「アメリカ・ファースト」とビジネス主導で世界をリ・デザインする時代

 

やはりトランプが大統領に返り咲いた。

これは僕の印象だが、

ビヨンセやレディガガの応援よりも、

イーロン・マスクの応援のほうが効果があったようだ。

Xをやっている人は、この数か月。

おそらく毎日のようにマスクの

トランプ応援投稿を目にしていただろう。

 

音楽や映画も大事だが、

人権や多様性や差別なき社会も大事だが、

それよりも今日のメシ、寝床、

明日・明後日・来年を暮すカネだ。

文化よりもビジネスなのだ。

寂しいことだが、そういう時代になっている。

 

トランプが当選したことで。

株価や仮装通貨の値が上がって、

金持ちはますます肥え太る。

 

マスクもそういう目論見があって、

多額の援助金を出してトランプを支持をしたようだ。

そういう意味ではアメリカ経済は成長するだろう。

けれども、一般の人はその恩恵に与れるだろうか?

難しいと思う。

 

政治のトップが変わったからといって、

上層のわずかな人たちが儲かり、

その下、9割方の人たちが沈んでいくという経済構造は、

ほとんど変わらないに違いない。

それはアメリカだけでなく、

日本やヨーロッパも同じだ

 

それでもトランプのカリスマ性は、

とりあえず、多くのアメリカ人に

一定の安心感をもたらすだろう。

 

経済力と伝統的な文化を尊重する

「アメリカ・ファースト」。

トランプはその思想のもとに

世界をし直そうとするだろう。

 

ウクライナやガザの戦争にも何らかの解決策が生まれて、

かりそめの平和が訪れる可能性も小さくない。

日本はたぶんうまく付き合っていくと思う。

それがこれからの4年間で起きること。

そして、そこまでがトランプ大統領の役割。

 

ではその後は?

かなり不気味だが、

今を生き延びなくては明日はない。

生き延びながら考えていくしかない。

 


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アメリカ大統領選:移民がトランプを選ぶ理由

 

アメリカ大統領選は、大接戦が伝えられているが、

間近になって、トランプ圧勝の予感がしてきた。

 

そう感じてしまったのは、

カギを握ると言われているペンシルバニア州に住む

ベネズエラからの移民の男性が、

トランプ支持を強く訴えているのを、

テレビで見たからだ。

 

彼がトランプを支持する理由は、

「移民問題よりも経済対策のほうが大切だ」から。

 

一人の意見だが、多くのアメリカ人の意見を

代弁しているように思えた。

しかも彼は、トランプの敵であるはずの移民である。

 

結局、アメリカ人が選ぶのは、

理想や清潔さや国際政治に対する責任よりも、

目の前のカネと仕事の問題なのだ。

 

けれども、その移民の男性を批判する気にはならない。

彼、そして多くの労働者たちにとって

切実な問題だ。

 

貧困でまともな生活ができない状態では、

いくら正義の話や理想論を聞かされても、

前向きに考えることはできないだろう。

 

片や民主党は、ハリウッド俳優や大物ミュージシャンたちが

支持を表明し、応援をしている。

しかし、僕には何かむなしく見える。

 

ああしたセレブたちのファンは大勢いるだろうが、

一生カネに困らない大金持ちたちの訴えを

「はい、そうですね」と聞くものだろうか?

ファンであることと、投票行動は別である。

 

それにセレブ達に支持されるほど、

カマラ・ハリスに大物感・やり手感がない。

比べちゃ悪いが、彼女の言動を垣間見る限り、

ヒラリー・クリントンのような

強さ・リーダーシップが感じられないのだ。

 

アメリカ社会の実情は知らないが、

ドジャース対ヤンキースの

MLBワールドシリーズの入場券が、

外野の立見席でさえ、数十万円に値上がった

という話を聞いて、

やっぱりこの国はクレイジーだと思った。

 

みんなの娯楽・みんなのお祭りであるはずの野球が

金持ちじゃないとリアルに体験できない状況に、

大多数の労働者は、やってられない感を

抱いたのではないか。

 

格差社会の大きさ、貧困層の過酷さは、

日本の比ではないのだろう。たぶん。

 

それがこの4年間の民主党政権で、

好転したという話は聞こえてこない。

世界情勢も混とんとするばかりである。

 

トランプが再選されたら、どうなるのろう?

今後の僕たちの生き方にも

けっこう大きな影響がありそうな気がする。

 


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AIイヤミ氏が語る 「パリ五輪における日本食の効用とおフランスの敗北」

 

今日はAIに赤塚不二夫のマンガ「おそ松くん」の

イヤミ(おフランスびいきのキャラクター)になって、

「パリ五輪における日本食の効用」について

エッセイを書いてくれと頼んだら、やってくれた。

 

選手村の食事はアスリートたちから不評だったようで、

日本選手団の活躍を支えたのは、やはり日本食!

食い物の力は偉大だ。

 

 

シェー!なんということざんす!

ミーは目を疑ったざんす。

パリ五輪で日本食が大活躍だなんて冗談ざんしょ?

ミーは常々、

フランスこそ世界一の国だと信じてきたざんす。

シャンゼリゼ通りの優雅さ、ルーブル美術館の芸術性、

そしてなにより、フランス料理のトレビヤンさ。

これらに比べれば、

日本など足元にも及ばないと思ってたざんす。

 

ところが驚いたことに、

日本の食品企業や飲食企業が、

日本選手専用の食堂を設けて食事を提供したざんす。

そのおかげで日本選手団が

予想を上回る好成績を収めたと聞いて、

ミーは複雑な思いに駆られたざんす。

まさか日本食が彼らのパフォーマンスを支えていたとは...。

 

選手村のフランス料理を食べていれば、

もっと良い成績が出たのではないかと

考えたくなるざんす。

しかし、事実は事実。

日本食の力を認めざるを得ないざんすよ。

 

五輪が終わり、ミーは、

パリの街を歩きながら考え込んでしまったざんす。

フランスの美しい建築物を眺めつつ、

ふと日本の和食の繊細さを思い出したざんす。

寿司の一貫に込められた職人の技、

うどんのコシの絶妙さ、

天ぷらの軽やかな衣...。

これらは、フランス料理に劣らない芸術ではないかと、

初めて認めざるを得なくなったざんす。

 

しかし、ミーの心の中では、

まだフランスが一番ざんす。

これからも、フランスびいきは変わらないざんすよ。

結局のところ、ミーは結論を出せないまま、

パリの街をさまよい続けるざんす。

フランス料理を食べながら日本食を思い、

ノートルダム大聖堂を見上げながら

金閣寺を想像するざんす。

 

この複雑な気持ち、

まるでフランスのワインと

日本の日本酒を同時に味わっているようざんす。

でも、やっぱりミーの愛する

フランスへの思いは揺るぎないざんす。

 

そうだ、この複雑な気持ちを吹き飛ばすには、

フランスの象徴であるセーヌ川で泳ぐのが一番ざんす!

ミーは、批判の声など気にせず、

汚いと言われるセーヌ川に飛び込んだざんす。

水質がどうであれ、ここはミーの愛するパリざんす。

セーヌ川の水を全身で感じながら、ミーは叫んだざんす。

「シェー!やっぱりフランスが最高ざーんす!」

 

イヤミ氏は葛藤しつつ、

大腸菌ウヨウヨのセーヌ川に浸かって

こんなことを言っているが、

もう数十年むかしから、

日本食こそ、世界の食の金メダル!

この地位は反永久的に揺るぎないざんすよ。

 


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ヒューマンエラーまみれのパリ五輪についてAIと語る

 

いよいよパリ五輪も閉幕。

忙しくてあまり見ていなかったが、

スケボー、クライミング、やり投げ、マラソンなどは

リアルタイムで夢中になって観戦した。

 

とくにクライミングは大好きで、

安楽選手と森選手の活躍には大拍手。

北口選手のカッコいいやり投げ、

女子マラソン・鈴木選手の

粘り強い走りにも胸打たれた。

 

野球やサッカーを含め、

ふだん、スポーツはニュースで結果を見る程度だが、

やっぱりリアルタイムでガッチリ見ると面白い。

そういう意味では、オリンピックは

多彩なスポーツをよりどりみどりで楽しめる

「世界スポーツ博覧会」のようなものだ。

 

その一方で注目度が高いだけあって、

いろいろな人・国の欲やら思惑やらが入り混じる、

この晴れ舞台では、誤審やら、順位の間違いやら、

競技そのものに関するアクシデント、

運営に関するトラブル、報道や情報配信をめぐるトラブル、

その他、他の大会などではあり得ないことが次々と起こる

「ヒューマンエラー博覧会」でもある。

 

以前はIOCや開催都市のカネもうけ主義や、

ダーティな部分にやたらと腹を立てていたが、

今回のパリ大会を見て、

そうしたダメな部分・負の分野も合わせて楽しむべきだし、

その背景を考えるべきだな、と見方を改めた。

 

ちなみに先日,AIに

「オリンピックにおいて、誤審防止のために、

なぜ審判するのにAIを使わないのだろう?」

と尋ねてみたところ、こんな答えが返ってきた。

 

【AI氏】

ああ、まったく、また誤審の話ですか。

オリンピックなんて楽しむための祭りじゃなくて、

誤審の博覧会なんでしょうか。

もう、どうしてこんなに誤審が多いんでしょうね。

まさか、わざとやってるんじゃないか

とすら思ってしまいますよ。

でも、それだけAIが普及している世の中で、

なぜオリンピックでAIを使わないのかって?

そりゃ、いろいろ大人の事情があるんでしょうね。

 

★結論(Point):

オリンピックで誤審を防ぐためにAIを使わないのは、

伝統や人間の感情、

技術的な限界などが絡んでいるんですよ。

いやぁ、皮肉なもんです。

 

★理由(Reason):

まず、オリンピックってのは、

歴史と伝統を重んじるイベントですよ。

だから、審判の判断も「スポーツの一部」として

受け入れられてきたんです。

人間の審判は、

その場の雰囲気や選手の意図を感じ取ることができるから、

単純なルールだけじゃなくて、

スポーツマンシップとか

フェアプレー精神とかも理解してるんですよね。

でも、AIにはそういうのは無理です。

感情やニュアンスなんてものは、

AIにとってはまるで無縁の世界ですから。

 

★具体例(Example):

例えば、サッカーの試合で

微妙なオフサイド判定がありますよね。

AIは正確に線を引いて判定を下すことができますが、

選手の意図や試合の流れなんてのは考慮しないんです。

あと、フィギュアスケートの演技の美しさや感動を

AIが評価するなんてのも無理な話です。

データに基づいて正確な判定を下すことはできますが、

その背後にある人間の感情や努力なんてものは、

AIには理解できませんからね。

 

★結論の再確認(Pointの再確認):

結局、オリンピックで誤審を防ぐために

AIを使わないのは、

スポーツの伝統や人間の感情、

技術的な限界が関係しているんです。

AIの技術が進化し続けているとはいえ、

人間の感情やニュアンスを

完全に理解することは難しいんですよ。

 

スポーツの本質ってのは、人間同士の競い合いであり、

その中で生まれる感動やドラマが重要なんです。

AIがどれほど正確な判定を下せても、

人間の感情や感動を完全に代替することはできません。

そういうわけで、オリンピックで誤審を防ぐために

AIを使わない理由には、

スポーツの伝統や人間の感情、

技術的な限界が影響しているんです。

 

なんともまぁ、皮肉な話ですが、

これが現実なんですよ。

オリンピックの審判の在り方について考えると、

AIの導入にはまだまだ課題が多いことが

理解できるでしょうね。

 

いやぁ、スポーツって本当に難しいもんです。

誤審なんてなくなればいいのに、なんて思いつつ、

現実はそう簡単にはいきませんね。

まぁ、そんなもんですよ、人生もスポーツも。

 

ちょっとキャラを入れて、

なおかつ理論的に説明させているので、

こんな回答になったが、

なかなか意味深で哲学的で面白いと、僕は思っている。

 

