「ザ・ビートルズ:Get Back」を観て死ね

 

昨年末に映画「ザ・ビートルズ:Get Back」の

先行特別映像が公開されていた。

 

1970年制作の映画「レット・イット・ビー」は、

「ゲットバック・セッション」という約3日間にわたる

末期ビートルズのセッション風景を編集した

ドキュメンタリーだった。

 

今年8月に公開される「ザ・ビートルズ:Get Back」は

それと同じ映像素材――

「レット・イット・ビー」で使われなかった

約56時間に及ぶ未公開映像を編集し、

新たな映画として構築したものだ。

 

予定ではビートルズの終焉から50周年となる昨年中に

完成・公開されるはずだったが、

コロナ禍によって延期を余儀なくされたという。

 

先行特別映像は、ピーター・ジャクソン監督の挨拶の後、

約5分にわたってモンタージュ映像が展開するが、

これを見て驚愕した。

 

本当にこれが50年以上前の、

あの「レット・イット・ビー」と

同時期に撮影した映像なのか?

 

この4人は一昨年のクイーンの映画みたいな

若いそっくりさんじゃないのか?

 

何かフェイクの極みみたいな、

すごい加工技術が施されているのではないか?

 

そんな疑念が次々と湧いた。

が、そんなことはあり得ない。

これは本物だ。1970年のリアル・ビートルズだ。

 

この頃、解散寸前のビートルズは仲間割れが顕著となり、

4人の心はもうバラバラで、

それぞれのソロ活動に向かっていた。

ビートルズは、ビートルズを葬り去ろうとしていた。

 

ーーというのがこれまでの定説だった。

それを表現した映画「レット・イット・ビー」は

葬送曲のごとく、暗く物憂いトーンで作られていた。

 

ところが、この未公開映像の中の4人は

そうした従来のイメージとあまりにかけ離れている。

とても半分崩壊したバンドとは思えない、

元気で生き生きとした輝きを放っている。

 

そして端々に垣間見える、

彼らの音楽つくりへの意欲と創造性の炸裂。

このテンションの高さはなんだ?

すでにこの世にいないレノンやハリスンの息吹も

間近に感じられる。

 

若い世代にとっては、現代に続くロック、

ポップミュージックの礎を築いた伝説のバンドの

最後の姿が見られる絶好のチャンス。

 

そして半世紀を超えてビートルズを愛し続けたファン、

特に70歳を超えた、リアルタイムでビートルズを聴いた

オールドファンは、もう一度、元気にGet Backするためにも

これを観ずして死んではいけない。

8月27日(金)世界同時公開とのこと。

 

1月21日(木)17:00~24日(日)16:59

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「ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力」

 

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もくじ

●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について

●ヘイ・ジュード:ジョンとポールの別れの歌  ほか

 


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池袋でふくろう時代を振り返る

 

昔から「いけふくろう」というのが池袋にいる。

それが近年、キャラクター展開されて、

大々的に「ふくろうの街」としてPRしている模様。

交番も地域を巡るコミュニティバスもふくろうだらけだ。

ホーホー。

 

月曜日の話だが、ちょっと用があって約1年ぶりに池袋へ行った。

18歳で上京したころ、

通っていた演劇学校が西池袋にあったので、

ここは東京におけるわが故郷のような街である。

そして、この街でかつて僕はフクロウだった。

ホーホー。

 

今でこそ早起きで、夜は11時を回ると

眠気に耐えられない体質になってしまったが、

かつては夜行性のフクロウ族で、

夜の池袋を飛び回っていたのだ。

ホーホー。

 

しかしこの日行ったのは、もちろん昼間。

しかも緊急事態宣言発令中。

サンシャインに続く東口はそこそこ人出があったが、

西口は閑散としていた。

 

その閑散とした中で

駅前の「コロナ感染に注意しましょう」という

親切なアナウンスと、

駅前繁華街の「客引きに注意しましょう」という

丁寧なアナウンスが混じり合って、

なんともいえない空気を醸し出していた。

 

そんな空気の中でブラブラしていたら、

この駅前繁華街

(昔はロマンス通りという名だったが、今は?)で

生まれて初めて水商売のバイトをやったことを思い出した。

 

地下1階のパブで、午後6時から11時半まで

黒服と蝶タイのウェイターをやっていた。

 

カネマツさんというあんまり水っぽくないマネージャーと、

ナガミさんという思い切り水っぽいサブマネ、

そしてキツネとタヌキのコンビみたいな女の子らと

一緒に働いていた。

 

ボトルキープ期限切れのウィスキーを1本に集めて

新品として出したり、

ミネラルウォーターの瓶に水道水を入れて200円で売っていた。

レーズンバターなるつまみをこの店で初めて見た。

渇きものでどれも1,000円くらいとってたような気がする。

けっこうインチキビジネス。

 

生演奏をするバンドが入っていて、

サンタナの「哀愁のヨーロッパ」

「ブラックマジックウーマン」や

プロコルハルムの「蒼い影」が十八番だった。

 

「蒼い影」になると、真ん中のホールでカップルが

チークダンスをしていた。

ヤクザのおっさんもよくきて凄みをきかせていた。

僕が休みの日だったけど、一度、暴れたことがあったらしい。

 

その時代の池袋には

まだ戦後のヤミ市の残滓みたいなものがあったのかもしれない。

汚くて野蛮な部分もあったけど、奇妙なぬくもりもあった。

昭和の体温とでもいうのだろうか。

ホーホー。

 

そういえば3年前に演劇学校の同窓会をやって、

やっぱり故郷・池袋はいいなぁと思ったが、

さすがに昔のように夜通し飲むという気分にはならなかった。

 

もう夜の街を飛び回ることもないのだろうけど、

池袋のフクロウには何だか親近感を感じる。

 

ちなみに、ただの駄洒落で「いけふくろう」

なのだろうと思ってたけど、

この近辺の雑司ヶ谷の森には

野生のフクロウだかミミズクだかがいるらしい。

しかも今でも。

本当だったら探索して鳴き声だけでも聞きたいものだ。

ホーホー。

 

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●ヘイ・ジュード:ジョンとポールの別れの歌  ほか

 


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韓国映画「OLD BOY」

 

コロナ禍は当分続くと覚悟して、夜早く帰ったら、

あるいは終日在宅仕事の息抜きプラスアルファで

この際、思い切り本を読んだり、映画を見たりしてはどうか。

 

今日はAmazonPrimで韓国映画「オールドボーイ」を視聴。

2004年のカンヌ国際映画祭グランプリ作品。

原作は日本のマンガらしい。

 

冒頭出てくるのは、人のいい家族思いの、

でもちょっと酒癖の悪いおっさん。

このおっさなんが突如、何者かに監禁され、

その監禁生活が15年も続く。

 

いったいなぜ自分は15年もの間、自由を奪われたのか?

復讐の鬼と化した男がその謎を解くサスペンス劇。

 

ドラマ的にもビジュアル的にもかなり残酷だが、

めちゃくちゃ面白い。

メンタルの弱い人やハッピーエンドが好きな人には

お薦めしないけど、

人間が人間を愛することの悲しさ・残酷さ、

人生の苦さが胸の奥底まで響く物語。

AmazonPrimでの配信は1月20日まで。

 

自由に出歩くのが憚られる時期だけど、

家で大したお金もかけずに映画が楽しめるのだから

恵まれた良い時代だと思う。

 

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週末の懐メロ⑫:クレア/フェアーグランド・アトラクション

 

1988年にデビューして、たった1枚のアルバム

「The First Kiss of a Million Kisses(邦題:ファースト・キッス)を遺して消え去ったスコットランド出身のバンド、

フェアーグランド・アトラクション。

 

彼らの音楽は1930~50年代のスウィングジャズや

古いアメリカやイギリスのフォークソングのエッセンスを

たっぷり取り入れた、当時からすでに懐メロ。

それでありながら超斬新で、たまらない切れ味があって

僕はしびれまくっていた。

 

「パーフェクト」という曲が大ヒットしたが、

いちばん好きだったのは、この「クレア」。

歌い手のエディ・リーダーと、クラリネットおじさんとの

丁々発止のやり取りが楽しくてイカしてる。

 

ちなみに「フェアーグランド・アトラクション」とは

移動遊園地のこと。

 

僕が過ごした1980年代のロンドンでは、

中心にある繁華街のレスタースクエア

(東京で言えば新宿みたいなところ)に、

ある夜、ピカピカ光を放つ遊園地が忽然と現れ、

子どもよりも、むしろ大人が嬌声を上げて

アトラクションを楽しんでいた。

 

安っぽくロマンチックで、懐かしいぬくもりがあって、

ちょっと退廃的な香りも混じる

大人のメルヘン、ファンタジー。

フェアーグランド・アトラクションの音楽には

そんなテイストがある。

 

たった1枚のアルバムは永遠の遊園地となって

21世紀もピカピカ光り続けている。

 

1月11日(月) 発売決定

AmazonKindle電子書籍・おりべまことエッセイ集

「ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力」

 

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 ♪勝手にビートルズ・ベストテン

♪純情ストーカー男と純心DV願望女の昭和歌謡

いちご畑で抱きしめて

ダイヤモンドをつけたルーシーとの別れと心の修復作業

♪冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える  ほか

 


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鬼滅の刃と眠りの剣士

 

今さらながらだけど、

正月休みは「鬼滅の刃」のビデオを見ていた。

(まだ全部観終わってないけど)

 

基本はチャンバラアクションのダークファンタジー。

そこに現代の日本人が失ってしまったもの――

家族の絆、人情、音やにおいで心を察知するセンスなどが

思う存分盛り込めていて、うまいなぁと思った。

 

そしてビジュアル的には、伝統的な和物と

モダンレトロが絶妙にブレンドされている。

時代を大正時代に設定した勝利。

これは外国でもウケるだろう。

だけどたった100年前ってこんな生活環境、

こんなマインドの世界だったんだね。

 

敵は鬼である。

鬼と言っても角をはやしておらず、

虎皮のパンツもはいてないので、

ビジュアル的にはそう言われなくては鬼とは認識しづらい。

妖怪でも怪獣でも悪魔でも宇宙人でもない、

この「鬼」の最大の特徴は

「もともとは人間だった」というところ。

そこにドラマがある。

 

そのため、鬼の過去、

そしてその鬼を退治する鬼殺隊のメンバーの過去も、

いったい彼らはどこからやってきて、闘いの場にいるのかという

回想シーンがやたら多いのもこの作品の特徴だ。

鬼については長くなるのでまた改めて書く。

 

僕がこの作品で一番好きなキャラは黄色い髪で、

主人公の少年・炭治郎の同期生で

お笑い担当の吾妻善逸である。

 

一応、美少年だけど、登場シーンの7割くらいはギャグ顔だ。

女好きで絶えずギャーギャーわめいていて、

とても鬼殺隊の剣士とは思えない泣き虫で

臆病な腰抜け野郎なのだが、

眠っているとき、あるいは意識を失っているときは、

めちゃくちゃ強い剣の達人になる。

 

また、嗅覚が優れている炭治郎に対して、

彼は聴覚が異常に発達しており、

人間の血流や心の動きまでもサウンドとして聴くことができる。

そんな繊細さが彼の優しさ・善良さにつながっている。

 

眠って視覚が効かず、聴覚だけを頼りに

居合切りで戦うさまは座頭市のようだ。

普段はギャグりまくりなのに、

この振り幅がたまらなく面白くてかっこいい。

 

なぜ彼が無意識の領域ではこれほど強いのに、

意識があるとてんでダメなのか?

恐怖心と自信のなさに心を支配されてしまうからだ。

 

恐怖心さえ克服すれば人間なんでもできると言うが、

そう簡単に克服できれば苦労しない。

人格者で努力家の炭治郎もいいが、

僕らにより近く、おまえは意識の世界では駄目でも、

無意識の領域では無敵なはずなのだ、

と夢を与えてくれるのは善逸のほうだ。

 

そういえば、鬼になった禰豆子(ねずこ)も眠ることによって

回復したり、強化したりした。

意識・無意識といった心理世界を描く物語でもある。

やっと見たけど「鬼滅の刃」は

いろいろ深掘りできそうで面白い。

 

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週末の懐メロ⑪:スキャットマンズワールド/スキャットマン・ジョン

 

ジャズピアニストだったジョン・ポール・ラーキンは、

スキャットをヒップホップにリズムに乗せるという

アイデアを実行した。

1995年。52歳のときだ。

彼は音楽の才能はあったが、ずっと吃音で悩み続けていた。

 

彼のスキャットはハンディキャップである吃音症を

逆に活かした独特の唱法だ。

そのユニークな「スキャット・ヒップホップ」は

世界中で大ブレイクし、ジョン・ポール・ラーキンは、

「スキャットマン」「スキャットおじさん」として

一躍大スターとなった。

日本でも90年代後半、数々のコマーシャルに出ていたので、

憶えている人も多いだろう。

 

コミックミュージシャンと思ってる人も多いだろうが、

彼のデビューアルバムは、

未来を生きる子どもたちへの温かい愛にあふれている。

 

オープニングナンバー

「スキャットマンズワールド」で彼はこう語る。

 

ぼくはスキャットランドから呼びかけている

もし君が自由になりたいなら

ぼくの声を聴くと良い

君の中にあるファンタジーを学べるようになるよ

 

みんながひどくショッキングなことばかり話すから

きみは心の声から耳を閉ざし続けている

 

でも兄弟たち、聞いてほしい

歩き続けるんだ

君もぼくも姉妹たちも

隠すものなんて何もないんだ

 

このアルバムでスキャットマン・ジョンは、

社会における理想郷 「スキャットランド」について歌っている。 

 

「遠くを見る必要はない。

 それは君の心の奥深く 

一番大きな夢と一番暖かな願いの間に見つかることだろう」

というのがジャケット裏に書かれたメッセージだ。

 

すい星のごとく現れて人気を博したスキャットマンは、

わずか数年活躍したのち、

ガンのため、21世紀を迎える前に、

これまたすい星のごとく、この世を去った。

 

2021年になった今、

スキャットマン・ジョンのメッセージが

ふたたび僕たちの心に届く。

 

 

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第2クールは2日夕方から4日夕方まで。

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お正月後半のおつまみに!

 

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社気を劇的に変えるAI・ロボット・インターネット・DXにまつわる考察を面白まじめな読み物に。ブログから33編を収録。

 

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自分のなかにいる子どもにアクセスしてみれば、自分にとっての正解がわかる。〈少年時代の思い出〉×〈子育て体験〉×〈内なる子どもの物語〉。ブログから40編を収録。

 

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「食」こそ文化のみなもと。その大鍋には経済も産業も、科学も宗教も、日々の生活も深遠な思想・哲学も、すべてがスープのように溶け込んでいる。ブログから33編を収録。

  

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天晴新年2021+おりべまこと年越しキャンペーン

 

謹賀新年。

おめでた晴れの元旦の朝。

あまりに気持ちよくて朝から2回も散歩してしまった。

めでたいタカも、かわいいメジロも、

モズも、シジュカラも、

おいしそうにまるまる太ったカモたちも

木の上、水の上でにぎやかに歌っている。

下流の方角にお宮があるので、

そちらへ向かって今年は橋の上から初詣。

自分と周りの人たちを信じること。

自分なりの成長を一歩ずつでも続けること。

いつでも笑いを忘れないこと。

3つのことをお願い、というか誓いました。

コロナに心折れることなく、

楽しいお正月、良い1年を送りましょう。

 

 

 

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第1クールは大みそか夕方から2日夕方まで。

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学校でオナラを漏らしてしまった女の子をかばった少年は、未来からやってきたオナラ男とともに、人々を洗脳する謎のウィルスと戦う。抱腹SFラブコメディ。

 

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老女の夢とも現とも知れぬ物語に振り回されて金の林檎を探索する私立探偵が見つけたのは・・・人間の心の不思議を描くミステリアスコメディ。

 

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年越しキャンペーンその①:おとなも楽しい少年少女小説6タイトル

 

今年もお疲れ様でした。

お待たせしました。

第1クールは大みそか夕方から2日夕方まで。

おとなも楽しい少年少女小説6タイトル。

あなたの素敵な初夢のおともに!

 

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天国で「いたちのいのち」をもらったフェレットと、おとなになりかけの女の子との暮らしを描く長編童話。

表紙は動物マンガ・イラストの第一人者・麻乃真純が担当。

 

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学校でオナラを漏らしてしまった女の子をかばった少年は、未来からやってきたオナラ男とともに、人々を洗脳する謎のウィルスと戦う。抱腹SFラブコメディ。

 

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週末の懐メロ⑩:翼をください/山本潤子(赤い鳥)

 

赤い鳥というフォークロックバンドが歌う

「翼をください」を聴いたのは、

中学生どころか、まだ小学生だったかも知れない。

 

その時はまさかこれほどの名曲として成長し、

世代を超えて歌い継がれるとは思ってもみなかった。

 

息子の合唱コンクールでも歌ったし、

卒業式で歌った人もいるだろう。

音楽の学校の教科書にも載っているらしい。

 

エヴァンゲリオンの映画では、

神話的クライマックスの映像とともに

ドラマチックな聖歌のように響いた。

 

フォークでもあり、ロックでもある。

ジャズにもなるし、クラシックにもなる。

変幻自在でありながら、どんなアレンジをしても、

誰が歌っても、楽曲の良さが損なわれない。

 

改めて原曲を聴いてみた。

いろんなアレンジを聴いたので、

もともとは優しいバラードだったはずと、

勝手に思い込んでいた。

 

ところが、意外とアグレッシブでアップテンポ。

途中で拍子が変わるなど、

1970年代初頭――50年前!の日本のポップス としては、

かなり斬新な楽曲だったと思う。

赤い鳥はプログレバンドだったのだ。

 

そして、今では聴き取りづらくなってしまったけど、

この歌詞とメロデイの奥には、

既存のシステムや価値観に抗うようなメッセージも

含まれていたはずだ。

 

最近は大合唱やオーケストラで神々しく

盛り上げるバージョンを聴く機会が多かったが、

このバージョンは、アトリエのようなアットホームな場所で

赤い鳥オリジナルメンバーの山本潤子さんが

ギター、ベース、ピアノのシンプルな編成で

しっとりと、けれども明るく突き抜けるように歌い上げる。

 

半世紀の年月を経た歌声と旋律は、

原曲よりもさらに原点に回帰したかのような深い響きがあり、

この名曲の神髄に触れたような気持ちになる。

 

今年の年越しはこの曲で決まりだなぁ。

 

 

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嵐が丘への旅の記憶

 

エミリー・ブロンテの「嵐が丘」の舞台は、

イングランド北部のヨークシャー州にある

ハワース (Haworth) という小さな村である。

 

僕は1980年代から90年代にかけてここに3~4度くらい訪れた。

今はどうだか知らないが(最後に行ったのはもう25年前だ)、

ロンドンから半日バスに乗り、途中でSLに乗り換え、

やっとのことでたどり着く。

 

そのアクセスの過程も含め、

ストラトアフォード・エイボン(シェイクスピアの生地)や

湖水地方(ピーターラビットゆかりの土地)と並んで、

イギリスの地方で最も印象深い場所だ。

 

一応、有名観光地ではあるが、

僕がよく訪れていた時代は、いつ行っても観光客はまばらで、

B&B(民宿)もパブものどかな雰囲気で楽しかった。

 

エミリーは3姉妹の真ん中で、

姉のシャ―ロットは「ジェーン・エア」

(これも来年再読予定)、

妹の「アグネス・グレイ」(これは読んだことない)の作者。

ブロンテ姉妹の資料館もあり、お土産も売っている。

 

毎回、嵐が丘(アーンショウ家の屋敷)のモデルとなった

トップウィンゼンという廃屋を目標に、

ほぼ1日かけて丘歩きをするのだが、

ヒースの花咲くムーアの大地を踏みしめ、

次々と雲が流れていく空を見上げると、

何か大きなものに抱かれているような気分になる。

 

そしてしばしば、文字通り、嵐に見舞われた。

丘を吹き抜ける風は強烈で、

傘などあっという間に吹っ飛ばされて、

全く役に立たない。

レインコートとウォーキングシューズは必需品だ。

 

トップウィンゼンでは休んでいると

羊たちがメエメエ寄ってきて、

最初は人なつっこくて可愛いなと思うのだが、

いつの間にか、結構ごっつい羊の大群に囲まれてしまって、

ちょっと怖い目にも遭う。

 

いずれにしても他の土地では到底味わえない、

嵐が丘の特別な旅がそこにはあった。

 

最近は湖水地方などは、ピーターラビットを目当てにした

海外からの観光客があふれて大変だ、

という話を聞いたことがあるが、

嵐が丘の物語の舞台はどうなっているのだろうか?

 

ハワースに行って昔ながらのイングリッシュブレックファーストや

シェファーズパイなどのパブランチを食べたいなと時々思う。

最近のロンドンではめっきりお目にかからなくなった、

おしゃれじゃない、、どんくさくて、あんまり“おいしくない”

悪評たらたらのイギリス料理が似合う、

グルメなどとは無縁の土地なのだ。

 

そういえば「嵐が丘」の物語の中では、

アーンショウ家でも、リントン家でも、

豪華な肉料理やスイーツなどは全然食卓に上らなくて、

穀類のおかゆとか、正体不明の煮込み料理みたいなのを

食べていた。

 

野うさぎの話がところどころ出てくるので、

うさぎのシチューなんかは食べていたのだと思う。

それと乳製品。

グルメなど笑い飛ばすようなが、

味のある旅ができるかもしれない。

 

 

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続・再読「嵐が丘」: 呪われた家族・愛情関係から解き放たれる少女の物語

 

掴みどころのない、漠然とした抽象的な前半のドラマと比べて、

キャサリン2世を主軸とする後半の人間ドラマは

実に鮮明でリアリティがある。

 

エミリー・ブロンテはたぶん

前半はシェイクスピア劇などをなぞって書いていたが、

キャサリン2世が生まれてから感情移入情して

物語を書けるようになった。

そして最後まで書き上げた後で

前半をリライトしたのではないか。

愛すべき若きキャサリンは、執筆時、

まだ20代だったエミリーそのままではないかと思える。

 

キャサリン、

リントン・ヒースクリフ(ヒースクリフとイザベラの息子)、

ヘアトン・アーンショウ(ヒンドリーとフランシスの息子)

という3人の子ども世代のキャラクターが繰り広げる

人間ドラマはとても緻密で、その関係性は興味深い。

それぞれの心理がとても巧みに、丁寧に描かれている。

 

父ヒースクリフの手駒にされ、

キャサリン2世と結婚して死ぬ

リントン・ヒースクリフの卑劣で狡猾で、

情けないキャラクターは、

父親よりもはるかに悪役として面白い。

 

ヘアトンは子どもの頃にマインドコントロールされてしまって、

ヒースクリフの舎弟みたいな形で生活している。

けれども、リントンとの結婚によって嵐が丘に幽閉された

キャサリン2世と恋に落ち、

洗脳が解けて眠っていた知性がめざめる。

そして二人で力を合わせて暴君に立ち向かい、

結果的にヒースクリフを滅ぼすという下りは、

とてもドラマチックだ。

 

自分を虐げた嵐が丘(アーンショウ家)と

鶫の辻(リントン家)をわがものにし、

復讐を成し遂げたと思ったヒースクリフは、

最後に両家の血を引く子どもたちから

大どんでん返しを喰らい、滅ぼされるのだ。

 

これはキャサリン2世が、そしてヘアトン・アーンショウが、

先代がつくった過酷な運命を克服し、

自分たちの人生を切り開いていく物語なのである。

 

こうやってキャサリン2世を

「嵐が丘」の真の主人公として見ると、

前半のヒースクリフと母キャサリンの恋愛ドラマは、

彼女のトラウマであり、背負わされた宿命である事がわかる。

 

ヒースクリフと母キャサリンは、

リアルな登場人物というより、

一種のメタファー(暗喩)のような存在で、

この嵐が丘の荒々しい自然、

荒ぶる神のようなものを具現化しているのかも知れない。

 

また、鶫の辻(リントン家)を理性や日常、社会、

顕在意識の象徴とするなら、

嵐が丘(アーンショウ家)は感情や非日常、人間の本質、

潜在意識の象徴と言えるのかも知れない。

 

両者は普段はバランスを保っているが、そこへ人生にたびたび起こる災厄、

今でいえばコロナ禍などが入り込んでくると、

そのバランスは崩されてしまう。

ヒースクリフという人物は、それを表現した形なのではないかと思える。

 

また、訳者である鴻巣友季子さんもあとがきで書いているが、

母娘2代のキャサリンをひとつながりと捉えると、

キャサリン・アーンショウは、

エドガーと結婚してキャサリン・リントンとなり、

新しく生まれた娘のキャサリン・リントンは、

リントン・ヒースクリフとの結婚によって、

キャサリン・ヒースクリフとなるが、

最後にヘアトン・アーンショウと結ばれて、

キャサリン・アーンショウに戻る。

そうした女性の転身のダイナミズムも感じられて、

この物語を読み応えあるものにしている。

 

他にもナレーターのスタイルと構成の巧みさ、

ジョウゼフといった名脇役の面白さ、

ゴシックホラーっぽい要素など、読みどころは満載だ。

 

「呪われた家族・愛情関係から解き放たれる少女の物語」という

僕の読み方が正しいのかどうかはわからない。

でも正しいとか、間違っているかはどうでもいい。

その人なりの読み方・楽しみ方ができるところが、

古典文学の奥深さ、世界名作の偉大さである。

 

再読してみてよかった。

新しい発見があり、

人生の課題が一つクリアされたような気分になった。

若い人もお齢の人も、

死ぬまでにぜひ一度は読んでみてください。

 

 

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再読「嵐が丘」:呪われた家族・愛情関係から解き放たれる少女の物語

 

何十年かぶりに「嵐が丘」を再読してみた。

1847年。19世紀半ばに発表された

エミリー・ブロンテ唯一の小説。

それが世界文学史上屈指の名作として読み継がれてきた。

 

世間一般の評価は稀代の恋愛小説、悲恋物語となっている。

しかし。

ぜんぜん違う。そんな話じゃない。

 

これは少女(キャサリン・リントン=キャサリン2世)が、

呪われた家族関係・歪んだ愛情関係の鎖から

みずからを解き放つ物語である。

そう感じた。

 

中学生の時にダイジェスト版を読んで、

20代の時に完全版(旧訳)を読んで、

ロンドンで暮らしていた時に英語版(これもダイジェスト)も

読んだ。

映画も芝居も観たし、

ケイト・ブッシュの歌は40年間愛聴している。

(日本では明石家さんまのTV番組

「恋のから騒ぎ」のテーマ曲として有名)

 

だけど、なんだかよくわからなかった。

どうしてこの話が名作として後世にまで残されているんだろう?

