週末の懐メロ㉚:ララ・ミーンズ・アイ・ラブ・ユー/スウィング・アウト・シスター

 

「ララは愛の言葉」はフィラデルフィアソウル最高の一曲。

オリジナルは1968年のデルフォニクス。

 

以来、70年代・80年代・90年代と、

ジャズ系・ソウル系ポップスのシンガーたちが

こぞって歌いたがる超人気曲となり、

ジャクソン5時代のマイケル・ジャクソンや

プリンスなどもカヴァーしている。

 

僕が初めて聴いたのは阿川泰子の

ちょっと夜っぽくて艶っぽいヴァージョン。

日本人では山下達郎が圧倒的な人気だ。

 

山下達郎ヴァージョンはカッコいいし、

プリンスのちょっと変態チックな歌い方も好きだけど、

やっぱりこの歌は女性の声で聴きたいなということで、

1994年リリースのスウィング・アウト・シスターを選択。

 

この頃、よくJ-WAVEを聴いていたが、

ほとんど局のテーマソングみたいに1日何回も流れていた。

 

爽やかで華やかな、このバンド独特のサウンド、

親しみやすく覚えやすく、それでいて味わい深いメロディは、

コリーン・ドリュリーが歌うと、

ますます愛らしく聴こえる。

 

いつ聴いても耳に心地よくて、

今日も思わず「ララララ・・・」と口ずさんでいる。

 

「メモリアルギター」というものにハートを射られた。

これは大阪で195年の歴史を持つという超老舗楽器店「三木楽器」が

開発した「燃えるギター」である。

いわゆるビートルズ世代も70 代に入り、エンディングについて考えるようになっている。

「三木楽器」はそんな世代の、楽器や音楽を愛した人たちへのお見送りオブジェとしてこの「燃えるギター」をプロデュースした。

どうせあの世に行くなら、大好きな音楽・愛する楽器とともに――とお考えの皆さんは、ぜひ三木楽器のサイトを覗いてみてください。

 

おりべまこと電子書籍

 

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

 

http://www.amazon.com/dp/B08SKGH8BV


0 コメント

メモリアルギター 燃えるギター愛

 

「週末の懐メロ」を書くようになってから音楽熱が再燃した。

と言っても、音楽的才能はゼロなので、

もっぱら聴く方専門。

だけど本当に音楽には恵まれた時代に育ったんだなぁと

最近しみじみ思っている。

 

そんな中、「メモリアルギター」というものにハートを射られた。

これは大阪で195年の歴史(なんと江戸時代から!)

を持つという超老舗楽器店「三木楽器」が

開発した「燃えるギター」である。

 

いわゆるビートルズ世代も70 代に入り、

エンディングについて考えるようになっている。

「三木楽器」はそんな世代の、

楽器や音楽を愛した人たちへのお見送りオブジェとして

この「燃えるギター」をプロデュースした。

 

「燃えるギター」と言えばジミヘンだが、

これはレッド・ツェッペリン(ジミー・ペイジ)の

「天国への階段」が似合う。

弾くのではなく、棺に入れ、

天国へ持っていくためのギターなのである。

 

本物の楽器は金属を使っているので納棺できない。

火葬炉で燃えるギター にするためには、

すべて可燃性の素材で作る必要がある。

そこで企画・開発担当の櫻井裕子さんは、

全国の木工品メーカーに打診を繰り返した。

 

徹底的なこだわりがあったので、

何となくギターの形をしてりゃいいや、では納得できない。

 

形状の複雑さやコスト面でなかなか話が

折り合わず難航したが、

ようやく愛知県の木製玩具を製造する工房の協力を得られた。

 

その一方で斎場なに聞き取り調査を行い、

ご遺体とともに確実に燃え尽きることが前提であること

を確認し、小型化を検討した。

 

葬儀で祭壇に飾ったときに玩具っぽく映らないよう

見た目とのバランスをとりつつ完成させた。

まさしく職人技。

櫻井さんもついに思い描いた商品の形に

たどり着いた時は涙した。

もちろん、量産などできないので、一つ一つ手作りだ。

 

すべて木材で出来ているため、

セレモニーの際に納棺する楽器の副葬品としても、

また祭壇やお仏壇へのお供え物としても贈れる。

大きさは本物ギターの約 1/2 スケールで、

納棺に適したサイズに設計されている。

 

タイプはアコギと、エレキギターのレスポール型、

ストラトキャスター型の計3種類。

演奏用ではないものの、本物感を重視し、

細部まで丁寧に再現されているところは泣かせる。

 

開発コンセプト、そして

商品化するまでのこだわり・執念にも胸を打たれ、

レギュラーワークの月刊仏事

(葬儀供養業界の業界誌)で紹介した。

 

今日のブログはその記事をアレンジしたものである。

 

どうせあの世に行くなら、大好きな音楽・愛する楽器とともに――

とお考えの皆さんは、ぜひ三木楽器のサイトを覗いてみてください。

 

メモリアルギターの開発ストーリー

https://youtu.be/gh08NdcJ1sE

 

販売サイト

https://mikiwood.base.ec/

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

http://www.amazon.com/dp/B08SKGH8BV

 


0 コメント

ドイツ人女性が見るエヴァの女性キャラ造型、 および、男の一生モノ幻想と第18以降の使徒発掘について

 

●ドイツ人はエヴァを見てどう思うのか

エヴァンゲリオンシリーズは、

アクション満載のロボットアニメである一方、

宗教的なモチーフをちりばめながら展開される

壮大な哲学心理ドラマの側面がある。

 

そこにはネルフ(NERV:生命)、ゼーレ(SEELE:魂)、

ヴィレ(VILLE:意思)、ヴンダー(VENDER:奇跡)など、

やたらとドイツ語が使われている。

 

ドイツと言えば、デカルト、カント、ニーチェなど、

今後の人類共有のデータベースになり得る

多数の哲学者輩出国。

 

ドイツ人はエヴァを見てどう思うのかと聞かれ、

こなふうに答えた人がいた。

 

「キャラクター自体が哲学的モチーフとして

妙な力を放っていたので、

私や周囲のドイツ学生たち

(のうちオタク適性がある者たち)は

議論の深みにハマりながら萌えまくっておりました」

 

●ドイツ人が見た『エヴァンゲリオン』のヒロイン像

そう言うマライ・メントラインさんは、

日本語ペラペラ、ちょっと若い時分のメルケル首相?

みたいな雰囲気を漂わせるドイツ人のお姉さんである。

 

昔、NHKのドイツ語講座に出ていたらしく、

いまもテレビのコメンテーターとして時々見かける。

本業は翻訳・物書き・テレビプロデューサーも

やっているらしい。

 

彼女は旧TVシリーズ版以来のエヴァファンだというが、

先日読んだ彼女の考察コラム

「ドイツ人が見た『エヴァンゲリオン』のヒロイン像。

アスカがしんどい」(女子SPA!)

https://joshi-spa.jp/1075690 は、

これまで読んだエヴァ関係の言説の中で

最もインパクトがあった。

 

“エヴァに登場する女性キャラクター造型の

何が凄いかといえば、

男性のエゴの中に存在する女性像を、

あきれるほど的確に描き抜いているという点です。

ゆえに男性視点とは何か、というテーマが

逆照射で奥底まで浮き彫りにもなる。

このへんは好き嫌い分かれるところかもしれませんが、

筆者は大好きです。”

 

●ドイツ的に真面目で真摯な変態性

続いて「綾波レイと碇ゲンドウの変態性」という一文では、

 

“で、いま改めて振り返ってみるに、

その中でも綾波レイというメインヒロインの独自性と

インパクトは空前絶後で、

時代性を超えて今後もいろんな

考察のコアになるだろうと思います。

 

彼女は「自立性のある良妻賢母」の権化たる

碇ユイ(故人)の

再来となるべく製造された存在で、

女性性というものを濃縮して体現するいっぽう、

「男性を安心させる」要素を決定的に欠くのが

大きなポイントでしょう。

 

俗世感覚では男性からも女性からも扱いに困る存在であり、

しばしば現世的に理想化されながら語られる古代宗教の

「大地母神」なるものの核心って

実はこんな感じなのではないか? 

と思わせぬでもないあたりが素晴らしい。

 

また、亡き妻である碇ユイを復活させようとしながら

綾波レイをひたすら磨き上げ、

しかも大量に培養してしまう碇ゲンドウの

ある意味ドイツ的に真面目で真摯な変態性も素敵です。

まさに男性性と女性性の高次元での葛藤と融合。

 

綾波は神性と何かしら関係がありながら

クローン量産可能で、

個体ごとに多少の性格差があったりするらしいあたりも

生々しくまた切なくて良い。

 

疑似キリスト教的な小道具抜きに、

原始女神信仰的な何かを多角的にシミュレートできるのも

本作の大きな見どころといえるでしょう。”

 

この後もえんえんと続くのだが、

引用だらけになってしまうので、

全部読みたい人はリンクへどうぞ。

https://joshi-spa.jp/1075690

 

●男は女に対する幻想から一生卒業できない

女性だけあって、主人公のシンジではなく、

レイやアスカなどのヒロインたちに焦点を当てた論考は、

ひどく新鮮で刺激的だった。

 

確かに自分の中にも、現実の女性とか母親とは別に、

イメージとしての女というものがあり、

その幻想に支えられて生きているところがあるなと思う。

 

てか、そうした幻想があるから現実の女子の

しょーもない部分も許せたり、

可愛いと思えたりするのかも知れない。

 

女は人生のどこかで男に対する幻想から卒業するが、

男は女に対する幻想から一生卒業できない、たぶん。

 

ゲンドウはそうした男の弱くてしょーもない部分を

とことん突き詰めたキャラクターなんだろう。

最後まで見て、もう一度テレビ版を思い返すと、

彼のシンジに対する冷厳な態度に説得力が出てより面白い。

 

いろいろほじくり返すと

エヴァンゲリオンからは思ってもみなかった

第18以降の使徒が発掘できそうだ。

 

電子書籍(おりべまこと:小説・エッセイ)


0 コメント

日本人はデジタルに心を求める

 

昨日は新しいDX本のミーティングをやっていて、

「日本人はデジタルに心を求めている」という話が出た。

 

どういうことかと言うと、

海外製のデジタルツールは数字でバサッと切るという

思想をもとに作られている。

 

