お化け屋敷を失った大人たちはどこへ行くのか?

 

そろそろお化けの季節ですね。

と水を向けても「ああ、そうだね」と

適当な返事をしてくれればまだましで、

「何のこっちゃ?」と、

わけがわからんという顔をする人のほうが多いと思います。

現代の日本人にとって夏は、

お化けより猛暑のほうがよっぽど怖いですからね。

 

子供の頃はお化け屋敷が大好きでした。

何といっても昔の子どもにとってお化け屋敷は、

海、山、キャンプ、プール、花火、映画大会、

夏祭り、スイカ割などと肩を並べる

夏休みの一大イベントでした。

いま思えば、お化け屋敷を心から楽しめるのは

子供と若者の特権です。

僕も19だか20歳の頃、彼女とのデートで入って

怖い怖いとくっついて、ああ面白かったと満足してから、

お化け屋敷は卒業してしまった気がします。

 

その後は20年あまりのち、息子がチビのときに

いっしょに再体験をして楽しみました。

でもその頃はお化け屋敷(肝試し大会)を

企画・実行する方になっていました。

2,3度、小学校の近所にある、ちょっと境内が広いお寺を借りて

学童クラブにお泊りに来た子供らを脅かしたのが面白かった。

みんな、怖い怖いとよく泣いてくれました。

その頃の子どもたちも、今やもう多くがアラサー。

僕たちの作った、あの肝試し大会を

思いだしてくれる子はいるでしょうか?

子どもはお化けを怖がって大人になるのですよ。

 

大人になってしまったら、いくら若ぶっていても、

もうあの頃のように「怖いよー」とは泣き叫べません。

おとなにとって、怖いものはいっぱいあります。

お化けなんぞに怖がらせてもらえなくても

齢を取ったらどうしよう、カネがなくなったらどうしよう、

病気になったらどうしよう、死んだらどうしよう・・・と、

毎日、ビクビクこわごわ生きているのが大人ですからね。

 

若い連中が廃屋とか廃ホテルとかに

忍び込んで問題になることがありますが、

あれもお化け屋敷のタネを知ってしまった大人たちが、

本物(?)のお化け体験を求めて、

ああいう行動をしてしまうのだろうと思います。

迷惑行為・危険行為にもつながることなので、

弁護したり正当化したりする気はありませんが、

何でもかんでもあれダメ、これダメと管理される社会では、

お化け体験への想いが募るのでしょう。

 

お化け屋敷を失った後、どこへ行けばいいのか、

何を怖がって生きれば面白いのか、

悩んでいる大人がけっこう大勢いるのかもしれません。