キャサリンとヒースクリフの大恋愛、大悲恋もの?

僕もその頭で読んでいたのだが、全然ピンと来ない。

 

よほど恋愛音痴なのだろうか?

女の心がわからないのだろうか?

そういうセンスはあまりないほうだと思うが、

それにしても・・・と、数十年間モヤモヤしていた。

 

しかし今回、「新世紀決定版」と称する

鴻巣友季子さんの新訳(新潮文庫)で読んでみて、

そのモヤモヤが霧散した。

 

主題を、一見主人公と思えるヒースクリフでなく、

彼と恋に落ちる

キャサリン・アーンショウ(母キャサリン)でもなく、

キャサリン・リントン(娘キャサリン=キャサリン2世)に

置くと、すごく面白い人間ドラマの傑作として読める。

 

この物語の本当の主人公は少女のキャサリン2世であり、

彼女が登場するまでの前半のヒースクリフと

母キャサリンとの恋愛などは

バックストーリーに過ぎない。

 

「嵐が丘」が恋愛小説として評価されたのは、

発表から100年余りの間、

女も男もまだ自由に恋愛が出来ない時代だったからだと思う。

 

だから女性は、

現実的にはエドガー・リントンのような理性的で、

それなりの社会的地位を持った男(だけどつまらない男)を

結婚相手に選びながら、

“愛しちゃいけないと分かっているのに”

ヒースクリフのような破天荒で悪魔的な男の魅力に

ひかれただろう。

 

とは言え、僕にはこのヒースクリフという男の

どこがそんなに魅力的なのか、さっぱりわからない。

 

魅力的な悪役というのは古今東西いろいろいて、

どうやら作者はシェイクスピアが好きらしく、

オセロとかリチャード3世をモデルに

この人物を造形したのだと推察する。

 

だけどぶっちゃけ、あんまりちゃんと描けていない。

ずいぶんと雑で散漫なキャラクターになっているのだ。

 

リバプールで拾われた孤児という設定だが、

そもそも生い立ちがわからないし、

なんで大金持ちになって嵐が丘へ戻ってくるのかもわからない。

 

戻ってきてから事業主として何か仕事をしている様子もない。

ロンドンへ行って博打で大儲けしたとか、

何か犯罪に手を染めたとか、

そういう類のことなのだろうか?

ミステリアスと言えば聞こえがいいが、

単なる作者の書き込み不足としか思えない。

 

この物語をヒースクリフの復讐譚とする解釈もあるようだ。

確かに子ども時代、

アーンショウ家の人々からいじめられたり

差別されたりはするが、

彼を拾ったオールド・アーンショウ(キャサリンの父親)は、

彼を実の子どもたちよりかわいがっており、

ヒースクリフ自身もそれを利用して狡猾に行動しているので、

同情するに値しない。

 

後半にいたってはほとんどDV男、

子どもを虐待する家庭内暴力の元締めとなっており、

その暴力や残忍さの裏にある奥深さなど

まったく感じられないのだ。

 

どうもこの作者のエミリーさんという人は、

文学者としては天才だったかもしれないが、

男とは一度も関係を持つことがなかったのではないか。

(彼女は嵐が丘を書き終えた後、30歳で死んでいる)

 

ヒースクリフは、19世紀のイギリスの片田舎に住む、

抑圧された若い女性の妄想の産物だという気がする。

 

キャサリンも単なる気性の激しいわかがまま女と言う感じ。

ヒースクリフと幼馴染で仲がいいというのはわかるが、

そんな大恋愛に発展するような要素が、

どう読んでも見当たらない。

 

彼女自身もまったく魅力的でないし、共感もできない。

むしろ僕は彼女の夫となり、家族の行く末に悩むエドガーに

同情と共感を感じる。

 

エドガーとイザベラの兄妹は、

ヒースクリフとキャサリンよりも

人物造型が具体的でよくできているし、

イザベラがヒースクリフに惚れてしまう

過程のほうがよくわかる。

彼女は結婚してDVの餌食になってしまうのだが。

 

今回読んで驚いたのは、

キャサリンが死ぬのと引き換えに

子ども(キャサリン2世)を産むところ。

いや、正確に言えば、知らぬ間に娘は“生まれていた”。

 

母キャサリンはお産ではなく、精神病のような形で死ぬのだが、

彼女がお腹に子どもを宿していたという描写は、

生きている間、かけらもない。

 

この作者は女なのに、どうすれば子どもを身ごもるのか、

産み落とすのか、知っていたのだろうか? 

という疑念さえ湧く。

 

べつにベッドシーンや官能的なシーンを描く

必要はないにしても、

ちょっとはそういうニュアンスを匂わせる言動がないと、

あまりに唐突だ。

現代のドラマなら「リアリティがなさすぎる」の一言で

アウトになる。

 

しかし、この物語の本番はここからだ。

母の命と引き換えに産まれたキャサリン2世のキャラクターは

親世代とは見違えるほど魅力的で愛らしい。

 

そして彼女はおそるべき暴君ヒースクリフに立ち向かう

凛々しいプリンセスとして描かれる。

世界名作「嵐が丘」の真価はこの後半にある。

 

長くなったので明日へ続く。

 

 

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ジブリ映画と著作権

 

臨済宗青年僧の会のオンライン講座

「ジブリと禅の生き方問答」の原稿を書き上げた。

ジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏と、

世田谷区の龍雲寺の住職で禅僧、

そして、ジブリ映画の大ファンである細川晋輔師の対談である。

 

この和尚さんはもう40過ぎだが、ちょうど彼が子どものときからジブリの歴史が始まっている。子どもの時からジブリ映画を観て育ってきた人も、すでに中年なのだ。

そうしたことを意識してか、鈴木氏は

長くいろんな人に見てもらいたい、

作品をのちの時代に残していきたい――

という思いを込めて「常識の範囲内で」

というコメントをつけて、

静止画の無償提供を始めた。

 

最初は「千と千尋の神隠し」など5作品だったが、

今日ジブリのサイトを見たらどどっと増えていて、

「トトロ」「魔女の宅急便」「もののけ姫」など、

大半の作品が対象になっている。

なってないのは「ナウシカ」「ラピュタ」

「火垂るの墓」ぐらいか。

鈴木氏は書作権でガチガチに固めてしまったら、

いずれ作品は忘れられてしまうかも知れないと危惧している。

未来永劫、不動の人気を保っていくかに見えるジブリ映画とて、

そうならないとは限らない。

もちろん、ヒット作を連発し、

十分な資産を持っているからこそ

できることなのかも知れないが。

 

こうしたジブリの英断は今後、いろんなコンテンツの

著作権と作品の永続性に関する考え方に

一石を投じることになるだろう。

 

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週末の懐メロ⑧:ボール・アンド・チェーン/ジャニス・ジョプリン

 

中学生の一時期、ジャニス・ジョプリンは憧れの女性だった。

 

「サマータイム」も「ムーヴオーバー」も大好きだが、

1曲だけ選ぶとしたら、やっぱり世界中に衝撃を与え、

遥か未来の世代にまでその名を知らしめた

1967年、モンタレーポップフェスティバルでの

「ボール・アンド・チェーン」のパフォーマンス。

いま聴いても圧巻の一言だ。

 

インターネットもホームビデオもない時代、

僕はこの映像をNHKの「ヤングミュージックショー」で観た。

その時、14の小僧にとって、

ジョプリンは世界で最高にかっこいい女だった。

そして僕は彼女がすごく美人で可愛いと思っていた。

 

ジョプリンの歌に出逢ったのは、ラジオの深夜放送だ。

いまや伝説の「糸居五郎のオールナイトニッポン」。

糸居五郎さんのディスクジョッキーを聴いたのは、

それが最初で最後だったが、強烈に記憶に残っている。

 

いま思えば、糸居五郎さんは、僕の出逢った

まともに英語をしゃべる初めての日本人だった。

そこでかかったのが、

ジョプリンの「サマータイム」だったのだ。

 

DJの紹介に続いてトランペットのメロウなイントロが流れ、

最初の1フレーズが耳に入ったときの衝撃は忘れられない。

ジャニス・ジョプリン、「サマータイム」。

しかし僕が彼女のことを知ったとき、

彼女はもうこの世の人ではなかった。

 

1970年、クスリのやりすぎで、

27歳の若さでジョプリンは死んでしまった。

現代の感覚で言えば、不道徳で愚かな死にざまだ。

 

けれども「30以上は信じるな」と若い連中が叫び、

カウンターカルチャーをかまして熱くなっていた時代のこと。

ロックに魂を捧げたかのような歌いっぷりを見せた、

その生きざま・死にざまは、一つの理想であり、

彼女の存在は神格化され、神聖な物語のように語り継がれた。

 

それは半世紀が過ぎた今でも生き続けている。

ジョプリンの人気の高さは、

僕らが若いころからほとんど変わっていないのではないか。

今の若い連中の間でも伝説化されているらしい。

 

彼女を超える女性ロックシンガーは、もう現れないだろう。

テクニック的にうまい歌手はいくらでもいるが、

それを聴くオーディエンス、リスナーの

耳とマインドがもうすっかり変わってしまった。

「音楽で世界を変えられる」と信じていた若者が大勢いたから、

ジョプリンはあれだけの歌唱ができた。

類まれな音楽の才能と、

それを求めた時代精神との幸福な結婚がそこにあった。

 

僕は彼女の歌はもちろん好きで、

初めての出逢いから折に触れて聴き続けているが、

それ以上に顔が好きである。

 

歌っているとき、若い女から年季の入ったおばさん、

ばあさんまで

人生をタイムトラベルするかのような表情の変化。

 

それと対照的に、音楽雑誌のグラビア写真や、

レコードに付録としてついていたフォットブックの中では、

当時のヒッピー御用達のトンボメガネをかけて、

きょとんとした顔や、ちょっとはにかんだ表情で映っているのが、

とても印象的でかわいいなと思った。

 

1960年代の思想やら文化やらのベールに覆われて、

自由や社会運動や女性解放の象徴みたいに

扱われることもあったが、

実際の彼女は、そうした思想や政治的こととは無関係の、

ただ純粋に歌うのが大好きな女の子だったのではないかと思う。

 

YouTubeにアップされた、このモンタレーポップの

「ボール・アンド・チェーン」の最後を見て、

その思いを強くした。

 

歌い終わり、熱狂的な観客の拍手を浴びて

小躍りしながら舞台袖に引っ込んでいく彼女の後姿は、

まるで6歳児のようだ。

「キャーッ、じょうずに歌えちゃった~!」

なんてセリフが聞こえてきそうな、

かわいくてユーモラスなジャニス・ジョプリンだ。

 

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「2020年の挑戦」への挑戦が終わる

 

コロナ、コロナに明け暮れた2020年が終わろうとしている。

日本はの感染者数、重症者数、死亡者数、

どれをとってもアメリカやヨーロッパなどとは桁違いに低い。

にも拘わらず医療機関はひっ迫し、危機的状況にあるという。

これでは病気になっても怪我をしても

診てもらえない可能性がある。

コロナよりも急病や事故の方がよっぽど怖いともいえる。

 

なんでこんなことになってしまうのか?

日本なんて及びもつかないほど患者数が爆発している他の国では

医療はいったい今どうなっているのだろう?

ネットでちょこちょこ調べてみたが、

最近の状況はよくわからない。

 

春先はあちこちから医療崩壊、葬儀崩壊、

遺体をスケートリンクに収納とか、

冷凍トラックに積み込んでいるとか、

ショッキングなニュースがどんどん飛び込んできたが、

この冬はそういう話は聞かない。

 

一説によれば他国では医療崩壊を

とっくに超えてしまったという。

お金を出せば重症になっても治療を受けられるが、

貧乏人はもうほったらかしだという。

 

そんなアホな、と思いつつも、

あの数を見れば、それでも納得せざるを得なくなる。

諦めろ、神に祈れ、自分の幸運を信じろ、ということか。

 

それしてもいったいなんで他国の情報はないのか?

もう皆慣れっこになってニュースバリューがないから?

それとも「これ以上、悪いニュースで

人々を心配させてはいけない」

という報道側の良心的配慮? から?

 

片や、経済への影響が甚大で、

自殺者数の増加は、確実にコロナの影響による倒産・解雇が

原因になっているという指摘もある。

 

GOTOトラベル、GOTOイートの経済効果は絶大で、

観光業、飲食業の人たちの多くがおかげで一息つけたのも事実。

自殺者の増加が抑えられた面もあると思う。

 

何が良くて何が悪いのか、頭が混乱してくる。

いったいこのコロナ禍の真実はどこにあるのか?

渦中にいる限りはわからない。

たぶん過ぎて何年かしてから、やっと気づくことなのだろう。

 

2020年はこれまでの時代の終焉であり、始まりである――とは

以前からよく聞いていた。

価値観の変換――使い古され、手垢にまみれた言葉だが、

ようやくそれが現実になるときが来たようだ。

 

そういえば3年半前にブログで

「2020年の挑戦への挑戦」というエッセイを書いていた。

自分でいうのもなんだが、読み返してみると、なかなか面白い。

 

あの怪奇な「ウルトラQ」のドラマが放映された1965年、

日本の人口はまだ1億人に届かず、平均寿命も70歳だった。

あれから人も社会も激変した。

 

ケムール人ならぬ新型コロナウイルスの侵略に遭遇した人々は、

今、新しい価値観を持った人類と社会に

孵化している最中である。

 

来年、コロナは収まるかもしれないが、

その孵化活動はまだ数年間は続くだろう。

古い殻を破って外に出てきたとき、

世界はどうなっているだろう?

 

期待と不安を抱きつつ、日々、マスクして手を洗い、

劇場や映画館やお店などにもなるべく行かず、

密室っぽいところや混雑や賑やかな場所を避けて、

大人しくして過ごしている。

たぶんクリスマスも正月も。

 

この齢だからそれほど苦にならないけど、

10代、20代の頃だったら耐えられなかったかもしれない。

 

自分を見失わないよう、

がんばって凌いでくれ、若者たち。

 

 

「いたちのいのち」

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ペットの遺骨を真珠に育てる真珠葬 「虹の守珠(もりだま)」

 

 11月に開かれたエンディング産業展2020の出展ブースの中で、で印象に残ったのものが「真珠葬」だった。

 ペットの遺骨を真珠にする真珠葬「虹の守珠(もりだま)」は、2018年11月に事業として開始された。

 真珠になるまで1年~1年半かかるため、2019年末、初めての遺骨の真珠が依頼主(犬や猫の飼い主)の手もとに返された。

 

 8㎜以下の遺骨を8個預かり、個体識別用のICチップとともに樹脂でコーティングした後、アコヤガイに入れ、10㎜前後の真珠に育てる。

場所は長崎県の奈留島(五島市)にある「多賀真珠」という養殖場で、その養殖業者、長崎大大学院水産・環境科学の教授、そして、化粧品・健康食品など、女性のための企画商品を開発しているウービィー株式会社のの社長の3者が共同開発した。

 

 このサ-ビスの素晴らしいところは、単に遺骨を1年間預かって真珠にします、というだけでなく、その「過程」を大事にすることだ。

 コーティングした遺骨を核入れした後、真珠の生育状況を写真や動画で撮影してコメントをつけたレポートを随時、依頼者ひとりひとりにネット配信している。こうしたやりとりを通して丁寧に気持ちをつなぐことが、高質な付加価値になっている。

 つまり、ストーリーがあるのだ。

 

 結果だけポンと渡されても感動は生まれない。

 誰もが結果ばかりを重視し、早く結果を知りたがる世の中だから、逆に時間と手間暇をかけた、こうしたサービスが貴重に思えるのかも知れない。

 

 やさしく丁寧なイメージを大事にしているので、積極的な広告は打たず、人から人へ口コミなどで自然に伝わり、心に留まるのが相応しいと考えている。

 とは言え、事業である以上、世の中に存在をアピールしたい、ペットの葬儀や仏具を扱う人にも知ってほしいという思いがあって出展したという。

 

 少し意地悪く「それじゃ、こうやってアピールして、いっぱい引き合いが来たらどうするんですか?」と質問してみたら「予約待ちしていただきます」という返事だった。実際、生前から亡くなったら真珠葬をしたいという予約問い合わせが少なくない。

 

 今、ペットの遺骨はお墓に埋葬するか、庭に埋めるか、自宅で保管するか、という3択だという。する・しないは別にして、そこに虹の守珠が加わればそれだけでいい。

飼い主の人たちの心の中に真珠葬というもう一つの選択肢があることが大事なのだ、というお話だった。

 

 預けた人が「子どもを留学に出しているような気持ちになる」という真珠葬。

 亡くなったのに成長を見守ることができ、「行ってらっしゃい」「おかえり」と言葉を掛けられる。

 

 ペットの飼い主は、いずれは看取りをしなくてはならず、ペットロス症候群を覚悟する必要もあるが、そうした人たちにとってのグリーフケアの一つになると思う。

 

 

「いたちのいのち」ASIN: B08P8WSRVB

12月4日(金)17:00~12月7日(月)16:59

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●あらすじ

カナコは10歳。小学4年生。

一人娘の子育てに悩まされながら、生活を支えるのに忙しい母親のマヨと二人暮らしをしている。

しかしもう一人、というか一匹、いっしょに暮らす同居者がいる。その名は「イタチ」。ペットのフェレットだ。学校でも家でも口をきかないカナコにとって、イタチは唯一、心を開いて話ができる親友であり家族だ。

 

国語の授業で、その大好きなイタチのことを作文に書いたら、

担任のあかり先生が目にとめ、

「すごくいいので、コンクールに出しましょう」と言ってきた。

そんなつもりじゃなかったのにと、内気なカナコは困惑し、

先生に激しく抵抗する。

 

しかし、母と先生と関わる中で、カナコはだんだん変わり始める。それをイタチは察知していた。彼女が3歳の時からずっと一緒に暮らしてきたイタチは、地球に生まれて間もないころから、自分がカナコに必要な存在だとわかっていた。

 

彼は天国にいた時の記憶を持っている。

天使だったイタチは、もともと人間として地球に生まれることを望んでいたのだが、生き物としての命を与え、地球に送る〈地球いきもの派遣センター〉の手続き上のミスによって

人間になるのを諦めた。

その代わりにフェレットとして

ワンサイクルの命をまっとうすることになったのだ。

 

子どもからちょっとおとなに変わっていくカナコと、

そのそばで天使の目を持ったまま生きるフェレットのイタチ。

それぞれの視点から代わる代わる、日常生活とその中で起こる事件の数々、そして、ふたりの別れまでのストーリーを描く。

 

なお、表紙イラストは

漫画家・イラストレーターの麻乃真純さんが制作。

「パートナー 進め!ソラ」「ほっと・ペットクリニック」「あしたはハッピードッグ」「母のバッカス」「いぬの先生」など、動物ものの作品を多数発表している。

 


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「いたちのいのち」無料キャンペーン

 

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●あらすじ

カナコは10歳。小学4年生。

一人娘の子育てに悩まされながら、生活を支えるのに忙しい母親のマヨと二人暮らしをしている。

しかしもう一人、というか一匹、いっしょに暮らす同居者がいる。その名は「イタチ」。ペットのフェレットだ。学校でも家でも口をきかないカナコにとって、イタチは唯一、心を開いて話ができる親友であり家族だ。

 

国語の授業で、その大好きなイタチのことを作文に書いたら、

担任のあかり先生が目にとめ、

「すごくいいので、コンクールに出しましょう」と言ってきた。

そんなつもりじゃなかったのにと、内気なカナコは困惑し、

先生に激しく抵抗する。

 

しかし、母と先生と関わる中で、カナコはだんだん変わり始める。それをイタチは察知していた。彼女が3歳の時からずっと一緒に暮らしてきたイタチは、地球に生まれて間もないころから、自分がカナコに必要な存在だとわかっていた。

 

彼は天国にいた時の記憶を持っている。

天使だったイタチは、もともと人間として地球に生まれることを望んでいたのだが、生き物としての命を与え、地球に送る〈地球いきもの派遣センター〉の手続き上のミスによって

人間になるのを諦めた。

その代わりにフェレットとして

ワンサイクルの命をまっとうすることになったのだ。

 

子どもからちょっとおとなに変わっていくカナコと、

そのそばで天使の目を持ったまま生きるフェレットのイタチ。

それぞれの視点から代わる代わる、日常生活とその中で起こる事件の数々、そして、ふたりの別れまでのストーリーを描く。

 

なお、表紙イラストは

漫画家・イラストレーターの麻乃真純さんが制作。

「パートナー 進め!ソラ」「ほっと・ペットクリニック」「あしたはハッピードッグ」「母のバッカス」「いぬの先生」など、動物ものの作品を多数発表している。

 

目次

1.カナコ、イタチに起こされる

2.イタチ、マヨさんは起こさない

3.カナコ、朝からあかり先生に呼び出される

4.イタチ、カナコと出会ったときの話をする

5.カナコ、あかり先生に作文を読まれる

6.イタチ、自分がほんとうはどこから来たかを話す

7.カナコ、虹を超えてイタチの秘密を知る

8.イタチ、フェレットの習性について研究する

9.カナコ、あかり先生に長い宿題を出される

10.イタチ、全自動洗濯機の中でグルグル回る

11.カナコ、自分のことを作文に書く

12.イタチ、動物病院で天日干しの夢を見る

13.カナコ、雨ふりのことについて考える

14.イタチ、公園でカラスとネコに出会う

15.カナコ、イタチとはぐれたことをマヨに電話する

16.イタチ、あかり先生に拾われる

17.カナコ、帰ってきたイタチを抱きしめる

18.イタチ、どうして自分が帰ってこられたのか振り返る

21.カナコ、これから先のことで心配になる

22.イタチ、おフロ場の冒険に出かける

23.カナコ、イタチ救出作戦を実行する

24.イタチ、カナコといっしょに生きることをちかう

25.カナコ、あかり先生にラブレターを書く

26.イタチ、悪い病気にかかる

27.カナコ、イタチとお別れする

28.イタチ、空へ帰る

29.カナコ、イタチのいない暮らしをする

30.イタチ、〈いたちのいのち〉を抱きしめる

 


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日本にも思い出ベンチ

 

一昨年(2018年)、ロンドンを旅したとき、

ケンジントン地区にあるホーランドパークで

メモリアルベンチを見て回り、記事を書いた。

 

これは故人や遺族の意志で、

故人の言葉や遺族の思いをベンチの背もたれに

刻んだり、プレートを付けたりして

公園に寄贈するというものだ。

 

いつから始まったかは知らないが、

僕がロンドンで暮らしていた35年ほど前にはすでにあった。

 

美しい公園に静かに佇み、

疲れた人を休ませてくれる

メモリアルベンチにはなぜか心に響くものがあった。

 

今まで何度も通り過ぎていたのに気が付かなかったが、

先日、近所の善福寺緑地で同様のものを発見した。

ちゃんとプレートも付けられている。

 

お墓の代わりに、なのかどうかは不明だが、

この世から去っても、ここにいて後の世代を、

べつに自分の家族でなくても、やさしく見守り、

ちょっとでも役に立つのは素敵なことだと思う。

 

 

予告「いたちのいのち」

12月4日(金)17:00~

12月7日(月)16:59

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おりべまこと電子書籍第10作:長編小説「いたちのいのち」発売

 

カナコは10歳。小学4年生。

一人娘の子育てに悩まされながら、生活を支えるのに忙しい母親のマヨと二人暮らしをしている。

しかしもう一人、というか一匹、いっしょに暮らす同居者がいる。その名は「イタチ」。ペットのフェレットだ。学校でも家でも口をきかないカナコにとって、イタチは唯一、心を開いて話ができる親友であり家族だ。

 

国語の授業で、その大好きなイタチのことを作文に書いたら、

担任のあかり先生が目にとめ、

「すごくいいので、コンクールに出しましょう」と言ってきた。

そんなつもりじゃなかったのにと、内気なカナコは困惑し、

先生に激しく抵抗する。

 

しかし、母と先生と関わる中で、カナコはだんだん変わり始める。それをイタチは察知していた。彼女が3歳の時からずっと一緒に暮らしてきたイタチは、地球に生まれて間もないころから、自分がカナコに必要な存在だとわかっていた。

 

彼は天国にいた時の記憶を持っている。

天使だったイタチは、もともと人間として地球に生まれることを望んでいたのだが、生き物としての命を与え、地球に送る〈地球いきもの派遣センター〉の手続き上のミスによって