すごく大雑把に言うと、

売上に繋がらない顧客・取引先はいらない。

関係を断ってしまえというクールなメッセージが

機械から投げかけられてくるわけである。

 

日本人はお客様とのやり取りを共有しましょうとか、

より暖かくサービスをするために活用したいとか、

めんどくさいことを言い出すので、

そのまま海外製品・システムを仕入れてくると、

日本の文化に合わないことがままあるという。

 

どっちがいいのか悪いのか、よくわからない。

ビジネスなんだから、お金を稼いでいるんだから、

情的な部分は他のところで補完すればいい。

というのが欧米式なのだろう。

それはそれで正論だと思う。

 

なんで機械に心だの感情だのの類を持たせなくてはならないのか。

そんなことをやっているからガラパゴス化し、

世界の潮流から取り残されていくのだ。

 

でもね、これからのデジタル時代、

そうした日本人の感性は大事な付加価値に

なり得る可能性もある。

 

「ヒューマンなAIです」

「愛のある機械です」

「ぬくもりのあるロボットです」

そんなキャッチコピーは日本製デジタルによく似合う。

そういった日本人的感性さえも数値化。データ化出来たら

それはそれで面白い気がする。

 

ちなみにDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、

単にITツールを取り入れるとか、

仕事で使うシステムをデジタル化するということではない。

 

仕事に関わるあらゆるデータを活用し、

企業文化を変えて、それぞれの会社ならではの

新しいビジネスの形を想像することである。

 

世界中がデジタル化される時代に向けて、

日本ならではの独自のユニークなDXが発展するといい。

 

電子書籍(おりべまこと:小説・エッセイ)


0 コメント

週末の懐メロ㉙:サパーズレディ/ジェネシス

 

Supper's Ready「晩餐の支度」。

1972年リリース。

 

ディナーを前に恋人と抱き合った男が

瞬間的に見る幻想の数々。

オカルティックであり、ユーモラスでもある

その幻想の旅をストーリー仕立てで綴った楽曲は、

半世紀後の今も燦然と輝く

1970年代プログレッシブロックの最高傑作である。

 

彼女の体を抱きしめたとたん、

男の心の奥底にある不安や恐怖や邪な思いがあふれ出し、

様々なシーンやキャラクターとなって一種の悪夢を作り出す。

 

その素材となっているのはイギリスの歴史、

御伽噺や寓話、幻想文学、

そしてキリスト教文化の世界観。

 

それぞれのシーンに深い意味や思想性があるわけではないが、

それらを一つの楽曲として織り上げたセンスと技術がすごい。

 

バックの演奏も素晴らしいが、

特にこの曲を名曲の極みに持って行ったのは、

この時のヴォーカリスト、

ピーター・ガブリエルの独特の歌唱スタイルだ。

 

ガブリエルがジェエシス時代に築き上げたスタイルは、

自ら物語の主人公となって、その心情のみならず、

情景描写、他の人物のセリフ的な部分まで歌い分けること。

 

分かりやすく言うと、ミュージカルっぽい表現手法だが、

こんな奇抜な表現力をロック音楽の中で発揮できたのは、

先にも後にもガブリエルしかいない。

 

彼は後年、バンドを脱退し、

このスタイルを捨てて、本格的な歌手への道を歩むが、

ジェネシスのヴォーカリストとして遺したものは

他では聴くことのできない秘宝となっている。

 

ちなみにジェネシスは、最もビートルズに近い

プログレバンドである。

 

「サージェントペパーズ」などで

ビートルズが行なった実験音楽を発展させたのが

プログレッシブロックだとすれば、

それを一番忠実にエッセンスとして取り入れていたのが、

ジェネシスだ。

 

リアルなラブソングと

幻想・非日常の世界・ドラマを絶妙なブレンドで表現する。

 

この曲の中でも端々に、また、構成全体からも

「サージェントペパーズ」や「アビーロード」の影響、

ナンセンスファンタジーみたいな歌詞には

ジョン・レノンの影響が感じ取れる。

 

1975年にガブリエルが脱退した後、

ドラムのフィル・コリンズがヴォーカルとなり、

プログレを捨てて、ポップロックに転向して大成功を収めたのも

そんなバンドの成り立ちと歴史が要因ではないかと思う。

 

この時期のジェネシスは

「シアトリカル・ロックバンド」の異名を取り、

ピーター・ガブリエルが奇妙奇天烈な扮装で歌い踊るという

すごいパフォーマンスを見せていた。

 

そのライブ映像も楽しくて見ものだが、

今回は曲の全体像がわかるので、

あえてイラストで疑似アニメーションにした映像を選んだ。

 

20分超の大曲をイラスト化した労作で、

作者のジェネシス愛、ガブリエル愛が伝わってくる。

 

僕はELPを聴いて以来、

中学生の頃からプログレマニアだったが、

ジェネシスはそんなに聴かなかった。

その楽曲の持つ魅力と真価と普遍性に気づいたのは

割と最近のことである。

 

ピンク・フロイドもキング・クリムゾンも

今となっては懐メロ感が拭い去れないが、

ジェネシスはいまだ僕の中で進化を続け、

刺激的なイメージを送ってくる。

 


0 コメント

富山の薬草の霊獣クタベのお札

 

クタベは、江戸末期に立山に現れた霊獣。

薬種を採取していた者の前に現れ、

「我が似姿を家々に配布して張り出せば、

流行り病を退けるであろう」と言い残し

立ち去ったといわれる。

中国の「白澤」と類似している。

 

富山県高岡市の国宝・高岡山瑞龍寺のお札である。

 

連休中、義父の命日があったので、

神戸から来た義妹夫婦と墓参りに。

その帰り、昼食に立ち寄ったレストラン「藍屋」で

富山特集をやっていた。

 

富山は義父の故郷である。

ご供養の意味を込めて富山天丼を食べたら、

このお札がおまけについてきた。

 

奇しくも同日、義母のワクチン接種の予約が取れた。

 

変異種が蔓延し始め、

人の心も自律性を失っているように見える。

オリパラに向けての政治的な不気味な動きも感じる。

 

日本においてコロナとの闘いが、

いまどのあたりに来ているのか?

終わりが近づいているのか?

それともまだこれからが本番なのか?

 

クタベ様に守ってもらって、

慌てず騒がず淡々と日常を続けるだけである。

 


0 コメント

昭和28年を精神分析する妖怪小説

 

久しぶりに京極夏彦の妖怪小説を読んでいる。

古本屋であり、神道の祭司でもある京極堂と

薔薇十字探偵社の面々が活躍する、

このサイコミステリーは、

昭和28~29(1953~54)年あたりの時代を舞台に展開する。

 

その前年の昭和27(1952)年の

サンフランシスコ講和条約によって、

戦後7年間、日本を占領していたGHQは去り

(米軍基地は全国各地に残されたが)、

日本は国家としての主権を取り戻した。

 

しかし、まだその直後は、国全体が

独立した喜びよりも、頼ってた保護者をなくした

子どものような不安な心理状態のほうが勝っていた。

 

その不安心理が、妖怪という幻視となり、

恐ろしい殺人事件につながる。

京極堂妖怪小説シリーズは、

かの時代の精神分析を試みた作品だともいえる。

 

それは京極氏がデビューした、

平成が始まって間もない1990年代の平成初期、

そしてコロナ禍に見舞われた令和初期の現代と

共通する何かを持っているようだ。

 

作品の中には、昭和28年にはタブーだったと思われる

家族同士の相克・殺し合いの問題や、

ジェンダー問題などに切り込んだものもある。

 

今回のは京極堂の妹・敦子(雑誌記者)を主役に据え、

のっけから女学生らの河童をめぐる

可愛くてリズミカルなやりとりから始まる。

 

殺人事件の謎・人の心の暗闇を解き明かす

ミステリーであることに変わりはないが、

以前のヘヴィでダークななイメージと異なる

マイルド&ライトな感覚。

 

辞書みたいなぶ厚さだった旧シリーズと比べて

ボリュームも軽いので気楽に読める。

 

おりべまこと電子書籍

2021GWスペシャル無料キャンペーン

5月6日(木)16:59まで。

 

昭和エッセイ集

昭和96年の思い出ピクニック

http://www.amazon.co.jp/dp/B08WR79ZCR

 


0 コメント

昭和のバナナ預金

 

バナナを預金する。

そんな発想は現代人にはない。

昭和を語る僕にもない。

しかし、認知症患者の義母にはある。

 

昨日、近所の八百屋に一緒にいったら、

店頭にどっさりバナナが一山280円で売っていた。

Lサイズのでかいのが10本くらい。

よくスーパーで売っている「甘熟」系の

おいしそうなやつだ。

値段的にも量を考えたら大安売りである。

 

義母はそれを見て目をキラキラさせ、

「バナナたべたーい💛」と口走る。

記憶が刺激されるのだ。

彼女の目には安っぽい、

緑色のプラスチックのざるに盛られたバナナの山が

キラキラ輝く黄色いお宝の山に見える。

 

なぜかと言えば―ー

 

かつて、昭和40年代頃まで

バナナは高級フルーツで、

庶民にとっては高根の花だった。

現代の感覚で言えば、マスクメロンであり、

高級イチゴやシャインマスカットなどに匹敵するのだろう。

入院患者へのお見舞いのフルーツバスケットには

威風堂々、ど真ん中にありがたくドカッと鎮座していた、

らしい。

 

昭和40年代の子どもである僕にも今一つ、

「バナナ=高級品」という実感がないのだが、

まぁ今ほど頻繁に食べられなかったのは事実だ。

 

で、バナナLOVEの義母が

お喜びで食べるのかと思いきや、

いざ食卓に出すと手をつけない。

必ず「今は食べない」という。

 

ではいつ食べるのかというと、

永遠に食べない。

だって食べたらなくなってしまう。

そんなもったいないことはできない。

なので、紙にくるんで懐に入れ、

大事にタンスの奥にしまっておく。

言ってみれば「タンス預金」である。

 

しかし、そんな行動をとられてはたまらない。

2~3日後にはバナナはタンスの奥で

ドロドロに溶けている。

今の季節なら、あっという間に虫がわんさか湧いて

部屋がとんでもないことになってしまう。

 

お持ち帰りしようとするのを慌てて阻止し、

「これはちゃんとお義母さんのためにとっておきます」

と言って取り上げる。

ちょっと胸が痛むが、しばらく他のことをやっていると、

もうバナナのことなど忘れている。

視覚情報がなくなると、自然に記憶から抜け落ちるのだ。

執着心はないので助かる。

 

あとからカミさんに

バナナは薄くスライスしてヨーグルトなどに入れて

「加工」して出さないとだめだと言われた。

子ども時代から若い頃まで

滅多に食べられなかったバナナ。

甘くて栄養もあって、お腹も膨れるバナナを

昔の分までいっぱい食べてほしいと思うのだが、

どうもそんな僕の願いは、

義母の昭和精神にはそぐわないらしい。

 

一生消えないトラウマのような、

燦然と輝く高級フルーツ像を刻みつけたバナナ。

義母にはいつも昭和の心を学ばせてもらっている。

感謝を込めて、お残しした分は、僕がいただきます。

 

おりべまこと電子書籍

2021GWスペシャル無料キャンペーン

5月3日(月)17:00~

6日(木)16:59の3日間限定

 

昭和エッセイ集

昭和96年の思い出ピクニック

http://www.amazon.co.jp/dp/B08WR79ZCR


0 コメント

おりべまこと電子書籍2021GWスペシャル無料キャンペーン 第2弾! 