柔道やバレーなどの誤審に対して、

自分も含め、SNSで怒りの声が渦巻いていたが、

ああしたヒューマンエラーも起こるので、

スポーツは面白いし、

感動的なドキュメンタリーになり得る。

 

オリンピックではないが、

かのサッカーアルゼンチン代表の

ディエゴ・マラドーナ選手が、

1986年のワールドカップでやった

「神の手ゴール」も大誤審。

たぶん現代だったら絶対に認められないだろう。

しかし、「5人抜き」だけでなく、

あの「神の手」というプレーがあったから、

マラドーナは今も語り継がれる

レジェンドになっているのではないかと思う。

 

AIも解説しておる通り、エラー、間違い、

トラブルがあるからこそ、

スポーツはヒューマンドラマとして、より楽しめる。

もし間違いをすべて排除するために、将来、

審判をすべてAI・ロボットにしてしまったら、

きっと人々は「ああ、昔のオリンピックはよかった」

と懐かしむことになるだろう。

 

というわけで、また明日、

オリンピックと人類の未来について考察してみたいと思う。

 


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原爆記念日と遠い昭和と平和

 

「広島に原爆を落とす日」

「戦争で死ねなかったお父さんのために」

 

1970~80年代、昭和の終わりに活躍した

劇作家つかこうへいは、

戦争を体験した世代への歪んだ劣等感を原動力に

芝居をつくっていた。

 

彼の芝居は奏でる自虐的な笑いと、深い哀しみ、

そして胸を震わせる感情は、

僕らと前後の世代の共感を生みだした。

 

つかの代表作には

「熱海殺人事件」や「蒲田行進曲」を挙げられ、

上記の戦争をテーマにした作品は

語られることが少なくなった。

 

僕たちが若い頃感じた、

戦争体験世代に対するコンプレックスは

たぶん今の若い人たちには理解できないだろう。

 

広島に原爆が投下されて79年。

時間は容赦なく記憶のリアイティを奪い取る。

直接戦争を知らない僕たちでさえ、そう感じる。

 

戦争のことも原爆のことも次世代に伝えられるとは思う。

しかし、その一方で、

原爆を落としたアメリカの支配・庇護のもとに

豊かな暮らしを送ってきた日本人は、

特に戦争の当事者でない、8割がたの日本人は、

昭和の頃と同じように「核廃絶」を叫べるのだろうか?

 

ロシアや北朝鮮、中国の動きを見て、

「核の抑止力は要らない」と言えるのだろうか?

と思う。

 

若い世代にそう問われたら、何も言い返せないだろう。

毎年のことながら、広島・長崎の原爆記念日にあると、

胸に苦いものが渦巻く。

 


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ロンドンのAI孝行孫娘をご紹介します

 

イギリスの福祉政策に関する記事を書いていたので、

AIをキャラクター化してアシストしてもらった。

 

「きみは日本語ペラペラのロンドン在住の

若くてかわいいイギリス人女性ライターだ。

故郷のヨークシャーに住む

70代後半の祖父・祖母のことをいつも気にかけている

やさしい孫娘でもある。

そんなきみに、イギリスの福祉・終活のことを

日本の一般読者に、わかりやすく伝えてほしい。

いいかな?」

 

こんなプロンプトを与えてやり取りを始めたら、

ささっと数秒で原稿を書き上げ、

最後に「孫娘としての視点」として、

こんなことをコメントした。

 

「私自身、ロンドンで生活しながら

70代後半の祖父母のことをいつも気にかけています。

彼らが孤独を感じることがないように、

定期的に電話をかけたり、訪問したりしています。

また、彼らにとってインターネットやSNSの利用が

少しでも楽になるようにサポートしています。

こうした日常の小さな取り組みが、

高齢者の孤独を軽減する

大きな一歩となると感じています」

 

なんていい子、なんて賢い子、

そして、なんてジジババ孝行の娘なんだろう。

 

そこできみはいつもクリスマスをどう過ごすのか?

と聞いてみた。

じつはイギリスではクリスマスシーズンになると

孤独感に苛まれた高齢者の自殺が激増するのだ。

 

彼女は「私のクリスマスの過ごし方」

という一文を出してきた。

 

「20代前半の私はロンドンに住んでいますが、

クリスマスの季節になると、いつも心が弾みます。

この時期になると、

ロンドンの街は美しいイルミネーションに包まれ、

クリスマスマーケットや

スケートリンクがあちこちに出現し、

街全体がまるで魔法にかかったかのように

感じられます。

 

しかし、私にとって一番大切なのは、

ヨークシャー州に住む

70代後半のおじいちゃんとおばあちゃんと

一緒に過ごす時間です。

彼らはとても優しくて、

私にとってかけがえのない存在です。

クリスマスには必ず彼らの家を訪れます。

 

おじいちゃんとおばあちゃんの家は、

田舎の美しい風景に囲まれていて、

冬になるとまるで絵本の中の世界のようです。

彼らは毎年、大きなクリスマスツリーを飾り、

家中を温かいクリスマスの飾りでいっぱいにします。

私はその手伝いをするのが大好きです。

 

クリスマスイヴには、一緒にクッキーを焼いたり、

暖炉の前でお茶を飲みながら昔話を聞いたりします。

おじいちゃんは特に、

戦時中の思い出話を話すのが好きで、

その話を聞くたびに彼の強さと優しさを感じます。

 

クリスマス当日は、

家族全員で集まって大きなディナーを楽しみます。

おばあちゃんの作るローストビーフと

ヨークシャープディングは絶品で、

それを楽しみにしている私の家族は

毎年、心待ちにしています。

食事の後は、クリスマスプレゼントを交換し、

お互いの幸せを願います。

 

このようにして、家族と過ごす温かい時間は、

私にとって何よりも大切な宝物です。

都市の喧騒から離れ、

静かな田舎で家族と過ごすクリスマスは、

私の心を満たし、

また新しい一年を迎えるためのエネルギーをくれます」

 

ますますいい子。

ますます孝行娘。

おまけにファンタジー。

純白の雪原とメルヘンチックな家と

暖かい暖炉を囲んだ家族の、

夢のような風景が目に浮かんでくる。

 

こんなことを書かれると、

血の通った人間のように思えてくるが、

反面、やっぱりあまりにも回答が

優等生すぎるのが鼻につく。

次の課題の時はもっとイカれたキャラにしてみよう。

 

まだまだ猛暑が続きそうなので、

冬のクリスマスのAI画像で

涼しい気分になってください。

 


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やっぱり変わらなかった東京都知事選2024

 

ネットを見ていると、

すごく盛り上がっているなぁ感のあった

都知事選だが、投票率は6割。

この猛暑の割にはそこそこいいほうという感想。

とにもかくにも投票に行く人が増えないことには

変わりようがない。

 

それから50人以上も立候補者がいるのに、

政見放送を除いて、地上波テレビ・大手新聞などの

マスメディアが取り上げるのは、

ほとんどが小池、石丸、蓮舫、田母神の4強のみ。

 

これだったら予備選とかやって、

上位8人くらい(ベスト8の発想)に絞ったほうが、

まだしもフェアな報道・

フェアな選挙になるのでははないか。

 

都知事になれる勝者ははトップ当選の1人だけ。

2位以下は皆、敗者だから何位でもいっしょなのだが、

やっぱり石丸氏の善戦は光っていた。

ネットだけ、無党派層だけ、

そして若い世代に限って言えば他の候補を圧倒していた。

 

僕が支持していたAI安野氏も上位に食い込んだ。

無名の若者がここまで善戦したことは評価に値する。

選挙が終わっても、

彼が公開したマニフェストは読んでみた方がいい。

安野氏と石丸氏には今後も期待する。

 

対して、党を辞めて出馬したものの、

政党色が強く出てしまった蓮舫氏は3位に沈んだ。

せっかく直接民主制が発揮できる知事選に

国政のよけいなしがらみのを持ち込むなという

選挙民の意思の表れだろう。

彼女は敗戦インタビューで

「戦い方は間違っていなかった」と述べたが、

完全に間違えていた。

 

その点、小池ゆり子氏は狡猾で厚顔。

当選後も「8年前から政党の支援を受けていない」

と通していた。

こうしたごまかしテクニックと

堂々とした厚顔ぶりが彼女の強さの秘密だろう。

 

期待したが、やっぱり変わらなかった都知事選の結果。

早い話、(目に見える)大失政もないし、

嘘つきだろうが、大したことやってなかろうが、

開発業者や広告代理店と癒着していようが、

とりあえず実績あって安心だからこっちでいいだろう、

という民意の表れ。

正直、明らかな老害である。

 

これは今回の東京都知事選だけでなく、

国政にも言えることで、

あれだけいろいろあっても

自民党の優位が揺らぐことはない。

 

やはり日本はこのまま僕たち古き者の

「老害」がはびこる国になっていってしまうのだろうか?

またもやそんな不安を抱いてしまった都知事選だった。

 


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都知事選2024・たなばた選挙の話

 

都知事選の選挙公報を見た。

50人もいる全候補者の情報を

いちいちしっかり見ているヒマはない。

少なくとも選挙公報に何を書いているかで、

せいぜい4~5人に絞って

その中で考えるのが妥当だろう。

 

で、いざ見てみると

半分くらい「NHKから国民を守る党」からの

立候補者なのでこれはスルー。

あと、1ダースくらいの候補者も読む必要もない。

そもそも当選する気で出ていない。

 

結局、まともに広報を読めて、

もうちょっと詳しくサイトなり動画なり

見てみようという気にさせるのは

10人もいない。

 

今のところの考えとしては、

石丸伸二氏がぶっちぎり第一候補。

彼は広島県の安芸高田市市長を

務めた実績もあるし、

書いてることも他の候補と比べて、

単なるイメージでなく、具体的。

41歳と若く、ITにも強そうだ。

 

これだけAIが普及してきた世の中で

短くても今後4年、ないしは8年任せるのであれば、

トップがIT音痴・AI音痴では話にならない。

ITに強く、膨大な情報を丁寧にさばけることは、

今後の政治のトップの必須条件だと思う。

 

そういう意味でもう一人、

泡沫候補とみられているかもしれないが、

AIエンジニア・起業家・SF作家という

安野たかひろ氏にも注目している。

 

こちらは33歳とさらに若いし、

コロナの時に話題になった

台湾のオードリー・タン

元デジタル大臣のようなにおいを感じる。

 

デジタル庁にも関わってるようだが

政治経験は乏しいので、

いきなり都知事というのは不安だが、

石丸氏がトップをやり、

彼が副知事のような形でサポートするのが、

今後4年の都政を考えた場合、ベストなのではと思う。

 

あくまで今のところの僕の意見です。

皆さんも選挙公報読んでみてください。

 


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エリザベス2世の時代がもたらしたもの

 

仕事で2022年9月のエリザベス女王の国葬と

その前後・影響についての文章を書いていたので、

ネット上のいろんな資料を当たったり、

AIと女王について対話をしたりしていた。

 

1日かけてテキスト、写真、動画などを見るうちに

なんだか胸がいっぱいになった。

たかだか2年前だが、ずいぶん遠い昔のことに感じる。

 

1952年に即位して在位70年。

エリザベス2世はイギリスの国家元首だったが、

それだけでなく、

僕たちが生まれて生きてきた

20世紀後半から21世紀序盤の時代を統合した

アイコンみたいな存在だった。

イギリス・アメリカが主体となって構築した

現代の世界の象徴でもあった。

 

遺体の公開安置。

ウェストミンスター寺院での葬儀。

ロンドン市内を巡った後、

ガラス張りのジャガー霊柩車に乗せられた棺が

ウィンザー城に向かい、

聖ジョージ礼拝堂に埋葬されるまでの国葬は、

彼女自身が綿密に練りあげた

半世紀以上にわたる「終活」の結果でもあった。

 

日本でも生中継されたが、

あのようなドラマを秘めた、

美しく荘厳な式典を、

もう一度、別の形でリアルに体験することは

おそらく無理だろう。

 