人間になるのを諦めた。

その代わりにフェレットとして

ワンサイクルの命をまっとうすることになったのだ。

 

子どもからちょっとおとなに変わっていくカナコと、

そのそばで天使の目を持ったまま生きるフェレットのイタチ。

それぞれの視点から代わる代わる、日常生活とその中で起こる事件の数々、そして、ふたりの別れまでのストーリーを描く。

 

なお、表紙イラストは

漫画家・イラストレーターの麻乃真純さんが制作。

「パートナー 進め!ソラ」「ほっと・ペットクリニック」「あしたはハッピードッグ」「母のバッカス」「いぬの先生」など、動物ものの作品を多数発表している。

 

目次

1.カナコ、イタチに起こされる

2.イタチ、マヨさんは起こさない

3.カナコ、朝からあかり先生に呼び出される

4.イタチ、カナコと出会ったときの話をする

5.カナコ、あかり先生に作文を読まれる

6.イタチ、自分がほんとうはどこから来たかを話す

7.カナコ、虹を超えてイタチの秘密を知る

8.イタチ、フェレットの習性について研究する

9.カナコ、あかり先生に長い宿題を出される

10.イタチ、全自動洗濯機の中でグルグル回る

11.カナコ、自分のことを作文に書く

12.イタチ、動物病院で天日干しの夢を見る

13.カナコ、雨ふりのことについて考える

14.イタチ、公園でカラスとネコに出会う

15.カナコ、イタチとはぐれたことをマヨに電話する

16.イタチ、あかり先生に拾われる

17.カナコ、帰ってきたイタチを抱きしめる

18.イタチ、どうして自分が帰ってこられたのか振り返る

21.カナコ、これから先のことで心配になる

22.イタチ、おフロ場の冒険に出かける

23.カナコ、イタチ救出作戦を実行する

24.イタチ、カナコといっしょに生きることをちかう

25.カナコ、あかり先生にラブレターを書く

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27.カナコ、イタチとお別れする

28.イタチ、空へ帰る

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30.イタチ、〈いたちのいのち〉を抱きしめる

 

 

●いたちのいのち ASIN: B08P8WSRVB  ¥520

 

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週末の懐メロ⑥:スワロウテイル~あいのうた~/¥タウンバンド

 

1996年は息子が生まれた年だった。

それなのにこの歌は、

中学生か高校生の時に出逢ったような錯覚にとらわれる。

それくらいの威力を持って肌に食い込んで、

消えない痣をつくった。

 

今でも耳にすると、架空の街「¥TOWN(エンタウン)」の

荒廃した風景と人々の群像が浮かび上がり、胸が疼き出す。

そして繰り返し聴かずにいられなくなる。

 

¥TOWN(エンタウン)は

バブル経済崩壊後の日本の心象風景だった。

岩井俊二監督はそれを終戦後の焼け野原・闇市のような

イメージを重ね合わせて描き出した。

 

経済戦争のThe DAY After。

僕たちはいまだその後遺症に悩んでいる。

 

その映画「スワロウテイル」を

僕は仕事帰りに渋谷の映画館で観た。

子どもが生まれたばかりだったので、

早く家に帰ってカミさんを手伝わんと・・・と、

ちょっと罪悪感を抱きながら。

 

およそ四半世紀が過ぎたいま、

この歌が頭の中で鮮明によみがえってきたのは、

コロナ禍に巻き込まれて世界が変わっていくのを

目の当たりにしているからだろうか。

 

名曲はそれまでの価値観が崩壊した荒野から生まれる。

 

 

★おりべまこと 電子書籍新刊★

動物ストーリー「いたちのいのち」

11月30日(月)、Amazon Kindleより発売予定

 

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飼い主にはペットを看取る使命がある

人間の場合は

「(子どもが)親より先に死んではいけません」と教えられるが、

動物の場合は

「親(飼い主)が子ども(ペット)より先に死んではいけません」となる。

動物を飼う以上、

飼い主は彼ら・彼女らの看取りをする使命がある。

 

そういう意識が浸透してきたのか、

ペットの葬儀供養関係事業は

この数年でかなり質が上がってきていると聞く。

 

エンディング産業展も毎年、

いろいろペット葬儀関連の業者がブースを出している。

こういうものは業界人だけでなく、

一般の人にもちゃんと見てもらっておいたほうがいいと思う。

 

今年の月刊仏事の取材では、ブース紹介も数を絞って、

わりときっちりコメントするという編集方針。

 

なので受け持ったな中で3つをペット関係にして、

グッドワークの「段ボール棺」、

フランスベッドの「ペット仏壇」、

ウーヴィーの「真珠葬」を取材した。

 

グッドワークは段ボールケースを作っている会社で、

昨年からこのペット用の段ボール棺を

Amazonで販売しているという。

簡易な棺だが、お花などを入れてあげて

そのまま火葬できるのはいいなと思った。

 (ただし、自治体によってはできないとこるもあるようなので、

お問い合わせください)

 

フランスベッドは最初、リストだけ見た時は

最近、CMなどで見かける介護用ベッドを

展示しているのかなと思ったら、

なんとペット仏壇がメイン展示だった。

 

担当に人に聞いたら「フランスペット」というシリーズを作って

ペット用のソファやベッドも開発・販売しているという。

高級なベッドメーカーのイメージがあるが、

なかなかダ洒落が効いている。

 

「仏壇」というのは便宜上の呼称で、

要は亡くなったペットをちゃんと供養するための

インテリア用品を、ということで開発したのだそうだ。

さすがに一流メーカーらしい、

シックで上品な趣のある家具になっている。

 

ウーヴィーの「真珠葬」については詳しい説明を要するので、

また後日。

 

 

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動物ストーリー「いたちのいのち」

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おりべまことGo To BOOKキャンペーン

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11月20日(金)17:00~23日(月)16:59まで

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おとなも楽しい少年少女小説4タイトルの

無料キャンペーンを行います。この機会にぜひどうぞ。

 

●ピノキオボーイのダンス ASIN: B08F1ZFLQ6

ダンサーとして生きる運命を背負ったロボット少年の物語。

 

●オナラよ永遠に ASIN: B085BZF8VZ

人類を変貌させる謎のウイルスとオナラで戦う屁こき少年の物語。

 

●茶トラのネコマタと金の林檎 ASIN: B084HJW6PG

山に埋められた金の林檎を探す探偵コンビと謎の老婦人の物語。

 

●魚のいない水族館  ASIN: B08473JL9F 

魚のいない水族館で仕事を見つけた男の夏から秋にかけての物語。

  

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21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

争を厭う人々は、スターになったロボットのダンスに希望と癒しと救済を見出そうとするが・・・。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。

 

オナラをテーマに展開する、愛と笑いとメッセージを載せたSF+ファンタジーテイストの少年少女小説。

小学5年生の小松救太郎は、ぬきうちテストの最中にオナラをもらし、クラス中からいじめられる。

じつはそのオナラの真犯人は隣の席の水城ユリカ。。彼は憧れの女の子の失敗をかばっていたのだ。

しかし、ユリカはお礼を言うどころか、よけいなおせっかいだと救太郎をきびしく攻める。

その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。

そこに登場するのは、26世紀から来た、オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。

この男の話 によると、500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。

そして救太郎こそが、失われたオナラを取り戻すための救世主であり、ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、不幸な歴史をやり直せると伝える。

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑するステージママである母親のプレッシャーにユリカが苦しんでいること、また、人類からオナラを奪おうとする謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

ヘビ魔女との対決や、秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日にタイムスリップして戻り、二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

はたして彼はユリカの気持ちを変え、オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

20代半ばで独立起業し、6畳一間のアパートの自分の部屋で探偵事務所を開いた私立探偵・飛田健太(とびた・けんた)。

その健太のもとにホームページ経由で、開業以来、最高のギャラが発生する難事件の依頼が飛び込んだ。

山中に埋められた、時価数億円に上る金の林檎の捜索。

 

健太は相棒である便利屋の中年男・六郎を連れ、“なんちゃってホームズ”のいでたちで現場に飛ぶ。

そこに現れたのは茶トラのネコみたいなオレンジ色の髪をし、魔女のような真っ黒な服に身を包んだミステリアスな高齢女性。

健太はその依頼人に“茶トラのネコマタ”というあだ名をつける。

 

ネコマタの目撃談によれば、10月の第3日曜日の夕暮れ時、黒服・黒メガネの4人組の男たちがこの山にやってきて、どこかから盗み出してきた大量の金の林檎を埋めていったという。

しかし、明らかに彼女の話はおかしい。

これはかつて女優だったという女の空想か?幻想か?妄想か?

 

健太と六郎は、その話を信じたふりをして、山中の雑木林に入ってスコップを振るい、肉体労働に精を出すことになった。

はたしてこの難事件はどんな“解決”に至るのか?

それぞれ心に傷を負った若者、中年、年寄りが織りなす、コミカルでファンタジックな探偵小説。

 

失業中の主人公が足を踏み入れた、街のはずれにある水族館。

そこには魚が一匹もいなかった。彼のまえに現れたのは半魚人かと見間違えるような、魚のような容貌の館長だった。

「魚はみんな海に返しました」と言う館長は、彼に水槽に入ってみたら、と勧める。

空っぽの水槽に入って魚の気持ちになってみた彼はその体験を自分のブログに綴ってみた。

すると驚くことに、そのブログが大きな反響を呼び、拡散され、魚のいない水族館はその夏の大人気スポットに。

瞑想の場になったり、人魚のファッションショーが開かれたりするようになる。

そして季節が変わるころ、館長は彼に声をかける。

「もしよければ、ここで仕事をしませんか?」

夏から秋にかけて、その小さな水族館で起きる奇妙な出来事を描くファンタジックな、おとなも楽しい少年少女小説。

 


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カフカの寓話②「小さな寓話」

 

「やれやれ」

と鼠がいった。

「この世は日ごとにちぢんでいく。

はじめは途方もなく広くて恐いほどだった。

一目散に走り続けていると、そのうち、かなたの右と左に壁が見えてきてホッとした。

ところがこの長い壁がみる間に合わさってきて、いまはもう最後の仕切りで、どんづまりの隅に罠が待ち構えている。走りこむしかないざまだ」

「方向を変えな」

と猫はいって、パクリと鼠に食いついた。

 

(カフカ寓話集:池内紀:編訳/新潮文庫より)

 

ちょうど100年前、1920年に書いた作品。

たったこれだけの文章の中にフランツ・カフカの世界観が収められている。

「変身」に通じる絶望と恐怖とユーモア。

 

そういえばコロナに見舞われた今年はネズミ年だった。

生きていてこの鼠のような気持ちを抱く時がある。

この世が縮みきる前に、生き方を変えていこう。

猫に食われないように。

 

 

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おとなも楽しい少年少女小説

・ざしきわらしに勇気の歌を ¥317 ASIN: B08K9BRPY6

・ピノキオボーイのダンス ¥500 ASIN: B08F1ZFLQ6

・オナラよ永遠に   ¥593 ASIN: B085BZF8VZ

・茶トラのネコマタと金の林檎 ¥329 ASIN: B084HJW6PG

・魚のいない水族館 ¥328  ASIN: B08473JL9F 

 

面白まじめなエッセイ集

 ・どうして僕はロボットじゃないんだろう? ¥318 ASIN: B08GPBNXSF

・神ってるナマケモノ ¥321  ASIN: B08BJRT873 

・子ども時間の深呼吸 ¥324 ASIN: B0881V8QW2

・ロンドンのハムカツ ¥326 ASIN: B086T349V1

 

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カフカの寓話「ロビンソン・クルーソー」

 

ロビンソン・クルーソーが島の中のもっとも高い一点、

より正確には、もっとも見晴らしのきく一点にとどまりつづけていたとしたら

ーー慰めから、恐怖から、無知から、憧れから、その理由はともかくも

――そのとき彼はいち早く、くたばっていただろう。

ロビンソン・クルーソーは沖合いを通りかかるかもしれない船や、

性能の悪い望遠鏡のことは考えず、島の調査にとりかかり、

また、それをたのしんだ。

そのため、いのちを永らえたし、理性的に当然の結果として、

その身を発見されたのである。

 

(カフカ寓話集:池内紀:編訳/新潮文庫より)

 

ある朝、目が覚めたら強大な虫になっていた・・・。

シュールな不条理小説「変身」でおなじみ、フランツ・カフカ。

そのカフカの寓話が面白い。

 

上記「ロビンソン・クルーソー」をどう解釈するかはあなた次第。

けれども、ここで示唆することが

十分に現代的なことは間違いない。

 

へんな自己啓発セミナーに通ったり、

その手の本を読んだりするより、

みんな、100年前の小説を読んだ方がいいかもね。

 

 

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週末の懐メロ:嘆きの天使/ケイト・ブッシュ

ケイト・ブッシュとほぼ同世代であり、

彼女の歌をリアルタイムで聴き続けられてきたことは、

自分の幸運の一つのように感じる。

 

その出逢いが、デビューアルバムのトップナンバー

「嘆きの天使(Mooving)」だった。

クジラの歌声と神秘的な海鳴りの音から始まるこの曲は、

のちの彼女のとてつもなく

綿密で深遠な音楽世界のイントロダクションでもあった。

 

彼女に“Mooving”を教えた

英国のダンサー、リンゼイ・ケンプのことを歌った歌。

ケイト・ブッシュの歌世界は、

ケンプのイマジネーションあふれる創造的舞台ともリンクしていた。

 

それにしてもよくこんな映像が残っていた。

1978年の第7回東京音楽祭。

彼女は銀賞を受賞した。

 

東京音楽祭がどんな音楽祭だったのか調べてみたら、

TBS系の団体が1972~92年まで20年間開催された国際音楽祭だったらしい。

どの程度、権威があったのかわからないが、

受賞者のリストを見ると、ナタリー・コール、ライオネル・リッチー、

オリビア・ニュートン・ジョンなどの名も見られるので、

当時はそれなりのものだったのだろう。

 

けど、僕の中ではケイト・ブッシュがこの時、

ただ一度きり日本に来た、ということで記憶にとどまっている。

ついでに言うと、この時に撮影したらしい

「ローリン・ザ・ボール」のセイコーのコマーシャルも憶えている。

 

他のライブ映像やミュージックビデオではお目にかからない

いかにもアイドルと言った感じのピンクのフリフリを着ているのも

日本人の嗜好に合わせてのことだろうか?

 

それにしても曲名が解せない。

どうして「Mooving」が「嘆きの天使」になるのか?

これは1930年のマリーネ・ディートリッヒ主演の映画と同じタイトルだが、

ケイト・ブッシュとディートリッヒはどうも結びつかない。

 

ただ、この曲はかの「嵐が丘(Wuthring Heights)」と

カップリングしてシングル化された。

「嵐が丘/嘆きの天使」。

アイドルの歌でありながら、文学的な香り漂う邦題マジックは、

日本でこの天才少女を売り出すのに一役買ったのかもしれない。

 

その天才ぶりはこの後40年以上ずっと続いている。

始まりはアイドルだったが、音楽家・表現者として超一流だった。

ミステリアスでエキセントリックでプログレッシブ。

かと思えば、叙情的でユーモラスでドラマチック。

1曲1曲に音楽の神が宿っているかのような充実度・完成度。

生きててよかったと思わせる音楽。

ケイト・ブッシュを聴き続けてきて本当に良かったと思う。

 

 

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ハリウッドストーリーがロックスターに勝った日

 

もしや、ロックスター的カリスマ力を持ったトランプ大統領が

再選されるのではないか?

 

そんな嫌な予感が外れてよかった。

とりあえず一安心。

 

しかし、まだ訴訟を起こす気でいるし、

任期だってあと2か月余り残っている。

いったい何をしでかすか、油断できない。

 

こんな怪物を相手にバイデン氏は勝利した。

まじめで誠実そうには見えるが、

カリスマ性という面でははるかにトランプに劣る。

 

大した政策もありそうになく、

キャラも立っておらず、なによりもう若くない。

(何といっても史上最高齢の大統領になる!)

 

そんなバイデン氏が勝てたのはなぜか?

 

多くの盟友と後輩たちが、そして亡き家族の思い出が

彼を支えていたからだ。

 

勝利が確定した時、ハリス副大統領候補は

「アメリカを“尊敬される国に”」と語った。

トランプ大統領の“偉大な国に”に対抗する言葉はこれかと、

ひどく感心した。

「アメリカを尊敬される国に」

次期大統領は、まるで彼女のようだ。

 

実際、そういう噂はもう常識レベル。

バイデンは傀儡、バイデンはハリスへのつなぎ、

バイデンの役目は選挙で終わりで、4年どころか、

2年後、80歳になったらハリスと交代するのではないかと

マスコミも報じている。

有権者もそれを承知で投票したのだろう。

バイデンでなく、民主党に。

 

けれども唯一、バイデン氏は人の心に訴えるものを持っている。

老齢ならではのストーリー。

詳しくはしらないが、エリートでありながら次々と家族を失い、

幸福とはほど遠いであろう人生を歩みながら、

ついにトップの座にたどり着いた。

 

トランプという、1体1で戦ったら絶対に勝てない大敵と

チームを組んで立ち向かい、勝利し、おそらくはその後を

若い世代に譲って去っていくであろう老兵のストーリーは、

まるでハリウッド映画のようだ。

 

ハリウッドがロックスターに打ち勝ったということか。

いずれにしても、まともな政治に戻りそうで良かった。

傀儡でもいい、次の時代への下準備のためにも、

バイデンさんには力の限り、がんばってほしい。

 

 

 

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週末の懐メロ:ドント・レット・ミー・ダウン/ザ・ビートルズ

 

「浄心ハイツにビートルズが来るんだって。行こか?」

と友だちに誘われたのは、中2か中3、1973年か74年のことだ。

 

浄心ハイツとは、名古屋市西区の浄心町にあった映画館である。

もちろん、そんなところにビートルズが来るわきゃない。

ビートルズの映画が来たのである。

 

45年も昔のことなので栄や名駅などの繁華街に出なくても、

映画が娯楽の王様だった時代の名残で、

うちの近くにもけっこう映画館がたくさんあった。

 

小学生の時は、浄心ハイツで、それぞれの休みになるたびに

「東宝チャンピオンまつり」

(ゴジラなどの怪獣映画にアニメなどを付け足した5~6本立て)を見ていた。

 

ちなみに黒川日劇で「ガメラ」や「大魔神」や「妖怪百物語」などの大映映画を、

志賀東映で「東映まんがまつり」を見ていた。

どこも現代の感覚では信じられないほどボロくて汚なかったけど、

あったかくて楽しいところだった。

 

その浄心ハイツでビートルズ映画の3本立て

「ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」

「ヘルプ!」「レット・イット・ビー」をやったのだ。

 

時はビートルズが解散して3~4年経った頃だ。

僕はハードロックやプログレッシブロックに

のめり込んでいたので、

当時、ビートルズにはさして関心がなかった。

先輩たちにロックスピリット(?)を叩き込まれていたせいもあって、

「ビートルズなんて歌謡曲とおんなじ」とまで思っていた。

 

僕だけではなくて、1970年代は次々と新しい音楽が生まれていた時代だったので、

「ビートルズなんてもう時代遅れ」という風潮もあった。

 

けれども当時の中学生にとってビートルズ映画を見るというのは、

やはり一つのビッグイベントだった。

 

なんといってもインターネットはおろか、

ホームビデオさえない時代なので、

ミュージシャンの映像を見るということは、

めちゃくちゃ貴重で、しかもカッコいいことだったのだ。

 

というわけで友だち3人と見た3本立て。

他の2本はアイドル時代のもので、

「なんじゃ、このガキっぽい映画は?」という感想だったが、

ドキュメンタリーの「レット・イット・ビー」は一味も二味も違った。

なんというか、大人の音楽家の世界と言う感じがしてカッコよかった。

 

リアルタイムでビートルズを聴いていたファンは、

スタジオに当然のように4人といるオノ・ヨーコを

毛嫌いしていたようだが、

僕はそれまで全然知らなかったので、

「この女の人は一体何なんだろう?」と不思議でしょうがなかった。

 

なので映画「レット・イット・ビー」には4人と同時に

長い黒髪のオノ・ヨーコの神秘的なイメージが鮮烈に貼りついている。

 

この頃のビートルズはすでに崩壊状態で、

メンバー間の感情もあまりよくなったそうだ。

 

しかし、セッション音源を聴くと、

いざ楽器を持って音を奏でだすと彼らの心が一つになり、

まるでモスラが糸を吐き出すように音楽が紡ぎ出されてくる。

その様はさすがとしか言いようがない。

 

割とだらだらとスタジオ内のドキュメントが続いた後のクライマックスは、

アップルレコードビル屋上でのゲリラ演奏である。

この通称「ルーフトップライブ」は彼らのラストライブとなった。

 

その演奏曲の中でも一番好きだったのが、

「ドント・レット・ミー・ダウン」だ。

 

ジョン・レノンの書いた楽曲の中で5本の指に入る。

ノリもメロディも演奏スタイルもすごくユニークで、

いまだにこれに類する曲を聴いたことがない。

最高にカッコいい、まさしくレノン独自の世界。

 

ジョン・レノンは短い人生の間に、

ビートルズのメンバーやロックミュージシャンとしてだけでなく、

思想家、哲学者、社会運動家、家庭人、父親など、

実にさまざまな人間的な顔を見せた人だ。

 

それゆえ、伝説になっているのだが、

僕の中ではこのルーフトップライブで

「ドント・レット・ミー・ダウン」を歌う姿が

レノンの基本イメージになっている。

 

そういえば今年はレノンの没後40年だ。

 

 

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週末の懐メロ:愛にさよならを/カーペンターズ

 

カーペンターズを聴くと、中学生の頃、

好きだった女の子を思い出す。

彼女とは結構イイ線いってて、

よく話をしていたのだが、

音楽の話になって

「わたし、カーペンターズが好きなんだけど、

フクシマ君はどう?」

と言われたので、

「おれはロックだから、カーペンターズなんて聴かないよ。

レッド・ツェッペリンとか、エマーソン・レイク・アンド・パーマーとか・・・」

「何それ?」

「うわー、わかってねえなぁ」とかなんとか。

 

なんだかそれから気まずくなって話をしなくなった。

後悔することしきりだった。

くだらん自己主張なんぞせずに

「うん、カーペンターズも好きだけど、

よく聴くのはロックでさ、レッドツェッペリンとか知らないかな・・・」

とかなんとか言っていれば展開は違っていた。

今でいう「中2病」にかかっていたんだろう。

 

まさしく中2の1973~4年、カーペンターズは人気絶頂だった。

僕たちの世代の洋楽入門編という感じだった。

ラジオ音楽番組でも、洋楽ヒットチャートの1位は

いつもカーペンターズの曲が占めていた。

 

しかしその一方で、ロックを聴く男子たちは

「英語の歌謡曲」「女・子どもの聴くもの」

と言ってバカにしていた。

 

 

事情は中学生の世界だけでなく、

アメリカの音楽評論家なども

「甘ったるいお菓子のようなポップス」と酷評していた。

 

リチャードとカレンの、

大人に褒められる優等生的な若者ぶりも

不良っぽいロックンローラーが持て囃される時代では

嫌われる要因だったのだろう。

 

「いい子ちゃんしやがって」

みたいな感じで。

 

そんな中、当時読んでいた日本の音楽雑誌の中で

とある評論家(日本人)が

「〈イエスタディ・ワンス・モア〉1曲を書いただけでも、

もっとリチャード・カーペンターが評価されるべき」

と書いているのを見て、ちょっと心を動かされた。

(今思えば馬鹿げているが)

じつは僕は隠れカーペンターズファンだったのだ。

 

あれから50年近くの歳月がたち、

かの評論家氏が正しかったことを改めて実感せずにはいられない。

カーペンターズの音楽は素晴らしい。

 

僕だけでなく、当時のロック中学生も

じつはカーペンターズの音楽の質の高さを認めていたのだ。

恥ずかしくて言えなかったけど。(ほんとに馬鹿げている)

 

しかし、あれだけのヒットメーカーでありながら、

リチャードもカレンも世間の悪口を気にしていたようで、

なんとかロックのテイストを盛り込んだ

オリジナル曲を作ろうとしていた。

 

そして生まれたのが、

間奏とエンディングの派手なギターソロが異彩を放つ

「愛にさよならを(Goodbye to Love)」。

 

当人のギタリスト氏は、

「カーペンターズの曲でこんなにやっちゃっていいの?」と

内心ビビってたそうだが、

リチャードは「いいんだ、もっとやってくれ」と鼓舞したらしい。

 

「わたしはひとりで生きていく」と

凛として歌い上げるカレンの歌唱と

ドラマチックなエンディングのコーラス、

そして、めっちゃカッコいいギターソロで、

名曲揃いのカーペンターズのレパートリーの中でも

燦然と輝く1曲になった。

その輝きはもちろん半世紀を経た今でもまったく色あせない。

 

1974年の日本公演。

絶頂期のカーペンターズは、

2週間ほどの間に全国銃弾ツアーを行った。

 

そして、ここから10年も経たないうちに

カレン・カーペンターは33歳の若さでこの世を去った。

彼女の死因「拒食症」という病気があることを知ったのも、

その時が初めてだった。

 

中学の同級生だった彼女は

まだ元気でいて、カーペンターズを聴いているのかなぁ。

 

 

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幸せの歌と認知症の女

 

義母は歌が好きで、デイサービスに行ってもしょっちゅう

自発的に歌っているらしい。

 

スタッフの人から「コーラス部とかに入っていたんですか?」

と聞かれるが、娘であるカミさん曰く、

少なくとも自分が生まれてからは、

そんなことは一度もないし、

若い頃もそんなことをやってたなんて聞いてないという。

 

コーラス部どころか、家族でカラオケに行っても

一度も歌ったことがないという。

 

義父が関白亭主だったので、

目立つようなことをしてはいけないという

気持ちが働いて抑えていたのではないか、

というのがカミさんの意見である。

 

家でもフンフンいつも鼻歌みたいなのを歌ったり、

CDを聴きながら歌っているが、

そういえば、僕と散歩に行くと歌わない。

 

代わりに僕が歌うと笑う。

秋なので「もみじ」と「どんぐりころころ」を歌うとウケる。

 

べつに夫婦仲が悪ったわけではないけど、

義母が我慢することで家庭のバランスが

成り立っていた部分が多いのかなとは思う。

 

これは特別なケースではない。

現在の高齢者=戦前生まれの女たちの標準的な生き方だったのだろう。

昭和の時代は現代との比ではなく、

男尊女卑が蔓延していた。

 

いま、高齢の認知症患者に女性が多いのも、

そうした自分の欲望とか、望んだことを抑圧し続けた結果

なのかもしれない。

もちろん、因果関係はわからないけど。

 

認知症になって第2の人生を送る義母は、

第1の人生と同様、とても人を気遣う優しい人である。

 

けれども歌うことについては遠慮することはなくなったようだ。

それは幸せなことだと思う。

 

みんな自分は認知症になったらどうしようと

びくびくしているみたいだが、

認知症になって、部分的にかもしれないけど、

幸福を手にする場合もあるのではないか。

 

人に迷惑をかけちゃいけないと、

最後の最後まで自分を抑圧して、遠慮し続けて、

葬式で「よい人でした」と言ってもらって、おしまい。

それは幸せなんだろうか?