5月3日(月)17:00~6日(木)16:59の3日間限定

昭和エッセイ集「昭和96年の思い出ピクニック」

http://www.amazon.co.jp/dp/B08WR79ZCR

おりべまこと脳内マップから繰り出す昭和ワールド1stアルバム。

昭和を知りたい、昭和を発見したい、昭和を振り返りたい、昭和ノスタルジーに浸りたい、この際、昭和と心中したい――

そんな人たちに贈るエッセイ集。

 


0 コメント

音楽から生まれる妄想力とライティング

 

今でも小説を書く時はもちろん、

ビジネスのサイトや書籍の文章を書く時にも、

頭の中の記憶バンクから好きな曲を引っ張りだしてきて、

勝手にテーマ曲にして書くことがある。

リズムやメロディを与えると、イメージが膨らみ、

文章が呼吸をしてするすると動き出す。

音楽リスニングで妄想力を養ってきたおかげで今の自分がいる。

 

おりべまこと電子書籍

GWスペシャル無料キャンペーン 第1弾!

第1弾! 5月1日(土)17:00~3日(月)16:59

音楽エッセイ集

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

http://www.amazon.co.jp/dp/B08SKGH8BV

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

おりべまこと電子書籍GWスペシャル無料キャンペーン

第1弾! 5月1日(土)17:00~3日(月)16:59

音楽エッセイ集

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

http://www.amazon.co.jp/dp/B08SKGH8BV

 


0 コメント

残酷な天使のテーゼ/高橋洋子:週末の懐メロ㉘

 

「エヴァンゲリオン」がここまで人の心に食い込んだのは、

作品の内容はもちろんだが、テーマ曲の存在も大きい。

「残酷な天使のテーゼ」の歌詞は、

とてつもなく美しくドラマチックだ。

 

作詞の及川眠子がこの曲を書く際に与えられたオーダーは

「哲学的であること」「難解であること」。

それに対し、萩尾望都の漫画「残酷な神が支配する」を

元ネタにして2時間で書き上げたという。

 

そうして生まれたこの曲はエヴァ人気とあいまって

前世紀から常に人気カラオケ曲のトップ10に入る名曲となった。

アニメを観たことない人でも、

この歌は知っているという人は多いのではないか。

 

カヴァーもやたらと多い。

外国語バージョンも英語はもとより、10か国はくだらない。

 

それでもやはり高橋洋子のオリジナル版がいい。

このビデオは歌に合わせて、

テレビ版と旧劇場版、

つまり20世紀の旧シリーズのストーリーを

曲の尺4分に編集している。

 

新シリーズの完結編である「シン・エヴァ」を観た後だと、

絵もちょっと懐メロっぽい。

でも、そこがまたいい。

 

そして曲名どおり、

旧シリーズは本当に残酷だったなぁと感じる。

そう感じるのは、苛烈で凄惨なシーンが多いせいもあるが、

一番の要因は、女性の登場人物の運命があまりに過酷だからだ。

 

かつて映画の世界では、

劇中であっても女と子どもは殺してはならないという

不文律があった。

半世紀以上前の話で「女は守られるべき存在」という

一種の差別の表れでもあるのだけど。

 

しかし、自分が男のせいか、たとえ虚構の中とはいえ、

女が死んだり殺されたりするところを見るのは、

心が切り裂かれるような痛みを感じる。

 

旧シリーズでは、レイもアスカもミサトもリツコも、

主要な女キャラがみんな死んでしまった。

それもかなり無残で惨い死に方だった。

 

物語自体も最終的に狂気の世界に突っ込んでいき、

通常のロボットアニメ、

ヒロイックファンタジーとはかけ離れた、

前衛的なアート作品のようなエンディングになった。

 

そして、エヴァ人気が一種の社会現象としても扱われた。

1990年代の世紀末観、オカルトじみた事件の数々、

従来の社会常識の液状化、

人間の心の暗黒面の発見といったことも

影響してたのだろう、

 

それに比べて、新シリーズが

とても優しく温もりのある終焉に感じられたのは、

彼女らの命が無残に潰えることなく、救われたからだと思う。

ただ一人の死も崇高な「英雄死」だった。

 

庵野監督が新シリーズを旧シリーズほど

残酷な物語にしなかったのは、

齢を取って丸くなったせいもあるが、

女を殺し過ぎたことに対する

罪ほろぼしの意識があったからだろうと推測する。

男の心には必ずそういう贖罪の季節が訪れる。

 

この曲とこのアニメは、ある世代、

具体的には1995年から97年の

テレビアニメ放映~旧劇場版上映の時期に

ティーンエージャーだった人たち(現在の40代)にとって、

一つの原風景になった。

 

巨大なトラウマであり、一生消えない感動と傷跡。

幸か不幸か、僕は大人になってから出逢ったので、

適度な距離を置いて見ることができたけど、

耽溺した人を少し羨ましく思う時もある。

 

エヴァの素晴らしいところは、

自分の想像力でストーリーを補完し、

ひとりひとりの心の中に

「マイ・エヴァンゲリオン」をつくれるところにある。

 

エヴァンゲリオン補完計画発動。

四半世紀にわたった新旧シリーズが完結し、

「残酷な天使のテーゼ」が懐メロになった今、

世界中で無数の新たなマイ・エヴァが起動する。

 

おりべまこと電子書籍

GWスペシャル無料キャンペーン

5月1日(土)17:00~3日(月)16:59

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

5月3日(月)17:00~6日(木)16:59

昭和96年の思い出ピクニック

 


0 コメント

大人になったちびまる子ちゃんと 還暦を超えて高齢化したサザエさんの「昭和の日」

 

今日は昭和の日である。

昭和生まれ祖たちの僕などは、いまだに

4月29日=天皇誕生日と、つい口走ってしまうのだが、

もちろん天皇誕生日は平成になってから12月23日に、

そして現在の2月23日に移行した。

 

昭和の日は2007(平成18)年から始まった。

じゃあその前の平成の17年間は何の日だったのか? 

と言えば、現在5月4日の「みどりの日」だった。

勝手に5日後にコンバートされてしまった

「みどりの日」っていったい・・・

という感じだが、要は大型連休を構成する一要素だから

名称は何でもいい、

というのが、国民の偽りない心情だろう。

 

祝日法によると、昭和の日は

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、

国の将来に思いをいたす」と定められている。

 

一応ちゃんと意味はある。

 

二度の世界大戦。

連合軍(実質的には)アメリカにより占領時代もあった。

奇跡のような戦後復興と高度経済成長。

東京オリンピックも大阪万博もあった。

 

家電が普及し、生活が便利で快適なった。

テレビも普及し、みんなが娯楽と情報を得られるようになった。

マンガもアイドルも音楽も芸能ゴシップも、

楽しいことがいっぱい増えた。

 

その気になれば、確かに昭和は今を知り、

未来を考える素材・資産の宝庫だ。

 

いわば僕ら日本人のビッグデータの塊であり、

毎日ディープラーニングして、

いかに有効活用できるか、考える時代になっている。

それが未来をつくる仕事であり、

「国の将来に思いをいたす」ことでもある。

 

「いつまで続くのか?」という議論もあるようだが、

今の天皇陛下は昭和の真っただ中のお生まれということもあり、

おそらく令和の間は「昭和の日」はなくならない気がする。

 

それにしても、それまでの「みどりの日」を5月4日に移し、

4月29日は「昭和の日」にするという案が、

なんで生まれたのか?

 

施行が2007年からだから、

決まったのは2006年である。

2006年に、この改変にまつわることが何かあったのだろうか?

 

調べてみて思い当たったことがあった。

2006年はマンガ「ちびまる子ちゃん」の生誕20年、

「サザエさん」の生誕60年にあたる年だった。

 

成人を迎えたちびまる子ちゃん、

還暦を迎えたサザエさんが「昭和の日」を産んだ。

 

そんなわけない?

でも、あながちそうともいえない。

 

令和の日本は、大人になったちびまる子ちゃんたちと

還暦を超えて高齢化したサザエさんたちが

人口の大半を占め、動かしている。

ちびまる子ちゃんやサザエさんがまだまだ元気なうちは

「昭和の日」は終わらないだろう。

 

いずれにしても年に1日くらいは、

ノスタルジーに浸りたい人もいっぱいいると思うので、

年に1度のこの日くらいは思う存分、昭和を懐かしんで

「昔はよかった」だの、

「昔はああだった。こうだった」と

ゴタクを並べてもいいかもしれない。

 

ただし、そのノリで若い衆に説教なんぞすると

間違いなく馬鹿にされ、嫌われますよ。

 

エッセイ集「昭和96年の思い出ピクニック」/おりべまこと 

ASIN: B08WR79ZCR 

アイドル、マンガ、オカルト、オリンピック、新聞配達、家族、そして戦争――昭和には愛すべきもの、憎むべきもののすべてがあった。

2021年=令和3年=昭和96年になった今でも、僕たちは昭和の物語から離れられない。海を埋めたて、山を切り開き、明日へ向かって進んだ果てに見つけたものは何だったのか?

みんなが愛して憎んで生きた時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から30篇を厳選・リライト。

 

もくじ

・西城秀樹さんのお葬式:青春の同窓会

・ちびまる子ちゃんとサザエさんはいつまで続くのか?