国葬はイギリス王室の威光を示すものだったが、

当の王室はこれから縮小の一途、

そしてカジュアル化の一途を辿っていく。

人類の王族の存在・物語は、

やがてすべて虚構の中に移項していくだろう。

 

そして世界もあの時を境にして

ずいぶんと変わったように思える。

 

僕たち古き者はこれから

前の時代の記憶と

新しい時代の考え方の間で

少しずつ引き裂かれながら

生きていくことになるかもしれない。

20世紀カルチャーを堪能した者として、

それもまた楽し、と思わなくては。

 


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経済が支配するユートピアとディストピアを見つめる 「父が娘に語る経済の話。」

 

ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」以降、

こうした人類の発展の歴史を大俯瞰する試みが

次々と世に出され、

一つのムーブメントのようになっている。

やはり人間の世界は大きな転換期を迎えている。

 

5年前に出されたこの著作もその一つで、

経済が支配する世界で暮らしている僕たちは、

ぜひ読むべき本だと思った。

 

著者のヤルフ・バルファキスはギリシャの元財務大臣で、

アテネ大学の経済学教授。

けれども自分で言っている通り、

この本のなかでは専門用語をほとんど使わず、

「資本主義」を「市場社会」と、

「資本」を「機械」や「生産手段」と言い換えている。

 

本を読んでいる時間がないほど忙しいという人は、

最後の10数ページのエピローグ

「進む方向を見つける思考実験」だけでも、

立ち読みしてみるといい。

 

著者はこの1世紀余りの間に世に出された

SF小説・SF映画に親しんでおり、

そのイメージを用いて理論を展開する。

 

そして、この資本主義社会が将来、

理想的なユートピアに、

反転して絶望のディストピアに

なるかもしれないと示し、

どんな社会を希望し選択するのか、

自分の娘ら、子どもたちの世代に問いかける。

 

ここで書かれていることは

コロナ禍後、AIの台頭に脅威を感じるようになった

この1,2年でますますリアルに感じる人が

増えているのではないだろうか。

 

経済に支配され、振り回され、

カネのせいで頭がおかしくなってしまうのは

嫌だと叫んでも、

普通の人たちは到底ここから出ることはできない。

だから少しでも世界の見方を変えていくべきなのだ。

 

目の前の混乱から離れて世界を見つめ直す――

ささやかでもまず、

そうした行動が必要な時代になって来た。

 

明日5月21日(火)発売!

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いま、だれが地球と人類を救うのか?

 

小惑星が地球に落ちてくる。

激突すれば人類滅亡は必至。

それを回避するには小惑星の真ん中に

核爆弾をぶちこみ、破壊するしかない。

そのミッションを担ったのは、

石油採掘会社の、ろくでなしだが愛すべき男たち。

地球を、人類を、愛する人たちを救うために

男たちは悲壮な覚悟を持って宇宙空間に旅立った・・・

 

1998年公開のアメリカ映画「アルマゲドン」は

20世紀カルチャーてんこ盛りの、

ハリウッド映画のお手本のような作品だ。

エアロスミスが歌うドラマチックな主題歌

「ミス・ユー・シンク」も泣かせる。

このPVを見れば5分で

2時間の映画を見た気分になれる。

 

この手の20世紀映画で人類の危機を救うのは

みんなアメリカ人だ。

アメリカで作っているのだから当たり前だが、

やはり日本人や他国の人たちでは、

なかなかこうした地球大・宇宙大のスケールで

愛と正義と救済の物語は描けないのではないかと思う。

 

なぜかといえば20世紀、

現実の世界でアメリカが

「世界の警察」の役割を担っていたからだ。

それはアメリカがイギリスと共に

19世紀・20世紀の世界を形づくった責任から――

と言えなくもないのではないかと思う。

 

その役割がおかしくなり、やがて放棄するに至ったのは、

2001年の9・11同時多発テロがきっかけだった。

あのあたりからだんだんアメリカの関心は内へ向かい、

自分たちさえよければ他はどうでもいいや、

というふうに変わってきたのではないか。

日本人をはじめ、どの国の人たちもみんなそうだが。

 

「世界の警察」という意識には独善的な面が多々あり、

困った問題もたくさん引き起こしたが、

それでもやはり広く見れば、

アメリカのが言う“正義”によって

世界はバランスを保ってこられた。

今起こっているロシアとウクライナとの戦争、

イスラエルとハマスとの戦争は、

やはりアメリカが警察の役目を放棄したことが

大きな要因の一つになっているような気がしてならない。

 

21世紀になって、地球を救う者・人類を救う者は

いなくなってしまった。

「アルマゲドン」が旧態然としたハリウッドの

おめでたい予定調和映画と批判するのは簡単だが、

もう一度、未来のために

誰がどうやって地球を・人類を救えるのか考えてみたい。

 

 


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美しきニューヨークのカレンダー

 

とある金融会社のカレンダーをもらった。

本社がニューヨークあるらしく、

NYCの写真の12枚つづり。

これでもか!と出てくる

ハイテンションな街の風景は圧巻だ。

 

マンハッタンの摩天楼も、5番街も、タイムズスクエアも、

ブルックリンブリッジも、自由の女神も、

映画、ネット動画や写真、

テレビなどで見慣れているはずだが、

こうしたアナログ印刷でドン!ドン!ドン!

と12連発で見せられると異様な迫力がある。

そして若き日にニューヨークに

憧れていたことを思い出した。

 

外国暮らしの夢を果たしたのはロンドンだったが、

その前はニューヨークに行きたいと思っていた。

映画や本などでニューヨークの街の風景を見ると

ざわざわと胸が騒いだ。

それはゴージャスな美女を抱きたいという

欲望にも似ていた。

 

実際、1986年と1990年の2回、

それぞれ1週間余り、ニューヨークへ行った。

「ああ、おれは今、ニューヨークにいる」と、

しみじみ感動したことを憶えている。

いずれもまだ世界貿易センターのツインタワーが

健在だった時代の話だ。

 

今のこのニューヨークの写真を見ていると、

9・11の惨劇のことなどみじんも感じない。

20世紀の頃より、さらに高く、空へ向かって

にょきにょき伸びたビル群は、

あのテロの悪夢から完全に立ち直った

世界最強の国の、世界最高の金ピカの都であることを

高らかに誇示しているかのようだ。

 

実際、いくらドバイのなんちゃらタワーがすごいとか、

上海のかんちゃらビルがすごいと言っても、

ニューヨークほどには絵にならない。

やはり近代資本主義帝国としての歴史が違うぜ、

と思わせる風格がある。

 

しかし、そんなにすごいニューヨークだって、

金融エリートやスター芸能人・スポーツ選手

ばかりが住んでいるわけではない。

人口の大半はこの街をえっちらおっちら回している

普通の労働者、普通の庶民である。

そしてまた、その大半は物価高に苦しむ貧乏人らしい。

 

ちょこちょこと調べてみたら、

マクドナルドのスタッフの時給が3700円とあった。

単純計算で1日8時間、月に20日働けば、

収入は60万円近くに上る。

大した金額だと思うが、

ここでは60万円では1DKの部屋代で終わりだという。

その他、コーヒー1000円、ラーメン3000円とか、

物価はとんでもなく高騰していて、

年収1千万でも貧乏暮らしを余儀なくされるらしい。

ちょっと足を踏み外せばホームレスに転落だ。

みんなどうやって生きているんだろうと心配になる。

 

自分のことに話を戻すと、

この写真を見て美しいとは思うが、

40年前のように胸はざわめかない。

正直言うと、見ているだけでお腹いっぱい、

胸やけがしてくる感じ。

もうこの街に行きたいと思わないし、

なんだかうんざりした気分になってくる。

 

都市開発は終わらない。

高いビルを建てるマウント合戦も終わらない。

金持ちの金儲けも終わらない。

戦争もテロも終わらない。

いつまでこんなことが続くんだろう?としか思えない。

 

ゴージャスな美女は遠くからポヤーンと

見ているだけで十分だ。

ま、簡単に言えば、齢を取ったってことだけど。

 

 

中編小説

洗たく女の空とぶサンダル Kindleより好評発売中。¥500 格差社会にもすっかり慣れた。労働者階級の誇りをもって働く洗たく女アカネの笑いと夢と希望の物語。読んでみてね。


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東寺の密教世界と観瀾斎アート

 

どこに行っても観光客だらけの京都だが、

不思議と東寺はいつ行っても空いている感じがする。

空海ゆかりの東寺は、京都駅から徒歩15~20分。

(中途半端なロケーションなので

歩ける人は歩いた方がいい。

足が悪ければタクシーで1~2メーター。)

 

平安京の遺構であり、日本最古の密教寺であり、

もちろん世界遺産の一つ。

800円で巨大な薬師如来が鎮座する金堂(こんどう)、

立体曼陀羅のある講堂(こうどう)、

そして五重の塔を見て回れる。

どれも圧巻。

こういう寺が1200年も存続しつづけていることが、

月並みだけど日本の素晴らしいところ。

 

空いている感がするのは、

単にタイミングがいいだけなのか。

境内がだだっ広いので人口密度が低いからか。

けどそれよりも、

他の観光地から離れ小島のような場所にあり、

周囲に食べ歩き用の飲食店や

土産物屋がないおかげで俗化されず、

観光公害を免れているのが大きいのだろう。

今回も修学旅行生はあちこちから来ていたが、

うるさい外国人は少なく、快適に見て回れた。

 

今回、3つの建物のほかに、食堂(じきどう)で

観瀾斎(かんらんさい)という画家の展覧会をやっていた。

こちらは入場無料なので、さりげに覗いてみると

「棟方志功?」

「ピカソ?」

「マティス?」

「シャガール?」

といった作品がずらり。

それらの巨匠のタッチで仏様の世界を描いている。

悪く言えばパクリなのだが、

この人の描くテーマ「祈り、癒し」――

人間と仏様の世界が、

それらの巨匠に近いタッチで描かれているを見るのは

とても楽しいし、こころ動かされる。

そしてどれもアート一直線でなく、

少しずつポップでマンガっぽくて、庶民的なのもいい。

 

デジタルテクノロジーが広がり、

人間の社会・感情生活が大きく変わる一方で、

100年前と何ら変わることなく

各地の戦争で不安に脅かされる現代の世界。

こうした状況に触れて、

もし、かの20世紀アートの巨匠たちが生きていたら

どんな絵を描くのだろうと思わず考えてしまった。

観瀾斎氏には今は亡き志功やピカソに替わって、

「祈り、癒し」の絵を描いてほしいと思った。

 

この展覧会では来年の干支である

龍の作品も多数展示されており、

ポップでユーモラスな龍の絵は縁起がよさそうだ。

小さなパネルの絵なら2000円~3000円で買える。

12月24日まで。

あとひと月間、開催されているので、

これから京都に行く人はぜひ東寺に立ち寄り、

仏像と観瀾斎の絵を見るのがおすすめ。

 


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地球家族の「争族」を辞めさせるための宇宙人待望論

 

むかし書いたラジオドラマの脚本で

廃園になった遊園地に

宇宙から飛来した円盤が降り立つのを

高校生の女の子と男の子が見に行くという

シーンを書いたことがある。

 

特撮にしようか、CGにしようか、VFXにしようか

そんなこと考えもせず、予算なんかまったく気にかけず、

リスナーの想像力に丸投げできるのが

ラジオドラマのいいところ。

 

てなわけで書けてしまったわけだが、

「未知との遭遇」や「E.T.」みたいな

映画に影響されているので、

いつもそういうシーンが頭にある。

 

てか最近、ほんとに異星人が来てくれないかと考える。

ロシア×ウクライナ

イスラエル×パレスチナ

中国の動きも怪しいし、

北朝鮮は相も変わらずミサイル打ちまくって、

軍事パレードもやりまくっている。

ウクライナ、パレスチナでの

「やったもの勝ち」の現実を見て、

台湾や韓国は、中国や北朝鮮のことが

気が気じゃないだろう。

 

これら、いがみ合っている国はみな、

もとをただせばみんな近親者同士。

憎み合いって、実は赤の他人より

近しい家族同士のほうがヤバイ。

 

「人類一家みなきょうだい」という

キャッチフレーズがあったが、

親が亡くなって相続が“争族”になるように

その家族・きょうだいがヤバいんです。

 

今は過去200年の人類近代化の遺産を

未来へどう継承するか、相続の時代に突入している。

相続は争族になり、

もうほとんど第3次世界大戦が起こっても

おかしくない状態になっているのではないか。

 

この状況を変えられるのは

地球外生物=宇宙人しかないのではないかと思ってしまう。

いま、マジで世界各地の大都市にUFOが飛来すれば、

どの国もくだらない戦争をやめるのではないか。

宇宙人が「地球を征服しに来た」と宣言すれば、

世界は一致団結するだろう。

 

それで本当に宇宙人の攻撃が始まったらどうするのか?