 

 

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脂ののったカルガモを狙う野生のブラックプリンセス

 

善福寺川で暮らしているカルガモさんたちは皆、

秋が深まるとともに脂がのってきた。

まさしく天高く、カモ肥ゆる秋である。

ガァガァ。

 

ジビエグルメの方によると、

マガモよりは味が落ちるものの、

なかなかの美味だそうである。

やはりネギと煮て鴨鍋だろうか。

寒い冬はごちそうである。

けど、このあたりでは取って食うわけにはいかない。

 

しかし、そのカモたちを毎日、

虎視眈々と狙っている肉食系女子がいる。

わが友クロネコちゃんである。

 

どこへ行ったのか探すと、最近は

たいてい川べりに降りて茂みの中に隠れたり、

ウロウロ歩き回ったりしている。

なんだか狩りの練習をしている

トラやライオンの子どもみたいである。

 

彼女はふだん、美しい尻尾をくねらせて

フェロモン発散しながら、

人間にゴロゴロすり寄って

おなかを見せてなで回してもらっている、

けっこうお色気満点のお姫様だ。

 

それなのに野性味に富んでいて、

この辺の人の情報によると、

小鳥やネズミなど捕まえて食べているという。

 

かと思うと狩りがうまくいかなかったのか、

ネコ使いのおばさんが他のネコたちに

餌をあげていたりすると、自分もちゃっかりもらいにくる。

 

人間は自分を愛してくれていることをちゃんと知っていて、

このあたりの野良猫のなかではいちばん堂々としている。

でもボスという感じではなく、あくまで気ままに生きているのだ。

なかなかしたたかで自由なブラックプリンセスななのである。

 

しかし、ヒナならともかく、自分と同じくらいの体格の

おとなのカモなんて狩れるのだろうか?

かなりリスキーではないかと思うが、

野生の声に突き上げられて、

いつか脂ののったカモを食う夢を見ている。

それこそが彼女のニャン生の目標なのだろう。

 

カルガモもクロネコもどちらも愛でる僕としては、

なかなか複雑な心境である。

 

 

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偉大なるアメリカの物語を体現するロックスターは、大統領選に勝つのか、負けるのか?

 

4年前、トランプ大統領が当選したとき、

どこの州の人だったか忘れたが、

農業経営者らしき人がテレビのインタビューに答えて

「やっと本当に大統領らしい人が大統領になった」

と感慨深げに語っていたのが、妙に印象的だった。

 

トランプが大統領らしい大統領?

 

その時、僕はアメリカ人の念頭にあるトップ像が

日本人のそれとはひどく違うのだなぁと感じた。

 

もちろん、それはその人特有の考え方だったのかも知れないが、

なぜか僕にはそれが大半のアメリカ人の代表的な考えのように思えたのだ。

 

首相ではなくて大統領と言うところがミソなのかも知れない。

アメリカ人は大統領にヒーローのイメージを重ねている。

 

トランプがヒーロー?

 

日本人や、おそらく他国の人には奇異に映る。

おそらくアメリカ人の半分もそうなのだろうと思うが、

半分は(特に白人は)違う感覚を持っている。

 

「偉大なるアメリカ」

「強きアメリカ」

 

そうした言葉の響きにアメリカのマジョリティは

胸が震える思いがするらしい。

 

日本だったらどうだろう?

「偉大なる日本」「強い日本」なんて言われて、

その政治家に陶酔する日本人なんているだろうか?

 

内に流れる物語が違うのだ。

 

過去1世紀、世界の中心に座り、人類の正義であり続けた歴史――

偉大なアメリカの物語を、人々はそう簡単には手放せない。

 

その偉大なアメリカの物語を体現し、未来につなげるのは、

トランプなのか、バイデンなのか? 

大統領選はそういう問いかけなのだろう。

 

人種差別やコロナ対策などをはじめ、

まともに、理論的に考えれば、

明らかにバイデンの民主党の主張のほうが正しい。

 

けれども正しければ魅力的かと言えば、そうでもない。

 

バイデンがボスになって中国やロシアに勝てるのか?

世界の中心であり続けられるのか?

偉大なるアメリカのプライドが保てるののか?

 

そういう方向に思考が働き、シーソーは傾く。

要は理論よりも感情なのである。

人は理論よりも感情で動く。

何でもそうだが、理論・理屈は

感情で行動した後の後付け・言い訳に過ぎない。

 

僕はロックが好きだが、今思うと、

1960年代・70年代のロックは半ば宗教のようだった。

だから当時の若者たちは本気で

「音楽で世界を変えられる」と信じていた。

(比喩的・間接的な意味では、今でも信じられるけど)

 

その50年後のロックスターの姿を

トランプは体現しているのではないか。

支持者の多くは、かつて

「ラブ&ピース」や「30以上は信じるな」と叫んでいた、

シニアになった若者たちである。

 

ロックスターなのだから、みんなのカリスマなのだから、

ちょっとやそっとのスキャンダルはご愛敬、むしろ勲章である。

 

今のところ、バイデン候補が優勢らしいが、

アメリカ人の潜在意識は違うところにあるのではないか。

 

正論好きの、つまらないいい子ちゃんのバイデン民主党よりも、

コロナを克服し、中国や不法移民に立ち向かう“偉大な”トランプが

またもや選ばれるのではないかという気がしてならない。

 

こんな予想は外れてほしいのだけど。

 

 

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週末の懐メロ:5年間/デビッド・ボウイ

 

1972年。若きボウイの雄姿。

曲は代表作「ジギースターダスト」のオープニングナンバー。

地球滅亡5年前の歌だ。

 

あと5年で地球が滅ぶ、世界が終わるという時に

ロックスター「ジギースターダスト」が空から舞い降りる。

この頃、デビッド・ボウイはジギー・スターダストだった。

 

そんなSFな物語が当時は説得力を持って、

広く若者たちに受け入れられた。

みんな、どこかでこんな世界は終わると思っていた。

けれどもそれは押し寄せる機械文明や管理社会に

抗いたいという精神の表れだったのだろう。

 

いま、誰も「ジギースターダスト」の物語は受け入れない。

もう抗えないところまで来てしまったと諦めた。

それは賢明なことであり、憂うべきことでもあると思う。

 

 

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人は神秘なき世界では生きられない

 

缶コーヒーを買おうと思ったら「鬼滅の刃」。

スーパーマーケットへ行っても鬼滅の刃。

最近、どこへ行っても鬼滅の刃。

映画はもはや向かうところ敵なしの大ヒットを記録しているという。

 

2年前、息子からこの漫画の話を聞いたときは

「ふーん」という感じで流していた。

「ONE PIECE」より人気があるのはすごいなと思ったが、

まさかここまで売れるとは予想だにしなかった。

 

唯一、最初に聞いた時に感心したのは、

時代設定だった。

大正時代をもってきて、そこから世界観を構築するセンスは、

素晴らしいなと思った。

 

江戸時代じゃ鬼が物語に出てくるのは当たり前。

昭和の初めの方でもいいかなという気はするが、

ちょっと戦争の影が濃すぎる嫌いがある。

戦後の世界では無理がある。

 

明治の後半から大正は面白い。

とりわけ大正はデモクラシーの時代で、

大衆が自由な生き方があることに気づき、

それを模索し始めた時代だ。

 

そして何よりも科学と合理主義の現代世界と

伝統的な古い世界とがせめぎ合っていた。

 

鬼なんて非科学的で非合理で、神秘的な存在は

公的機関は認めない。

社会にそんなものはあり得ない。

 

だからこの世のいないはずの鬼を退治しようなんて

鬼滅隊は闇の存在である。

そして、そこにこそドラマがあるのだ。

光の中では安全に、安心して暮らせるけど、

そこにドラマは起こらない。

 

「鬼滅の刃」から100年後の現代世界に生きていて思うのは、

人は神秘なき世界では生きられないということ。

 

どんなに光に満ち溢れた、

科学と合理性と客観性が支配する世界になっても、

人は神秘的なものを求め、暗闇の奥を覗きたがるだろう。

人間らしく、感情を動かし、呼吸をするために。

 

 

 

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半沢歌舞伎の「ど~もぉ~、すみまぁせん、でぇしたぁ~」

 

称、半沢歌舞伎のドラマ「半沢直樹」で、

大和田氏(香川照之)の「おしまいDeath」が評判になったが、

僕がいちばん好きだったのは、伊佐山氏(市川猿之助)の

「ど~もぉ~、すみまぁせん、でぇしたぁ~」である。

(文字で表現すると、こんな感じ? 見た人はあの口調と顔を想像してください)

 

腹の底から湧き上がる悔しさを抑えつけ、

半沢を睨みつけながら唸るように謝罪する

あのセリフには、めちゃくちゃ笑って感心した。

 

失言したり、粗相して一般市民やマスコミに糾弾され、

やむなく謝らなくてはならなくなった政治家や企業のお偉いさんは、

まさしくこの通り。

 

紙に書いた謝罪文を、感情を殺して読み上げながら、

腹の底では伊佐山部長のようにこう唸っているに違いないと思う。

 

「ど~もぉ~、すみまぁせん、でぇしたぁ~」

 

子どもは「ごめんなさい」と謝る。

幼稚園や保育園でケンカになると、

たいてい、どっちか悪い方(あるいは双方)が

「ごめんなさい」と謝り、

謝られた方が「いいよ(許すよ)」と答える。

 

そうしないとことが収まらない。

そうしないとそこにいる大人が納得しない。

 

「ごめんなさい」と言われて

「いやだ」とか「許さない」とか言い出すと、

今度はそっちが叱られる。

 

というわけで、子どもは自然とその“型”を覚える。

 

とりあえず口だけ・形だけ謝っとけ。

そうすりゃなんとか許される。

それが生きる知恵となる。

 

大人になるとともに、家族や親しい間柄、

つまりプライベートなシーンでは

やっぱり「ごめんなさい」なのだが、

大人の社会人同士、ソーシャルシーンでは

「すみません」「申しわけない」になる。

 

「ごめんなさい」の後には言外に

「でも許してくれるでしょ」というセリフがついてるし、

「すみません」や「申しわけない」の後には、

「でも俺、本当は悪くなんかねえし」というセリフがついてる。

 

心から、魂からの謝罪というのはなかなか難しいが、

本気で「悪かった」という気持ちを相手に伝えたいなら、

少なくとも子どもやプライベート用の「ごめんなさい」の方が

まだしも「すみません」より伝わりやすいかも知れない。

 

自分で伊佐山部長風のセリフにしてみるとわかるが、

「ど~もぉ~、ごぉめんなさ~い」では、

なかなか悔しさの感情がにじみ出にくい。

 

あなたも仕事でミスったりして謝る時、

「すみません」や「申しわけありません」でなく、

「ごめんなさい」にしてみたら、

相手の心象は違ってくるかもしれない。

 

余談だけど、このコラム用の画像を探して

「ごめんなさい」や「すみません」のキーワードで検索したら

土下座のイラストや写真がごまんと出てきた。

しかもその多くのはサラリーマンの人たち。

 

ちょっとなまなましいかなと思ったので、

ネコちゃんの「ごめんニャさい」にしたけど、

こんなに土下座画像のニーズが大きいとは・・・

皆さん、ほんとうにお疲れさまです。

 

 

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どうして赤ちゃんはかわいいのか?

 

どうして赤ちゃんはかわいいのか?

 

そりゃ親の母性本能をくすぐって、守ってあげなきゃ、

育ててあげなきゃ、という気にさせるためだ。

 

と、動物学だか心理学だかの先生は、

クールにパシッと答えるだろう。

 

けど、それは唯一の正解なのだろうか?

 

それはあなたがたがSEXという罪深い行いをしたから、

神様がその贖罪のために天使を遣わしたのです。

天使も姿を見ることで、あなたはたは救われます。アーメン・

――と、昔の敬虔なキリスト教徒の人なら、

そう言うかも知れない。

 

僕はこれはべつにキリスト教徒ではないが、

あながち悪くない回答のように思える。

 

人は子どもに救われる。

 

高校演劇で「薔薇のベビィ」という芝居をやったことがある。

泥棒の三人組が捨て子の赤ん坊を拾い、育てることにする。

大の男たちが小さな赤ん坊に翻弄され、ドタバタを繰り広げるが、

最後に赤ん坊はバラの花に変わってしまう――という話。

なんとなくチャップリンの映画っぽいコメディだ。

 

泥棒だから犯罪者ではあるのだが、

殺人犯やレイプ犯のような凶悪な奴らではない。

それどころか揃ってマヌケで(だからコメディになるのだが)、

女にモテそうもなく、事実、話の中ではいっさい女の影はない。

(高校演劇用の台本なので、あまりセクシャルなことはできない)

 

赤ちゃんはバラに変わるには、

ドラマ的にいろいろ紆余曲折があったはずだが、

残念ながら、今となってはあらすじしか思い出せない。

 

勝手に想像してみると、

 

赤ん坊かわいさに高価なおもちゃを買ってやろうと

お金持ちに家に空き巣に入り、一人が警察につかまってしまう。

それをきっかけに改心して泥棒をやめ、真面目に働き出した。

そして捕まっていた一人が帰ってきて、

改めてこの子を育てようとした翌朝、赤ちゃんは――という感じ。

 

女の子育てはナチュラルで、

時に涙をともなう感動ストーリーだが、

男の子育ては基本的にコメディで笑いを誘う。

 

赤ちゃんを見て「かわいい」と思っても、

それを口に出して表現するのは、

(とくに昔の男にとっては)男の沽券に関わること

なので、「人として、男として見捨てておけない」と

正義の言葉を吐いて、

男は赤ん坊を拾いあげたのだ。

 

そういう意味では昔の男は大変だったし、気の毒だった。

けれども、女の人、お母さんには申し訳ないが、

物語の主人公として魅力的なのは、男、お父さんのほうだ。

 

それはやっぱり子どもが、

男にとって「救い」になるからだと思う。

 

性行為も経済活動も、もちろん悪いことだとは思わないけど、

やっぱりどこかで罪のにおいが漂う。

 

一つ一つは些細なものだが、

それらが積み重なると、自己をゆがめていく。

 

子ども――赤ちゃんのかわいさというのは、

それを矯正し、治癒してくれるものなのだと思う。

 

遺伝子工学が発達すると、

「子どもは欲しいけど、男(父親)はいらない」

という女の人が増えるかも。

 

実際、子どもを虐待する男が少なくないようなので、

そういう考えにたどり着くのもしかたないけど、

それはちょっと寂しいなぁという気がする。

 

 

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寅平じいさんのこと

 

寅平とは、じつは僕の祖父の名前である。

生きていれば、今年でちょうど130歳になる。

僕は彼が70歳の時にできた孫で、6年余りを同じ家で暮らした。

ずいぶん可愛がってくれたそうだが、ほとんど記憶にない。

けれども「トラヘイ」という響きには妙に親近感があって、

今回、主人公の名前にしてみた。

キャラクターはもちろん完全な創作なのだが、

書いてみると、もしかしたらこういう人だったのかもね、

という気がしてくる。

そのうち、寅平を主人公に、

明治・大正を舞台にした話を書きたいと思う。

 

 

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世界を分断する壁から人々を救うために

75歳の寅平は新しい人生の扉を開いた。

老いた少年と妖怪とロボット介護士の、

笑いと恐怖と不思議が交錯する物語。

 

ロボット介護士に支えられて余生を送っている寅平じいさんが、ある日、林の中を散歩していると不思議な子どもに出逢う。その子を追って木の穴に潜り込むと、奥には妖怪の国が広がっていた。

子どもの正体はざしきわらし。

ざしきわらしは最強の妖怪“むりかべ”の脅威から人間を守るために闘うので、応援してほしいと寅平に頼む。寅平はこれぞ自分のミッションと思い、闘うざしきわらしのために勇気の出る歌を歌う。

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ネコのお遍路さんと笑劇の人生

 

ミニミニ四国八十八ヶ所巡りをする白装束のネコを見ていたら、

なぜか喜劇王チャップリンの名言を思い出した。

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから眺めると喜劇である」

ほとんどの人生は、終わってみれば、

きっと笑い話にすぎないのだろう。

でも、笑い話にしてやろうと思って生きている人はいない。

みんななんとかいいものにしようと一生懸命やっている。

でもでも、ときどき、自分を分離させて、

悩んだり、しゃかりきになっている今の姿を

「ニャハハハ」と笑ってみるのもいいかもね。

 

 

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幸せの青い鳥はすぐそこにいた

 

美しき青きカワセミのラブラブカップル。

並んでじっと魚を待つ。

 

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●あらすじ

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●あらすじ

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その子を追って木の穴に潜り込むと、奥には妖怪の国が広がっていた。

子どもの正体はざしきわらし。

ざしきわらしは最強の妖怪“むりかべ”の脅威から人間を守るために闘うので、応援してほしいと寅平に頼む。

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ストーブとライター代わりの電熱器

 

森田童子の「ぼくたちの失敗」の歌詞の中に

「ストーブ代わりの電熱器」というのが出てくる。

僕がこの曲から離れられないのは

この電熱器の思い出があるからかも知れない。

 

高校生の時、演劇部をやっていた。

部室は実習室(工業高校だった)が集まる校舎の

屋上に繋がる踊り場のような不思議な場所にあった。

 

トイレと隣りあった3畳間くらいの小さな部屋だった。

たぶん以前は物置に使っていたのだろうと思う。

 

歴代の上演台本や発表会のプログラムなど、

いろんな資料が壁の棚にゴタゴタぶち込まれ、

稽古の時に使うテーブルと椅子がガタガタ放り込まれた

闇鍋みたいな部屋だった。

その闇鍋の中にくだんの「電熱器」があったのだ。

 

コンセントを入れると

ぐるぐる蚊取り線香みたいに渦を巻いたコイルが、

みるみる発熱して赤くなった。

まさしく“赤く燃えていた”。

 

1970年代半ばの公立高校のクラブの部室には

エアコンはもちろんのこと、ストーブだってありゃしないので、

冬の間、僕たちはぶるぶる震えながら

その電熱器に手をかざし、ストーブ代わりにして暖まっていた。

 

セキュリティの厳しい現代では考えられないし、

当時もどうしてそんなことができたのか不思議だが、

2~3度、夏休みや冬休みの夜に

友だちとこっそり校舎に忍び込んで、

その部室の中で煙草を吸っていた。

 

電熱器をつけると、赤くなったコイルはライター代わりになる。

そんなことを2~3度やった。

ガキの分際で紫の煙をくゆらしながら

友だちや演劇部の仲間と一生懸命何かを話していた。

 

今となってはいったい何を話ていたのか、さっぱり憶えてないが、

妙に楽しくてわくわくしていたことと、

電熱器の温もりだけは忘れられない。

 

ときどき、こういうちっぽけでくだらない、

本当にどうでもいい思い出が、

自分を温め、支えてくれているのではないかという気がする。

 

その高校時代――1976年の森田童子のライブ。

ラジオの公開録音だったらしい。

わずか20分余りだけど、ほとんど彼女のベスト7とも言える7曲を歌っている。

4曲目が「ぼくたちの失敗」。

ギター1本の弾き語りで聴けるのは、たぶんこれだけだと思う。

 

ドラマ「高校教師」の脚本家も彼女の歌が好きで、

テーマ曲だけでなく、セリフやナレーションの中で

歌詞や合間の語りを隠し味的に取り入れている。

 

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高校教師とぼくたちの失敗

 

ふとしたはずみから「高校教師」を全編観た。

1993年1月~3月のTBS金曜ドラマ。

真田広之と桜井幸子主演のオリジナル版全11話。

 

舞台の女子高は井の頭公園駅から歩いて〇分だ。

出てくる場所は、ほとんどわが京王井の頭線沿線で、

それも吉祥寺~下北沢間。

ヒロインの自宅は浜田山だというから、

うちのご近所さんやないか。

 

今までこのドラマをほとんど見たことがなかった。

当時は忙しくて夜の9時に家にいたことは

あまりなかったからだ。

 

1回だけちらっと見たが「これはアカン」と思って

ビデオ録画もしなかった。

 

その後、評判になったのは知ってたが、

「教師の生徒へのレイプ」と「近親相姦」が

キーワードになっていて、

怖いというか嫌悪感みたいなものが先に立って観られなかった。

(1回観て「これはアカン」と思ったのもそれが原因)

 

ただ正直なところ、心の中でずっと興味を抱いていた。

だけど結婚して、子どもが出来たりすると

こういう引きずり込まれそうな世界に

近づかないほうがいいと思ってた。

たかがテレビドラマなんだけどね。

 

で、27年の時を経てやっと観てみて、

世間の評価が正しいことを確認した。

 

あらを探し出したらきりがないが、

そんなものはどうでもいいと言えるほど、

物語として圧倒的な迫力がある。

脚本と俳優の賜物だ。

 

恥ずかしながら、桜井幸子(というか繭という少女)の

可愛さと明るさと美しさに完全にイカれてしまった。

そして、その裏側にある地獄と悲しみに震えてしまった。

 

「お母さんが死ぬ時に見せた、強い憎しみの目。

怖かった。とても怖くて・・・それはそのまま

わたしがしていることの怖さに変わって・・・」

 

すごいセリフを書く。想像するだけで恐怖。

それを絶妙のトーンで語れる桜井幸子のすごさ。

 

真田広之演じる教師・羽村の情けなさ、

ダメさ加減にも心底共感した。

やっぱりグレートな役者やなと改めて感心。

 

物語の中で羽村は繭を救うために行動するが、

男の立場から見ると、実は自分を救うために動いている。

 

婚約者に裏切られても

「何も見なかった、何も聞かなかった」ことにして、

自分の人生を鋳型にはめようとする男は、

少女の前でそれ以上、嘘がつけなくなる。

 

そしてついに人のため、カネのため、地位や名誉のために

がんじがらめになり、ねじ曲がってしまった自己を解放する。

 

ストーリー上、羽村に救われる繭は、

実は歪んだ人生の牢獄から彼を救い出す天使なのである。

 

ラストは(ドラマの中の)現実としては悲劇に向かうが、

僕には救われた魂同士のハッピーエンドに見える。

 

この時代はまだインターネットも携帯電話も普及していない。

それらが行きわたり、

ネット上で自由に意見を発信できるようになった今、

性暴力とその二次被害に対する制度や心遣いは

このドラマの時代より

いささかでもましになっている感じはする。

 

けれどもその一方でネットによる誹謗・中傷の恐怖は

拡大するばかり。

結局、何も変わっていないのだろうか?

 

「禁断の愛」というキャッチフレーズのもと、

センセーショナルな話題が先行していたが、

いろいろなメッセージが含まれており、

社会的な問題や人間存在の不条理について

考えさせられるドラマなのだ。

 

 

「高校教師」を観なかった理由はもう一つある。

それはテーマ曲に森田童子の「ぼくたちの失敗」が

使われていたからだ。

 

この曲がかなり好き、というか、

自分にとってとても特別な曲だったので、

このドラマのイメージにまみれるのに反感を感じたのである。

 

と言ってみたところでどうにもならないが、

バカげたこだわりにずっと囚われていた。

 

けれども2年前に歌い手が他界してからは、

そのこだわりも抜けた。

 

いざ観てみると、あまりに美しい旋律が醸し出す心象風景は、

物語にぴったり重なる。

 

いまは、このドラマのおかげで、

多くの人たちの心に深く刻まれる名曲になり、

永遠の命を持ち得たことをうれしく思う。

 

井の頭公園のあたりはドラマから27年経った今でも

ほとんど変わっていない。

それどころか、僕が東京で暮らし始めた42年前から

ほぼそのままだ。

歌詞の中の「春の木漏れ日」もここにある。

ゆっくりと流れる時間の中で季節が繰り返す。

 

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食欲の秋:ごちそうを前に笑うカオナシ

 

スタジオジブリの画像400枚(50枚×8作品)が、

“常識の範囲内でご自由に”使えるというので、

ときどき利用させてもらっている。

 

提供されているものの中では、何と言っても

「千と千尋の神隠し」の神様だか妖怪だかが

圧倒的に好きだ。

 

ちなみにまだ来月の話だが、

禅僧とジブリの鈴木プロデューサーとの対談を

取材させて頂くことになった。

楽しみである。

 

 

おりべまこと電子書籍第9弾!

