高井戸のアンネのバラ

 

図書館の窓の向こうにオレンジのバラ。

いつも行く高井戸図書館の風景。

隣は高井戸中学校で、正門から校舎へ向かう道沿いに

4月末から5月半ばにかけてこのバラが咲き誇っている。

 

「アンネのバラ」。

アンネとは、あの「アンネの日記」の作者で、

ナチスによるユダヤ人迫害の犠牲になった

アンネ・フランクのことである。

経緯は不明だが、第2次大戦後、

ベルギーの園芸家が品種改良したバラを

父のオットー・フランクに贈り、

それが「アンネのバラ」のルーツとなっているという。

 

なんでこの中学にこれほどたくさんあるのか知らなかったが、

1975(昭和50)年、当時の2年生(僕とほぼ同級生)が

国語の授業で「アンネの日記」を読んで、

オットーさんに手紙を送ったことから交流が始まり、

3株のバラが寄贈され、

同校に平和のシンボルとして植えられたという。

以来50年。現在では200株以上が咲き誇るまでに成長。

校内では「アンネのバラ委員会」が活動している。

 

この50年間、「平和は大事だ」ということは

変わらず唱えられてきた。

しかし、最近は交通安全の標語みたいに

なんだか形骸化しているように感じる。

そして皮肉なことにユダヤ人の国イスラエルが、

今日の中東地域の戦争の火種になっている。

 

インターネットが発達し、AIが進化し、たくさん情報が得られて、

世界中の人たちが賢くなっているはずだが、

一向に人類の愚行が納まる気配はなく、

世界はだんだん悪くなっているようだ。

 

戦後の秩序は大きく崩れつつあるが、

現在の豊かさを保つためにも

平和の大切さは、愚直に唱え続けるべきだ。

 

ちなみにこの日の午後、図書館内の映画上映会で

「アンネの追憶」という

ドキュメンタリー映画(2009年・イタリア)が上映されていた。

知らなかったので満員御礼で見られず。

 

 

 

「どうせ死ぬのに、なぜ一生懸命生きるのか?」

還暦を過ぎてもバイクを乗り回す女性、起業に挑むアラカン世代、認知症の義母が教えてくれた人間の本質——。昭和100年を超えて今、60代・70代が「高齢者」という言葉を軽々と飛び越えていく。人生後半をどう生き、どう終えるか。笑えて、ちょっと泣けて、深く考えさせられる33本のエッセイ。