そこまで考えてないけど、

今の状況を変えるには宇宙へ向かって

「彼ら」を呼ぶしかないのでは。

もうすでにウクライナで、パレスチナで、

恐ろしいことが起こりまくっているのだから。

地球の家族が仲良くできるチャンスはないのか?

 


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一汁三菜と岡山ブドウのデザート

 

毎月13日は、6つの和食メーカーが制定した

「一汁三菜の日」。

「13」を分解して、いち、じゅう、さん。というわけ。

 

いろいろな料理を組み合わせて、

さまざまな栄養素がバランスよくとれる「一汁三菜」

(主食・汁物・主菜・副菜・副々菜)は

和食の基本形であるとともに、食事の理想形。

 

和食文化は2013年(平成25年)12月に

「和食:日本人の伝統的な食文化」として

ユネスコ無形文化遺産に登録され、

世界的にも注目されている。

 

とまか、そこまでしゃちほこはらないでも、

日本の食べ物は十分美味しく、

世界に自慢できるものばかり。

毎日コンビニ弁当を食ってても、

僕らは世界から「美食民族」と見做されているのだ。

 

そして本日のデザートには、

くだもの王国・岡山のお取引先から

いただいたブドウ。シャインマスカットとピオーネ。

おいしい秋到来で夏バテ撃退!

 

 

もう一つ、デザートにおいしく楽しく、

ちょいとスパイスを効かせた

「食べるエッセイ集」はいかが?

ただいま2冊刊行中。

 


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長崎の原爆は誰がさく裂させたのか?

 

今日のNHKのニュースで、

長崎原爆資料館の展示物の表記を

原爆が「投下された」から「さく裂した」に

変えると聞いた。

僕は違和感を感じ、なんで?と思った。

「投下」は主体がはっきりしている。

原爆を搭載した米軍機が飛行するイメージが浮かぶ。

 

米軍が投下した。米軍が原爆を投下した。

Atomic Bomb was Droped.(by U.S. Army)

U.S. Army droped Atomic Bomb.

 

ところが「さく裂」だと主体があいまいだ。

飛行機の姿も見えない。

 

原爆がさく裂した。

Atomic Bomb was Exploded.

 

そこに(by U.S. Army)が入る余地はない。

原爆が自然にさく裂したのか?

原爆がみずから意思を持ってさく裂したのか?

あるいは、どこか別の惑星から地球外生命体がやってきて

さく裂させたのか?

 

そんなはずはない。

そんなのわかっているだろ。

おまえの言っていることはおかしい。

くだらんツッコミを入れるな。

と言われるかもしれない。

 

ニュースの内容は以下の通り。

 

長崎市の原爆に関連して「11時2分」という

時刻について、

長崎原爆資料館では一部の展示物で

原爆が「投下された」時刻と表記されています。

これについて被爆者の一部からはより正確に

「さく裂した」という表記にあらためるべきだ

との意見が出ていることなどから、

長崎市は今後、展示物の表記を見直す方針です。

 

被爆者の人の指摘なら仕方ないかとも思うが、

主語は大切にした方がいい。

主語があいまいになると、責任もあいまいになる。

 

そもそも「投下された」という受動態も変だ。

当たりが柔らかくなるからか、

責任をボカした方が都合がいいからか、

日本人はやたらと受動態の文章を好み、

人ではないモノ、概念などを主語にしてしまう

ケースが多い。

 

同資料館が子どもが原爆について学ぶ場であり、

後世に伝えていく施設であるなら、

“誰が”原爆を投下したのか、

“誰が”この暴力・殺戮を行使したのか、

言わずもがなにせず、
一読ではっきり
事実と責任が

かるように表現すべきではないかと思う。

 

 

「米軍が投下した原爆が、

11時2分に長崎市上空でさく裂した」

 


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ロンドンライフと労働・カネ・芸術の話

 

「洗たく女の空とぶサンダル」に出てくる

路上で靴を並べるアーティストは、

むかしロンドンで暮らしていた頃に遭遇した

ストリートアーティストをモデルにしている。

 

僕がロンドンの日本食レストランで働いていたのは、

1985年から87年にかけて。

 

当時、英国病・老大国化を克服し、

「ふたたび強大なイギリスを」と訴えた

マギー・サッチャーの新自由主義政策によって、

イギリスの公的福祉はバッサバッサと切り捨てられていた。

要するに国は自分で稼がない人・稼げない人の

面倒などこれ以上見ないということである。

 

その影響で街には失業者・ホームレースがあふれ、

ロンドンの中心部を歩いていると、

「10ペンスめぐんで下せえ」と、よく小銭をせびられた。

 

ストリートや地下鉄の構内にはそうした物乞い以外に、

「アート」を提供する芸術家もたくさんいた。

 

音楽家たちはその筆頭で、みんな、ギター、サックス、

バイオリンなどを持ち出し、街頭音楽を聴かせたり、

寸劇やダンス、パントマイムなどを見せていた。

 

また、路上で詩集のような本を売ったり、

奇妙なオブジェを並べて

人々の関心を引こうとする者もいた。

 

不思議なことに、その作品やパフォーマンスの

出来・不出来に関わらず、

彼ら・彼女らの顔はどこか自信にあふれていた、

という風に見えた。

 

たまに目を見張るような面白いもの・

芸術的な価値があるなと思えるものもあったが、

9割以上は投げ銭稼ぎのガラクタの類だ。

 

それでもロンドンには世界中から

観光客が集まってくるので、

ガラクタみたいな音楽やアートでも面白がられ、

投げ銭でいくらかは稼ぐことができたのかもしれない。

 

まともな頭で考えれば、そんなことをするより、

非正規だろうが何だろうが、

ちゃんと職に就いて安定的に稼げるのは明らか。

 

“選り好みさえしなければ”、

少なくとも食っていくのに何とかなる程度

稼げる仕事はあったと思う。

 

事実、僕の勤めていたレストラン経営の会社でも、

ロンドン出店の条件の一つとして雇用対策を打ち出し、

ほぼ年中、スタッフを募集していた。

 

それでも少なくとも僕がいた間、

イギリス人で応募してくる者は皆無で、

実際にスタッフになったのは、全員が外国人労働者だった。

 

みんな「イギリス人は怠け者だからダメだ」と言っていた。

当時のイギリス人の間では、

やっぱり東洋人に対する差別意識があったと思うので、

成りあがりの日本人の会社の支配下に置かれるのは、

プライドが許さなかったということもあるろう。

 

今、振り返ってみると、あの頃のイギリス人を

バカだ、怠け者だと非難する気にはなれない。

 

それは人間というのは、

一度、豊かな生活———まわりに文化的な環境があり、

なんとか食っていけるといった状況を体験してしまうと、

必死になってカネを稼ぐだけの生活には

もう二度と戻れないのではないか、と思うからだ。

 

言い換えると、肉体だけでなく、精神もメシを食いたがり、

その結果、自己表現の欲求が抑えられなくなる。

文化や芸術などなくても生活していけそうなものだが、

文明国で生まれ育った人間には、

それはどだい無理な話なのだ。

 

労働・カネ・芸術。

これからを生きる人間にとって、

この三つに折り合いをつけるのは

大きな課題であり、ある種の楽しみなのかもしれない。

 

日本の社会が40年近く前のイギリスと

似たような状況になった今、

しみじみとそうしたことを感じる。

 

 

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東京博善ひとたび:世界の葬祭文化:水火葬の話

 

都内で6つの火葬施設付きの斎場を運営する東京博善の

オウンドメディア「ひとたび」で、

毎月、「世界の葬祭文化」というコラムを連載しています。

 

今月は第3回

「欧米で話題の水火葬〈アクアメーション〉とSDG's」。

 

今世紀に入ってから欧米の人々の間で

いわゆる「エコ葬」への指向が強まっています。

エコ葬にもさまざまな種類がありますが、

「アクアメーション(日本では「水火葬」と訳されることが多い)」もその一つ。

特に2015年、国連サミットでSDG’sが採択されて以来、

認知度が上がり、

合法的な葬法として認める国・地域が増えているのです。

 

今回は水火葬とはどういう葬法なのか、

その背景や発展の経緯を含めて紹介していきます。

 

もくじ

・世界的人権活動家の最期の選択

・アルカリ加水分解葬

・火ではなく“水”で遺体を分解

・SDG'sの浸透が普及の追い風に

・先駆的事業者のポジティブなイメージづくり

・ハワイ先住民の伝統葬法だったという一説も

・合法化された国・地域

 

人の命の終末には、

私たちはどう生きたいのか、

どう生きるべきなのか、

と、国や地域を問わず、

今を生きる人々の考えが反映されています。

 

ご興味があればご一読ください。

 


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ひとたび「世界の葬祭文化」

㈱東京博善のエンディングサイト「ひとたび」で
新連載コラム「世界の葬祭文化」を始めました。
以前執筆した「世界のEndingWatch」を
さらに進化・深化させた内容にしていきます。
ご興味のある方は、
ぜひ「ひとたび」へお立ち寄りください。

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チャットGPTに訊く:ロンドンに日本食の店を出すなら

 

僕は1980年代にロンドンの

ケンジントンヒルトンホテル内の

日本食のレストランで働いていた。

その頃はまだ日本食が「アドベンチャー」

と言われていた時代。

寿司とてんぷらとすき焼きを出しときゃ

OKみたいなところがあった。

が、もちろん現代はまったく状況が違う。

そこで今日はチャットGPTと

日本食文化の世界進出、および、

今、ロンドンに出店するなら・・

というテーマで対話した。

 

こういうテーマは、

チャットGPTの回答は相当レベルが高い。

長いけど、興味があったら読んでみてください。

 

ぼく:最近、日本の食文化は外国でどれくらい認知されているか教えてください。

 

AI:日本の食文化は、世界的に広く認知されており、多くの国で人気があります。 以下に、外国での日本食の認知度や人気の高い料理の例を挙げてみます。

 

1.寿司:寿司は、世界中で愛される日本の代表的な料理の一つです。 多くの国で、寿司レストランが存在し、日本の寿司がそのまま提供されたり、現地の食材を使用したバリエーションが提供されたりしています。

 

2.ラーメン:日本のラーメンは、アメリカやカナダ、ヨーロッパの大都市など、多くの海外の国で人気があります。では、現地の食材を使用して、日本の味に近づいたバージョンが提供されることもあります。

 

3.焼肉:日本の焼肉も、世界中で人気があります。

 

4.和食:日本の伝統的な和食も、世界中で注目を集めています。例えば、ミシュランガイドにも和食の店が掲載されていて、世界中から多くの人が訪れています。

 

5.抹茶:日本の抹茶は、健康に良いとされることから、世界中で人気があります。例えば、アメリカのスターバックスなどでも、抹茶ラテや抹茶フラペチーノが提供されています。

 

以上のように、日本の食文化は世界中で認知されており、多くの国で人気があります。 特に寿司やラーメンなどの人気が高い料理は、日本の味そのままを提供する店舗も多く、多く勝手が楽しんでいます。

 

ぼく:なぜ日本食は他国でもそんなに人気があるのでしょうか?