「ざしきわらしに勇気の歌を」

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ロボット介護士に支えられて余生を送っている

認知症の寅平じいさんが、

ある日、林の中を散歩していると不思議な子どもに出逢う。

その子を追って木の穴に潜り込むと、

奥には妖怪の国が広がっていた。

子どもの正体はざしきわらし。

ざしきわらしは最強の妖怪“むりかべ”の脅威から人間を守るために戦うので、応援してほしいと寅平に頼む。

寅平はこれぞ自分の使命と思い、

戦うざしきわらしのために勇気の出る歌を歌う。

 

子どもからじいさん・ばあさんまで。

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発売! ざしきわらしに勇気の歌を

 

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サルビアの花を聴いた

 

 

公園の花壇に赤いサルビアが咲いているのを見て、

「サルビアの花」という歌があったのを思い出した。

 

なんとなく、こっそり家で聴いてみる。

1972年、昭和47年の歌。

記憶ではかなりヒットし、

当時のフォーク歌手の何人かがカバーしたり、

歌謡曲の歌手も自分のアルバムの挿入歌にしていた。

 

オリジナルは「もとまろ」という女性3人のグループ。

その後のことは全然知らないので、

たぶんこれ1曲しか売れなかったのだろう。

 

しかし、そのたった1曲が永遠の名曲になった。

 

当時、ぼくは子どもだったので、

この歌の世界のことがよくわからなかったが、

改めて聴くととても映像的でドラマチック。

 

ただ、現代の感覚だと、

この歌詞って、カン違い妄想ストーカー男の歌?

と聴けなくもない。

 

けれどもこの哀愁を帯びた旋律は現代からは生まれにくい。

1970年代独特の、美しく透き通ったメロデイーライン。

森田童子や、デビューした頃の中島みゆきの曲に通じる感傷。

どこからか、あの時代の風が吹いてくるようだ。

 

 

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ざしきわらしに勇気の歌を

 

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9月30日(水)Amazon Kindkeより発売決定。

 


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日本の秋 妖怪の秋 ざしきわらしの秋

 

秋風吹いて妖怪の季節到来?

中野ブロードウェイでは口裂け女用「女帝・百合子さんマスク」も好評販売中。

 

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第9弾:短編小説「ざしきわらしに勇気の歌を]

9月30日(水)0:00よりAmazon Kindkeにて発売予定。

 

 

 

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ある日、林の中を散歩していると不思議な子どもに出逢う。

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闘うざしきわらしのために勇気の出る歌を歌う。

おとなも楽しい少年少女小説最新作。お楽しみに!

 

 


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令和の妖怪・人面木

 

「あらぁ、人の顔みたいねぇ」

怖がりの義母が妙に明るい声を上げる。

 

言われてふと見ると、恐るべきものが!

人面木(ジンメンボク)。

イヌの顔とか、クマの顔にも見える。

精霊はいたるところに。

明日は彼岸の入りです。

 

 

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ホラー日本むかしばなし「若水」

 

日本の各地に「若水」という民話がある。

若水とは若返りの水だ。

ある村におじいさんんとおばあさんが住んでいて、

ある日、おじいさんが山のふもとで湧き水を発見して飲む。

すると白髪が黒くなり、肌のしわが取れてつやつやしてきた。

その湧き水は若返りの水だったのだ。

 

それを見て仰天したおばあさんは自分も若返りたくて、

一緒に若水が湧き出るところに行って、ごくごくと飲む。

すると、やはり同じように髪は黒々、お肌もつやつや。

 

ふたりして曲がっていた腰もしゃんとして、

これでまた元気に働けると喜んでいたが、

おばあさんは欲が出てしまった。

 

おじいさんに隠れて、こっそりと毎日、若水を飲みに行く。

どんどん若返り、まるで若い娘のようになってしまう。

 

それでおじいさんはこれでまた若い女を抱けると大喜び――

というのは僕の勝手な創作で、

原作では、もうそれ以上、若水を飲むのはやめろと言う。

 

元おばあさんは一応、おじいさんのいうことを聞くが、

一度火が付いた欲望はもう止められず、またもや若水のところへ。

 

その日、おばあさんは家に帰ってこない。

おじいさんはもしやと思って若水のところに行くと、

木々の合間から赤ん坊の泣き声がする。

 

あわてて駆け寄ってみると、

水を飲み過ぎたおばあさんは、

かわいい赤ちゃんに還ってしまっていた。

おじいさんはやむをえず、

おばあさんだった赤ちゃんを家に連れて帰り、

自分で育てることにする。

 

「若返りたい」という欲望、不老不死の欲望は、

もちろん男にもあるが、情熱と言うか執着心は、

やはり女のほうが何倍も強い。

それはたぶん、

女は自分の身体の変化を顕著に体験するからだろう。

 

子どもを産まない体から、産める体になり、

やがてもう産めない身体に変化するというのは、

どんなに身近にいても、男にはとうていわからない神秘だ。

 

現代は閉経以降も女性に活躍の場がたくさん用意されているので、

精神的にそうこたえないかもしれない。

しかし、人間も自然の摂理に従って生きていた近代以前は、

かなりリアルに自分の衰え、存在の危うさを

感じざるを得なかっただろう。

そういうところからこんな話が生まれてきたのではないかと思う。

 

若返っていくというのは自然の摂理に反することだから、

一種の恐怖であり、老いること以上に残酷であり、

したがってこの若水の話はホラーでもある。

 

このおばあさんは不思議な体験をし、平常心を失い、

欲にかられて若返ること自体が目的となってしまった

愚かな女である。

 

何のために若返るのか?

若返って自分は何をしたいのかよく考えよ。

 

そう言うのは正論だが、こうした愚かで弱いところが

人間らしいと言えば人間らしくて、すこぶる可愛い。

 

ぼくがこのおじいさんだったら、

若い娘も飛び越して、赤ちゃんに還ってしまった妻を

育てようとするだろうか?

あなたはどうですか?

 

 

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人間はひとりで生まれてこれないし、ひとりで死ねない

 

「生まれてきたときも、死んでいくときも、

しょせん人間はひとりなんだぜ」

BGMにジャズが流れるアンティークなバーで、

彼は煙草の煙をくゆらせながら遠い目をして語った。

 

「人間ひとりで生まれてきて、ひとりで死んでいくのよ」

小さなクラブでブルースを歌い終え、

ぐいっとフォアロゼのオンザロックを流し込んで一息ついた

彼女がため息交じりに言った。

 

僕が若者の頃に身を浸していた昭和の時代には、

人生の先輩方からよくそういう話を聞かされた。

 

カッコいいな。

わりと素直にそう思った。

おれも齢とってシブくなったら、

若いモン相手ににそんなセリフを吐きたいもんだぜ。

そう考えていた。

 

で、実際に、当時のその諸先輩方の年齢を超えた今、

彼らの件のセリフは単なるカッコづけだとわかった。

現実は歌や物語と違って、

もっとバタバタしてて、もっと全然みっともなくて、

孤独な男や孤高の女などやっていられない。

 

人間は一人ではこの世に生まれてこれない。

カミさんが息子を出産する時に立ち会ったが、

医者とか看護婦さんとか大勢の人が関わって、

はじめて子どもはこの世界の空気を吸える。

(僕はただデクノボーみたいに突っ立ていて、

出てきた息子を「ほれ」と抱かされただけだったけど)

 

文明社会の外だったらどうか?

森の中なり、砂漠なり、野生動物と同じように生まれ出たら?

これだって産院と同様、周囲に守ってくれる人たちが必要だ。

 

もしに誰もおらず、母親がそのまま死んでしまったら、

子どもは何日も生き延びられないだろう。

他の動物に食われるか、飢え死にするか、

暑くて死ぬか、寒さで死ぬかのどれかである。

 

死ぬときはどうか?

孤独死が社会問題になっているが、

ひとりで死んだとしても実際はそれで終わらない。

 

遺体を処理しなくてはならない。

自分の魂は抜けて、この世界のしきたりから解放されても、

遺体をそのまま放置して

腐らせるままにしておくことは許されない。

しかし、自分で自分の遺体の始末をすることは不可能なのだ。

 

「自分の葬式は必要ない」と言ってても、

必ず面倒を見る人がいる。

火葬してお骨を集めて手を合わせるぐらいのことは

“されなくては”ならない。

 

普通は肉親――遺族がそれをするが、

誰もいなければ行政の人とか、何らかの形で代理人になった人が

その仕事を引き受ける必要がある。

 

雪山や樹海に入ってそのまま消える。

おれの遺体は山犬に食わせてやる。

あるいは海に流してホオジロザメの餌になってもいい――

 

そういう夢見るユメオさんや夢子さんや

豪傑さんたちにも逢ったが、

こういう人こそ社会の大迷惑。

大変な騒ぎになって捜索隊とか出さなくてはならなくなり、

無数の人に面倒をかけることになる。

 

だから本当の意味での孤独死というものは存在しない。

生まれるときも死ぬときも人間はひとりではない。

少なくとも、こうしてパソコンやスマホで

インターネットを見られるような文明社会で

人生を送っている限りは。

 

 

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義母が歌う自分への子守歌とザ・ピーナッツの「村祭り」

 

毎晩と言うわけではないが、

夜、義母の部屋から歌声が聞こえてくる。

大声で歌っているわけではなく、

鼻歌程度の音量なので特に問題ない。

 

レパートリーは、いわゆる昭和歌謡

(昭和30年代から40年代初め頃)と、

童謡・小学唱歌などだ。

 

寝つきが悪いと、つい口をついて出てくるようで、

長いときは1時間以上歌っている。

まるで自分に子守唄を歌っているようだ。

 

べつに聞き惚れるというほどのものではないが、

ぼくはそれを聴くのが結構好きだ。

 

なんというか、ちょっと心が洗われるような気分になる。

そして、人間が結局落ち着くべきところに

案内してもらっているような気分になる。

 

最近よく歌っているのは「村祭り」。

ぼくが小学校の頃は音楽の教科書に載っていたが、

今はたぶんもうないだろう。

このメロディもちょっとユニークで美しく、

わりと好きだったことを思い出した。

 

それでYou Tubeで聴いてみようと思ったら、

なんと! ザ・ピーナッツが歌っている。

 

昭和歌謡の代表選手。

ポップスはもとより、ジャズやボサノバ、

モスラの歌まで何でも歌いこなす天才双子デュエット。

 

ユーライア・ヒープの「対自核」や

キング・クリムゾンの「エピタフ」を歌っていたのにも

びっくりしたが、こんな小学唱歌まで歌っていたとは!

 

彼女らが〽ドンドンヒャララ ドンヒャララ~

と歌うと、山奥から守護神の怪獣が目を覚ましそうだ。

 

今年はコロナ禍で秋のお祭りも中止なので、

ザ・ピーナッツを聞いて、

日本のお祭りの精神を愛でたいと思います。

 

 

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50年前の高校生たちのイキイキ「未知との遭遇」

 

UFO(未確認飛行物体=空飛ぶ円盤)は、

1960年代から頻繁に地球を訪れるようになった。

彼らは地球人に夢と希望を与えるために飛来するようになった。

あるいは「もっと賢くなれ」と警告するために?

 

きょうはテレビのミステリー番組で、

50年前、オーストラリアで起こったUFO目撃騒ぎを取り上げていた。

当時はかなり大きな話題になったようだが、すぐに忘れ去られた。

なんと言ってもUFOなんて“不要不急”の最たるものである。

 

UFO出現地点のすぐそばの高校にいた

高校生たちには緘口まで出たらしい。

「UFOを見たあんて言ってはダメ」というわけだ。

 

当時は(たぶん今でも?)教育上よろしくないとか、

反社会的だという道徳的理由があったのか、

それとも、未知の宇宙ウイルスとかがばらまかれるとか、

最悪の場合、誘拐されるかも・・・という噂が広がったのかもしれない。

 

その時のUFOを見たという高校生たちが

番組の求めに応じて集まっていた。

50年前の高校生だから、すでに全員、60代後半だ。

 

同窓会ムードも相まって、

みんな、なんだか楽しそうで、ちょっと興奮気味に

自分のUFO目撃談を話していた。

 

学校から飛び出してひとりでUFが着陸しているところまで

見に行ったという女性は、まるで17~8歳に若返ったかのように、

番組スタッフに熱意ある説明をしていた。

 

みんな50年の間に人生いろいろあったのだろうと思うが、

そのtのしそうな様子を見ていると、

「わたしはUFOを見た」という体験は、

苦しいときも哀しいときも

気づかないうちに彼ら・彼女らの心の支えになったかもしれない。

 

もしかしたらUFOとの遭遇は、就職や結婚や出産などよりも

大きな人生のイベントだったのかも知れない。

 

まじめなことや、まともなことばたかりだと人間、息切れする。

こうした傍から見たらバカげたことのほうが

人生を生き抜くエネルギーになるのではないかと思う。

 

 

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こなきじじい と ねこなきじじい

 

●こなきじじいの出世

こなきじじじいはかなり知名度の高い妖怪である。

カッパ、天狗、のっぺらぼう、ざしきわらしなどには及ばずとも、

知名度ランキングではベスト10に入るかどうかというところまで行くのではないだろうか?

 

こなきじじじいの名を世に知らしめたのは、

なんといっても妖怪マンガの巨匠・水木しげる先生の

「ゲゲゲの鬼太郎」のおかげである。

 

こなきじじいという妖怪がいることなんて、

ぼくたちの親の世代以上の日本人はほとんど知らなかった。

鬼太郎の友だち、ファミリーの一員となったことで

こなきじじいは日本でも指折りの妖怪に昇格・出世したのだ。

 

●柳田國男が発見した「こなきじじい伝説」

なぜ、それまでほとんど知られていなかったというと、

あまりにローカルな妖怪だったからである。

 

こなきじじいは阿波の国(徳島県)の山奥の出身だ。

この妖怪を“発見”したのは、民俗学者の柳田國男である。

 

阿波の山分の村々で、山奥にいるといふ妖怪。

形は爺だといふが赤児の啼声をする。

或は赤児の形に化けて山中で啼いてゐるともいふのは

こしらへ話らしい。

人が哀れに思って抱き上げると俄かに重く放そうとしてもしがみついて離れず、しまひにはその人の命を取るなどゝ、ウ

ブメやウバリオンと近い話になって居る。

木屋平の村でゴキヤ啼きが来るといつて子供を嚇すのも、

この児啼爺のことをいふらしい。(後略)

柳田國男『妖怪談義』1956

 

この記述から、水木しげるがあの金太郎の腹掛けをした

こなきじじいの姿を描き出した。

 

僕たちはこうした妖怪の話は大昔から地域の伝説として伝わっていると思い込んでいるが、じつはそうでもなくて、

このこなきじじいの話などは割と最近のことらしい。

 

●こなきじじいの正体は実在の徘徊じいさん

以下は妖怪小説の大家・京極夏彦氏の「妖怪の理 妖怪の檻」

(角川書店/平成19年)の記載事項(を僕なりにアレンジ)。

 

上記の柳田國男の記事を読んで、

本当にこんな妖怪がいるのだろうか?

と疑問を抱いた地元・徳島の郷土研究家が

詳細な現地調査を行ったそうだ。

 

柳田國男もまたある文献をもとに記事を書いたので、

そのネタ元をもとにあちこち調べまくったというから、

すごい情熱・執念である。

 

その結果、本当にこなきじじいがいた、

❝実在していた❞〝ということが判明した。

大昔の伝説でもファンタジーでもなく、リアルな事実。

 

その正体は、赤ん坊の泣き真似が得意で、

泣き真似をしながら山の中を徘徊していた、

実在の爺さんだったのだ。

 

ある家で子どもが悪さをしたり、言うことを聞かなかったりすると

「山からじじいが来るよ」と、嚇しのネタに使っていたという。

それが妖怪こなきじじいの出生の秘密だったのだ。

まさしく驚愕の事実。

 

●年寄りなんてそんなもの

柳田國男が収集したそのネタ元が、

いったいいつの時代のものかわからないが、

話の成り行きから察するにそう大昔のものとは思えない。

昭和初期くらいの話なのではないかと思える。

こなきじじいの歴史は100年に満たないのでないか。

 

それにしても赤ちゃんお鳴きまねをして

山中を徘徊している爺さんって・・・

いまの時代ならとても放っておいてもらえないだろう。

 

変質者として通報され、警察に保護されるか、

認知症患者として病院に連れていかれるに違いない。

 

昔はよく言えばおおらか、悪く言えばいい加減だったので、

こうしたこなきじじいも自由にしていられた。

 

そもそも年寄りはそんなもの、

齢を取れば大半の人間は、生産的な現実世界とは異なる、

妖怪的な世界の住人になっていく。

そんな暗黙の了解というか、

こころやさしい認識があったのかも知れない。

 

●ねこなきじじいは令和の妖怪?

そう考えて、ふと自分のことに思い至った。

そういえば昨日も義母と散歩の途中でネコに逢い、

にゃーにゃ―ネコの鳴きまねをしていた。

 

これは僕の得意技で、

いつもこれでネコを手なづけようとしている。

(が、ほとんど効果がない)

これはもう「ねこなきじじい」ではないか。

 

将来、認知症になって、ねこなきじじいとして妖怪伝説となる———

そういう未来が待っているのかも知れないニャー。

そうしたら、ネコ娘はなかよくしてくれるだろうか?

 

 

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ざしきわらしを追いかけて

 

ぼくがバイバイと子どもたち手を振ったら、

満面の笑みをたたえて手を振り返す3歳くらいの女の子がいた。

何度も振り返って手を振り、ひとりで林の中に入っていく。

 

かわいいなぁと思ってずっと見送っていたのだが、

ちょっと変なことに気が付いた。

その子の親とか保護者らしき大人が見当たらない。

面倒を見るきょうだいもいない。

あんな小さな子がこんな広い公園にひとりで遊び見来ているなんて不自然だ。

 

気になってぼくはその子の後を追い駆けた。

どんどんひとりで林の奥に入っていき、

一本の古い大きなクスノキのところで立ち止まった。

 

と思ったら、頭から木の中へダイブした。

まるでネコのように。

 

慌てて駆け寄って見ると、太い幹の真ん中に大きな穴があいている。

そこで、ははんと勘づいた。

 

あの子はざしきわらしである。

 

ネコとネズミは頭が入るところならどこにでも潜り込めるというが、

ざしきわらしもそうなのだ。

 

木の穴の中は真っ暗で何も見えない。

その奥には妖怪の国が広がっているに違いない。

 

そういえば、時おり、妖怪が現代の日本の都市に観光旅行に来ている

という話を聞いたことがある。

 

妖怪の国——妖怪の故郷は、

古き良き懐かしき日本である。

森があり、林があり、田んぼがあり、畑があり、

藁ぶきや木造で土間のある家があり、

木造りの学校がある。

祝いがあり、呪いがあり、婚礼の行列があり、葬列がある。

 

便利で豊かな暮らしには不要とされる様々なもの、

失われてしまったものがたくさんある幻の故郷。

100年前、200年前に、人間になることなく死んでしまった子どもたちが、

ざしきわらしとなって遊んでいるところ———

それはぼくたちの記憶にある故郷でもあった。

 

京極夏彦氏の妖怪規約。

妖怪とは、前近代的で、民俗学的で、通俗的である

——それはすなわち、日本人によって懐かしいものである。

 

妖怪のいるなつかしい日本にもう一度帰りたいとは思わないが、

ときどき観光旅行には出かけたいと思う。

ざしきわらしは連れてってくれるばろうか?

 


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廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

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【あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

 

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

 

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

 

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

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【あらすじ】

小学5年生の小松救太郎は、ぬきうちテストの最中にオナラをもらし、クラス中からいじめられる。じつはそのオナラの真犯人は隣の席の水城ユリカ。彼は憧れの女の子の失敗をかばっていたのだ。しかし、ユリカはお礼を言うどころか、よけいなおせっかいだと救太郎をきびしく攻める。

その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。そこに登場するのは、26世紀から来た、オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。この男の話によると、500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。そして救太郎こそが、失われたオナラを取り戻すための救世主であり、ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、不幸な歴史をやり直せると伝える。

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑するステージママである母親のプレッシャーにユリカが苦しんでいること、また、人類からオナラを奪おうとする謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

ヘビ魔女との対決や、秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日にタイムスリップして戻り、二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

はたして彼はユリカの気持ちを変え、オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

 

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猛暑もコロナもブォーン!とぶっ飛ばせ! 「オナラよ 永遠に」無料キャンペーン

 

おりべまことSF長編2編無料キャンペーン第1弾!

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プータローはリズミカルにお尻を振って、オナラブラスバンドとともにドレミファソラシドを奏でた。みごとな音楽になっているけど、やっぱりちょっとくさい。

鼻をつまみながら、ぼくはしばらくの間、と言ってもほんの十秒間だが、考えた。

未来。

親も先生も、テレビに出てくるいろんなおとなたちも、みんな大好きな〈未来〉だけど、それがオナラのない世界になってしまっているとは・・・いったいどうしてそんなことになったのだろう?

「愛を忘れたからだよ」

そのシリアスな低音のセリフが目の前のプータローの口から出たものだと気がつくまでにちょっと時間がかかった。

さっきまで陽気な、というか、ふざけたヒップホップを歌っていた人とはまったく別人のようだ。まるで人類誕生の頃からこの惑星で暮らしている、秘境の部族の酋長のような語り口になって話を続ける。

「愛とはオナラをやさしく許せることだ。自由とはオナラをあたたかく笑いあえることだ。けれども人間はそのことを忘れて、便利なだけの生活を追求し、うわべだけの美しい街、かたちだけの美しい国を作ろうとした・・・」

 

読み出したら愛も笑いも、ついでにオナラも止まらない面白さ。

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その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。そこに登場するのは、26世紀から来た、オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。この男の話によると、500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。そして救太郎こそが、失われたオナラを取り戻すための救世主であり、ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、不幸な歴史をやり直せると伝える。

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑するステージママである母親のプレッシャーにユリカが苦しんでいること、また、人類からオナラを奪おうとする謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

ヘビ魔女との対決や、秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日にタイムスリップして戻り、二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

はたして彼はユリカの気持ちを変え、オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

 


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ロボットとの対話は、より純粋なコミュニケーション?

 

いずれロボットと対話してみたいと思っている。

 

大阪大学・石黒浩教授が主催する

「JST ERATO 石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」の

シンポジウムが8月6日にオンラインで開催された。

 

人間と親しく対話することができる自律型ロボット。

その実現は着々と進んでいる。

 

大人になった綾波レイを思わせる顔のERICAが

対話している様子を見ていると、

面接、インタビー、カウンセリングなどで

ロボットが活躍する時代がすぐそこに来ているようだ。

 

人間が相手から嘘やごまかしを言えても、

ロボットには言えるだろうか?

 

もしかしたらロボットの目に見つめらたほうが

純粋に自分の内面をさらけ出せるかもしれない。

 

さて、あなたはロボットと対話したいと思うだろうか?

