たまたまamazonPrimeVideoで見ました。
タイトルから感じられる通り、
とても元気が出て明るい気持ちになれる映画です。
1963(昭和38)年公開の日活映画。
先日、自叙伝の執筆協力をさせていただいた
経営者の方をはじめ、
これまでいろいろな先輩方から
戦後の復興期・高度経済成長期の
リアルな体験談を聞かせていただき、
僕の頭の中にはその時代のイメージがいっぱいあります。
この映画はまさしくそれが具体的に映像化された作品です。
舞台は東京の下町(墨田区、荒川区、足立区あたり?)。
主人公は11歳の少年で、母と3歳くらいの妹の3人暮らし。
兄妹は父親が違っていて、話はその妹の父、
つまりお母さんの二人目の夫が女を作って
出て行ったところから始まります。
貧しい子供・家庭の複雑な子供の
生活・教育・将来をどう考えるかをテーマとした、
いわゆる社会派ヒューマンドラマですが、
現代の多くの人たちが思い描く
「貧しいけど、みんな心豊かに生きていた昭和」の
イメージそのままの世界が展開します。
登場人物もいい人ばかりで、
見ていて明るい気持ちになれます。
バラックのような家、ちゃぶ台の食卓、一杯50円のラーメン、
木造の学校、街の風景、駄菓子屋、建ったばかりの東京タワー、
建設中の東名高速道路、路面電車、国鉄・・・
懐かしい昭和の生活のエッセンスもリアル映像てんこ盛りです。
有名俳優も出ていないし地味な内容なので、
公開当時はさしてヒットしなかったでしょう。
もしかしたら石原裕次郎などのスター俳優映画の
添え物扱いだったのかもしれません。
豊かな日本しか知らない人たちが見たら、
ガツンとカルチャーショックを受けると思いますが、
まだまだこうした世界をリアルタイムで体験された方が
日本にはいっぱいいるのです。
そして公開の年と合わせると、僕はこの3歳の妹と同じ齢。
けっこう愕然とします。
でも確かにうっすらとこの時代の記憶は残っているなぁ。
おそらく昭和後期から平成、令和初期と、
この50年くらいの間、
まったく無視されていた映画だと思いますが、
今のこの時代だからこそ、価値を持つのではないかと思います。
貧しさを克服し、福祉も発達し、女性は自立でき、
労働環境も改善され、子どもも高等教育を受けられ・・・
この頃の社会的課題はすべてクリアできたと思えるのですが、
それで幸福な人が大勢増えたかというと、そうでもない。
むしろこの頃のほうが、大人がみんなまともで、
子供も懸命に生きていたと思えるのはどうしてでしょう?
幸福度や生きがいは、
今のほうが下がっていると思えるのはなぜでしょう?
人生も社会も、そう単縦なものではないようです。
そして「どん底だって平ちゃら」なんて明るく言える人は
現代の日本では皆無なのではないでしょうか。
いずれにしても昭和について知りたい人、
昭和について語りたいという人には必見の映画です。

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