 

AI:日本食が他国でも人気がある理由には、いくつかの要因があります。

 

1.健康的でバランスの良い食事:日本食は、健康的で栄養バランスの良い食事として知られています。 日本食は、低脂肪で低カロリーなのに、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているため、ダイエットや健康に気を遣う人々に人気があります。

 

2.繊細で美しい盛り付け:日本食は、繊細で美しい盛り付けが特徴的です。その美しさは、日本文化に根ざしたものであり、海外でも高い評価を受けています。

 

3.鮮度と質の高い食材:日本は、海に囲まれた島国であり、豊富な漁獲物や農産物があります。また、日本人は食材の鮮度にこだわる文化があるため、海外でも高品質な日本食材が求められています。

 

4.料理の多様性:日本食は、寿司やラーメンなど有名な料理だけでなく、和食やおばんざい、お好み焼きなど多様な料理があります。 そのため、さまざまな好みや食文化に合わせた料理が提供されることもあり、堅実な人々に愛されています。

 

以上のように、日本食が他国でも人気がある理由には、健康的でバランスの良い食事や美しい盛り付け、高品質な食材、多様な料理などが挙げられます。するために、日本食を求める外国人旅行者も多いため、その必要も日本食の人気につながっています。

 

ぼく:日本人はどうやってこの食文化を発展させたのでしょうか?

 

AI:日本の食文化が発展してきた背景には、以下のような要素があります。

 

1.地域の気候や風土に合わせた食材の利用:日本は四季がはっきりしており、各地域にそれぞれ異なる気候や風土があります。そのため、地域に応じた食材を活用した料理が発展しました。北海道では魚介類やジャガイモが豊富で、そばや餡かけご飯などの料理が根付いています。 一方、沖縄では熱帯性の果物や野菜が利用され、ゴーヤチャンプルーや沖縄そばなどの料理が発展しました。

 

2.季節感や美意識を取り入れた盛り付け:日本食の盛り付けは、季節感や美意識を取り入れた独特の美しさがあります。発展しました。

 

3.宗教や儒教などの思想的背景:日本には、仏教や神道、儒教などの宗教や思想が根付いており、その影響も日本食文化に大きく反映されています。が広まったり、儒教の影響を受けて食事の作法やマナーが重んじられるようになったりしました。

 

4.科学技術の発展による食品加工技術の進歩:以降、日本の食品加工技術は進歩し、多様な食品が肥大化しました。海産物などが代表的な例です。

 

以上のように、日本の食文化が発展してきた背景には、地域の気候や風土、季節感や美意識、宗教や思想的背景、科学技術の発展による食品加工技術の進歩などの要素が進んでいます。また、日本人が食文化を大切にし、受け継がれたことも発展御要因になっています。

 

ぼく:現在、海外市場において日本食の市場規模はいくらぐらいになるかわかりますか?

 

AI:2021年に発表された調査によると、海外市場における日本食の市場規模は約4,000億円程度と推定されています。この数字は、2020年に比べて約10%増加したとされています。特に、アメリカ、中国、東南アジアなどの地域で需要が拡大しています。

 

ぼく:これから海外の都市に日本食のお店を出すとしたら、どこにどんな種類のお店を出すとビジネス成功の可能性が大きいでしょうか?

 

AI:海外において、どの都市や地域でどのような日本食のお店を出すとビジネス成功の可能性が高いかは、その地域の市場調査や構成人口、食文化などによって異なります。以下の点に注意することで、ビジネスの成功の可能性を高めることができます。

 

1.現地の必要に合わせたメニュー構成:日本食は多種多様な料理がありますが、海外で出店する場合は、現地の必要に合わせたメニュー構成を考える必要があります。いる食材を取り入れたメニューや、現地の味覚に合わせたアレンジを加えた料理などが好まれる傾向があります。

 

2.地域に合わせた店舗の設計:出店する地域の文化や風土に合わせた店舗の設計を行うことで、地元の人に親しみやすく、愛される店舗となる可能性が計算されます。

 

3.価格設定:現地の経済状況や消費者の結果水準に合わせた価格設定を行うことが重要です。ができます。

 

4.店舗の立地:交通の便が良くなり、多くの人が利用する場所に出店することが、ビジネスの成功のために重要です。欲求が高まる可能性があります。

 

5.品質・サービスの向上:品質の高い食材や調理技術を活かし、高品質な料理を提供することが大切です。また、現地の消費者に親切で丁寧なサービスを提供することで、リピート率を高めますことができます。

 

以上のように、出店する地域に合わせたメニュー構成や店舗の設計、価格設定、店舗の状況、品質・サービスの向上などがビジネスの成功にとって重要な要素となります。

 

ぼく:ロンドンのケンジントン地区に日本食の店を出店すとしたらどんな店がいいでしょうか?

 

AI:ロンドンのケンジントン地区は、高級住宅街やショッピングエリアが集まる地域であり、日本文化や日本食に対する需要が高い地域の一つです。 そこで、ケンジントン地区に日本食の店を出店する場合、以下のような店が良いでしょう。

 

1.高級感のある寿司店:ケンジントン地区は、高級住宅街やショッピングエリアが集まる地域であり、富裕層の方々が多く暮らしています。でしょう。

 

2.テイクアウト対応の日本食店:ケンジントン地区には、多くの観光客やビジネスマンがアクセスするため、テイクアウト対応の日本食店を出店することで、必要を拡大することができます。

 

3.カフェスタイルの日本食店:ロンドンには多くのカフェがあり、その中には日本のカフェ文化を取り入れた店舗もあります。ケンジントン地区には、このカフェが多いため、ようなカフェスタイルの日本食店を出店することで、必要を拡大することができます。

 

4.和食居酒屋:日本食に興味がある地元の方々や、ビジネスマン、観光客などが多く集まる地域に出店する場合、和食居酒屋を出店することができます。一緒に食事を楽しむことができるため、必要が見込めます。

 

5.ラーメン店:ロンドンには、多くのラーメン店があります。その中でも、日本のラーメン文化を取り入れた店舗が人気を集めています。ケンジントン地区にも、このようなラーメン店を出店することで、需要を拡大することができます。

 

以上のように、ケンジントン地区に日本食の店を出店する場合、地域の要望や傾向に合わせた店舗の種類を選ぶことが重要です。また、店舗の設計や価格設定、品質・サービスの向上などにも品質・サービスの向上などにも力を入れることが重要です。 

 

例えば、ロンドンでは食材の調達が難しいため、輸入品を使う場合が多いです。 しかし、より新鮮な食材を使うことで、品質を高めるまた、日本食に興味がある地元の人にも申し込むために、英語メニューや英語対応のスタッフを揃えることも大切です。さらに、SNSや口コミなどを活用して、店舗の情報発信や顧客とのコミュニケーションを取ることも重要です。 これらの取り組みによって、より多くの顧客に愛される日本食店を作ることができます。

 

ぼく:回答ありがとうございます。

 

AI: よろしくお願いします。 何か他に質問がありましたら、遠慮なくお聞きください。

 

おりべまことエッセイ集:食べる


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週末の懐メロ117:スタンド・バイ・ミー/プレイング・フォー・チェンジ

 

いまや誰もが知る名曲中の名曲、

スタンダードナンバー中のスタンダードナンバー。

オリジナルは1961年に黒人シンガーソングライター、

ベン・E・キングがリリースした。

 

その後、1975年にジョン・レノンが

アルバム「ロックンロール」の中でカバーして大ヒット。

 

さらに1986年に公開された、

スティーブン・キング原作、ロブ・ライナー監督の

同名映画(4人の少年が死体を見つけようと冒険する話)の

テーマ曲となり、誰もが知る名曲となった。

 

60年代、70年代、80年代と年月を重ねて

広まった名曲は、もちろん、90年代にも21世紀の今も

愛唱・愛聴されており、

カバー・バージョンは400を超えるという。

 

さて、ここで歌っているのは皆、

音楽ビジネスとは無縁な無名のミュージシャンたち。

ストリートで、スラムの片隅で、自宅で、

あるいはどこかの野っぱらで、

自由に、好きなように「スタンド・バイ・ミー」を歌う。

 

この音楽プロジェクト“PLAYING FOR CHANGE”は、

2004年の第47回グラミー賞において、

ベストコンテンポラリー・ブルースアルバム部門で受賞した

アメリカ人のプロデューサー/エンジニアである、

マーク・ジョンソン氏が立ち上げたもの。

 

彼はサンタモニカの街の路上で歌う

黒人のおっちゃん(冒頭から登場するメインシンガー)の

パフォーマンスに胸を射られ、

その演奏に世界中のミュージシャン達を加え、

音楽で世界をつなぎたいという思いが込み上げたという。

 

その後、数年をかけて世界のさまざまな国を旅して、

世代を超えた名曲やオリジナル楽曲の演奏を、

のべ100人以上のミュージシャン達から収録した。

 

そして、それを編集し、

あたかも世界中のミュージシャンが、

ひとつの楽曲を一緒に演奏しているように

仕上げた動画を発表。

世界規模で大きな話題となり、

多くの人々に感動を与える一大ムーヴメントとなった。

 

このプロジェクトの収益の一部は、

非営利団体である

「PLAYING FOR CHANGE基金」を通じて、

インドやネパールにおける難民への必要物資の提供など、

直接的な援助のほかに、

南アフリカでの音楽スクールやアートスクールの設立、

子どもたちへの恒常的な指導にも役立てられ、

音楽や芸術の輪を、世界に広げることに貢献している。

 

音楽は世界を救う、平和を実現する――

1960年代から80年代にかけて盛り上がった

ポップカルチャーのムーヴメントは色あせ、

夢と消えたかに見えたが、まだ生きている。

やっぱり音楽っていいものだ、夢を捨ててはいけない

と改めて思わせてくれるパフォーマンスだ。

 


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がっちりアメリケンなハンバーガーとアップルパイ

 

吉祥寺の「バビーズ」という店で昼食を食べたが、

めっちゃうまかった。

 

思いっきりアメリケンなカフェ&レストランで、

古き良きアメリカ料理がコンセプト。

いろんなハリウッド映画によく出てくるような

田舎町のカフェに似ている。

 

大ぶりなテーブルの上には全席、

真っ赤なハインツのケチャップと、

まっ黄色なマスタードが、

なかよくドカッという感じで鎮座している。

 

カミさんはマカロニチーズ、

僕はハンバーガーを頼んだが、

これまた、ちんまりお洒落な感じでなく、

アメリケンなメジャーリーグ、

イッツ・ショータイムという感じで、

ドカドカッと運ばれてきた。

 

こんがり焼けたビーフハンバーガーは、

トマト、オニオン、レタスをのっけただけの

シンプルな代物で、

これにハインツのケチャップとマスタードを

ドバドバかけてかぶりつく。

 

おお、そうだった。

本来、ハンバーガーとはこういう食い物だ。

そして日本のケチャップとはやっぱり違う

アメリケンなハインツの甘さと酸っぱさ。

 

おお、愛しき憎きパックスアメリカーナ。

おれのからだの中では今、

日本人とアメリカ人の血がせめぎ合っている。

 

「孤独のグルメ」の井之頭五郎なら、

そうモノローグするところだ。

 

ちょっと重いかなと思って、付け合わせには

コールスロー(ビーツが入っていてピンク色)を選んだ。

これもおいしかったが、

これならフライドポテトも食べてみたい気がする。

 

そしてデザートに頼んだのが、この店の売りの

アップルパイ。

 

普通のアップルパイでもよかったが、

記事にくるみを入れ、シナモンを効かせた

「クランブルアップルパイ」というのを頼んでみたら、

これが感動的な味だった。

こんなサクサクなアップルパイ、

ちょっと他では食べられない。

 