 

 

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父のメガネを借りて終戦を見る

 

お盆。終戦記念日。

とりあえず、父の話の最終回。

 

5月14日の菜穂や大空襲の日、ほんの僅かなすれ違いのお陰で、

戦時を無傷で潜り抜けることの出来た16歳の父。

 

彼がその後、どのような思いで3か月後に終戦を迎えたのか、

そして復興期を過ごしたのかは生前、

殆ど聞くことが出来なかった。

 

今だったら食いついてでも聞き出すのに・・・

と歯噛みする思いだが、後の祭りである。

 

身内から話を聞くのは意外と難しい。

いつまでもあると思うな、親とカネ。

いつでも聞けると思うな、親のものがたり、である。

 

幸い、家族で戦死した者・被災して命を落とした者はいない。

そのせいか、ひどく戦争を憎んでいたわけでもないようだ。

 

終戦は父を大人にした。

当時の16歳は、現代のように「まだ子ども」では済まされない。

若い世代の男が少なくなっていたから、

早く大人にならなくてはならなかった。

 

それに明日の見えない焼け野原の中では、

子ども時代の感傷などに浸っていたら飢え死にしてしまう。

今日の食い扶持を確保し、

とにかく一日一日生き延びなくてはならない。

そんな戦時以上に過酷な季節を迎えた時の思いは

どんなものだったのだろうか。

 

僕が子どもの頃、家の中には

やたら戦争に関する書物や写真集などがあった。

また、テレビで戦記映画などをやっていると

父は熱心に、ときに食い入るように見ていた。

 

おそらく自分の子ども時代をほぼ全編にわたって

覆いつくした戦争という災厄から、

終生離れられなかったのだろう。

 

それは一つの原風景として、

ずっと心の中に宿り続けていたに違いない。

だから、あの戦争についてもっと知りたいという

欲求に駆られるのは当然のことなのかも知れない。

 

父にメガネを借りて終戦の日を見ると、

いつもと違う日本が見えてくる。

 

75年たってすっかり変わったと思っていたこの国も、

根っこのところでは、

ちっとも変わっていないものがたくさんあるように思える。

 

 

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名古屋大空襲:金のしゃちほこも燃えてまったがや

 

お盆なので亡父をしのぶ思い出話。

第3回は名古屋大空襲についての記録を少し書いておこうと思う。

 

昭和初期から名古屋は東京、大阪に次ぐ日本で三番目に人口の多い大都市であり、工場もたくさんあった。いわゆる中京工業地帯の中心地である。そしてこの時代、多くが軍需工場として稼動していた。

 

中でも地元でよく知られているのが現在、名古屋ドームがある北区の大曽根近辺で、ここは軍用飛行機の発動機(エンジン)や部品を作っていた日本最大級の飛行機工場があった。父が勤めていた工場は、そこから数キロ離れた西区の浄心町近辺にあり、これまたかなり大きな規模だったようだ。

 

こうした軍需施設は当然、米軍の爆撃目標となる。「空襲」と言えば、一般的には昭和20年(1945年)3月10日、一夜で9万人を超える人が死んだと言われる東京大空襲が有名だが、黒い猛禽B29は、もちろん東京だけでなく、日本全国の都市に繰り返し飛来し、焼夷弾や爆弾を雨あられのように浴びせかけた。

 

話を名古屋に限って言えば、昭和17年から何度か小規模なものがあったようだが、本格化したのは昭和19年(1944年)12月から。以降、翌年の終戦の前まで大規模な空襲が執拗に繰り返された。

 

記録によると特に激しかったのは、東京大空襲の2日後の3月12日、同・19日、5月14日、「熱田大空襲」と呼ばれる6月9日の4回。これらの空襲によって軍需工場はもとより、民家も含めた市街地はほぼ丸焼けの状態となり、街のシンボルである名古屋城も焼失した。

 

軍需工場で働いていたのは女性も含め、10代の若者が圧倒的に多く、学徒も相当数含まれていたという。

当然被害者もそういう若い人たちが主だった。

東京大空襲や広島・長崎の原爆投下時と同じような惨劇の舞台が、75年という年月の間に再構築されたこの街の下に眠っているのだ。

 

 

 

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父の話:ラッパ要員を兼ねて軍需工場に就職

 

昨日の続き。お盆なので父をしのぶパート2。

 

父が生まれた昭和3年には、のちにB29を日本の空に送り込む米国から

世界的アイドル・ミッキーマウスが生まれ、

そのアニメ映画第1号「蒸気船ウィリー」が公開された。

 

この年の東京市の死亡者は3万人弱だが、そのうちの約3分の1である1万人強が0歳から5歳までの乳幼児とのことだ。当時の子どもの死亡率がいかに高かったか分かる。 

 

父は戸籍上は次男だが、兄が幼くして病気で亡くなってしまったため、事実上の長男として成長した。

姉が2人、弟が3人、妹が1人。この時代には珍しくない〈貧乏人の子だくさん〉で、ごく当たり前のように生活は苦しかった。

 

学校では一番上の姉と並んでかなりの優等生だったそうで、読書好きなことでも知られていた。

しかし、食べることに精一杯だった家には本など買うお金はなく、専ら新聞小説を何度も繰り返し読んでいたという。

家計を助けるため、いろいろ内職(今で言うアルバイト)もやっていたようで、雇い主のおとなからよく「一銭を笑う者は一銭に泣く」という教訓(?)を聞かされた、と話していた。昭和前期のつましい庶民の暮らしが垣間見えるようである。

 

成績がいいので、今どきの親なら「ぜがひでも上のいい学校へ」「お金がなければ奨学金制度を使ってでも」となるところだが、この時代はそんな常識などなく、最初から諦めモード。

生前聞き損ねてしまったので、本人が上の学校、つまり今で言う高校・大学に行きたいと思っていたかどうかは不明だ。

 

そういうわけで尋常高等小学校を卒業後は素直に就職。

昭和18年。時代が戦争一色に染まっていたこともあり、

父は件の軍需工場の工員となった。

 

その際のエピソードが面白い。

単に就職するだけでなく、その会社の吹奏楽団に入ってほしい、と要望されたというのだ。しかも、パレードの先頭でラッパ(トランペットか?)を吹くことを要請されたらしい。軍需に関わる会社として士気を上げるため、独自に楽隊を組織していたというのも興味深いことだが、それ以上に父が音楽活動をしていたというのは意外だった。

 

生前、父が楽器を演奏する様子など見たことがない。

また、そんなイメージなどかけらも見受けられなかった。

おそらく、ちょっとラッパが吹ける程度だったのだろう。

それでも「楽団の先頭に」という要請があったのは、

新卒の中でも優等生として信頼されていたからなのかもしれない。

 

 

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大空襲をすり抜けた父は「生きてるだけでOK」

 

お盆なので亡くなった父を偲ぶ。

 

生前、父は10代の頃のことをよく話していた、

昭和3年生まれの父の10代は戦争とまるかぶりである。

兵役には行かなかったが、名古屋の軍需工場で働いていた。

 

名古屋の軍需工場は昼となく夜となく

大回転で機械を動かしていたが、

昭和19年頃から米軍の空襲が頻繁になり、

警報が発令されるたびに

稼動を止めざるを得なくなっていたようだ。

 

その日も夜十時過ぎ、警報が発令され、

従業員たちは決められた避難所に退避。

しばらくして解かれたが、父は避難中、

うたた寝をしていたため、

ひとり工場に戻るのが遅れてしまった。

 

まだ眠気が残り、身体もだるい。

そこに班長から怒られるだろうなぁ、という心配が加わり、

足取りはますます重くなった。

 

と、その時。

 

ゴオォォォォ……

足が止まった。

まさか。

空襲警報はついさっき解除されたはずなのに……

けれでも、あれは恐怖の感情とともに

耳に焼きついているエンジンの轟音。

漆黒の空を疾駆する猛禽B29のうなり声だ。

 

 

父は直感的に覚ったという。

これ以上あそこに近づいては危ないと。

そして、すぐに離れなくてはいけないと。

ほんの20メートルほど先に見える工場の建物にくるりと背を向け、

いま来たばかりの道を走り出した。

 

そのわずか数秒後。

ヒュルルルル・・・と中空に轟く、

間の抜けたような、尾を引く音。

その瞬間、背中が凍りつくような感触にとらわれた。

 

爆発音が鳴り響く。

振り返ると、工場は生まれてこれまで見たこともない、

巨大な炎に包まれていた。

 

父はそこでまた立ち止まり、呆然とその光景を目にしたという。

炎の中で幾つかの身もだえする人影が見える。

彼の同僚なのか、それとも上司なのか……

目を背けたいのに、そこから視線を離すことが出来ない。

何かが頭を押さえつけ、その惨劇を見続けることを強要していた。

そして、今そこにある事実を記憶に焼き付けるように命じていた。

あと1分か2分、早く到着していれば自分もあの中にいたことを。

 

同じ時間、そこから5キロも離れていない場所で

名古屋城も燃え上がっていた。

天守閣の頂に輝く金の鯱が炎に包まれて咆哮していた。

昭和20年5月14日。名古屋大空襲。

軍需工場の工員だった父はこのとき16歳だった。

 

彼が居眠りしていなければ、

頑張って遅れないよう職場に戻っていれば、

自分の直感を信じていなければ、

僕もこの世に生まれていなかっただろう。

 

ちょっとしたタイミングで人間の運命は変わってしまう。

 

基本的にはまじめな優等生で、

仕事でもそこそこ成功した人だったが、

いつもジョークっぽい生き方を愛し、

あまりまじめになりすぎないようにしていたフシがある。

それは「生きてるだけでOK」と思えるような

原体験があったからかもしれない。

 

 

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夏祭の女の子と大きな梨

 

お盆のお供えの梨。

梨と言うと、子どもの頃のカミさんの顔が思い浮かぶ。

 

といっても幼なじみじゃない。

カミさんと出会ったのは30を過ぎてからだ。

 

わりとよく自分の子どもの頃は

ああだった、こうだったという話をするので、

まったく知らない子ども時代の彼女の映像が

自然と焼き付けられた。

 

その一つに夏祭で山車を引いたご褒美(お土産)に

自分の顔と同じくらいの

でっかい梨をもらって大喜びをした、

というエピソードがある。

 

夕暮れの神社から家に向かって

汗まみれで飛び上がって嬉しがって、

大玉の梨を両手で抱えて走っていく

かわいい女の子の姿が浮かぶ。

 

娘はいないけど、なんだか娘の少女時代を

思い出しているお父ちゃんみたいな気分になる。

 

カミさんに限らず、その人の子ども時代の顔を想像するのが

僕の得意技なのだ。

ほとんど何の役にたたないんだけどね。

 

 

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夏の魔法のネコ時間

 

猛暑日でもわりと涼しい。

たぶん都心のコンクリ・アスファルトだらけのエリアより

2~3度は低いのではないだろうか。

 

なので朝や夕方は義母を連れて散歩する。

夕方は夕涼み中のネコと出くわす。

 

特にこのクロネコは頭の上を飛来するカラスにも、

散歩中のイヌにも、

わいわい寄ってくる人間にも、

まったく動じることなく、

いつも道の真ん中でゴロゴロして

自由気ままに真夏の夕べを満喫している。

 

僕はいつも彼(彼女かもしれない)を

ソーシャルディスタンスを保ってフォローし、

写真を撮らせてもらう。

おかげでスマホの中はクロネコだらけだ。

 

僕の友だちはクロネコだが、

義母の友だちは、この周辺の野良猫たちを

手なづけているネコ使いのばあさんだ。

 

ここんとこ毎日のように会うので、

すっかり顔なじみになって井戸端会議を始める。

はたで見ていても何の違和感もない。

 

ネコ使いのばあさんは、うちの義母が認知症だとは

夢にも思わないだろう。

 

午後6時の♪夕焼け小焼けの歌が流れると、

家路に向かう(といってもここから5分くらいだ)

 

家に帰って夕食時、「きょうもクロネコちゃんと

ネコ使いのばあさんに会えて楽しかったね」と話すと、

「え、ネコ? 何のこと?」と、と、なんにも憶えていない。

夢でも見たんじゃないの?って顔をされてしまう。

 

けれども翌日、あの道を通れば

「ああ、昨日はどうも。また今日も会いましたね」と

記憶がつながるのだろう。

 

けっこう奇妙な日々を送っているような気がするが、

まぁ、今日も無事に楽しく生きられました、ということで合掌。

 

 

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「ピノキオボーイのダンス」盆休み無料キャンペーン

 

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「ピノキオボーイのダンス」

8月8日(土)16:00から10日(月)15:59まで

2日間限定無料キャンペーン。

「おとなも楽しい少年少女小説」この機会にぜひ!

 

 

【あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

 

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

 

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

争を厭う人々は、スターになったロボットのダンスに希望と癒しと救済を見出そうとするが・・・。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。

 

もくじ】

1  世界が機械仕掛けになる、ほんのちょっと前の話

2  電子頭脳は少しずつ動いていた

3  古い感情のデータがどっとあふれ出す

4   すべてを思い出した

5  子どもの頃、ぼくたちは友だちだった

6  人間はどうして自分たちに似せてロボットをつくったのか?

7  心にささやかな奇跡を起こせるかもしれない

8  ぼくたちのダンスは医術だ

9  人間の女はめんどくさい

10  折りたたまれていた白い翼がみるみるうちに伸びて広がった

11   その営みが始まった

12  いわれなき妬みや嫉みや憎しみも引き受けなくてはならない

13  幸福になったということだろうか?

14  新しい夢を探しに行くときが来た

15   脊椎動物の最高進化形になる

16   自分がやるべきことを見失わないように

17   血も涙も一滴も流されない

18  あなたはどこから来たの?

19   とても小さな素粒子のような種

20  造物主の意志だろうか?

21   生きるの死ぬのとジタバタしたいだけなんだ

22  こんなとき人間はどんな顔をするのだろう?

23   人を殺さない戦争は今だかつてない

24  アウ

25  くちびるだけを動かして堕天使はもう一度つぶやいた

26  でも行かなくてはならない

27  自分を守らなくてはならない

28  それは最後のダンスだった

29  記憶は失くしても身体は覚えていた

30  誰にも気づかれないようにひっそりとうめく

31   ただひたすら破壊と殺戮を繰り返すだけの機械だ

32   あなたといっしょに踊れるかもしれないという夢があるから

33   もうここにはいられないよ

34   そのための長い長い冒険がいま始まった

 

 

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ファットマンを地球最後の核兵器にするために

 

長崎に落とされた原爆「ファットマン」は、

今日まで「地球最後の(実戦で使われた)核兵器」とされている。

 

永遠にそうあり続けるよう願うが、

核兵器の開発は終わっていない。

 

75年前、アメリカが示した手本通りに、

それは相手を威嚇する脅しの道具として機能している。

 

そして、75年経った今でも

「強い国」「豊かな国」「進んだ国」の象徴であり続けている。

「我が国は核兵器を持っている」ということに

希望と誇りを感じる人が世界中に大勢いるのだ。

 

アメリカが世界に、未来にバラまいたウイルスは、

いまだに多くの国の子どもや孫やひ孫らの脳を侵し続けている。

 

核兵器の所有は罪悪であり、恥辱である――

そう思える子どもたちを増やすこと。

これからやるべきことは、それ以外には考えられない。

 


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「ピノキオボーイのダンス」真夏の無料キャンペーン2020

 

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「ピノキオボーイのダンス」

 

8月8日(土)16:00から10日(月)15:59まで

2日間限定無料キャンペーン。

「おとなも楽しい少年少女小説」この機会にぜひ!

 

 

【あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

 

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

 

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

 

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

争を厭う人々は、スターになったロボットのダンスに希望と癒しと救済を見出そうとするが・・・。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。

 

 

【もくじ】

1  世界が機械仕掛けになる、ほんのちょっと前の話

2  電子頭脳は少しずつ動いていた

3  古い感情のデータがどっとあふれ出す

4   すべてを思い出した

5  子どもの頃、ぼくたちは友だちだった

6  人間はどうして自分たちに似せてロボットをつくったのか?

7  心にささやかな奇跡を起こせるかもしれない

8  ぼくたちのダンスは医術だ

9  人間の女はめんどくさい

10  折りたたまれていた白い翼がみるみるうちに伸びて広がった

11   その営みが始まった

12  いわれなき妬みや嫉みや憎しみも引き受けなくてはならない

13  幸福になったということだろうか?

14  新しい夢を探しに行くときが来た

15   脊椎動物の最高進化形になる

16   自分がやるべきことを見失わないように

17   血も涙も一滴も流されない

18  あなたはどこから来たの?

19   とても小さな素粒子のような種

20  造物主の意志だろうか?

21   生きるの死ぬのとジタバタしたいだけなんだ

22  こんなとき人間はどんな顔をするのだろう?

23   人を殺さない戦争は今だかつてない

24  アウ

25  くちびるだけを動かして堕天使はもう一度つぶやいた

26  でも行かなくてはならない

27  自分を守らなくてはならない

28  それは最後のダンスだった

29  記憶は失くしても身体は覚えていた

30  誰にも気づかれないようにひっそりとうめく

31   ただひたすら破壊と殺戮を繰り返すだけの機械だ

32   あなたといっしょに踊れるかもしれないという夢があるから

33   もうここにはいられないよ

34   そのための長い長い冒険がいま始まった

 

 

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SF長編小説 「ピノキオボーイのダンス」真夏の無料キャンペーン

 

8月8日(土)16:00から 10日(月)15:59まで

2日間限定無料キャンペーン。

約80,000字の「おとなも楽しい少年少女小説」。

 この機会にぜひ!

 

あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

 

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

 

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

 

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

争を厭う人々は、スターになったロボットのダンスに希望と癒しと救済を見出そうとするが・・・。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。

 

 

【もくじ】

1  世界が機械仕掛けになる、ほんのちょっと前の話

2  電子頭脳は少しずつ動いていた

3  古い感情のデータがどっとあふれ出す

4   すべてを思い出した

5  子どもの頃、ぼくたちは友だちだった

6  人間はどうして自分たちに似せてロボットをつくったのか?

7  心にささやかな奇跡を起こせるかもしれない

8  ぼくたちのダンスは医術だ

9  人間の女はめんどくさい

10  折りたたまれていた白い翼がみるみるうちに伸びて広がった

11   その営みが始まった

12  いわれなき妬みや嫉みや憎しみも引き受けなくてはならない

13  幸福になったということだろうか?

14  新しい夢を探しに行くときが来た

15   脊椎動物の最高進化形になる

16   自分がやるべきことを見失わないように

17   血も涙も一滴も流されない

18  あなたはどこから来たの?

19   とても小さな素粒子のような種

20  造物主の意志だろうか?

21   生きるの死ぬのとジタバタしたいだけなんだ

22  こんなとき人間はどんな顔をするのだろう?

23   人を殺さない戦争は今だかつてない

24  アウ

25  くちびるだけを動かして堕天使はもう一度つぶやいた

26  でも行かなくてはならない

27  自分を守らなくてはならない

28  それは最後のダンスだった

29  記憶は失くしても身体は覚えていた

30  誰にも気づかれないようにひっそりとうめく

31   ただひたすら破壊と殺戮を繰り返すだけの機械だ

32   あなたといっしょに踊れるかもしれないという夢があるから

33   もうここにはいられないよ

34   そのための長い長い冒険がいま始まった

 

 

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おべまこと新刊情報:SF長編小説「ピノキオボーイのダンス」

 

【あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

 

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

 

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

 

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【もくじ】

1  世界が機械仕掛けになる、ほんのちょっと前の話

2  電子頭脳は少しずつ動いていた

3  古い感情のデータがどっとあふれ出す

4   すべてを思い出した

5  子どもの頃、ぼくたちは友だちだった

6  人間はどうして自分たちに似せてロボットをつくったのか?

7  心にささやかな奇跡を起こせるかもしれない

8  ぼくたちのダンスは医術だ

9  人間の女はめんどくさい

10  折りたたまれていた白い翼がみるみるうちに伸びて広がった

11   その営みが始まった

12  いわれなき妬みや嫉みや憎しみも引き受けなくてはならない

13  幸福になったということだろうか?

14  新しい夢を探しに行くときが来た

15   脊椎動物の最高進化形になる

16   自分がやるべきことを見失わないように

17   血も涙も一滴も流されない

18  あなたはどこから来たの?

19   とても小さな素粒子のような種

20  造物主の意志だろうか?

21   生きるの死ぬのとジタバタしたいだけなんだ

22  こんなとき人間はどんな顔をするのだろう?

23   人を殺さない戦争は今だかつてない

24  アウ

25  くちびるだけを動かして堕天使はもう一度つぶやいた

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27  自分を守らなくてはならない

28  それは最後のダンスだった

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おりべまこと電子書籍第7弾 SF長編小説「ピノキオボーイのダンス」本日発売!

 

【あらすじ】

21世紀からそう遠くない未来社会。

人間は労働力のみならず、エンターテインメントや精神面のケアなど、暮らしのあらゆる分野でロボットの力に頼って人生を送っていた。子どもや恋人を貸し出すレンタルロボットビジネスも盛んだ。

 

12歳の少年の姿をしたロボットもいろいろな人間のためにレンタルされて働いてきたが、酷い虐待を受けて故障し、喋ることができなくなっていた。

 

廃棄処分にされることを怖れて逃げ出した少年ロボットは旅の末、街の広場で年老いたダンサーと出会う。彼を〈かけがえのない友だち〉と呼ぶダンサーと一緒に暮らし始め、ダンスを学んだロボットは、踊ることで自己や世界を表現する喜びを発見し、過去の傷を癒していく。

 

その特異な才能に気付いたダンサーは「こころの医師」になることを薦め、彼を下町の小さな劇場の舞台に立たせる。

病み荒んだ観客たちに交じって、その劇場にやってきたのは、美しい若い女のレンタルロボット。彼女との出会いによって、神業的なスピリットダンスとして昇華した少年ロボットの演技はたちまち評判となり、大劇場の興行に招聘されるようになる。

 

しかし、師匠のダンサーは「自分のすべきことを見失わないように」と言い残し、彼のもとを去っていく。同じ頃、戦争が勃発し、世界は瞬く間に戦火に包み込まれた。

 

戦争を厭う人々は、スターになったロボットのダンスに希望と癒しと救済を見出そうとするが・・・。人間とロボットとの間で明滅する光と闇を描くSF長編ファンタジー小説。

 

【もくじ】

1  世界が機械仕掛けになる、ほんのちょっと前の話

2  電子頭脳は少しずつ動いていた

3  古い感情のデータがどっとあふれ出す

4   すべてを思い出した

5  子どもの頃、ぼくたちは友だちだった

6  人間はどうして自分たちに似せてロボットをつくったのか?

7  心にささやかな奇跡を起こせるかもしれない

8  ぼくたちのダンスは医術だ

9  人間の女はめんどくさい

10  折りたたまれていた白い翼がみるみるうちに伸びて広がった

11   その営みが始まった

12  いわれなき妬みや嫉みや憎しみも引き受けなくてはならない

13  幸福になったということだろうか?

14  新しい夢を探しに行くときが来た

15   脊椎動物の最高進化形になる

16   自分がやるべきことを見失わないように

17   血も涙も一滴も流されない

18  あなたはどこから来たの?

19   とても小さな素粒子のような種

20  造物主の意志だろうか?

21   生きるの死ぬのとジタバタしたいだけなんだ

22  こんなとき人間はどんな顔をするのだろう?

23   人を殺さない戦争は今だかつてない

24  アウ

25  くちびるだけを動かして堕天使はもう一度つぶやいた

26  でも行かなくてはならない

27  自分を守らなくてはならない

28  それは最後のダンスだった

29  記憶は失くしても身体は覚えていた

30  誰にも気づかれないようにひっそりとうめく

31   ただひたすら破壊と殺戮を繰り返すだけの機械だ

32   あなたといっしょに踊れるかもしれないという夢があるから

33   もうここにはいられないよ

34   そのための長い長い冒険がいま始まった

 

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人生何度目かの宮沢賢治との再会

 

まるで星が巡るかのように、

人生のあちこちで出会う宮澤賢治さん。

 

中学生の時に「お別れ会」かなんかの催しで

「宮澤賢治伝」という劇(というかドリフみたいなふざけたコント)をやったのが、最初のご縁だったと思う。

 

演劇やっている人、歌手や俳優さん、

アートをかじっている人たち。

こういう人たちは宮澤賢治を好きな人が多く、

彼の詩や童話を演じたり、朗読したり、

モチーフにした絵などを描きたがっていて、

仕事や趣味で宮澤作品とはよく親しんだ。

 

童話と言っても宮澤賢治の場合、

子どもよりも大人のファンの方が多いと思う。

 

「ノックノック、トントン」の「雪わたり」や

「クラムポンはわらったよ」の「やまなし」は、

言葉のリズムが面白く、

チビだったうちの息子も読んでやると喜んでいたが、

ほかの詩や童話にはあまり食いつかなかった。

 

僕自身もじつはとくに熱心なファンというわけでなく、

あんまりちゃんと作品を読んでいるわけではない。

 

なのだが今回、仕事でその宮澤賢治さんと

またもやお付き合いすることになった。

そして今度はちゃんと勉強する必要がある。

 

で、初めてになるのだが「農民芸術概論綱要」という

文章に触れてみた。その序の部分。

 

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい

もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい

われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった

近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の

一致に於て論じたい

世界がぜんたい幸福にならないうちは

個人の幸福はあり得ない

自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する

この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか

新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある

正しく強く生きるとは銀河系を

自らの中に意識してこれに応じて行くことである

われらは世界のまことの幸福を索ねよう 

求道すでに道である

 

ちょっと宗教者とか求道者といった方向の文章だが、

いまの自分、そしてこれからの人間の生き方を考える上で

大事なことを書いていると思う。

1世紀前に生きた詩人・作家の思想が真価を発揮するのは、

じつはこれから先の時代なのかも知れない。

 

若い時分にはわからなかった宮沢賢治のスピリチュアルワールド。

もちろん、今でも手が届くかどうか怪しいけど。

 

 

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・子ども時間の深呼吸 ¥324 ASIN: B0881V8QW2

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新刊「ピノキオボーイのダンス」7月31日(金)発売

 

12歳の少年の姿をしたロボットは、街中で年老いたダンサーと出会う。ダンサーはなぜかロボットを「かけがえのない友だち」と呼んだ。

娯楽も芸術も、人間の癒しや愛情もロボットテクノロジーにゆだねられた、機械仕掛けの世界で繰り広げられる、大人も愉しい、少年少女小説。長編SFファンタジー。


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期間限定無料キャンペーン本日27日(月)夕方まで

 

4連休は終わりましたが、6日間連続おりべまこと電子書籍無料キャンペーンは本日15:59まで続いてます。

最終回は「オナラよ永遠に」。このチャンスにぜひ。

 

 

オナラをテーマに展開する、

愛と笑いとメッセージを載せた

SF+ファンタジーテイストの少年少女小説。

 

小学5年生の小松救太郎は、

ぬきうちテストの最中にオナラをもらし、

 

クラス中からいじめられる。

じつはそのオナラの真犯人は隣の席の水城ユリカ。

彼は憧れの女の子の失敗をかばっていたのだ。

しかし、ユリカはお礼を言うどころか、

よけいなおせっかいだと救太郎をきびしく責める。

 

その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。

そこに登場するのは、26世紀から来た、

オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。

この男の話 によると、

500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。

そして救太郎こそが、

失われたオナラを取り戻すための救世主であり、

ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、

不幸な歴史をやり直せると伝える。

 

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑する母親のプレッシャーに

ユリカが苦しんでいること、

また、人類からオナラを奪おうとする

謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

 

ヘビ魔女との対決や、

秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、

ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日に

タイムスリップして戻り、

二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

 

はたして彼はユリカの気持ちを変え、オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

読みだしたら止まらない面白さ。

オナラをこよなく愛するあなたのバイブルに。

そして人生の常備薬に。

 

 

●アクセス 

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コードナンバー「ASIN: B08473JL9F」、 

または著者名「おりべまこと」、

または書籍名「オナラよ 永遠に」を入れてアクセス。

 

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オナラよ 永遠に ~オナラに潜む人間存在の秘密~

 

固体であるウンコや液体であるオシッコと違って、

気体であるオナラは形がなく、目に見えない。

摩訶不思議でミステリアスな存在だ。

 

だから子どもは探究心と想像力を刺激され、

勉強なんかそっちのけでオナラのことに真剣になる。

 

自分が出す音やにおいの中に

自分がこの世界に存在する秘密が

隠されているのではないかと考え巡らせる。

もちろん無意識のうちに、ではあるが。

 

だけど大人になるにつれ、オナラのことなど忘れていく。

こんなどうでもいいものに、いつまでもかまけていられるほど、

人生はヒマじゃない。

 

そして、毎日の生活の中では、

そもそもこの世にオナラというものが

あることさえ忘れている。

自分が豆やイモを食べた後に、

思わずプリッともらすまでは

 

この作品はもともとラジオドラマ企画として書いた。

プ~と、ブリッとか、プパッとか、プピーとか、ス――ッとか、

いろんなオナラの音が聞けたら面白いな、ということで、

その音を聞かせるためにストーリーを作った。

 

結局、企画が実現することはなく、

長い間、ほったらかしにしていたのだが、

ある日、これをノベライズしてみたらどうだろうと思いついた。

主人公が子どもだし、

想定する読者も子どもなので児童文学(っぽい)スタイルに。

 

確か最初は原稿用紙60枚くらいの話だったのだが、

何度か書き直すうちにどんどん膨らみ、

200枚近い長編になった。

 

オナラを愛する子どもにとって面白いのはもちろんだが、

オナラのことなんてとっくの昔に忘れてしまった

おとなにも読んでほしい。

 

そしてできれば、永遠のバイブルにしてお手元に置き、

ときどき読み返してプププと笑ってほしい物語なのである。

 

 

おりべまこと 電子書籍 

6日連続ジュライモーニングキャンペーン

おりべまこと既刊3冊の小説を2日ずつ無料でGet!