・昭和オカルト大百科

・新聞少年絶滅?物語

・死者との対話:父の昭和物語

・社会全体の児童虐待と「晴れた空」

・東京ブラックホールⅡ:「老いた東京」は美しいか?

・さらばショーケン:カッコ悪いカッコよさを体現した1970年代のヒーロー

・さらば平成――みんなが昭和に帰りたがった30年

・永遠の昭和 明日のための1960年代・70年代   ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ からASIN: B08WR79ZCR、「おりべまこと」、または書籍名「昭和96年」を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

超高れい蔵庫 成仏す

 

先週、夏日が2,3日続いた時に冷蔵庫の中が少々匂った。

取り出してみると開けて3~4日経ったヨーグルト、

4~5日経った缶のホールトマトの残り、

ほったらかしておいた糠床などにカビが生えている。

まだ賞味期限前の豆腐もチーズ化している。

 

冷凍庫に入れておいた食品もイマイチフリーズしてないし、

アイスクリームは数時間入れておいたら柔らかくなっている。

 

どうやら冷蔵庫が命尽きつつあると判断した。

じつはとっくに寿命が来ていたのだが、

寒かったから気が付かなかったのだ。

 

この冷蔵庫をいつ購入したのか思い返してみた。

カミさんとは結婚する1年前から一緒に暮らし始めた。

その年からだから・・・と勘定すると、

なんと27年!

20世紀の遺物だったのだ。

 

その上に乗っかっていたオーブントースターは

カミさんが一人暮らしを始めたお祝いに

友だちからもらったものだというから、

さらにその上を行く30年以上!

 

だいぶ汚れてたけど、ちゃんと使えるので

結婚しても、子どもが生まれて成人しても

取り替えなかった。

 

さすがに冷蔵庫は健康にかかわるものなので、

ケチってなどおれず、夏になる前に

近所のコジマで新品を購入。

ついでにオーブントースターも買い替えた。

 

人生の半分近い年月、お世話になった冷蔵庫に

感謝の心を込めて手を合わせた。

「成仏してくれよ」と祈りつつ

土曜日に配送されてきた新品と引き換えに

お引き取り戴いた。

南無阿弥陀仏。

 

ピカピカのヤング冷蔵庫はよく冷える。

今までいかにちゃんと冷えてなかったかがよくわかった。

なんだか新生活スタート!の気分。

 

エッセイ集「昭和96年の思い出ピクニック」/おりべまこと 

ASIN: B08WR79ZCR 

アイドル、マンガ、オカルト、オリンピック、新聞配達、家族、そして戦争――昭和には愛すべきもの、憎むべきもののすべてがあった。

2021年=令和3年=昭和96年になった今でも、僕たちは昭和の物語から離れられない。海を埋めたて、山を切り開き、明日へ向かって進んだ果てに見つけたものは何だったのか?

みんなが愛して憎んで生きた時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から30篇を厳選・リライト。

 

もくじ

・西城秀樹さんのお葬式:青春の同窓会

・ちびまる子ちゃんとサザエさんはいつまで続くのか?

・昭和オカルト大百科

・新聞少年絶滅?物語

・死者との対話:父の昭和物語

・社会全体の児童虐待と「晴れた空」

・東京ブラックホールⅡ:「老いた東京」は美しいか?

・さらばショーケン:カッコ悪いカッコよさを体現した1970年代のヒーロー

・さらば平成――みんなが昭和に帰りたがった30年

・永遠の昭和 明日のための1960年代・70年代   ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ からASIN: B08WR79ZCR、「おりべまこと」、または書籍名「昭和96年」を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

週末の懐メロ㉗:レディラック/ロッド・スチュワート

 

幸運の女神」と題された1995年リリースの歌。

明るさと切なさの入り混じった印象的なメロディーを

リズミカルに、独特のハスキーヴォイスで歌っていく

ロッド・スチュワートの佳作だ。

 

この曲はフジテレビで放送されていた

「沙粧妙子 最後の事件」の

エンディングテーマだった。

 

主演の浅野温子、佐野史郎、升毅をはじめ、

当時のスター級俳優やアイドルたちが顔をそろえた

とんでもなくヘヴィで陰惨でオカルト風味満載の

心理サスペンスドラマ。

 

ベストセラーになり、プロファイリングという言葉を広めた

ノンフィクション「FBI心理捜査官」や

サイコスリラーの原点となった

映画「羊たちの沈黙」の影響は明らかで、

毎回おそるべき異常でミステリアスな殺人事件が起きていた。

 

夜9時というゴールデンタイムに公共の電波で

よくあんなとんでもない話をやっていたものだ。

 

思うにあの1990年代、

多くの人が、人の心の奥に計り知れない闇があることを発見し、

そこに鬼とか悪魔が生息することを認識し、

それを覗き見ることに興奮と快感を覚えてしまったのだろう。

僕はその一人である。

 

あの頃、異常だの狂気だのと騒がれたような事件や事象は、

いまや日常茶飯事的に起こっている。

人間と社会の、一つの進化だったのかも知れないと思う。

 

いずれにしても「沙粧妙子 最後の事件」は

めちゃくちゃ面白かった。

毎回、次はどうなるんだろうと盛り上がったところで

この歌が入ってきてエンディングとなる。

 

ドラマの濃厚な後味をクリーンにしてくれる

スチュワートの、軽くカマしているような、心地よい歌声。

何度聴いてもナイスだ。

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

ASIN: B08SKGH8BV ¥311

 ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。

 

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

人生百年時代の浦島伝説

 

のろまなカメがマッハのスピードで空を飛ぶ、

という大きなギャップは、かつての少年たちの夢を育んだ。

 

ゴジラと人気を二分した大映映画の怪獣ガメラは、

ひっこめた手足の穴からジェット噴射を出して

クルクル回転しながら空を飛ぶという離れ技、

さらにそのまま敵の怪獣に体当たりするという

神風特攻隊みたいな荒技で子どもたちを驚愕させた。

 

一方、昨日ご紹介したウルトラQ「育てよカメ」の

大亀ガメロンはそんな技など使わず、

ウルトラマンみたいに、というかオバQみたいに

背中に少年をひょいっと乗せて空を飛ぶ。

 

この「育てよカメ」は早い話、浦島太郎のパクリなのだが、

なぜか竜宮城は雲の上にあり、そこには乙姫らしき女の子が

ごく普通のワンピースを着てブランコに乗っている。

 

いったいどういう発想であんなシーンが出てきたのだろう?

お前が夢みる竜宮城なんて、じつはこんなもんだよ

――というアイロニーなのか?

 

人生百年という超高齢社会において、

浦島太郎の物語は、日本人、いや、世界中の人たちにとって

さまざまな示唆に富み、考察をするに値する重要な物語だ。

 

物語のラストは浦島太郎が玉手箱をあけたら

もくもくと煙が出てじいさんになって終わるが、

それをどうとらえるのかで、意味は変わってくる。

 

そもそもこの物語が今の形になったのはまだ明治時代のことだ。

これは僕の憶測だが、何と言っても富国強兵の時代。

いじめられているカメを助けるという人徳ある若者が、

一度、遊び惚けて飲んだくれて、

女に腑抜けにされてしまったら、

一生を棒に振ることになる。

そんな“ありがたーい人生訓”を盛り込んで、

日本男児たる者、そんな堕落の道に落ちぬよう自己を戒めよ――

という訓示に繋げようとしたのかも知れない。

 

しかし自己を戒めてどんあないいことがあるのか?

それで幸福になるのか?

 

今の時代感覚から見ると、

カメを救うというちょっとした福祉をして感謝され、

飲んで食って楽しんで美人に愛されて一生過ごすなんて

こんなハッピーでサクセスフルな人生はない。

 

最後にじいさんになるのは人間、当たりまえの定めなのだから、

まさしく浦島太郎は人生の成功者と言えるではないか。

 

それにしても竜宮城にずっといればいいものを、

なんでまた浦島は故郷に帰りたいなんて思いに駆られたのか?

家族のことや村のことなど

放っておいて楽しみ続けることはできなかったのか?

 

玉手箱で太郎をじいさんにしてしまうのは、

裏切られた乙姫の復讐だったのか?

何もかも変わってしまった世界に絶望した

太郎に対する救済だったのか?

 

ところで浦島太郎がその後、どうなったのかは描かれていない。

明治から昭和にかけてはそれでおしまいだったかもしれないが、

人生百年時代のこれからは、じいさんになっても

ポジティブに生きていく浦島太郎の後日談が加わってもいい。

 

「昔はよかった」とか

「昔はこんなじゃなかった」なんてぼやくことなく、

浦島は荒野を目指して旅に出る。

 

まったく変わってしまった世界を

この目で見てやろうと世界の果てまで放浪する。

 

もしかしたらどこかの街で

人々に竜宮城の話をして喜ばれるかもしれない。

仙人や高僧だと持ち上げられて敬われるかもしれない。

また恋をして、

若い娘に惚れられてねんごろになることだってあり得る。

 

令和の世はそんなふうに浦島太郎の話を

つくり替えたってOKなのではがないだろうか。

 

それでは明日はこの続編で、

カメはなぜ浦島に助けられたのかと、

乙姫様が仕組んだ、女の陰謀のお話を一席。

 

おりべまこと電子書籍 AmaonKindleで発売中!