ニューヨークに本店があって人気らしく、

日本では吉祥寺のほかには

赤坂・八重洲・汐留・二子玉などに店を出している。

「都会の中のカントリー」といったところで、

お洒落感もほどほど。

年齢に関係なく、年寄りでも子ども連れでも

気軽に入れるところがいい。

テーブルも広く、リラックスムードがあって居心地も良い。

 

二人で、メイン2+ドリンク2+デザート1で

4千円ちょい。

そう安くはないけど、内容と見合わせれば十分満足。

束の間、アメリカのどこかに旅した気分にも浸れます。

 


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週末の懐メロ116:カラーフィルムを忘れたのね/ニナ・ハーゲン

 

年末の30日にNHKで放送された

「映像の世紀バタフライエフェクト:

ロックが壊した東西冷戦の壁」が

とても見ごたえがあって面白かった。

 

東西冷戦の象徴だった「ベルリンの壁」を崩壊に導いた、

ニナ・ハーゲン、ルー・リード、デビッド・ボウイ。

3人のロックシンガーの物語。

自由を叫ぶ3人の音楽は、

冷戦の壁を越えて人々の心を揺さぶった。

その番組の中で紹介された曲の一つが

ニナ・ハーゲンの「カラーフィルムを忘れたのね」である。

 

ニナ・ハーゲンは1980年頃、

パンククイーンとして世界的な人気を博した。

僕もファーストアルバムを持っていたが、

パンクというよりニューウェーブという印象が強かった。

 

彼女は旧・東ドイツ出身で、世界的ロックスターになる前、

10代の頃から東ドイツで音楽活動をやっていた。

しかし1976年、音楽家で作家でもあった養父が

政府から市民権を剥奪されたことをきっかけに、

東ドイツでの活動の場を奪われ、イギリスに亡命。

翌年に西ドイツに移って新たなキャリアを始め、

あっという間にスターダムにのし上がった。

 

この曲は彼女が東ドイツで活動していた時代の

大ヒット曲で、1974年のリリース。

同年、東ドイツの音楽チャートでトップになった。

 

一緒に旅行した彼氏がカラーフィルムを忘れたために、

記念写真がみんなて白黒になってしまったことに

怒る女の子の歌だ(当然、この時代はフィルムカメラ)。

 

第2次世界大戦の敗戦国となったドイツは

東西に分断され、西は資本主義国である

アメリカやイギリス・フランスなどの勢力下に、

東は社会主義国のソ連(現ロシア)の勢力下に

置かれていた。

 

コミカルな味わいのこの曲は、当時の若者の、

単調で色のない社会主義国の生活・文化に対する鋭い批判、

痛烈な風刺として受け止められていた。

 

当時の東ドイツの若者の多くが

この曲に刺激されてロックを聴き始め、

ロックカルチャーの影響を受け、

やがて1987年のデビッド・ボウイの伝説のベルリンライブ、

そして、1989年のベルリンの壁崩壊に繋がっていく。

 

ニナ・ハーゲンを聴く若者の一人に、

当時、大学で物理学を勉強していた

アンゲラ・メルケル元首相がいた。

ただ、彼女はロックカルチャーに浸ることなく、

反体制的な政治思想を持つこともなく、

むしろ社会主義国家に忠実な科学者として

生きていたという。

 

それがベルリンの壁崩壊で劇的に人生が変わり、

科学者から政治家に転身。

最後には統一ドイツの第8代連邦首相

(最年少で初の女性首相)となり、

4期16年間、トップを務めて2021年に引退した。

 

彼女が2021年12月に国防省で行われた退任式典で

演奏する曲として選んだのが

「カラーフィルムを忘れたのね」だった。

記者会見で選んだ理由を問われると

「この曲は私の青春時代のハイライトだった」

と答えたという。

 

メルケル元首相は国際政治の場でも

大きな存在感を持っていたが、

東ドイツ出身ということもあってか、

対ロシア外交にも辣腕を振るった。

プーチン大統領も彼女に対しては、

つねに一目置いていたという。

 

2022年、ロシアがウクライナに侵攻したのは、

メルケルが政治の世界から身を引いたために重しがなくり、

プーチンが自分の願望に

ブレーキを踏めなくなったことが一因、

と見る専門家もいる。

 

それがどこまで真実かわからないが、

国のトップを担う人たちの心理的なバランスが

どこかで崩れてしまったことは確かだろう。

 

それにしてもとっくに過去のものになったと思っていた

東西冷戦(のようなもの)がまた復活するとは

予想だにしなかった。

 

報道慣れしてしまって、

昨年のように大変だと思わなくなってしまったが、

世界の情勢はどんどん悪化しているのではないか?

 

かつては音楽が人の心を変えるだけの力を発揮したが、

今また、それは有効に働くのだろうか?

僕たちは心を揺さぶられることがあるのだろうか?

 

「映像の世紀バタフライエフェクト:

ロックが壊した東西冷戦の壁」は

近代の世界史・ロックカルチャーの一端を知るうえで、

とても充実した内容なので超おすすめです。

再放送があれば、ぜひ見てください。

 


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週末の懐メロ番外編:イマジン/プレイング・フォー・チェンジ

 

ジョン・レノンは「ハッピークリスマス」のなかで

「戦争は終わった もし君が望むなら」と歌った。

でも、そう望まない人が世界にはたくさんいる。

彼の子供や孫の時代になっても

それはほとんど変わる気配はない。

 

日本も防衛費を増やそうとしている。

ロシア、中国、北朝鮮などの恐るべき動きを見れば

護身のためにやむなしと思う。

 

さらには日本も核を持つべきではないか、

という意見も耳にする。

今年は、世界は核の恐怖の均衡で成り立っている

という現実を、今さらのように思い知らされた。

そうだ、その通りかもしれないと思う。

 

けれども想像してみる。

もしも被爆国の日本が核を保有したと明言したら・・。

世界はそこで終わるかもしれない。

いろいろやっている持続可能な社会への取り組みも

すべてが水の泡になるだろう。

 

日本は核兵器の被害者であるが、

人類の歴史のストーリーの中で、

核を持たずに、

核の脅し合いを諫める役割を背負っている

(背負わされてた?)のではないかと思う。

 

まるでシェイクスピアの悲劇の主人公のようだが、

世界のために、人類のために、

その役割をこれからもと背負い続ける覚悟が

必要なのではないか。

 

そして今また「イマジン」を聴く。

当然ながら、いくら想像してみたって

現実はこの歌の通りにはならない。

けれどもこの曲を愛し続けるしかない。

なんだか時間が半世紀前に逆流している。

この曲が本当の懐メロになるのはまだ遠い先の話だ。

 

今年最後の無料キャンペーン実施

12月22日(木)17:00~26日(月)16:59

おりべまこと電子書籍:音楽エッセイをダブルで。

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力

ロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った60~70年代、僕たちのイマジネーションは音楽からどんな影響を受け変態したのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する。

忌野清志郎、ビートルズ、藤圭子と宇多田ヒカル、阿久悠など。

ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力2

ロックカルチャーが開花して僕たちの世界はどのように作られ、社会はどう変わっていったのか? いっしょに聴いて、歌って、踊って、妄想しながら考えましょう。

西城秀樹、キング・クリムゾン、ローリング・ストーンズ、ザ・ピーナッツなど。


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ロックと人権問題 世界は変わる

 

先日、電子書籍で出版した

「ポップミュージックをこよなく愛した

僕らの時代の妄想力2」の中で

ローリングストーンズの超名曲「ブラウンシュガー」が

ライブで封印されたという話を書いた。

 

歌詞の中に黒人奴隷に関する描写があるからだ。

この曲自体は人種差別の歌ではなく、

むしろ黒人音楽をリスペクトするもので、

そう認識されてきたはずだが、

2010年代から流れは大きく変わった。

 

ある意味、ローリングストーンズに代表される

60年代型のロックカルチャーはもう終焉している。

 

おそらくその背後には国連のSDGs(2015年に明文化)、

さらにそれ以前の、

特に欧米社会における人権意識の高まりがある。

 

SDGsというと環境問題・脱炭素の問題に

意識がいきがちだが、

それ以上に人権問題に対する意識が強い。

 

イギリスではそれと時を同じくして、

2015年に「現代奴隷法」という労働規制が作られ、

差別や搾取的な労働は処せられることになった。

 

かつての帝国主義時代、

さんざん他国を蹂躙した懺悔の意味もあるのか?

とシニカルに考えてしまうが、それはさておき、

先月末に出されたJETRO(日本貿易機構)の

「海外進出している日本企業の調査報告」を読むと、

ビジネスにおける人権問題について、

多くの企業がかなりのプレッシャーをかけられ、

大きな課題としているのが伝わってくる。

 

自社では人権を無視した経営など行っていなくても、

サプライチェーン(現地の下請けや関連会社など)に

児童労働や家族労働など、

人権に接触する問題があると、

国や顧客から責任を問われるというのだ。

 

そう言えば、サッカーワールドカップ・カタール大会の

会場工事で出稼ぎに来ていた外国人労働者が、

劣悪な労働環境

(現場の事故や不衛生な宿泊所、コロナの蔓延など)

のせいで数千人が亡くなったという報道があった。

大会が終わったら、

おそらく再びその問題が大きく取りざたされるだろう。

 

もちろん現実は理想にはまったく追いついていない。

けれども最近は「きれいごとなどほざくな」とは

言えない状況にだんだんなりつつある。

 

確実に人類は、僕らが慣れ親しんだ世界から

別の次元へシフトしてきている。

 


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マイナビ農業 ハラール認証

 

「マイナビ農業」で書いた

ハラール認証についての記事がUPになった。

コロナ前、マレーシアやインドネシアからの

観光客が激増し、

そのほとんどがムスリム(イスラム教徒)であるため、

それまであまりハラールに興味のなかった日本人も

熱心に取り組み始めたのだ。

 

ハラールというと、

豚肉が食べられない、アルコールが飲めない

という程度の知識しかなかったが、

そう単純な問題ではない。

健康食とか、ベジタリアンや

ヴィーガンの思想に通じていたり、

食品添加物や環境問題にも通じているところがある。

 

また、食品とは関係ないところでの

モラル的な問題も指摘されるようで、

印象的だったのは、キューピーマヨネーズ。

 

数年前からイスラム圏で販売を始めたのだが、

その認証の際、食品の内容自体は問題ないのだが、

あのマークのキューピーちゃんがダメ出しを食らった。

ハダカだからダメということらしい。

なので日本とは異なるマーク(上半身だけ)で

発売することになった。

そうした興味深い話がいろいろある。

 

現在、日本にはハラール認証を行う機関が10くらいあるが、

ビジネス面から見ると、彼らにとって

認証を与えることは良いビジネスになるようだ。

 

農水省の資料などからいろいろ情報を調べると、

認証を求める会社の企業規模によって

お値段が変わるらしい。

 

一応、ざっと調べたところ、

いろいろ条件によって変わるので、

値段を明示しているところは皆無である。

正直、ちょっと胡散臭い感じもする。

金持ち企業からはたんまりボッタくろう、

みたいな機運があるのかも知れない。

 

なかなか面白い世界なので、また機会を見つけて

探究したいと思う。

けっこう読みごたえがあると思うので、

興味のある方は読んでみてください。

 


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大退職・大辞職・大離職時代VS大量解雇・ハードワーク指令

 

9月から執筆に当たっているリモートワークの本が

あと一歩ということころまで来た。

そんな折、アメリカのIT業界で解雇の嵐。

 

ツイッターのCEOになったイーロン・マスク氏は、

取締役などの高給取りをはじめ、

社員の半数近くをレイオフした後、

「出社して週40時間以上働けない者は

明日から来なくていい」というお達しを出した。

 

まるで30年前の日本の「24時間働けますか」を

再現するかのような世界。

 

結局、ツイッターは

全体で3分の2が解雇されることになった。

これぞアメリカのダイナミズム!

