伊勢名物「お福餅」を応援する

 

昨年11月、noteなどで書いた旅行記「れいわ伊勢ものがたり」を

電子書籍で出そうと、只今、加筆・改訂中。

その中の一項目「赤福餅VSお福餅 300年におよぶ宿命のライバル和菓子対決」

のなかで、お福餅を「赤福餅のパクリ、パチモン」と、

さんざんディスってしまったのだが、

今回、改定のために調べていて

そうしたディスりは適切でないと気付き、深く反省した。

ので修正文を書いた。

 

300年前、伊勢参りの人々のために開発された赤福餅は

つねに先行し、昭和以降、鉄道駅で販売したり、

テレビコマーシャルを打って知名度を上げていた。

一方、赤福から30年遅れて販売が始まったお福餅は地元密着型。

主に伊勢・二見浦周辺での販売が中心であり、

広域的な流通戦略は赤福に大きく後れを取っていた。

 

しかし、昭和中期である1970年代から、

全国の道路網が整備されるとともに、

赤福がまだ手を広げきっていなかった

「車移動の観光客」にターゲットを絞った。

高速道路のSAやPAをはじめ、

国道沿いのドライブインや売店に積極的にアプローチし、

独自の販売ルートを確立した。

これによって

「お伊勢参りへ電車で行くなら赤福餅、車で行くならお福餅」

という定番ルートが定着したらしい。

 

さらにお福餅は2018年に大きな商品改革を行っていた。

それは伝統的だった木箱(折箱)から、

脱酸素剤を同封したフィルム包装(密閉パック)へと

パッケージを全面リニューアルしたのだ。

まさに280年間続けて来た伝統を自ら打ち破った

勇気ある改革である。

この技術革新により、保存料や防カビ剤を一切使わないまま、

つまりおいしさそのまま、

消費期限を従来の「3日間」から「7日間」へと

一気に延ばすことに成功したのだ。

 

こうして日持ちが延びたことによって、

トラックでの遠方輸送や、

スーパーの物流センターを経由しても、

店頭で数日間販売する余裕ができた。

広域物流に乗せ、戦略的な全国展開が可能になったのだ。

 

そういえば数か月前、近所の大手スーパーで

1日だか2日間だかの限定販売で

お福餅が置かれていたのを見かけたことがある。

そのときは急いでいたこともあり、

「あれ、こんなところで売ってる」

と思っただけでスルーしてしまったが、

そうだったのか! 

御福餅本家さん、そんな企業努力もつゆ知らず、

言いたいこと言って申し訳ありません。

 

そんなわけで赤福餅も御福餅も、

知名度・ブランド力・販売力の向上に努めてきた。

それもいずれもおよそ300年だ。

うまいもの・時代が変わってもみんなが喜ぶものを

300年作り続けるというのはハンパなことではない。

宣伝も大事だが、やはり決め手は商品力。

良い商品を誠実に作り、一生懸命売る。これに勝るものはない。

 

宣伝では後れを取ったものの、

お福餅も商品力では五分の勝負をしている。

そして、この旅で感動した「抹茶味」は、

さらに商品力をパワーアップさせるに違いない。

ぜひぜひ開拓した販路を使ってがんばってほしい。

これを読んでいる皆さんも、

もし近所のスーパーで「伊勢志摩フェア」

といった催事をやっていて

お福餅を売っていたら、ぜひぜひお買上げ・ご賞味ください。

とくに甘みと苦みのベストべランスの抹茶味は絶品。

普通の小豆味と比べて流通量が少ないので、

出会えたら超ラッキーらしいですが、

僕が自信を持っておすすめします。

※「れいわ伊勢ものがたり/おりべまこと」は6月中に発売予定。

お伊勢参りの楽しい旅行記・面白ガイドです。お楽しみに。