★子ども時間の深呼吸:子どもエッセイ集

★昭和96年の思い出ピクニック:昭和エッセイ集

★神ってるナマケモノ:動物エッセイ集

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ からコードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

カネゴンは鳥を見た

 

現在、毎週月湯深夜にNHK-BSプレミアムで

「ウルトラQ」を放送している。

「ウルトラQ」は1966(昭和40)年にTBS系で放送された

円谷プロ制作の特撮ドラマで、

ウルトラシリーズの元祖となる作品だ。

 

日曜夜7時からの番組で、当時のファミリーが視聴対象。

怪獣が出てくるのでもちろん子供も大喜びだが、

中身は完全におとな向けのSF、ミステリー、ファンタジー。

僕は当時6歳で、

ものすごく怖くてとても一人では見られなかった。

 

同じように昭和の子供たちは、

毎週「ウルトラQ」によって

恐怖のどん底に落とされていただろう。

 

いま振り返ると、そこには子どもが

家族といっしょに怖いものを楽しめる

安心感・幸福感があった。

そういう意味でファミリー向けだったのだ。

 

ほとんどが大人っぽい内容だが、

3本だけ子どもが主人公のファンタジー物語があった。

それが「育てよカメ」「鳥を見た」「カネゴンの繭」である。

この3本のオープニング(エンディング)は、

あのこわーいテーマ曲でなく、

わんぱくマーチみたいな曲が使われていた。

 

「育てよカメ」は少年が飼っていた亀が突然巨大化して、

そいつに雲の上にある竜宮城みたいなところに

連れて行ってもらうというおとぎ話。

確かゆめ落ちだったのではないかと思う。

 

雲上の竜宮城にはブランコしかなくて、

乙姫様らしき女の子がやたらおきゃんで、小悪魔っぽかった。

 

「鳥を見た」も、少年が飼っていた小鳥が巨大化する物語。

こちらはコミカルではなく、芸術的な短編映画のようで、

「鳥を見た」というセリフがキーワードとして使われていた。

 

古代の怪鳥に変貌した友だちの鳥が

夕空の彼方へ去って行くのを見送る少年。

その後姿をバックにエンドロールが流れる。

話の内容は憶えてないが、

そんな詩情あふれる美しいラストシーンを見たのは

生まれて初めてだった。

 

「カネゴンの繭」はおなじみ人気怪獣カネゴンが

出てくる回である。

カネゴンはおカネ大好きなカネオ君という少年がある日、

不思議な繭に取り込まれ、

出てきたらカネゴンになっていたという話で、

言ってみればカフカの「変身」のパクリである。

 

そのカネゴンを人間に戻すために

友だちがあの手この手で知恵を絞ってがんばる。

表現はシュールでコミカルで現代批評だが、

基本構造は友情物語なのだ。

 

 

わが散歩道・善福寺川周辺にはカメも鳥もカネゴンもいる。

カメは基本的にこの先にある和田堀公園の池にお住まいだが、

ときどき川を上って出張してくる。

 

鳥はいっぱいいる。

春から夏にかけてはカワウやアオサギまでやってくる。

こいつらはなかなかの迫力で、

面構えはまさしく怪鳥だ。

 

そして今やこのあたりの名物となったオオタカも子育て中だ。

本当に時々だが、木の陰に白い体がちらっと見える。

 

そしてカネゴンがぞろぞろ歩いている。

僕を含めて「オオタカを見た」「カワウを見た」

「アオサギを見た」と騒いでいる。

 

人間の皮を被っているけど実はカネゴン。

カネゴンはいつもおカネを食べてないと生きていけない。

胸につけてるカウンターがゼロになったら死ぬ。

僕らも預金残高がゼロになったら・・・

いや、死なないで笑って生きよう。

カネはないけど心配するな、と。

 

庵野監督、ウルトラマンと仮面ライダーが終わったら、

今度は「シン・ウルトラQ]をお願いします。

 

おりべまこと電子書籍 AmaonKindleで発売中!

★子ども時間の深呼吸:子どもエッセイ集

★昭和96年の思い出ピクニック:昭和エッセイ集

★神ってるナマケモノ:動物エッセイ集

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ からコードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 

 


0 コメント

週末の懐メロ㉖:LOCH SENU/LANPA

 

LAMPA(ランパ)の[LOCH SENU(ロッホ・セヌ―)」は

1990年5月、イカ天で歌われた。

 

通称イカ天、「いかすバンド天国」はTBS系で

1989年2月から1990年12月まで放送された

バンド勝ち抜き合戦の番組である。

 

始まった頃、出場バンドのクオリティは結構高く、

当時、こりゃすごい、カッケー、楽しい、

テレビ的に面白いと思ったのがいっぱいあった。

 

しかし、30年あまりたった今。なおも新鮮に響き、

こころ傾けて聴けるのは、LANPAだけである。

 

ハイトーンで清涼な女声ヴォーカルと

ファンタスティックに響きわたるギター。

リズムセクションを含めた

アンサンブルの素晴らしさ。

 

そして、光や水、木や土や月など、

自然の事象と人の心情を重ね合わせて表現する

独特の美しさを持った音楽世界。

 

時に民俗音楽のようであり、

時にプログレッシブロックのようであり、

時にフォークっぽいニューミュージックのようでもある

変幻自在な楽曲は、どこかにありそうだけど

どこにもないユニークさを放っていた。

 

メジャーデビューも果たし、

CDも買って聴いていたが、この曲以外にも、

「水の上のペディストリアン」「記憶の森」

「ムーンライトマッドネス」「大地に雨」など、

バラエティ豊かな名曲ぞろいだ。

 

イカ天はその週にチャンピオンとなった「イカ天キング」が

5週連続で勝ち抜くと「グランドイカ天キング」になるという

仕組みだった。

 

LAMPAは4週勝ち抜くも最後の5週目で敗れ、

グランドにはなれなかった。

 

LANPAが去って以降のイカ天は全体的にクオリティが落ち、

ブランキージェットシティ以外、ほとんど憶えていない。

最後の3か月はつまらなくなって見なくなっていた。

 

審査員の好みか、番組の趣向なのか、

ルーツのはっきりしたロックらしいロック、

アクの強い強烈なキャラクター、イロモノ、

テレビ的に面白いといったバンドが

優遇されていたような気がする。

 

それらの基準のどれにも当てはまらず、

音楽性だけで勝負していたLANPAはちょっと不利で、

イカ天バンドらしくなかったのかもしれない。

 

けれども今となっては、そんなことはどうでもいい。

あれから30年。彼女らの遺した楽曲が

またとない生命力を持って輝いていることが

確認できれば、それで十分だ。

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

ASIN: B08SKGH8BV ¥311

 ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。

 

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

やよいの花とみどりの寿司と魚が苦手な寿司屋の娘

 

26年前。1995年の4月15日に結婚式を挙げた。

本日と同じく、大雨の翌日の

しゃっきり晴れ上がった日。

 

オウム真理教が「何かが起こる日」と予言したため、

東京は最初のコロナ緊急事態宣言発令日みたいになっていた。

 

というわけで、きょうは結婚記念日だった。

特別なことはしないが、一応、「ハレの日」だし、

部屋に花を飾って、寿司でも食おうということになった。

 

花は永福町の南口にある「YAYOI」という花屋に買いに行った。

引っ越してからも年に数回、

ちょっとアニバーサリーな時はここの花を買い求める。

値段が安くて質がいいし、長持ちする。

アレンジのセンスも悪くない。

 

いつもは乙女チック少女マンガの主人公が

そのまんま齢を取ったような女主人のやよいさん

(たぶん自分の名前を店名にしたのだと思う)と、

ネズミ番のやたら恰幅の良い去勢ネコ

(ネズミが花を食べに来るらしい)がいるのだが、

今日は旦那さんだった。

 

いや、実際はどうだかわからないので、

花やラップやリボンを選んだあと、

「僕はここでやよいさんと猫さんにしか

会ったことがないのですが、あの、旦那さんですよね?

」と聞こうとした。

 

ついでにあの女性は本当に「やよいさん」なのかどうかも

確認しようとしたのだが、

ラッピング作業に移った瞬間、立て続けに4人もお客さんが来た。

(実は僕はけっこう福の神体質で、

黙ってお客を呼び寄せることができる)

それで忙しくなったので、とうとう聞けずじまいだった。

 

 

寿司は久しぶりに美登利寿司を食べた。

昔、梅が丘で初めてカミさんと美登利寿司を食べた当時は、

今のように寿司チェーンなんてほとんどなかったこともあって、

その旨さと安さに衝撃を受けた。

 

その後、美登利寿司もチェーン化し、

梅が丘以外にもあちこちに店が出来たが、

遠かったり混んでたりで、あまり食べる機会がなかった。

 

それが昨年10月、七夕祭りで知られる

阿佐ヶ谷パール商店街の真ん中に

テイクアウト専門店ができたのである。

阿佐ヶ谷はチャリを飛ばせば家から15分。

永福町と変わらない距離だ。

 

昼すぎに予約しておいて、夕方取りに行く。

行列も混雑もなくすんなり受け取り、

ついでに店内のお寿司の時計が面白かったので

写真も撮らせてもらった。

 

にぎりの盛り込みと、カリフォルニアロールと、

いなりずしだったが、

義母はあんまり生魚が好きじゃないので、

いなりと玉子ばっかり食べていた。

安上がりな人である。

 

食後、YAYOIのことがあったせいか、

美登利寿司の美登利さんは、すし屋の奥さんだったのか、

娘さんだったのか、ちょっと気になった。

 

小学校の同級生に好美という女の子がいて、

彼女はすし屋の娘で、お父さんは

店の名前に「すし好(よし)」とつけていた。

 

そういえば彼女も寿司屋の娘のくせに魚が苦手で、

助六や玉子が好きだと言っていた。

 

どうでもいいことをいっぱい思い出して楽しかった。

 


0 コメント

オバマのタカハシさんちの娘は人魚の肉を喰った

 

人魚はメルヘンであり、ファンタジーであり、

ホラーであり、モンスターである。

ついでにかなりセクシーでもある。

 

アンデルセンの「人魚姫」の下半身が魚から

人間の脚に変わるのは、

女性の性的成長を表すメタファーである、という解説を

ある本で読んだときは、

まさしく目から魚のウロコが落ちた。

 

というわけで古今東西、人魚に恋する者は後を絶たず、

世界各地に人魚伝説が残されることになった。

 

ヨーロッパには、人魚姫のイメージを覆す

人魚が船乗りの男どもをおびき寄せて

食っちゃうという話がある。

(というか、逆にアンデルセンがこの怖いイメージを覆して、

可愛く、美しいイメージを創り上げたんだけど)

 

対して日本では人魚を食べちゃった、という話がある。

 

オバマ大統領の時、大いに盛り上がった福井県小浜市。

そのオバマの地に伝えられている「八百比丘尼」の話は

日本の民話の中でも異常に人気が高い。

 

昔、若狭国小浜(わかさのくにおばま)に

高橋権太夫という長者が住んでいた。

ある日、舟を出して遊んでいると嵐が起こり、

見知らぬ島に流されてしまった。

そこで彼は思わぬもてなしを受けることになる・・・

 

という感じで始まるこの話、このタカハシさんはこの土地の

お偉いさん、お金持ちで、彼が贅沢な会食をするのは

いろんなバージョンがある。

しかし、その後はどのバージョンも共通している。

 

その贅沢な会食の食卓に上るのは人魚の肉なのである。

(タカハシさんが厨房で人魚がさばかれるのを

目撃してしまうというバージョンもある)