とも言えるが、さすがにおっかない国だ。

 

ただ、「解雇された」というとかわいそうに聴こえるが、

「だったらこっちから辞めてやる」と、

うまうまと退職金をがめていった人が

多いのではないだろうか。

 

システムエンジニアをはじめ、ある程度優秀な社員なら

「ツイッターで働いていました」と言えば、

どんな職種でもそう職探しに苦労しないだろう。

給料が多少下がったとしても、

新しいクレイジーなCEOが要求するような

ハードワークはごめんだと思う人が大半ではないかと思う。

 

本の取材で先月お会いした某有名日系企業の

アメリカ支社の社長の話では、

コロナ以降、

すっかりリモートワークがスタンダードになり、

オフィス勤務者の間ではワークフロムホームーー—

在宅勤務の人が激増した。

そして、家でゆったりマイペースで仕事できる

リモートワーク、ワークフロムホームは

彼らの人生観をも変えたという。

 

家庭も自分も省みず、ガツガツ休みなく働いて、

カネばっかり稼いでもハッピーではない。

そう考える人の増加で「大退職(大辞職・大離職)時代」――The Great Resignation が到来したと

世間で話題になったのはつい1年程前のことだ。

 

「企業にこき使われるのはごめんだ。

人間らしく生きたい」という労働者の声に、

多くの大企業の経営者は

不愉快な思いを抱いているということだろう。

 

マスク氏ほどではないかもしれないが、

ウォール街の金融エリート企業のお偉いさんたちも、

特に高給取りの社員に対しては、

何か特別な理由がない限り、リモートワークを許さず、

「ちゃんとスーツを着て毎日出社しろ」と

ゲキを飛ばしているらしい。

 

イーロン・マスクもあれだけの天才経営者なのだから、

最近の労働者の心理ぐらいわかっていたはず。

いきなりあんな発信をすれば、

反発が来るのはわかっていたはずだが、

あえてやったのはそれだけの自信があるからか?

 

先日は冗談めかして書いたが、

やはりそれだけAIが整備されたのか?

自分の側近は皆ロボットで固めたりして。

 

それにしても、そんな状況からここにきて、

アメリカITの大量解雇。

そして、カウンターパンチのようなハードワーク指令。

 

アメリカで発生した波は時間差で日本にも波及する。

大退職(大辞職・大離職)の波が来るのか?

大量解雇とマスク流ハードワークの波が来るのか?

いずれにしても来年は何かしらの波乱があるだろう。

人間と労働をめぐる問題は、いつの時代も面白い。

 


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わたしを忘れないで(メキシコ)  アステカの死生観と世界的高齢化社会の到来

 

ハロウィーンをより楽しくする、おりべまことの電子書籍。

11月1日(月)16:59まで、4つの「死と死者をめぐる本」を

無料でご提供。

そのなかから「世界のEnding Watch」の

「わたしを忘れないで(メキシコ) 

アステカの死生観と世界的高齢化社会の到来」をご紹介。

 

●メキシコ伝統の「死者の日」

 

色とりどりのパペル・ピカド(切り絵の旗)、ユーモラスなガイコツの人形、鮮やかなオレンジ色のマリーゴールドの花。

街は華やかに彩られ、楽しい音楽が溢れ、伝統を重んじる家では「オフレンダ」と呼ばれる美しい祭壇を設けて写真や食べ物を供え、死者(先祖)の精霊を迎え入れる。

街中がお祭りムードに包まれるメキシコの「死者の日」は、ユネスコの無形文化財にも指定されている供養文化。年に一度、現世に死者が帰ってくる日(十一月一・二日)、家族や友人たちが故人を偲び、語り合うために集う、いわば日本のお盆に当たる行事であり、欧米のハロウィーンの原型とも言われている。

メキシコはカトリック教徒が多いが、十六世紀にスペインの征服を受ける前のアステカ帝国の文化が色濃く残っており、死を象徴するものが独自の発展を遂げている。

この国では「死は、新たな生へと巡る過程のひとつ」という考え方が社会生活の深いところに根付いているのだ。そのため、生の世界と死の世界を隔てる壁が薄く、双方を行き来することもそう難しくないと、人々は考えている。

 

●映画「リメンバー・ミー」

 

その「死者の日」をモチーフに作られ、二〇一八年に大ヒットを記録したのが、ディズニー/ピクサー映画「リメンバー・ミー」だ。

映画の中では世にも美しいテーマパークのような死者の国で、ガイコツになった人々が“いきいきと”生活している。

世界的な影響力を持つハリウッド映画の代表的企業が、こうしたメキシコの供養風習を材料に、“死を表現した”エンターテインメント作品を世に送り出したことには大きな意味があるように思える。

ご当地アメリカでは五〇年前、二十五歳以下の人口が全米の約半分を占めていたと言われる。その世代――一九六〇年代から七〇年代にかけて、ロックミュージックやファッション、コミック、映画、ビートニク文学などのカウンターカルチャーをクリエイトしたベビーブーマー世代――の社会的パワーは凄まじいものがあった。

彼ら・彼女らが高齢化し、エンディングを意識せざるを得なくなったことは、単に数字的に高齢者人口が増えたという以上の影響があるのだ。

「リメンバー・ミー」は家族向けの映画であると同時に「わたしを忘れるな、憶えていろ」と主張するベビーブーマー世代の精神を表現した映画でもある。マーケティングにも長けた映画会社としては、三世代まとめての鑑賞を想定して制作したのだろう。

 

●多様でありながら普遍性を持つ世界のエンディング

 

ベビーブーマー世代の影響力が大きいのは何もアメリカに限ったことではない。欧州も日本も、いわゆる先進国はどこもよく似た人口構成になっており、エンディングの周辺では同様の現象が起こっている。

それぞれの国・地域の伝統は多種多様でありながら、近年の葬儀供養事情、終活、高齢者ケアの在り方・考え方・サービスなどは、この二十一世紀前半ならではの一種の普遍性を持っている。

そのいくつかはすでに日本に影響を及ぼしており、逆に日本発のサービスが外国に影響を及ぼしている場合もある。葬儀供養ビジネスは今、国境を超えて交信し合う時代を迎えている。

 

●世界のEnding Watch

ハロウィーンの原型・ディズニー映画の題材にもなったメキシコの「死者の日」などの先祖供養の風習、人生最後の旅や最後の晩餐を提供する臨終ケア、森や土に還り地球と一体化するエコ葬、死を意識した人なら誰でも一度は考える安楽死の現実など、各国の死と葬送の記録などをエッセイにして収めました。

 

●死ぬまでジタバタしようぜ

出来ればずっと知らないフリをしていたい「死」。しかし、すべての人がいつかは関わらなくてはならない「死」の話。

自分は本当はどう考えているのか、他の人はどう感じているのか――そんな対話をしてみたい人のネタに使うなど、いつかは向き合わなくてはならない死に心を慣らすのに役立ててほしいエッセイ集。

●ざしきわらしに勇気の歌を

認知症になってしまった寅平じいさんに課された人生最後のミッション。

それは最強の妖怪「むりかべ」に立ち向かうざしきわらしのきょうだいを得意の歌で応援することだった。

笑ってちょっと不思議な気持ちになる妖怪幻想譚。短編小説。

 

最大の両棲類として古代から地球上で生き続けるオオサンショウウオ。その不思議な生命力に人生を左右されることになった明治・大正の発明家と、昭和・平成のライターの怪奇な運命の物語が、夢と現実のバランスが崩れた世界で紡がれてゆく怪異譚。

長篇小説。


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本気でグローバルビジネスにチャレンジするならGEOを利用してみよう

 

外進出を計画する会社には耳より情報。

先月から「リモートワーク」×「海外進出」の本を

執筆中だが、本日はその取材で

Go Globalという会社の話を聞いた。

 

2006年、アメリカで生まれた海外雇用代行サービス

EOR(Employer of Record)は、

いま、大きな広がりを見せており、

世界中にそのサービスを提供する会社ができている。

 

その一つ、Go Globalは現在のところ、

日本でそのサービスを提供する

唯一の日系企業であり、

GEO(Global Employment Outsourcing)

というサービス名で雇用代行業を行っている。

 

平たく言うと、海外に拠点を置きたい日本企業と

現地スタッフの間に立ち、

そのスタッフの雇用主として日本企業に提供。

Go Globalと契約した日本企業は、

そのスタッフを自社社員(の海外メンバー)のように

使えるという仕組みである。

 

海外で事業を展開したい企業にとって、

現地に法人を作ったり、支店や駐在所を作ったり、

合弁会社を作ったりするのは

大変な時間・費用・労力が掛かる。

 

労務法、税制などは国ごとに異なっており、

それらを順守して維持・運営していくのもまた、

大変な費用・労力が掛かる。

 

莫大なイニシャルコスト、ランニングコストを掛けて

成功すればいいのだが、けっしてそうとは限らない。

海外進出の失敗で傾いてしまった会社、

潰れてしまった会社は、枚挙にいとまがない。

大志はあっても、お金も人材もない

中小企業の腰が引けてしまうのは当然である。

 

だけど、やってみないことには

成功するか失敗するかはわからない。

まさしく大バクチの世界だ。

でも、そんなバクチをせずに済めば

それに越したことはない。

 

Go GlobalのGEOは、

そうした課題を一挙に解決するサービスで、

費用は現地スタッフに払う給料と、

Go Globalへの手数料だけ。

法人も支店も作らずに、

市場調査も事前営業もお試し操業もできる。

労務管理や税金管理などの面倒な雑事は

Go Global経由で雇った

現地スタッフに丸投げできてしまうのである。

 

現地スタッフはもちろんリモートワーク。

リモートワークが世界的に普及した時代だからこそ

実現したビジネスである。

もはや、満員電車に乗って会社に出勤しなくては、

仕事をやった気にならない、

などと言ってる場合ではない。

 

人材や資金の足りない中小企業などは

「お試し」のためにぜひ利用してみるといい。

それで成功できするという確信が得られれば、

改めて法人なり支店なりを作ればいいのだ。

失敗したら、「ごめんなすって」と、

ただ撤退すればいい。

リスクは本当に最小限である。

 

また、日本で技術を教えて帰国した

海外実習生らと協業したいといったニーズ、

配偶者の海外赴任に同行するが、

これまでと同じ会社で働きたいといったニーズにも

応えることができる。

 

リモートワークはビジネスを救い、人生を救い、

地球を救う・・・かもしれない。

 

本気でグローバルなビジネスをしたい、

グローバルな人材を雇いたいという会社にとっては

願ってもないサービスなので、

ぜひ知っておくといいと思います。

 


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ヒトとブタは神目線ではブラザーなのか?