 

★第3クール「オナラよ 永遠に」

日本時間 7月25日(土)16:00~27日(月)15:59 

期間限定無料

 

 

オナラをテーマに展開する、愛と笑いとメッセージを載せたSF+ファンタジーテイストの少年少女小説。

 

小学5年生の小松救太郎は、ぬきうちテストの最中にオナラをもらし、クラス中からいじめられる。

じつはそのオナラの真犯人は隣の席の水城ユリカ。。彼は憧れの女の子の失敗をかばっていたのだ。

しかし、ユリカはお礼を言うどころか、よけいなおせっかいだと救太郎をきびしく責める。

 

その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。

そこに登場するのは、26世紀から来た、

オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。

この男の話 によると、

500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、

そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。

 

そして救太郎こそが、失われたオナラを取り戻すための救世主であり、ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、不幸な歴史をやり直せると伝える。

 

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑する母親のプレッシャーに

ユリカが苦しんでいること、

また、人類からオナラを奪おうとする

謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

 

ヘビ魔女との対決や、

秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、

ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日に

タイムスリップして戻り、

二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

 

はたして彼はユリカの気持ちを変え、

オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

読みだしたら止まらない面白さ。

オナラをこよなく愛するあなたのバイブルに。

そして人生の常備薬に。

 

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※新刊「ピノキオボーイのダンス」 

7月30日(木)発売予定!

 

12歳の少年の姿をしたロボットは、

街中で年老いたダンサーと出会う。

ダンサーはなぜかロボットを「かけがえのない友だち」と呼んだ。

娯楽も芸術も、人間の癒しや愛情も

ロボットテクノロジーにゆだねられた、

機械仕掛けの世界で繰り広げられる、大人も愉しい、

少年少女小説。長編SFファンタジー。

 


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おりべまこと 電子書籍  6日連続ジュライモーニングキャンペーン3

 

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★第1クール「魚のいない水族館」

日本時間 7月21日(火)16:00 ~ 23日(木)15:59

 

★第2クール「茶トラのネコマタと金の林檎」

日本時間 7月23日(木)16:00 ~ 25日(土)15:59

 

★第3クール「オナラよ 永遠に」

日本時間 7月25日(土)16:00~27日(月)15:59

 

 

●オナラよ 永遠に ~オナラに潜む人間存在の秘密~

 

固体であるウンコや液体であるオシッコと違って、

気体であるオナラは形がなく、目に見えない。

摩訶不思議でミステリアスな存在だ。

 

だから子どもは探究心を刺激され、

勉強なんかそっちのけでオナラのことに真剣になる。

 

自分が出す音やにおいの中に

自分がこの世界に存在する秘密が

隠されているのではないかと考える。

もちろん無意識のうちに、ではあるが。

 

だけど大人になるにつれ、オナラのことなど忘れていく。

こんなどうでもいいものに構っていられるほど、

人生はヒマじゃない。

 

そして、毎日の生活の中では、

自分が豆やイモを食べた後に、

プリッともらすまでは

そもそもこの世にオナラというものが

あることさえ忘れているのだ。

 

この作品はもともとラジオドラマ企画として書いた。

プ~と、ブリッとか、プパッとか、プピーとか、ス――ッとか、

いろんなオナラの音が聞けたら面白いな、ということで、

その音を聞かせるためにストーリーを作ったいう感じである。

 

結局、企画が実現することはなく、

長い間、ほったらかしにしていたのだが、

ある日、これをノベライズしてみたらどうだろうと思いつき、

主人公が子どもなので児童文学(っぽい)スタイルにした。

 

確か最初は原稿用紙60くらいの話だったのだが、

何度か書き直すうちにどんどん膨らみ、

200枚近い長編になった。

 

オナラを愛する子どもにとってはもちろん面白いが、

オナラのことなんてとっくの昔に忘れてしまった

おとなにも読んでほしい、

大切なメッセージの詰まった物語なのである。

 

 

オナラをテーマに展開する、愛と笑いとメッセージを載せたSF+ファンタジーテイストの少年少女小説。

小学5年生の小松救太郎は、ぬきうちテストの最中にオナラをもらし、クラス中からいじめられる。

 

じつはそのオナラの真犯人は隣の席の水城ユリカ。

彼は憧れの女の子の失敗をかばっていたのだ。

しかし、ユリカはお礼を言うどころか、

よけいなおせっかいだと救太郎をきびしく責める。

 

その日、家に帰った救太郎は奇妙な白昼夢を見る。

そこに登場するのは、26世紀から来た、

オナラで音楽を奏でるプータローというキテレツな男。

この男の話 によると、

500年後の世界では人間はオナラをしない生き物に進化しており、

そのせいでストレスがたまり、心の病が蔓延しているという。

そして救太郎こそが、

失われたオナラを取り戻すための救世主であり、

ユリカとラブラブになることで人類がオナラを取り戻し、

不幸な歴史をやり直せると伝える。

 

救太郎は、潔癖症でオナラを軽蔑する母親のプレッシャーに

ユリカが苦しんでいること、

また、人類からオナラを奪おうとする

謎のヘビ魔女が彼女に取りついていることを知る。

 

ヘビ魔女との対決や、

秘密警察から逃走するプータローとの交信を通じて、

ついに自分の力で未来を変えることを決意する救太郎。

その方法はユリカのオナラをかばった日にタイムスリップして戻り、二人のよじれてしまった関係を修復するということだった。

 

はたして彼はユリカの気持ちを変え、オナラを失った未来の人類を救うことができるのだろうか?

 

読みだしたら止まらない面白さ。

オナラをこよなく愛するあなたのバイブルに。

そして人生の常備薬に。

 

 

※新刊「ピノキオボーイのダンス」

 7月30日(木)発売予定!

 

12歳の少年の姿をしたロボットは、街中で年老いたダンサーと出会う。ダンサーはなぜかロボットを「かけがえのない友だち」と呼んだ。

娯楽も芸術も、人間の癒しや愛情もロボットテクノロジーにゆだねられた、機械仕掛けの世界で繰り広げられる、大人も愉しい、少年少女小説。長編SFファンタジー。

 


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茶トラのネコマタと金の林檎 ~だれの心の中にも金の林檎が埋まっている~

 

この作品はもともと20代の終わりの頃に上演した

「林檎探偵談」という戯曲のエピローグ部分を

膨らませてアレンジしたものだ。

 

もとネタは、実際に探偵稼業をしていた人が書いた

「事件簿」だった。

 

いろんな事件に携わり、おかしな人間と、

奇妙な体験をしたことを綴っていたが、

中でも面白かったのが、

山の中に財宝が埋蔵されているから掘ってくれという

あるばあさんの話。

 

そのばあさんの夢というか妄想に付き合った

探偵さんのエピソードをもとに、

3分程度のコントみたいなシーンを挿入してみたのだ。

 

それが実話なのか、面白おかしい作り話なのかは判然としないが、

認知症の義母の面倒を見ていると、

似たようなことに遭遇することもあるので、

まるっきりでっち上げだとは思えなくなる。

 

そうした「夢や妄想に付き合う力」は、

非現実的で、何の生産性もないけど、

人間に必要とされる能力の一つではないかな、

とさえ感じている。

 

どんな人間でも生きていれば、多かれ少なかれ、

いろいろな種類の夢・希望・願望が

自然とうじゃうじゃ湧き出してくる。

 

それらがすべて叶う人はひとりもいない。

それどころか大多数の人は、

残念ながら、ほとんど叶えられずに終わる。

 

そんな現実を知ってるのに、

大人は子どもや若者に

「夢を持たなアカン」などと

残酷なことを無責任にぬけぬけと言い放つ。

 

かなえられなかった夢は心の奥深くに蓄積され、

やがて埋もれて、いつしか「金の林檎」に変わっている。

 

日々の生活にいっぱいいっぱいだった人たちはみんな、

人生の終わりがけになると、

金の林檎がどこかに埋まっていることに気が付いて

一生懸命掘り返そうとするのだ。

 

書いてみて、ああ、これはそういう物語だったんだなと、

30年ぶりに再会した古い友だち、

私立探偵の健太と六郎に教えてもらった。

 

きっとあなたの心の中にも金の林檎が埋まっている。

それを死ぬまでに一度、掘り返してみるかどうかは、

もちろん、あなたの自由です。

 

おりべまこと 電子書籍 

6日連続ジュライモーニングキャンペーン

 

おりべまこと既刊3冊の小説を2日ずつ無料でGet!

 

 

★第2クール「茶トラのネコマタと金の林檎」

日本時間 7月23日(木)16:00~25日(土)15:59

 

 

20代半ばで独立起業し、6畳一間のアパートの自分の部屋で探偵事務所を開いた私立探偵・飛田健太(とびた・けんた)。

その健太のもとにホームページ経由で、開業以来、最高のギャラが発生する難事件の依頼が飛び込んだ。

山中に埋められた、時価数億円に上る金の林檎の捜索。

 

健太は相棒である便利屋の中年男・六郎を連れ、“なんちゃってホームズ”のいでたちで現場に飛ぶ。

そこに現れたのは茶トラのネコみたいなオレンジ色の髪をし、魔女のような真っ黒な服に身を包んだミステリアスな高齢女性。

健太はその依頼人に“茶トラのネコマタ”というあだ名をつける。

 

ネコマタの目撃談によれば、10月の第3日曜日の夕暮れ時、黒服・黒メガネの4人組の男たちがこの山にやってきて、どこかから盗み出してきた大量の金の林檎を埋めていったという。

しかし、明らかに彼女の話はおかしい。

これはかつて女優だったという女の空想か?幻想か?妄想か?

 

健太と六郎は、その話を信じたふりをして、山中の雑木林に入ってスコップを振るい、肉体労働に精を出すことになった。

はたしてこの難事件はどんな“解決”に至るのか?

それぞれ心に傷を負った若者、中年、年寄りが織りなす、コミカルでファンタジックな探偵小説。

短編。24,000字。

 

●アクセス 

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コードナンバー「ASIN: B08473JL9F」、 

または著者名「おりべまこと」、

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今すぐスマホやタブレットで読める!

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●1ヶ月¥980でどんな本も読み放題の「Kindle unlimited」も

利用できる!

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※新刊「ピノキオボーイのダンス」 

7月30日(木)発売予定!

 

12歳の少年の姿をしたロボットは、街中で年老いたダンサーと出会う。ダンサーはなぜかロボットを「かけがえのない友だち」と呼んだ。

娯楽も芸術も、人間の癒しや愛情もロボットテクノロジーにゆだねられた、機械仕掛けの世界で繰り広げられる長編SFファンタジー。大人も愉しい少年少女小説第4弾!

 


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おりべまこと 電子書籍  6日連続ジュライモーニングキャンペーン2

 

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第2クール突入!

 

★第1クール「魚のいない水族館」

日本時間 7月21日(火)16:00 ~ 23日(木)15:59

 

★第2クール「茶トラのネコマタと金の林檎」

日本時間 7月23日(木)16:00~25日(土)15:59

 

★第3クール「オナラよ 永遠に」

日本時間 7月25日(土)16:00 ~ 27日(月)15:59

 

 

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コードナンバー「ASIN: B08473JL9F」、 

または著者名「おりべまこと」、

または書籍名「茶トラのネコマタと金の林檎」を入れてアクセス。

 

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●茶トラのネコマタと金の林檎 

~だれの心の中にも金の林檎が埋まっている~

 

以前のブログにも書いたが、

これはもともと20代の終わりの頃に上演した

「林檎探偵談」という戯曲のエピローグを膨らませたものだ。

 

ネタにしたのは、実際に探偵稼業をしていた人が書いた

「事件墓」だった。

 

山の中に財宝が埋蔵されているという

おばあさんの夢というか妄想に付き合った

エピソードが面白いなと思って、

それをもとにコントみたいなシーンを作った。

 

それが実話かどうかはわからないが、

認知症の義母の面倒を見ていると、

そうした「夢とか妄想に付き合う力」は

人間に必要な能力の一つだなと感じる。

 

夢・希望・願望――

人間生きていれば、多かれ少なかれ、

そうしたものが自然と湧いてくる。

 

そして、それらがすべて叶う人はひとりもいない。

それどころか大多数の人は、

ほとんどかなえられずに終わる。

 

なのに大人は子どもや若者に「夢を持て」と

無責任に残酷なことを言う。

 

かなえられなかった夢は心の奥深く蓄積され、

やがて埋もれて、いつしか「金の林檎」になる。

 

日々の生活にいっぱいいっぱいだった人たちはみんな、

人生の終わりがけになると、

それに気が付いて一生懸命掘り返そうとするのだ。

 

これはそういう物語だったのかと、

30年ぶりに再会した

愛すべき探偵の健太と六郎に教えてもらった。

 

きっとあなたの心の中にも金の林檎が埋まっている。

掘り返してみるかどうかは、あなた次第です。

 

 

20代半ばで独立起業し、

6畳一間のアパートの自分の部屋で探偵事務所を開いた

私立探偵・飛田健太(とびた・けんた)。

 

その健太のもとにホームページ経由で、

開業以来、最高のギャラが発生する難事件の依頼が飛び込んだ。

山中に埋められた、時価数億円に上る金の林檎の捜索。

 

健太は相棒である便利屋の中年男・六郎を連れ、

“なんちゃってホームズ”のいでたちで現場に飛ぶ。

そこに現れたのは茶トラのネコみたいなオレンジ色の髪をし、

魔女のような真っ黒な服に身を包んだミステリアスな高齢女性。

健太はその依頼人に“茶トラのネコマタ”というあだ名をつける。

 

ネコマタの目撃談によれば、10月の第3日曜日の夕暮れ時、

黒服・黒メガネの4人組の男たちがこの山にやってきて、

どこかから盗み出してきた大量の金の林檎を埋めていったという。

 

しかし、明らかに彼女の話はおかしい。

これはかつて女優だったという女の空想か? 幻想か? 妄想か?

 

健太と六郎は、その話を信じたふりをして、

山中の雑木林に入ってスコップを振るい、

肉体労働に精を出すことになった。

 

はたしてこの難事件はどんな“解決”に至るのか?

それぞれ心に傷を負った若者、中年、年寄りが織りなす、

コミカルでファンタジックな探偵小説。短編。

24,000字(原稿用紙60頁)。

 

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魚のいない水族館 ~かなわなかった夢はいつかリベンジできる~

 

夏休みになると思い出す。

息子が小学校に入った頃なので、かれこれ17年前。

水族館のお泊りツアー、つまりナイトツアーが始まった。

へえ、こりゃ面白そうだ、ぜひ息子と参加しようと思ったが、

誰でもOKというわけではない。

 

人数制限があり、予約制なので応募して当たらないとだめだ。

これが何度応募しても落選。

僕はくじ運が悪いので、息子やカミさんの名前で出してみたが、

やっぱり当たらない。

 

確か4年間トライし続けたが、結局、当選することはなく、

水族館お泊りツアーの夢は、海の泡となって消えた。

 

ということを昨年の夏に思い出し、

ブログに上記のような文章を書き始めたところ、

ふと、この悔しい体験を、

ちがう形でリベンジしたいという思いが湧いた。

 

そこで水族館をモチーフにした物語を書き始めた。

それがこの「魚のいない水族館」である。

 

どうしてあの時(たぶん今も)、僕は、そして大勢の人は、

夜の水族館に行きたい、泊まりたいと思ったのか?

そのわけをいろいろイメージしていくと面白くなって、

10日くらいで5回に分けて書いてみた。

 

それが初めてのまともな短編小説になった。

 

悔しかったこと(と言っても大したことじゃないけど)から

こんな物語を編み出せるなんて人生面白い。

 

夢がかなわなくても心配ない。

そのままの形ではないかも知れないけど、リベンジはできる。

あなたにも、きっと後からいいことある。

 

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失業中の主人公が足を踏み入れた、街のはずれにある水族館には魚が一匹もいなかった。

彼のまえに現れた、魚のような顔をした館長は言う。「魚はみんな海に返しました」

彼がそのことをブログに書くと、なぜか水族館はその夏の大人気スポットになる。

そして季節が変わるころ、館長は彼に声をかける。

「もしよければ、ここで仕事をしませんか?」

夏から秋にかけて不思議な水族館で起きる出来事を描く

大人も愉しいファンタジックな少年少女小説。

 

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欲望がかなう街「マホガニー市」のアラバマソング

 

昨日はドアーズのファーストアルバム

「ハートに火をつけて」のことを書いたけど、

このアルバムに収録されている

「WiskeyBar(Arabama Song)アラバマソング」は、

いかにもドアーズ、ジム・モリソンらしい、

奇妙で捻じれた曲調の、エロチックでひどくユーモラスな歌だ。が、これは彼らのオリジナル曲ではない。

 

演劇人の間では有名な「三文オペラ」の作者

ベルナルト・ブレヒトが

作曲家のクルト・ワイル(ヴァイル)とコンビを組んで作った

「マホガニー市の興亡」というオペラの挿入歌である。

 

どこかの国(母国ドイツをイメージ?)から逃亡してきた

お尋ね者の3人組が、

アメリカ南部のアラバマ州(らしき地域の)の砂漠に

「マホガニー市」という「欲望がかなう街」を建設。

カネと酒と女(男)を求めて集まってくる

男や女たちの悲喜劇を描く。

 

この物語「マホガニー市の興亡」は初演が1930年のベルリン公演。

90年以上も前の作品にも関わらず、内容はあまりに現代的だ。

 

「三文オペラ」と同じく、

人間批評・社会批評たっぷりに描かれており、

あらすじを読む限り、ラ

ストも決して「人間って素晴らしい」と歌い上げる

ミュージカルなどとは真逆の、かなりシニカルな内容だ。

 

しかし、この作品は欧米で非常に人気が高く、

戦後、くり返し上演されてきたという。

 

その代表曲ともいえる「アラバマソング」も人気抜群で、

ドアーズをはじめ、実にいろんなミュージシャンや俳優が

この歌をカバーしている。

 

物語の世界観・菓子のユニークさも含め、

音楽家たちにとってチャレンジし甲斐がある、

面白い曲なのだろう。

 

ドアーズバージョンで、モリソンは2コーラス目

「Show me the way to next little Girl?」

(教えてくれよ、この近所にいい娘いないかい?)と歌うが、

オリジナルではnext prety Boy――

「近所にいい男いないかしら?」となっている。

 

つまりもともとこれは、

男を漁りに来た娼婦らが歌う歌なのだ。

 

このオペラについては「オペラ対訳プロジェクト」

というサイトで詳しく紹介・解説されており、

初演で主役を演じた女優(歌手)ロッテ・レーニャの

「アラバマソング」も聴ける。

 

対訳もすごく面白い。

「モシモイイ男ガ見ツカラナカッタラ、

私タチ死ヌヨリ他ナイノデス!」なんて最高だ。

 

ちなみにこのロッテ・レーニャという人は、

クルト・ヴァイルの奥さんなんだそうで、

同じドイツ人のせいか、

何となくマリーネ・ディートリッヒをイメージさせる。

 

この作品、最近では日本では

2016年に山本耕史やマルシアらが出演して

音楽劇として上演されている。

 

なかなか興味深いストーリーなので、

コロナ禍が去って再演されるようなことがあれば観てみたい。

 

 

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ロックの邦題マジック「ハートに火をつけて」/ドアーズ

 

ロックの邦題マジックシリーズ第2弾は

「ハートに火をつけて」(ザ・ドアーズ)。

 

●人気フレーズのオリジナル

日本人が大好きで、アイドルが歌い出しそうなこのキュートなフレーズは、少女マンガのタイトルにも用いられていた。

むかし、「りぼん」で一条ゆかり先生が書いたものが最初じゃないかと思う。

他にも少女マンガやライトノベルなどで同名のタイトルが使われているのを見かける。

 

J-POPはもっとすごい。

いちいちミュージシャンの名前は挙げないけど、

同名異曲が5つや6つはあるんじゃないか。

やっぱり魅力的で覚えやすいフレーズで、

ラブソングにぴったりだからだろう。

 

このフレーズを考え出したのは

1960年代の日本のレコード会社の人(たぶん)。

 

1967年にデビューしたアメリカ西海岸のロックバンド

The Doors(ドアーズ)の

ファーストアルバムにこの邦題がつけられた。

 

その意味では、J-POPもマンガもライトノベルも、

みんなドアーズのパクリである。

 

●異常なセックスソングとキュートな邦題とのギャップ

アルバムタイトルはバンド名の「The Doors」だが、

A面6曲目、シングルでもヒットした「LiLIght my Fire」が

「ハートに火をつけて」となり、そ

れがアルバムタイトルにもなった。

 

僕はこれも名邦訳だと思う。

 

現代の感覚で言うと、

原題が「LIght my Fire」?なんだ、だったらほぼ直訳じゃん。

と思うだろうが、

50年以上前に「ハートに火をつけて」なんて

お洒落な曲名がすんなり出てきたとは思えない。

 

そもそもこの曲自体、初期のビートルズのような

明るいヘルシーなラブソングじゃなく、

当時のサイケデリックのエッセンスを盛り込んだ

けっこうきわどい、いわばセックスソング。

 

「LIght my Fire」と言っている歌の主人公は、

恋する胸キュンの女の子じゃなくて、

女とやることしか頭にないスケベ野郎だ。

 

曲調もポップなラブソングでも美しいバラードでもなく、

のっけから猥雑さ漂う不気味なオルガンが

クネクネうねりまくる、かなり“異常な”曲である。

 

邦題的には「おれを燃やしてくれ」とか、

意訳して「エロスの焔」とかつけそうなものだが、

なんでこんな女の子が口にするような

キュートな邦題を考え付いたのか、

考えてみると不思議である。

 

いずれにしても、

ドアーズの奇妙でエロチックな独自の音楽世界と、

キュートな邦題とのギャップが素晴らしく、

日本でのドアーズ人気に一役買っていると思う。

 

●1stと2ndは歴史的大名盤

もちろん、英米でもこのファーストアルバムはド名盤で、

充実度は抜群。

クルト・ワイルのオペラ曲をカバーした「アラバマソング」や

カリスマロッカーにして詩人のジム・モリスンの名を

世に知らしめた大作「ジ・エンド The End」など、

めちゃくちゃ聴きごたえのある名曲が揃っている。

 

そもそもドアーズがその異常性・独自性を見せつけたのは

これとセカンドアルバム「まぼろしの世界 Strang Day」で、

その後はフツーのブルースロックバンドになってしまって

あまり面白くない。

 

これからドアーズを聴く人は、とにかくこの2枚とベスト盤です。

 

●モリソンの伝説とマンザレクの怪しいオルガン

ヴォーカルのジム・モリスンは、僕がロックを聴き始めた頃、

すでに他界していて、

ジミ・ヘンドリクスやジャニス・ジョプリンと同様、

最初から「伝説のロッカー」だった。

しかもセックスシンボルとして、

スキャンダラスなエピソードにまみれていた。

 

すごかったのがそのライブパフォーマンスで

性器を露出したり、

自慰をしたりして逮捕されたこともあるという。

 

アルチュール・ランボーなど、

フランスの詩人に影響を受けていたらしく、

1971年に人気絶頂のバンドを脱退し、

詩作のために恋人とパリへ移住して

そこですぐに死んでしまったらしい。

死因はドラッグのやりすぎというのが通説になっている。

 

いかにも昔の破滅的芸術家らしい人生を送ったせいか、

今でもカリスマ性が高く、やたら「信者」が多い、

そのため、ドアーズ=ジム・モリソンみたいな形で

語られることが多い。

 

だけど、僕にとってはモリソンと同格以上なのが

オルガンのレイ・マンザレクである。

 

「ハートに火をつけて」の

イントロ10秒を聴いただけでわかるように

孤高のドアーズサウンドは、マンザレクの

うねり、くねり、大蛇がのたうつような、

隠微な見世物小屋に誘い込むような

独特の怪しいオルガンに支えられている。

(彼も3年ほど前に他界してしまったようだ)

 

●還暦によみがえったドアーズ

実は僕は最近までドアーズをそんなに

熱心に聴いたことがなかった。

 

「ハートに火をつけて」と「まぼろしの世界」は

アナログレコードを持っていたが、

そんなに頻繁に針を落とすこともなく、

数年前に整理してしまった。

 

なんでか考えてみたが、たぶん理由は3つ。

 

・「サイケデリック」を感じさせる60年代的な音が

 時代遅れだと思ってた。

・「ジ・エンド」がフランシス・コッポラの映画「地獄の黙示録」

 (70年代のベトナム戦争をテーマに描かれた作品)

 で使われ、長らくそのイメージがまつわりついてた。

・ジム・モリソンの伝説が、今一つピンと来なかった。

 

ところがこの1週間ほど前、ふと脳の奥底から、

あのうねうねオルガンがよみがえってきたので、

久しぶりに――と聴いてみたら、

すっかりハマってしまったのである。

 

YouTubeでは、これまで見たことなかったライブも上がっていて、

ありし日のジム・モリソンの姿もたっぷり見られる。

 

「ハートに火をつけて」はマンザレクのオルガンを中心とした、

サイケで不気味でカッコいい、10分以上にもおよぶ、

長大なインストゥルメンタルも楽しめる。

 

音だけだとわからないが、映像付きだと

その間、モリソンが性行為を連想させるような

アクションをやりまくって、

観客が盛り上がるというクレイジーな世界が展開する。

 

興味のある人は、ぜひ半世紀前のヤバい

アナザーワールドを世界を体験してみてください。

 

 

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義妹からのお中元 夏みかんのお菓子「夏柑糖」

 

神戸の義妹からお中元が届いた。

京都の和菓子店の「夏柑糖(なつかんとう)」というお菓子。

 

原料は山口・萩の夏みかん。

夏みかんは実は“商品名”で、

本当の果実名は「夏橙(なつだいだい)」という。

 

夏橙は、江戸時代中期、黒潮に乗って南方から、

山口県長門市仙崎大日比(青海島)に漂着した

文旦系の柑橘の種を

地元に住む西本於長が播き育てたのが起源とされる。

――というのがウィキペディアの解説。

 

このお菓子の製造販売元である京都・老松の説明書きでは――

同じ海岸で、村の娘・お蝶が、流れ着いた珍しい果実を拾って、

その種を宅地に撒きつけたのが起源――となっている。

 

読み仮名がないけど西本於長とはきっと「にしもと・おちょう」。つまり同一人物だ。

 

でも「村の娘・お蝶ちゃん」というほうが、

夏みかん伝説としてキュートでファンタジックではないだろうか。

 

青い海と白い砂浜。

異国から流れ着いた黄色い大きな夏橙を赤い着物に

きゃしゃな体を包んだ12歳の娘が、

両手で大事そうに拾い上げるシーン(勝手に創作)が、

このお菓子のストーリーとしてふさわしい感じがする。

 

ちなみに大日比では、この夏橙、

「宇樹橘」「バケモノ」等と呼ばれ、

食用ではなく子どもが手毬の代わりにして遊んでいたらしい。

マリ? ボール?