 

タカハシさんは金持ちのくせにセコいのか、

少年のように好奇心旺盛なのか、

この人形の肉をこっそりテイクアウトして、

家の戸棚に隠しておく。

 

お刺身だったのか、塩焼きだったのか、ムニエルだったのか

わからないが、いずれにしても

冷蔵庫のない時代、そんなところに入れておいて

腐らないのかと心配になるが、

腐る前に家族の者が見つけて食べてしまった。

 

そのつまみ食いの犯人が、

みめ麗しい年ごろのタカハシさんちの娘だったのである。

 

肌の白い美しいその娘は、

それ以後、まったく齢を取らなくなった。

人形の肉を食べたせいで不老不死の体になったのである。

 

夫も家族も友人も死に絶え、時代が変わっていっても、

彼女は若いまま生き続ける。

 

やがて彼女はその長い生に倦み、村を出て、

尼さんとなって全国を遍路する。

 

そして人々を助け神仏への信仰を説き、

行く先々で白い椿を植えたという。

(杉の木を植えたなど、違うバージョンもある)

ちなみに八百比丘尼は正確には不死だったわけでなく、

800歳でこの世を去ったということだ。

だけど十分過ぎるほど生きた。

 

魚食文化を持つ日本人にとって、

そう遠くない過去--昭和の貧しい時代まで、

魚は不老長寿の薬、とまではいかないにせよ、

病気を治し、健康を保つ薬だった。

 

そういえば僕も子どもの頃に、

産後の肥立ちが悪い母親とか、病気の大人に、

タイやコイを食わせろーーという話を聞いたことがある。

 

この間、取材した島根県の坊さんは、

このあたりでは戦前まではオオサンショウウオ

(現在、特別天然記念物の地球最大の両棲類)を

捕まえて食っていた。

 

オオサンショウウオは半分に裂いても死なないほど

生命力が強いことから「ハンザキ」の異名がある。

おそらく滋養強壮剤として食べられていたのだと想像する。

 

これも実際は両棲類だが「山椒魚」というくらいだから、

昔の人は魚の一種だと考えていたのだろう。

オオサンショウウオを食べて不老長寿を獲得する―ー

そういう人がただの一人もいなかった、とは言い切れない。

 

それにしても、八百比丘尼の話は、

人魚を殺して肉にする。

それを若い娘が喰う。

不老不死になる。

旅に出て、花や木を植える。

 

モンスター、ホラー、ファンタジー、メルヘン、

そして考えようによってはセクシーも。

 

すべての要素を一つの物語に凝縮したかのようだ。

そのおかかげで現代のマンガや映画、小説、アートなど、

いろいろなカルチャーのモチーフになっている。

そういえばコロナ退散祈願のアマビエも人魚っぽい。

 

僕は800歳になった八百比丘尼は死んだのではなく、

人魚になって海に帰っていったのではないかと思うのだが、

いかがだろうか?

 


0 コメント

週末の懐メロ㉕:タワー/エンジェル

 

高校に入ってしばらく経った1975年のある日。

当時よく通ってたロック・フォーク専門のレコ―ド店を

覗きに行ったら、店のマスターが僕の顔を見るなり、

「おっ、フクシマくん、今度すごいバンドが出たんだよ」

と言って聴かせてくれたのがエンジェルのデビューアルバム

「天使の美学」だった。

 

視聴用のプレイヤーのターンテーブルに

レコードを乗せて針を落とすや、

いきなりシンセサイザーの電子音がギュンギュン唸って、

ド派手なドラムがドカドカと響いたかと思ったら、

哀愁を帯びた美しいメロディーが流れだす。

オープニング曲「タワー」は、確かに劇的・衝撃的だった。

 

プログレ風味のハードロックと言うか、

ハードロックっぽいプログレと言うか、

とにかくそんな感じ。

 

ただし、日本でのエンジェルの扱いは

「アメリカ版クイーン」という感じだった。

人気爆発のクイーンをフォローして

女子ウケ狙っているのがミエミエで、

メンバー全員、中性っぽいメイクで

天使の白いヒラヒラの衣裳を着ていた。

 

レコードジャケットやステージを彩る

トレードマークの仮面のような像は

天使をモチーフにしているのだと思うが、

これはどう見ても天使と言うより、

エヴァンゲリオンに出てくる「使徒」である。

 

結局、僕は「天使の美学」しか聴かなかったが、

このアルバムは結構いい出来でクオリティの高い良い曲・

好きな曲が揃っていた。

中でもやっぱりトップにぶちかまされる

この「タワー」が最高である。

 

メロディラインの美しく、陰影に富んだ繊細な楽曲。

それに対して力まかせ、若さまかせの荒っぽい演奏。

そしていかにもアイドル然としたルックスとステージアクション。

 

いかにも1970年代のロックっぽくて

今ではとても貴重な存在、そして面白い個性に思える。

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

ASIN: B08SKGH8BV ¥311

 ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。

 

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

帰ってきたE.T.

 

先日、「中学生におすすめの映画」を30本ほど挙げてみた。

その中の1本に「E.T.」を入れたが、

一昨年、37年ぶりに続編が出ていたのを知ってびっくり。

 

ただし、これはインターネット会社の

コマーシャルとして作られらたショートムービー。

 

タイトルは「A Holiday Reunion」。

4分ちょっとで観られるので、

興味のある人は見てみてね。

 

なんと、あの時の主人公・エリオット少年を演じた俳優、

ヘンリー・トーマスが出演している。

もちろん彼は無事に大人になっていて、この時点で48歳。

作品の中ではパパとなっている。

 

「E.T.」の公開は1982年。

世界中で大ヒットした

スティーブン・スピルバーグ監督の作品である。

 

思えば80年代はハリウッド映画の黄金期で、

「スターウォーズ」「エイリアン」「ターミネーター」などの

SFアクションをはじめ、現代に繋がるエンタメ大作が

続々と作られ、ガンガンヒットを飛ばしていた。

 

その後、シリーズ化された作品も多く、

「E.T.」も人気に乗じて続編が作られても

おかしくないはずだった。

 

実際、そういう企画は上がっていたと思う。

けれどもスピルバーグ監督がやろうとしなかったのだろう。

僕もこれは彼の最高傑作だと思っている。

 

だからこそ、このショートムービーを観て思ってしまった。

スピルバーグ監督、失礼だけど、

きっとあなたの時間は残り少ない。

あなた自身の手でやったらどうですか、100分の続編を。

 

こんな世界が分断される時代だからこそ、

1982年とはまったく違った、

けれども人々が納得し共感できる「続E.T.」を。

あなたの手で作る価値があるのではないか?

そう僕は待望している。

 


0 コメント

中学生におすすめの映画

 

フェイスブックで「中学生におすすめの映画を教えて下さい」

とあったので、いろいろ好きなのを書き出してみたら、

残念ながら半分くらいはR15だった。

 

でも、リュック・ベッソン監督の映画「ニキータ」「レオン」はR15だろうと思ってたらセーフ。

逆に同じベッソン監督でも「グランブルー」はNG。

バイオレンスよりエロスに厳しい。

 

グランブルーはきれいな濡れ場だったという印象があるけど、

とにかくやってるところや丸ハダカが出てきちゃダメってことだ。

サイコホラーの元祖みたいな「羊たちの沈黙」なんて

子供が見たら人間が怖くなりそうな映画だけどOKなんだね。

 

というわけで、中学生だからと言って教育上好ましい映画、

感動しますよ映画ばかり見せてちゃいけない。

怖い世界、醜い世界、残酷な世界、変な世界にも

なるべく若いうちから触れておいたほうがいいということで

オススメを出してみました。

 

●トミー:70年代ロックオペラ。幼少期のトラウマを克服していく青年の物語。当時のロックスターが集結する絢爛豪華な世界。

 

●ジーザス・クライスト・スーパースター:70年代ミュージカルの金字塔。舞台っぽい、メイキングオブ丸出しのつくりも面白い。

 

●レ・ミゼラブル:原作も名作。ミュージカルとしても、音楽としても名作。舞台を完全映画化。

 

●オペラ座の怪人:同上。舞台を見られない少年少女たちにぜひ映画で体験してほしい世界。

 

●ブレードランナー:これからの社会でAI、ロボットと共生する人間が見ておくべきSFを超えたリアル。

 

●マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ:詩情あふれる少年の成長物語。スウェーデン映画。

 

●ビッグ:大人になりたい子どもが一夜にして夢をかなえて活躍するファンタジックコメディ。若きトム・ハンクスの名演。

 

●はじまりへの旅:現代文明の中で生きる人たちの内なる希望を発見させる寓意と哲学性あるコ三カルなロードムービー。

 

●帰って来たヒトラー:独裁者であり大悪党とされているヒトラーだが、彼を産んだのは何だったのか?という話。現代批評を交えた物語でありながら、かなりのエンタメ。

 

●わたしを離さないで:原作もドラマも映画も傑作。これまた未来の社会を生きる人間が見ておくべきSFを超えたリアル。

 

●田園に死す:70年代アングラ演劇の帝王にして詩人・思想家の寺山修司の前衛幻想劇。中学生になったら、これくらい異様な世界に迷い込む体験をしておいた方がいい。

 

●その日の前に:人生を考える終活映画。宮沢賢治の詩を基調とした大林亘彦監督ならではのファンタジーワールド。

 

●鉄道員(ぽっぽや):詩情あふれる鉄道員のヒューマンドラマ。消えゆく日本の心を一度は堪能してほしい。高倉健さんも志村けんさんも今はもういない。

 

●花とアリス:かわいい女の子の恋愛話。確か原作は少女漫画。アニメ化もされた。

 

●万引き家族:是枝監督のおもしろ悲しい傑作。犯罪と裁判の舞台裏を描く「三度目の殺人」もおすすめ。

 

●実録連合赤軍・あさま山荘への道程:中学生のいじめと変わらなかった、堕した学生運動の理想と末路。日本の黒い歴史の一つとして見てほしい。フィクションなのにドキュメンタリーのよう。

 

●この世界の片隅で:今や戦争のことは映画で知るしかないかも知れない。これはアニメだし、入門編として最適&素晴らしい高質のドラマ。

 

●シザーハンズ:ジョニー・ディップの出世作。モンスターのメルヘンストーリーと映像美。

 

