距離のある家族のこと

 

叔父・叔母(伯父・伯母)や従妹といった

少し距離のある家族とは、

子供の頃(小学校低学年まで)は密な関係だった。

 

しかし、時代が進んで貧乏な昭和から

豊かな昭和に変わると、

みんなバラバラになってしまった。

次に会う時は葬式だったり、

最近は葬式にも呼ばれない、行かない。

そもそも葬式をしないことも珍しくなくなった。

そうした家族は確実に自分の人生の一部分を

つくっているというのに。

 

しょっちゅうではないが時々

そうした離れた家族のことを思い出すと胸が痛む。

人生破綻した人、自殺した人もいる。

子どもの頃の記憶しかないので、

あの人たちがそこまで

追い詰められなけばならなかったことが

どうしてもリアルに感じられない。

そして、もう知りようがない。

 

そんななかで賢くも度胸もないのにも関わらず、

還暦過ぎまでのほほんと生きてきた自分は

本当に運がいいのだなと思う。

 

叔父・叔母(伯父・伯母)や従妹といった家族とは、

ていねいに関係を保てば、

互いによい友人・よい人生の伴走者になれる。

僕はそれをしてこなかったが、

未だ遅くない人は修復してみるといいかもしれない。

 

新刊「叔母Q」

発売記念4日間無料キャンペーン

10月17日(火)16:59まで

叔母の温子(ながこ)はロサンゼルスの下町のアパートで孤独のうちに死んだ。

リトルトーキョーの小さな葬儀屋の一室で彼女の遺骨を受け取った甥の「わたし」は供養のために、可愛がってくれた叔母と昭和の家族についての話を葬儀屋に語る。短編。2万3千字。