 

それが食用の果実として有名になったのは、

明治以降、萩で栽培されるようになってから。

 

明治維新を推進した長州藩士らの故郷・萩は

夏みかんの名産地。

そのはじまりは、明治になって失業した武士らが

食っていくために屋敷の庭に

夏橙を植えて栽培するようになってから。

それが上方にも出荷されるようになり、全国的に有名になった。

 

その際、仲買をした大阪商人、なにわのあきんどが

 

「夏橙(なつだいだい)じゃアカンて。

上方もんは、みかんが好きやさかい、

名前を『夏みかん』にしたらどうや。

夏にもみかんが食えるゆうたら奴さんら、

大喜びで飛びつくこと疑いなしや。

ごっつもうかるでぇ」

 

というビジネス戦略で、ご存じの“商品名”で流通することになった。

 

時代は下って昭和40年代の名古屋。

僕は子どもの頃、夏休みになると、

酸っぱい夏みかんに砂糖をどっさりつけて食べていた。

スイカには塩、夏みかんには砂糖が夏の定番だった。

 

ところが昭和40年代も半ばを過ぎると、

甘夏なる甘い夏みかんが開発され、

外国からはグレープフルーツなどの「柑橘外来種」が入ってきて、

酸っぱい夏みかん(夏橙)は

市場から駆逐されてしまったのである。

 

しかし、そんな時代になってもは萩の夏みかんは

「お菓子の原料になる」という活路を見出し、サバイバルした。

 

ご当地では光圀という老舗和菓子店が

「夏みかん丸漬け」をはじめ、

ジャム、マーマレードなど、

もともとの酸っぱさとほのかな苦みを持った

夏みかんの個性を活かした加工品を開発。

 

この京都・老松も原料は萩の夏みかん以外、使わないという。

絞った果汁と寒天を混ぜ合わせたものを

くりぬいた夏みかんに流しこんだという、

いわば夏みかんゼリーだが、

甘すぎない、さっぱりとした後味が何ともさわやか。

また、味に負けず劣らず食感が素晴らしい。

 

いただいたのはゴロン、ゴロン、ゴロンと3個。

義母とカミさんと僕の3人で、

1個がデザート3人前としてちょうどいい。

ちょっと多いくらいだ。

 

コロナのおかげで神戸も京都も山口も

遠い地になってしまっているが、

西に手を合わせて、おおきに。ありがと。

 

 

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あなたが求めているもの・怖がっているものと神ってるナマケモノ

 

おりべまこと電子書籍 週末限定3冊連続無料キャンペーン続行中。

本日、7月12日、日曜日16;00から24時間は

「神ってるナマケモノ」です。

 

「動物にまったく興味がない」という人間は

この地球上に存在しない。

意識していようといまいと、僕たち人間は、

はるか昔の祖先の時代から、ずっと自らに問いかけ続けている。

 

自分という存在、あるいは

自分が求めているものや怖がっているものと、

こいつらはいったいどんな関係があるのだろう?

 

動物学者でもなく、飼育係でもなく、

金魚とミドリガメ以外、一度もペットを飼ったことのない僕も、

生まれてこれまでことあるごとに、

この問題について考え続けてきた。

 

すると、木にぶら下がっているだけの、あのナマケモノさえも

じつは人間にとって大切なことを教えに来た

神の化身ではないかと思えてくる。

 

このブログでも大人気の

「なぜ日本ではカエルはかわいいキャラなのか?」

「ウーパールーパーな女子・男子」

「金魚の集中力は人間以上」

「結婚記念日の花束と、ネコのいる花屋と、花を食べるネズミの話」

「四国化け猫➡猫神さま伝説」

「犬から、ネコから、人間から、ロボットからの卒業」

など36編を収録。

 

ぜひあなたもペットや動物たちとあなたの人生、

あなたの生きる社会、あなたの生きる世界を

リンクさせてみてください。

 

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7月12日(日)16;00 ~

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「神ってるナマケモノ」

 

可愛いくて、楽しくて、笑える彼ら。奇妙で、不気味で、不思議な彼女ら。美しくて、おぞましくて、くさくて、汚くて、怖くて危険なやつらも。

僕たちはこの星の上で137万種類を超す動物たちといっしょに暮らしている。

イマジネーションを掻き立て、人間の世界観の大きな領域をつくってきた仲間たちについてのエピソードや、あれこれ考えたことを編み上げた面白エッセイ集。

 

 

 

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西城秀樹さん ラストステージの記憶

 

ユーライア・ヒープの「July Morning」、
キング・クリムゾンの「Epitaph」。
この2回、自分の好きなロックのことについて

書こうと思ったのに、なぜか西城秀樹さんの話になっていた。

 

たまたまネット上で音源を見つけたからだが、
彼がこれらの歌を歌っていたのをまったく知らなかったので、
本当に驚いてしまった。

 

そして、それが人気歌手が流行りに乗って
片手間で歌ってみました、という類のものではなく、
本気で取り組んでいたを感じて心動かされた。

 

本人はもちろんだが、
これはスタッフやバックミュージシャンも含めて、である。
西城秀樹という天才を中心に、

日本の大衆音楽を大きく育てていこう、
レベルを高くしていこうという熱いうねりが
当時はあったのだと感じる。

 

★情熱の嵐

僕は小学生から中学生の初め頃まで、
昭和の歌謡曲の世界にハマっていた。


ちなみに熱狂的な秀樹ファンである、
ちびまる子ちゃんのお姉ちゃんと同じくらいの世代である。

 

西城さんについては「情熱の嵐」「激しい恋」

「薔薇の鎖」などの振り付けが好きで、

よくマネして遊んでいた。

 

「情熱の嵐」では上着を脱いで

頭の上で振り回すアクションがあったが、
あれをマネして学校の休憩時間中、
振り回していた体操着が花瓶に当たって壊れ、
先生に怒られた記憶がある。

 

ただし、それっきり。
その後、特にファンだったわけでもないし、
レコードなどもを買わず、ライブに行ったこともない。

 

★2018年5月 青山葬儀所

けれども今回発見した「July Morning」や「Epitaph」の音源が
大阪球場や後楽園球場のライブだったことを知り、
2年前の5月、

青山葬儀所での西城さんのお葬式に行ったことを思い出した。

 

これもその時まで知らなかったが、
西城さんは1974年夏、日本人としては初めて
球場でライブをやったミュージシャンだったという。
それを記念して祭壇は大阪球場を模したものだった。
そこには「一生青春」の文字も刻まれていた。

 

日本の音楽シーンが活性化した

1970代後半から80年代、90年代にかけて
球場でライブをやることは、

そのミュージシャンがビッグになった証であり、
一つのステータスでもあったが、

その流れを作ったのも西城さんだった。

 

西城さんはさらに大きなミュージシャンとして

成長しようとしていた矢先、
病に倒れ、人生の後半は病気との闘い、リハビリの日々になった。

 

そして2018年4月の終わり、運命の日は来てしまった。

自宅で倒れ、意識不明のまま、翌5月半ばに帰らぬ人となった。

 

西城さんがアイドル、スターとして活躍した時間は、
トータルで見るとけっして長くない。
けれども凡人の何倍も濃密な時間を生きたのだと思う。
まさに太く短い人生だった。

 

葬儀が行われたのは亡くたって9日後。
僕はレギュラーワークの一つとして
葬儀・供養関連の専門誌のライターをやっているので、
その現場を取材する幸運に恵まれた。

 

 

★華やかであたたかいお葬式
式場には入らなかったが、
テレビ中継のスタッフや芸能記者たちに混ざって、
青山葬儀所内の別室にあるモニター画面で
告別式の一部始終を目にし、
野口五郎さんや郷ひろみさんらの弔辞を聴いていた。

 

告別式が終わり、真っ青なベールがかけられた棺が
真っ青な空のもとに運び出される。


黒いリムジンに乗せられた後、
MCの徳光和夫さんが集まった人たちに
「ヒデキ、ありがとうと言って送ってください」と呼びかける。

 

ファンかスタッフかわからないが最初に一人の男性が声を上げた。
「ヒデキ、ありがとう」
すると堰を切ったようにみんなが「ありがとう」と
ヒデキコールを繰り返し、火葬場へ向かうリムジンを見送った。

 

テレビやネットで観た人も多かったと思うが、
あれは本当に一世を風靡したスターらしい華やかで、
そしてあたたかいお葬式だった。

 

最後を締めた徳光さんの人柄や、
野口さん・郷さんの、あの時代の叙事詩を語るかのような
弔辞も影響しているが、
何よりもファンの、ここに来なくてはいられなかったという
思いの渦みたいなものが青山葬儀所を包み込んでいた。
(確か地方から旦那さんと泊りがけで来たという人もいた)

 

いま思えば、亡くなって10日足らずで
あれだけの規模・内容の式が出来たこと自体が奇跡のようだ。

 

企画・運営した人たちにも、
大スターの最後を飾る花道を作らなくては、
という使命感にも似た思いがあったのだろう。

 

今はがたとえ有名人が亡くなっても、
まず近親者だけで密葬をし、
あとからファンなどのためにお別れ会を開く――
といったパターンが多く、

それさえもないことも珍しくなくなった。

 

西城さんのご家族も、
気を遣わないで済む密葬(家族葬)で済ませ、
後日にお別れ会――という選択肢だって当然考えただろう。

 

しかし喪主である奥さんは、彼を支え応援してくれたファンと
悲しみを分かち合うのが義務と思ったのかも知れない。

 

また、病気を負った姿しか見ていない息子さんたちに、
父がいかに偉大なスターであり、ミュージシャンであったかを
胸に焼き付けてほしいという思いもあったのかも知れない。

 

★死してなお輝き続ける
青山葬儀所から出ていく西城さんの棺をその場で見送り、
ありがとう、さようならとコールを送った1万人の人たち。
その胸にも深い満足感と、
それまでの活躍の記憶がより深く刻み込まれただろう。


やはりテレビやネットで得られる、
効率の良い「情報」だけでは補えないものが
リアルな場にはあるのだ。

 

もしかしたら、いかなる昭和のスターでも、この先、
あんな華やかで、あたたかいお葬式はできないのでは・・・
とさえ思う。

 

ロックの話とすっかり離れてしまったが、
西城秀樹の歌は素晴らしい。
「July Morning」も「Epitaph」も、

その他、いろいろなジャンルの音楽を
自分のものして歌える才能は稀有なものではないか。

 

あの時代の音楽と、
それを糧にして育った日本人を語るに欠かせない存在して、
死してなお、西城秀樹は輝き続けるのかも知れない。

 

 

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エピタフとキング・クリムゾンと西城秀樹

 

「Confusion will be my Epitaph(混乱こそわが墓碑銘)」

その昔、自分の書いた芝居に 
KingCrimson キング・クリムゾンの
「Epitaph エピタフ(墓碑銘)」の歌詞をパクって
台詞に入れたことがある。

 

予言者達の書いた壁が
ひび割れたところから崩れ落ち


殺戮の道具の上に
日の光は燦然と輝く

 

誰もが悪夢や夢想とともに
引き裂かれていく時


栄冠など何処にもない
静寂が叫び声さえ呑み尽くす

 

1969年、KingCrimsonデビューアルバム
「クリムゾン・キングの宮殿」A面3曲目。

 

半世紀以上が経った今でも、キング・クリムゾンは、
プログレッシヴロックの王として君臨する。

そして「エピタフ」はその深紅の血塗られた王の
代名詞ともいえる名曲だ。

 

作詞のピート・シンフィールドは、
英国のさまざまな文学者の影響を受けていた。
特に彼がリスペクトしていたのは、
劇作家ウィリアム・シェイクスピアだ。

 

初期の1stアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」と
2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」の楽曲の歌詞には、
シェイクスピア特有の、
ちょっと時代がかった(でも現代的な)
韻の踏み方、言葉のリズム、演劇的な匂いが感じられる。

 

「エピタフ」の歌詞も「リチャード3世」
「マクベス」「ハムレット」などの、
血と死と幻想を想起させる詩になっている。

 

ちなみにシンフィールドは作詞だけで楽器をやらないのに
正規のオリジナルメンバーだった。
このバンドの誕生時における、
一種のコンセプトメーカーだったのだと思う。

 

彼は自分が書いた詞を、少年時代、聖歌隊に属していた
グレッグ・レイク(ヴォーカル&ベース)が歌うのに
至上の喜びを感じていたという。

確かに若き日のレイクの声は、美しく神秘的だった。

 

ロックミュージックに文学・哲学・思想といった、
それまで誰も思いつかなかった知的なマテリアルを持ち込み、
見事に融合させたのはビートルズ、
とりわけジョン・レノンだが、
クリムゾンはデビューアルバムで、
ビートルズが導いた新しいロックの地平を一気に切り開いたのだ。

 

そのプログレッシブロックの代表曲が、
なぜか日本の昭和歌謡と親和性が高いのはどういうわけか?

 

ザ・ピーナッツや、

ジャニーズ事務所初期のスター・フォーリーブスが
「エピタフ」をカバーしているのにはびっくりした。

 

そしてまたもや西城秀樹だ。

 

ピート・シンフィールドが綴った原詩のまま歌っている。
確かに「エピタフ」なのだが、
ちょっと違う曲に聞こえて、すごく新鮮だ。

クリムゾンを吸収し、完全に自分の歌にしてしまっている。

どんだけすごいのか、天才だったのか、ヒデキ?

 

バックの演奏もいい。
特にベースとドラムは、そこはかとなく
クリムゾンのオリジナルメンバー、
グレッグ・レイク(ヴォーカルと共にベースも兼任)と
マイケル・ジャイルズ(ドラム)を意識していている気がする。

 

雷鳴と驟雨の音は、最初、レコーディング時の演出の
SEかと思ったが、これは野外(球場)ライブで、
この時、ほんとに嵐がきていたらしい。

 

ヒデキのキセキ。
すごすぎる。
40年もたってこんな音源に出逢えるとは、
まさしく僕の頭は「Confusion will be my Epitaph」。

 

 

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7月の朝とユーライア・ヒープと西城秀樹

 

7月になると「7月の朝」を聴く。
ユーライア・ヒープの「July Morning」は
70年代ロック不動の名曲だ。

 

中学生1年生のある時期、僕にとって
ユーライア・ヒープは世界最高のロックバンドだった。

単純に他のバンドをあまり知らなかったからだが、
「ユーライア・ヒープを聴いたら、
ビートルズなんかたかったるくて聴いてられねぇよ」
とうそぶいていた。

 

どうしてそこまでユーライア・ヒープに
肩入れしたのかと言うと、
「7月の朝」がとんでもなく好きだったからだ。

 

1971年リリース、ヒープのサードアルバムにして
ロック史に燦然と輝く名盤「対自核(Look at Yourself)」の、
アナログレコードならA面3曲目。

 

隣に住んでた2年年上の先輩がロック好きで、
それまでディープ・パープルの「ハイウェイスター」などは
聴いていた(聴かされていた)が、
ハードロックってうるせえなぁという印象だった。

 

けれども「7月の朝」は全然違っていた。
何といっても哀調を帯びたメロディが美しい。
そして、それまで聴いたことがなかったドラマチックな曲構成。

前半のバラードから後半、
ギターとオルガンがうねりまくるクライマックスに
繋がっていくのだが、
その盛り上がり方がまた美しく、すべてが完璧だった。

音楽を聴いて鳥肌が立ったのは、たぶんこの時が初めてだった。

 

ユーライア・ヒープは、
もちろんメンバーチェンジをしているものの、
今まだ活動しているようだ。
そのブランドとしての生命力には拍手を送りたいが、
やはり頂点はこのサード・アルバムで、
過去の遺産で食っている感は否めない。

 

ネットの記事によっては
「レッド・ツェッペリンやディープ・パープルと並ぶ
イギリスのハードロックバンド・・・」なんて
紹介の仕方をしているところもあるが、
正直、かなり格下だと思う。
悪いけど、ツェッペリンと並べないでほしい。

 

それでも、僕が若かりし時期、
「世界最高のロックバンド」と信じたように
当時(1970年代)のヒープの、特に日本における名声は
相当なもので、
来日公演も果たし、熱狂的なファンも大勢いた。

その音楽性が歌謡ポップスとの親和性に富んでいて、

日本の音楽関係者もかなり影響を受けたようだ。

 

そのヒープの大名曲「7月の朝 July Morning」を、
かの昭和歌謡のアイドル・西城秀樹が
カバーしていたということを、
彼の死後(2018年5月)、知った。

 

昔はアイドルが「こういう歌も歌えるんだぜ」と
カッコつけてロックを歌っていると思って、
まともに聴こうとしなかったが、
改めて聴くとその歌唱力に圧倒される。

 

デビッド・バイロン(全盛期のヒープのヴォーカリスト)に劣らぬ
詩情と感情あふれる表現力。
日本語の訳詞も良い。
完全に自分のものにしている。これはすごい。

天国の秀樹さん、ごめんなさい。

 

西城秀樹は他にも、
リズム&ブルースからプログレまで歌いこなす
素晴らしい歌唱力を持っていた。
ヒデキ、カンゲキ!

 

その西城秀樹の歌手としての凄み、カッコよさ、
そして当時の熱狂的な人気ぶりを物語る
1980年・後楽園球場での「7月の朝」。

 

 

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人形町での白昼夢

 

午後から久しぶりにリアル打ち合わせの「ダブルヘッダー」。
どちらも割と近所だったので、
人形町~京橋という、いわゆる日本橋エリアを歩く。

 

人形町駅周辺は、江戸時代、
歌舞伎小屋の中村座、市村座とともに、
薩摩浄瑠璃(薩摩座)や人形芝居(結城座)が行われていた地域。


そうした人形遣いが多く住んでいたことから、
人形町と呼ばれるようになったという。

 

日本に限らず、世界中どこでも、
生身の人間では伝えられない世界・物語を人形が担ってきた。
そういう意味では

人形遣いは魔法使いに相通じるものを持っている。


200年前、このあたりで人形遣いたちは
芝居の舞台でも日常でも、毎日、人形たちと向き合い、
語り合っていたのだろう。

 

特に夜、ろうそくの明かりのもとで向き合っていると、
人形と人形遣いとの魂が入れ替わることが、たびたび起きた。

 

人形の見る世界は、人間の見る世界と違っている。
物事の真実、本質が見えるのは、実は人形のほうかも知れない。

最近すっかりご無沙汰になっているが人形劇を見たくなった。

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神ってるナマケモノ

 

可愛いくて、楽しくて、笑える彼ら。

奇妙で、不気味で、不思議な彼女ら。
美しくて、おぞましくて、くさくて、汚くて、とてつもなく怖くて危険なやつらも。
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・おしりを拭いてもらうイヌの幸せと人面犬の増殖について
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姉ヶ崎の遠い海

 

3ヵ月ぶりのリアル取材。
「寺力本願」の取材で千葉県市原市姉崎へ。

人生未踏の地。


姉崎とは色っぽくい女と壮大な海原のイメージを抱かせる地名だ。

もろ肌脱いだ姉さんが岬の先端に立ち、
潮風に長い髪をなまびかせ、漁師の男たちに水平線を指し示す。
その指先には房総の海を行く巨大なクジラが潮を吹き・・・。

 

てな幻視を抱きつつ、内房線・姉ヶ崎の駅
(地名は姉崎だが駅名は姉ヶ崎)に降りたが、
もちろんそんなイメージを想起させる風景などカケラもない。

 

かつては確かにここには豊かな房総の海が広がっていた。
漁も盛んで、海苔の養殖、海水浴、潮干狩りなども行われていた。
時には沖合にクジラだって回遊していたかもしれない。

 

しかしその海は60年ほど前に消え去った。
高度経済成長時代の『所得倍増計画』を受けて
昭和35年度から『五井、姉崎、袖ヶ浦地区土地造成事業』が

スタート。

『京葉工業地帯造成計画』にもとづいて
石油精製・石油化学の諸企業がこの五井姉崎地区に誘致され、
姉崎の海は完全に埋め立てられた。


そして漁業に携わっていた人々の多くは漁業権を放棄した。

いまにして思えば、わずかなお金のために
かえがえのない、魂に等しいものを売り払ってしまった・・・
と言うと、感傷的に過ぎるだろうか。

 

農地・山林もそうした企業の社宅建設のため宅地や道路となり、
団地があちこちに建設されて、姉崎地区は大きく変貌。
「姉さんの岬」の伝統、暮らしは、はるかな過去のものになった。

 

 ただ、現代の僕たちからは「破壊」に見える

海の埋めたてや、山の切り崩しは、
当時の人たちにとっては新しい時代の訪れを告げる風景、
希望に胸高まる光景だったのだろう。
一概に批判はできない。

今やその工業地帯化・埋め立ての物語も過去のものとなり、
かつてここが海だったことを想像するのさえ不可能だ。

 

生活の場としての海、遊び場としての海。
これらの記憶は一部のお年寄りの記憶の中には

まだ残っているようだ。

 

今も盆踊りシーズンに歌われている

「姉﨑音頭」は昭和初期に作られたという。
その歌詞には当時の情景が描かれている。

 

「ハァ/磯の千鳥のヨ/鳴く音にあけてネヨイトネ/白帆うれしやうれしや姉ヶ崎/サァサヨイトコ姉ヶ崎」

 

遠浅の海には、米やまきを東京方面へ運ぶ

五大力船などの帆船が浮かび、
西には富士山、北には筑波山が望める

素晴らしい景色だったという。

 

バス停「別荘下」も、ここが東京からやってくるお金持ちの
別荘地でもあったことを忍ばせる。

 

「時折、船の霧笛が聞こえるんですよ」
取材先のお寺の住職はそう語った。


駅からは臨機工業地帯のコンビナートの煙突が見えた。
たしかに海は近い。
けれども僕には記憶の中にあるという
遠い遠い幻の姉崎の海のほうが心に焼き付いた。

 

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