義母とざしきわらしとちっちゃいおじさん

 

「ざしきわらしに勇気の歌を」というのは、

認知症の老人がざしきわらしに出逢うお話だ。

1年ちょっと前にひらめいて書いてみたのだが、

これが正夢になりつつある。

 

というのも最近、ときどき義母の部屋に

ざしきわらしが出没するらしいのだ

 

なんだか誰かと話してる声が聞こえて来たり、

ときどき唐突に

「あの男の子、どこに行っちゃったの?」とか

3時のおやつをあげると

「あの子と一緒に食べちゃった」などという。

 

べつに怖がったりすることもなく、

わりと楽しんでいるようなので、

「そうですか。それはよかった。

また遊びに来てくれるといいね」

などと適当に合わせている。

 

ざしきわらしは家を裕福にしてくれる

良い妖怪なので何も心配ない。

ついでに僕たちにもハッピーのおこぼれを授かりたい。

 

ただ、ざしきわらし体質になると、

いろいろ他のもついてきてしまうようだ。

 

今日は昼間、久しぶりに早く仕事を済ませて

余裕があったので、

2時間近くかけて大宮八幡宮を往復した。

するとなぜか帰り道、

「あの男の子は?」と言い出した。

 

ざしきわらしが出張してきたのかと思ったら、

川の向こう岸を歩いているおっさんを一生懸命探している。

義父(夫)の面影を追っているのか、

それとも大宮八幡で「ちっちゃいおじさん」を見てしまったのか?

 

何人ものちっちゃい子どもたちから

大宮八幡での「ちっちゃいおじさん」の目撃談を聞いた。

 

どう認識してるのかはともかく、

認知症の義母にも見えるのだ。

奇しくも七五三詣での真っ最中でもある。

ちっちゃいおじさんたちも

元気に走り回っているに違いない。

もちろん僕にはさっぱり見えないけど、

 

ちっちゃいおじさんに逢いたい人は、

ちっちゃい子供か、認知症の人を連れて行くと

何万分の1くらいのチャンスはあるかもしれない。

 

あなたも、ちっちゃいおじさん情報、

そして、ざしきわらし情報、

ありましたらお寄せください。

 

電子書籍:おとなも楽しい少年少女小説

ざしきわらしに勇気の歌を/おりべまこと

ロボット介護士に支えられて余生を送っている寅平じいさんが、ある日、林の中を散歩していると不思議な子どもに出逢う。

その子を追って木の穴に潜り込むと、奥には妖怪の国が広がっていた。

子どもの正体はざしきわらし。

ざしきわらしは最強の妖怪“むりかべ”の脅威から人間を守るために闘うので、応援してほしいと寅平に頼む。

寅平はこれぞ自分のミッションと思い、闘うざしきわらしのために勇気の出る歌を歌う。