●あの頃ペニーレインと:70年代ロックをテーマに、グルーピーの女の子に恋してしまう少年の青春物語。

 

●街の灯:一度は見ておくべきチャップリンの名作クラシック。

 

●おくりびと:中学生も死を見つめる時間を持つと良い。その入門編としても面白い。

 

●深呼吸の必要:沖縄を舞台にした青春もので、とても癒され、さわやかになる。

 

●トゥルーマンショー:バーチャルワールドを生きる現代人必見の“恐怖”コメディ。ジム・キャリーの代表作。

 

●レインマン:自閉症の兄を助ける弟の物語。ヒューマンドラマ。ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの共演。

 

●太陽がいっぱい:アラン・ドロン主演。いまだ最高のサスペンスドラマに思える。フランス映画の金字塔。

 

●ET:宇宙人の子どもを助ける少年たちの話。思い出しただけで胸躍り、脳が宇宙に舞い上がるスピルバーグの最高作。

 

●ALWAYS三丁目の夕日:高度成長期は現代と地続きであり、歴史の1頁でもある。おとなのノスタルジーだけにしないで中学生にも見てほしい。

 

●ラジオの時間:稀代の喜劇作家・三谷幸喜のエッセンスが詰まっている。「12人のやさしい日本人」もおすすめ。

 

●ニキータ:泣き虫の殺し屋の大活劇。女の子が無中になる。

 

●レオン:やさしい殺し屋の悲劇。男の子が夢中になる。ジャン・レノが最高。

 

●羊たちの沈黙:「人間とはなんと恐ろしい生き物だ」と思わせる史上最恐のサスペンスにして、サイコホラーの原点。現代の異常心理を描くサイコドラマはここから始まった。

 

スターウォーズ、ターミネーター、エイリアン、ハリーポッター、ロード・オブ・ザ・リングなどのシリーズものは敢えて外して単独で観られるものだけにした。

 

こうやって書き出してみると、中学生におすすめすると同時に、自分がもう一度観たい映画ばかりだ。

死ぬまでに観られるか?

 


0 コメント

週末の懐メロ㉔:悲しき鉄道員/ショッキング・ブルー

 

僕の脳内ジュークボックスの中で

すっかり廃盤になっていたショッキング・ブルー。

今年になってからたまたまYouTubeさんにご紹介いただいて

半世紀ぶりに聴いてみたら、まさしくショッキング。

すっかりイカれてしまった。

なんじゃ、この新鮮さ、このカッコよさは!

 

なにせまだ小学生だったので、

ラジオでなのか、テレビでなのか、

街中のどこかのお店でなのか、

どこで耳にしたのか、さっぱり憶えていない。

 

1969年「ヴィーナス」、1970年「悲しき鉄道員」と

大ヒットを連発したので、

けっこうよく聴いていたはずではある。

 

けれども中学生になってロック好きになってからは

「昔流行ったポップスグループ」として、

すでに過去の存在になっていた。

 

なんかその頃も耳にしたことがあったかも知れないけど、

古臭くて全然興味がわかなかった。

しかし、50年の歳月がそんなイメージをひっくり返した。

 

オランダのバンドで、

ヴォーカルのマリスカ・ヴェレスは

ジプシーの血をひく60年代型エキゾチック美人。

ーーということも初めて知った。

こんなちゃんとしたプロモビデオが残っているのも驚きだ。

 

世界的な大ヒットになったのは「ヴィーナス」の方だが、

僕はちょっとメランコリックなメロディーラインと

「No No No」という印象的なフレーズがリフレインされる

この曲の方がお気に入りだ。

 

「悲しき鉄道員」という邦題も

文学感、レトロ感が漂ってかえって新鮮で魅力的。

 

運転士なのか、機関士なのか、車掌なのか、駅員なのか、

はたまた開発者なのかーー

世界各地で特急列車が次々と開通し、

鉄道という産業・交通機関が花形だった時代には

「鉄道員」が一つの職業世界を表していた。

 

そういえば浅田次郎の小説を、

高倉健さん主演で映画化した「鉄道員(ぽっぽや)」

という20世紀の鎮魂歌のような名作もあった。

 

この歌のように、女よりも新列車の開発に夢中だった

レイルロードマンも大勢いたに違いない。

いまや絶滅寸前の「男のロマン」という言葉が通用した

最後の時代の名曲ともいえそうだ。

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

ASIN: B08SKGH8BV ¥311

 

ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

40年目の「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」について

 

今年も4月になったので、村上春樹の

「4月のある晴れた朝に100パーセントの

女の子に出会うことについて」を読んだ。

 

別にルーティン化しているわけではないのだが、

つい決まりごとのようにページを開いてしまう。

クリスマスにクリスマスケーキを食べたり、

お正月にお餅を食べるのと同じである。

 

いまや老練な大作家になった村上春樹氏だが、

この短編の文章には、そのみずみずしい萌芽が詰まっている。

懐かしさよりも新鮮さ。

何度読んでも、そのたびにいろいろな感情が

湧き水のようになって体を巡る。

 

この物語はちょうど40年前、

1981年の4月という設定になっている。

 

1981年の4月、僕は練馬区の江古田駅近くの

4畳半に住んで、自分の劇団のための芝居を書いていた。

何もなくて、まったく自由で、毎日楽しかった。

ただ、100%の女の子はいなかった。

 

そこでふと考えたのが、今のカミさんは

僕にとって100%の女の子だろうか? ということである。

 

昔はそんなこと考えもしなかったけど、

今、振り返るとそうだったのかも・・・と思える。

そうだったことにしようとしているのかもしれない。

 

みんな「成功」というものに憧れているけど、

良い恋愛、良い結婚、好きな仕事をしていれば、

それで人生は成功、100%である。

それ以上のことはみんなオマケだ。

オマケをたくさんつけようと追いかけて、

本体を台無しにしたら0%になってしまう。

 

4月はまだ始まったばかりなので、

ほかにも感じるところを言語化できれば書こうと思う。

 


0 コメント

シェー!と麻丘めぐみと昭和歌舞伎

 

もしかしたら「昭和96年の思い出ピクニック」の表紙を見て、

今、60代半の人たちは、

子ども時代の自分を発見するかもしれない。

僕はそうだ。

 

「わたしの彼は左きき」の麻丘めぐみさんは、

僕より5歳くらい上だが、

子どもの頃、いちばん好きだったアイドルである。

 

デビュー当時から好きで、何枚かシングル盤を買った後、

正月のお年玉をはたいて

「さわやか」というタイトルのLPも買って聴いていた。

冒頭の「こんにちは、麻丘めぐみです」という

ごあいさつに始まり、曲の合間にいくつか

ナレーションが入っていたような覚えがある。

 

彼女のファンになった一因が

当時のアイドル雑誌「明星」か「平凡」に掲載されていた

彼女が小学生の時の写真である。

 

イヤミの真似をして「シェー!」をやっていて

それがめちゃくちゃかわいかったのだ。

 

コラムニスとの泉麻人も

「シェー!の時代」という本を出していて

「おそ松くん」が読まれていた昭和30年代後半から

40年代のことを論考している。

 

最近はYモバイルのコマーシャルで片岡愛之助イヤミが

「シェー!」をやっていて、これも大好きだ。

 

「シェー!」は昭和のドタバタ感・カオス感を象徴する、

強烈なアイコンなのである。

 

かつて体験し、卒業したすごいカオスを、

あれは何だったのだろう? 

と、親も子も孫も、みんな総出で

整理整頓して秩序立てて理解しようとする――

そんな時代になっている。

それをしなくてはもう先へ進めない。

 

それにしても、イヤミは「シェー!」のポーズとともに、

デッパがトレードマークだったのに、

愛之助イヤミはなぜデッパじゃないのか?

 

メイクするにしても画像処理するにしても、

それくらいはできるはずなのに・・・。

 

いくら昔のキャラクターとはいえ、

現代に再現するにおいて、

身体の特徴をあげつらうのは差別につながる、

ということなのだろうか?

 

愛之助さんには一度、

「おそ松くん」や「バカボン」を題材にして、

SHOWA歌舞伎をやってほしい。

 

エッセイ集「昭和96年の思い出ピクニック」/おりべまこと

 3月29日(月)17:00~

31日(水)16:59

2日間限定無料キャンペーン

開催中

 

アイドル、マンガ、オカルト、オリンピック、新聞配達、家族、そして戦争――昭和には愛すべきもの、憎むべきもののすべてがあった。

2021年=令和3年=昭和96年になった今でも、

僕たちは昭和の物語から離れられない。

海を埋めたて、山を切り開き、明日へ向かって進んだ果てに

見つけたものは何だったのか?

みんなが愛して憎んで生きた時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。

ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から30篇を厳選・リライト。

 

もくじ

・西城秀樹さんのお葬式:青春の同窓会

・ちびまる子ちゃんとサザエさんはいつまで続くのか?

・昭和オカルト大百科

・新聞少年絶滅?物語

・死者との対話:父の昭和物語

・社会全体の児童虐待と「晴れた空」

・東京ブラックホールⅡ:「老いた東京」は美しいか?

・さらばショーケン:カッコ悪いカッコよさを体現した1970年代のヒーロー

・さらば平成――みんなが昭和に帰りたがった30年

・永遠の昭和 明日のための1960年代・70年代   ほか

 

ASIN: B08WR79ZCR ¥318➡¥0

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から「おりべまこと」、

または書籍名「昭和96年」を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

昭和96年の思い出ピクニック  無料キャンペーン

 

僕は戦争を知らない子ども、どころか、

高度経済成長期も知らない子どもだ。

にも関わらず、子どもの頃は軍歌の「同期の桜」を歌っていた。

 

いま思えば、ひどく悲しい歌だが、

その頃は「宇宙戦艦ヤマト」と同じノリで、

誰に強制されることなく、胸高鳴らせて歌っていたのだ。

 

それは捨てるべき価値観だけど、

どうしてそういう価値観が生まれ、

戦争を知らない子どもも持っていたのかは

知っておいたほうがいい。

 

未来を生きるために過去を知る。

令和を生きるため昭和を知る。

 

3月29日(月)17:00~31日(水)16:59まで

2日間限定の無料キャンペーンです。

 

エッセイ集「昭和96年の思い出ピクニック」/おりべまこと

 

アイドル、マンガ、オカルト、オリンピック、新聞配達、家族、そして戦争――

昭和には愛すべきもの、憎むべきもののすべてがあった。

2021年=令和3年=昭和96年になった今でも、

僕たちは昭和の物語から離れられない。

海を埋めたて、山を切り開き、明日へ向かって進んだ果てに

見つけたものは何だったのか?

