛れて、いずこともなく消えてゆき、

僕はそれを見送っている。

なんだか昔よく見た映画やドラマのようなエンディングだ。

 

そこで目が覚めた。

布団の中には今見たばかりの夢の残滓が残っている。

「死ぬなよ」

なぜかはわからないが僕は言った。

Aも言った。

だけどAはとっくの昔――もう16年も前に死んでいる。

ちょっと遅いが、新年のあいさつにきてくれたのか?

ありがとう。おれはまだ死なないよ。

なんだか切なさが胸の内に残る。

でもとてもいい夢だったので、この1年、大事に憶えておこう。