みんなが愛して憎んで生きた時代を1960(昭和35)年生まれの著者が探検する面白まじめエッセイ集。

ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から30篇を厳選・リライト。

 

もくじ

・西城秀樹さんのお葬式:青春の同窓会

・ちびまる子ちゃんとサザエさんはいつまで続くのか?

・昭和オカルト大百科

・新聞少年絶滅?物語

・死者との対話:父の昭和物語

・社会全体の児童虐待と「晴れた空」

・東京ブラックホールⅡ:「老いた東京」は美しいか?

・さらばショーケン:カッコ悪いカッコよさを体現した1970年代のヒーロー

・さらば平成――みんなが昭和に帰りたがった30年

・永遠の昭和 明日のための1960年代・70年代   ほか

 

ASIN: B08WR79ZCR ¥318➡¥0

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から「おりべまこと」、

または書籍名「昭和96年」を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

週末の懐メロ㉓:同志/イエス

 

あまりにシンプルで、あまりに日常的な

「イエス」という言葉を新たな世界観で捉え、

芸術の次元まで昇華させたのは、

オノ・ヨーコの神業だった。

 

ジョン・レノンの魂を鷲掴みにした

あの有名なエピソードを、

ビートルズの曲が大好きだという

このバンドのメンバーが知らなかったわけがない。

 

彼らがどの程度、意識したかは知らないが、

「イエス」というたった3文字のバンド名と、

ヴォーカルのジョン・アンダーソンが紡ぎ出す

哲学的な世界観の音楽は、

オノ=レノンが目指したものと相通じている。

 

プラスティック・オノバンドに参加していた

ドラマーのアラン・ホワイトが途中から加入したのも

何かの縁かもしれない。

 

プログレッシブロックは狂

気や闇の世界を描く楽曲が多いが、

イエスが描き上げるのは光の世界--

あくまで肯定的な「イエス・ワールド」だ。

この世の森羅万象を自分の一部として受け入れる姿勢。

 

1972年リリースのアルバム「危機(Close Edge)」を

初めて聴いたのは中学3年のときだったが、

以来、イエスの音楽は、つねに僕の脳内にある

“もう一つの地球”の浄化装置として稼働し続けている。

 

オーケストラと共演した2001年のライブ。

「危機」の中の一曲、「同志(And You AND I)は

彼らの音楽性が最も優美に結実した佳曲。

 

歌詞は文学的な言葉遣いだが、

曲名通り「あなたとわたし」のラブソングとして、

おおらかな音の波に身をゆだねて楽しむことができる。

 

おりべまこと電子書籍

ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力

ASIN: B08SKGH8BV ¥311

 

ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。

ブログより33編を厳選・リライト。

もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

なぜ桜とクローンは切なくて美しいのか?

 

エヴァの人気キャラ・綾波レイが

ファンを虜にした名ゼリフの数々は、

彼女がクローン人間であるという設定から生まれた。

 

その切なさと美しさは桜に通じる。

日本のあちこちで美しい桜並木となったソメイヨシノは

1本のオリジナルを次々とコピーして作られた

クローン木なのである。

 

ソメイヨシノは200年ほど前、

江戸の植木職人がエドヒガンとオオシマザクラを交配させ、

その交雑種のなかでとりわけ美しい花を咲かせる個体を、

接木などの手法で増やしたもの。

 

取木や接木で増やした場合、

それらの個体はすべて遺伝子的には全て同一、

すなわちクローンなのだそうだ。

 

ちなみにクローンという言葉の本来の意味も「挿し木」。

科学技術の意味合いで、この言葉(概念)が人々に

認知されるようになったのは、今から30年前、

1981年、イギリスでクローン羊が生まれてからだ。

 

当初は新聞で、また、科学系雑誌で話題となり、

SF小説のネタとして使われていたが、

あっという間に世間一般の間にも広がった。

 

神の領域に踏み込んだ人工生命――

すなわち、ロボットやフランケンシュタインの怪物と同じく、

おぞましさと悲しさのイメージをまとったクローンは、

自分は世界でオンリーワンの存在なのだという現代人の自意識を

強く揺さぶり、脅かす。

 

特に個性的でありたい、自分らしくありたいと願いながら、

“みんな”に合わせて付和雷同してしまう日本人にとって、

クローンという概念が紡ぎ出すイメージは

心に食い込んでくるのだろう。

 

だから日本人は桜が好き―ーというのはこじつけ過ぎだが、

日本人の心象風景をつくり替えた桜を見て、

いろいろSFっぽい妄想に駆られる。

 

だけど、同じ遺伝子の木でも、

川沿いの桜は水と光を求めて枝を水平に伸ばし、

川から離れた桜は空へ向かって高々と枝を広げる。

育った環境で違った姿かたちになっていくのだ。

 

あんまり個性やオリジナリティやらにこだわる必要は

何ではないかと思う。

普通に生きているだけで、誰でも十分個性的なのに。

 

今年は早く咲いたが、散るのも早いかも知れない。

来週は桜吹雪があちこちで舞っているだろう。

そんな切なさも日本人は愛してやまない。

 

おりべまこと電子書籍

どうして僕はロボットじゃないんだろう? ¥274

 社会のニーズに応え、生活に入り込み、世界を変革していくAI・ロボット。はたしてやつらは人間の敵か味方か? 上司か部下か? ライバルか友だちか? ただの機械に過ぎないのか、それとも人類の子どもなのか?

 2016年夏から2020年夏まで、AI・ロボット・インターネット・DXにまつわる考察の面白まじめエッセイ集。ブログから33編を厳選・リライト。

 ●もくじ

・介護士・看護師は人間か、ロボットか?

・インターネットがつくるフォークロア

・こちとら機械だのロボットだのじゃねえ。人間でぃ!

・聖書から始まった「人間VS機械」

・子どもはどうしてロボットが好きなのか?

・きみはロボットじゃないよ

 ・ロボットみたいな人間、人間みたいなロボット ほか

 

 ●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント

シン・エヴァ カーテンコールと青い海

 

卒業式とは言え、僕は落第生である。

1回だけだとよくわからん。

で、さらに昨日、庵野監督のドキュメンタリー

(NHK「プロフェッショナル」)を観たので、

もう一度、映画を観に行った。

 

劇場に入って「おおっ!」

先週とポスターが替わっている。

 

先週(ちょうど1週間前の3/16)、砂浜にいたのは

パイロット5人だけだったが、

今日はゲンドウやミサトをはじめ、

他に9人の主要キャラが加わり大集合。

そうか、このポスターは芝居のカーテンコールだったのだ。

 

さらに真っ白だった海が、美しいブルーの、

リアルな海に変わっている。

架空世界から現実世界への回帰を

表しているのかもしれない。

ファンはたまらず泣くだろう。

 

おそらく最初から取り換えるプランだったと思うが、

こういうところも客のハートを撃ち抜く。

これだけでも2回来て得したような気分になる。

いい意味で商売上手。

 

2回目は流れがわかっているので、ある程度、

冷静に見られて、さらに面白かった。

 

もしや3枚目があるのだろうか?

YouTubeではネタバレ大会で、い

ろんな人が自説を並べまくってて賑やかだ。

勉強させてもらって、

もう1回、ロードショーが終わるころ、

観に来るかもしれない。

 

おりべまこと電子書籍

どうして僕はロボットじゃないんだろう? ¥274

 社会のニーズに応え、生活に入り込み、世界を変革していくAI・ロボット。はたしてやつらは人間の敵か味方か? 上司か部下か? ライバルか友だちか? ただの機械に過ぎないのか、それとも人類の子どもなのか?

 

2016年夏から2020年夏まで、AI・ロボット・インターネット・DXにまつわる考察の面白まじめエッセイ集。ブログから33編を厳選・リライト。

 

●もくじ

・介護士・看護師は人間か、ロボットか?

・インターネットがつくるフォークロア

・こちとら機械だのロボットだのじゃねえ。人間でぃ!

・聖書から始まった「人間VS機械」

・子どもはどうしてロボットが好きなのか?

・きみはロボットじゃないよ

 ・ロボットみたいな人間、人間みたいなロボット ほか

 

 ●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

  


0 コメント

なぜ「もう死にたい」と思っても人はめしを食うのか?

 

「親が死んでも食休み」というが、

確かに僕は父が死んだときでも

別に食欲が落ちることなくパクパク食べていた。

母が死んでもたぶん同じだろう。

 

どんなに悲しんだり、落ち込んだり、

深刻に悩んだり、もう死にたいと思っていても、

人は腹が減ればめしを食う。

 

食っているとき、

人の「生きる」という意欲はモリモリ表に出る。

そしてガツガツしたエゴがむき出しになる。

何だかひどく罪深い気持ちになる。

 

悲しんだり、悩んだり、絶望したりしているつもりでも、

結局それはフリだけだ。

本当のおまえは他の生命を奪ってまで

意地汚く食って、

みっともなく生き延びたいだけなんだ、

と別の自分に嗤われているような気になる。

 

たまにそんなことを考えつつ、

明日も生きるぞ、さあ何を食おう?と考える。

 

わが家では最近、いろいろ混ぜて飯を炊く。

今使ってるのは熊本県産発芽玄米使用の十一雑穀米。

 

くまモンが付いているせいか、

義母はお菓子だと思ってて、

時々こっそり開けて中身を見て

がっかりしているようだ。

 

でも認知症には、お好きな銀シャリよりも

こちらのほうがいいそうなんですよ。

 

 おりべまこと電子書籍

ロンドンのハムカツ

ASIN: B086T349V1        ¥282

 「食」こそ、すべての文化のみなもと。

その大鍋には経済も産業も、科学も宗教も、日々の生活も深遠な思想・哲学も、

すべてがスープのように溶け込んでいる。

「食べる」を学び、遊び、モグモグ語る面白エッセイ集。ブログから33編を厳選・リライト。

 もくじ

・お米と田んぼとお母ちゃんのニッポン!

・お米を研ぐ理由と人間の味と匂いの話 

・永遠の現物支給 : 2018年3月15日

・フツーのおにぎりでも日本のコメなら800円!?

・ロンドンのハムカツ

 

●アクセス

https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、

または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。

 

●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

 

●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true

 


0 コメント