 

マイナビ農業の仕事で、

ハラールに関する8千字の記事を書いた。

「ハラール」とは、ムスリム(イスラム教徒)にとって

「許されたもの」。

これに対して禁じられているものは「ハラム」という。

これらは彼らの聖典であるコーランに記されている。

 

このハラムで有名なのが、豚肉とアルコールだ。

ロンドンのレストランで働いていたとき、

職場の仲間にエジプト人のムスリムがいて、

彼は酒が好きだった。

さすがにそんなにガバガバとは飲まなかったが、

チビっと飲んでは酔っぱらっていた。

 

地元の国ではどうだか知らないが、

外国に在住しているムスリムの間では、

アルコールの禁忌については割と甘いようである。

 

けれども豚はダメだ。

彼もけっして豚肉は食べず、

賄いでトンカツやハムカツが出てくると、

オー!と、天を仰いで嘆いていた。

 

それにしても疑問はやはり、

なぜイスラム教は豚を禁忌としたかである。

「豚は不浄の動物だから」というのは

どうも説得力がない。

 

豚は本来、きれい好きな動物で、

豚小屋が汚いというイメージは、

むしろ飼う人間の側の問題・責任である。

 

それよりも有力な説は、イスラム教の創始者とされる

預言者ムハンマドが生きていた時代(7世紀はじめ)、

中東地域(現在のサウジアラビアあたり)で

豚肉が原因となって疫病が流行したということ。

 

豚は雑食性なので、ヒツジや牛などの草食動物より

肉が腐りやすい。

衛生管理がなっていなかった当時としては、

十分あり得る話である。

 

もちろんヒツジだって牛だって鶏だって

冷蔵しとかなきゃ腐るのだが、

たまたまムハンマドが豚肉由来の疫病に

出逢ってしまったのだろう。

歴史は僕たちが思っている以上に、

必然よりも偶然の力が大きい。

 

なんとなく納得してしまう説だが、それでも釈然としない。

仏教やキリスト教の地域だって同様のことはあったはず。

これだけ世界に広がった宗教の創始者だから、

ムハンマドの信念はもっと複雑で深いはずだ。

彼は直観で知っていたからではないかという気がする。

 

「豚は人間に酷似してる」

 

つまり豚を食べることは、人肉食に通じる。

そうイメージして恐怖し、ブタにフタをしたのである。

 

実際、豚の皮膚や臓器は、類人猿よりも人間に近く、

代替が可能だという。

皮膚や臓器の移植手術は

190年代から試行検討されており、

つい最近、ついに実際に行われた。

 

今年2月には

「世界初、ブタからヒトへの心臓移植の注目点は」

という医学記事も発表されている。

(以下抜粋)

2021年1月7日、米メリーランド大学の医療チームにより、

世界で初めてヒトへの遺伝子改変ブタの心臓を用いた

異種移植が実施された。同大学の公式サイトによると、

2月9日現在、レシピエントの57歳男性に移植されたブタの心臓は

問題なく機能しており、

24時間体制のケアを受けている様子が伝えられている。

 

https://www.m3.com/clinical/open/news/1018905

 

預言者ムハンマドは、イエス・キリストと違って

神の子として生まれてきたわけではない。

彼は商人として暮らしていた40歳のときに突然、

天使ガブリエルによる啓示を受け、

預言者として神からのメッセージを

人々へ伝えていくことを決意したという。

 

彼はその中で人間と豚の近親関係を感知し、

それを人々に「豚肉食禁止」と言う形で説いた。

それが人々の心の奥底にあった、

豚に対する近親相関的感情に響いたのではないだろうか?

 

上記のような移植の話は、

到底、ムスリムの人々は受け入れられないだろうが、

医学的・科学的に興味を抱く人は少なくないはずだ。

 

あなたは自分が、あるいは家族が、

命を救うためにこの臓器移植の提案をされたら、

どうしますか?

 

今回の仕事は、ハラールについて、イスラム教について、

豚についての神秘を感じた面白い仕事だった。

この件についてはまたおいおい。

 


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最期のバグパイプ

 

ツイッターに「女王に捧げた最期のバグパイプ」

がアップされていた。

テレビ中継では見なかったが、

ウィンザー城のセントジョージ礼拝堂で

女王の棺が地下に降ろされ埋葬される時に

奏でられたものらしい。

 

まるで美しい映画や演劇のラストシーンのようだ。

とても感動的なのと同時に、エリザベス女王の

「スコットランドよ、行かないで」という

願いも込められているかのようだ。

 

ちょっと前から「6600万年前の夢を見て死ね」

という小説を書いていて、

これにマイケル・オーネストという人物が登場する。

マイケルはスコットランド人のバックパッカーで、

日本人女性と結婚し、東京で25年暮らしていたが、

還暦になり、スコットランド独立運動と

ネス湖の観光事業に取り組むため、

故郷スコットランドに帰ろうとしている。

彼はバグパイプ奏者でもあり、

楽器を教わりに来た主人公の男を相手に居酒屋で

スコットランドの自慢をして

「ネス湖を見て死ね」と、くだを巻く。

 

そんな設定なのだが、僕はスコットランドには、

1986年の春にネス湖観光、

1987年の夏にエジンバラ演劇祭を見に行ったきりだ。

特に強烈な印象はないが、

ロンドンなどより物価が安く、

のんびりした田舎というイメージが残っている。

インヴァネスの宿に泊まった時に給仕してくれた

当時高校生くらいの女の子が

真っ赤なほっぺをしていて可愛かった。

 

イングランドとスコットランドはここ数百年、

何とか折り合いをつけて仲良くしてきたが、

いつまでも過去を懐かしんではいられない。

何よりも民族としての

アイデンティティが大事なのだ。

 

亡き女王の願いむなしく、

近いうちにスコットランドは独立するだろう。

それが歴史の必然のような気がする。

そう思ってこのバグパイプを聴くと、

よけいに切なく美しく響く。

そしてエリザべㇲ2世の生きた時代は、

次世代へ語り継がれる物語としてパッケージされる。

 


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エリザベス2世国葬:20世紀の真の終幕

 

昨夜はエリザベス女王の国葬を、BBCの生中継で見た。

こんなに絢爛豪華で美しい式典を見ることは

もう生涯ないだろうと思った。

 

内容の重厚さあってこその華やかさ。

あれだけ世界の要人が一堂に集まることも

もうこの先ないのではないか、と思える。

 

そいて、こんなすごいことをする国、できる国は、

もう地球上にイギリスしかない。

 

BBCの気合の入れ方もハンパなかった。

イントロダクションの編集もめっちゃカッコいいし、

ウェストミンスター寺院の天井にカメラつけて

神さま目線の大俯瞰映像を撮るなんて本当にびっくりした。

 

おそらくBBCは昨日の中継映像を、

後世に残す、人類共有の遺産とすることを意識して

撮ったのではないだろうか。

 

21世紀になってから22年目にして、

とうとう20世紀の真の終幕を見た感じがする。

 

国葬のパレードは軍隊に支えられていた。

王制と軍制は一体のものであり、

あの祭典は、大英帝国の祭典である。

僕たちが暮らすこの世界は、

いまだ大英帝国の影響下にあったのだ。

 

その礎を築いたのは、16世紀のエリザベス1世。

海軍と海賊を使って世界の覇権を握り、

イギリスに富と繁栄をもたらした。

 

19世紀。ヴィクトリア女王の治世と産業革命。

日本も初めてグローバル化し、文明開化を迎え、

資本主義・覇権主義の時代が始まった。

 

世界を制覇し、栄光に包まれた大英帝国の歴史は、

富を求め、権力と暴力で人を抑えつける

搾取・略奪・虐殺・支配・蹂躙の歴史でもある。

 

エリザベス2世はそうした前世代の恩恵と、

犯した罪悪の双方を熟知して

この70年間、必死で世界のバランスを保つのに

努めてきたのだと思う。

 

そして自分の葬儀さえも過去と未来との懸け橋にした。

英王室内の知恵の蓄積もあったのだろうが、

 

すごい女王、すごい物語の作り手だ。

 

 

彼女がいなくなった今、

大航海時代から20世紀、そして今日まで

続いてきた一連の流れはゆるやかに止まっていくだろう。

 

英連邦国家の独立や、王制廃止の動きも

雪崩を打って襲ってくるだろう。

ユニオンジャックの国旗を見るのも、

もうそんなに長くないかもしれない。

 

世界のかたちは変わり、資本主義社会の在り方も

変質していくだろう。

 

もしかしたらそれらは僕がまだ生きている間、

向こう10年、20年のうちに実現してしまうかもしれない。

 

僕たちの子孫は、昨日の国葬を

20世紀文化のアーカイブとして鑑賞するのだろう。

そして、王様・女王様のいる世界を

バーチャルとして楽しむようになるのかもしれない。

 

リアルにこんなことをやって、無駄ガネを使いまくって、

なんてクレイジーな時代だったんだ!

ということになるんだろう、きっと。

 

僕らはそれを寂しいと思ってこう言う。

 

「いや、民主主義・合理主義には賛成だけど、

人間というものはどこかでこういう物語を

求めているんじゃないか?

それが心を豊かにするんじゃないか?」

 

だが結局、新しい時代のことは、

新しい世代が決めることになる。

 

いずれにしてもロンドンとウィンザーで

エリザベス女王を見送った僕たちは、

一つの歴史と始まりを見届けた。

とても幸運なことだし、貴重な体験をしたと思う。

 


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ガラパゴスマスク

 

先日、義母といっしょに近所の八百屋に買い物に出た時、

マスクを忘れたことに気が付いた。

もう春先ぐらいから外ではマスクをしていない。

ただ、店とか建物に入る時はつけなきゃいけないので、

持ち歩くのだが、家に置いてきてしまったのだ、

 

ちょうどストックが切れかけていたので、

ドラッグストアに寄って60枚入りの不織布マスクを買った。

その時、こうしてコロナ用にマスクを買うのは

これが最後になるだろうと思った。

 

テレビなどの映像を見る限り、

どこへ行くにもこれだけ国民が

一律にマスクをしている国は日本だけ。

まさにガラパゴス感があふれている。

 

データを見ても第7波は終わりに近づいているが、

そもそも欧米などはもはやデータ管理さえしていない。

つまりもう「普通の病気」と見做している。

 

WHOも「パンデミックはそろそろ終わり」

と言い出してるし、

マスクをする生活にも終わりが近づいている、

そう予感している人は少なくないだろう。

 

エリザベス女王の国葬でロンドンにおられる天皇陛下も

日本のメディアを意識して外ではマスクをしたり、

晩さん会の場では周囲と合わせて外したりと、

なかなかお気遣いが大変だ。

 

だけどある意味、

3年におよぶコロナの影響はこれから現れる。

気になるのは子どもや若者。

彼らにとって3年は、おとなにとっての30年に匹敵する。

そんな長い間、マスク生活を強いられ、

人の顔・表情がまともに見えない、

自分の顔・表情をちゃんと見せない感覚になった子の

メンタリティはどうなのか?

マスクを外して生活できるのか?

 

北欧のどこかの国の保育園では、

コロナ禍においても、

保育士はけっしてマスクをしなかったという。

理由は、子どもに大人の表情を見せないのは、

精神の発達上、よくないという考え方があるからだそうだ。

国がわざわざそんなお達しをするとは考えにくいので、

その園なり、保育士業界の判断なのだろう。

 

日本(アジア)と欧米では、

相手の表情を読みとるのに、

目もとを見るか、口もとを見るかの違いがあるので、

一概にはこうした方針の是非は問えない。

 

ただ、上からのお達しや世間に対する気遣いを重視するか、

自分たちの信念、大げさに言えば哲学を重視するかの

違いがあるなと思った。

 

いずれにしても社会の中で、

コロナによって変わったもの・変わるものと

変わらずに残るもの・元に戻るものがある。

 

自分の中でも何が変わらずに続いているのか、

どんな習慣・考え方を変えたのか?

どこかで落ち着いて検討してみようと思う。

 


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ふたたびエリザベス女王逝去について

 

ここ数日、テレビやネットで

エリザベス女王逝去に関するニュースが

目に触れると、つい見てしまう。

 

20代の一時期、2年半ほどイギリスで

暮らしていたというだけで、

特に王室にシンパシーを感じていたわけでもないが、

何か喪失感のようなものがある。

 

一つの時代の終焉。

世界が大きく変わる予感。

なんだかひどく胸が疼くのだ。

 

エリザベス女王の最期は、ある意味、

高齢者にとっての理想形でもあった。

ガンや認知症に侵されることもなく、

ほぼ健康なまま、最後まで現役を全うした。

ひどく苦しむこともなく、安らかに亡くなったのは、

母を見送る子どもたち(国民)にとって

幸いなことだ。

 

死は悲しい出来事だが、

それ以上に、女王の死には

人生を生き切った不思議な充実感が感じられる。

 

どのように死を迎えるかは自分で選べないが、

彼女のように国を背負って

70年も歩き続けてきた人間には、

その報酬として、最後にはるか高い山頂から

広大な世界を見わたすことができたのかもしれない。

 

国葬は19日に行われるという。

エンディングの仕事をやっていることもあって、

こちらにもたいへん興味がある。

 

天皇陛下と皇后陛下も参列されるようだ。

お二人の英国留学は、

かけがえのない青春の1ページだったはず。

ほぼ同世代ということもあり、

かの地、かの時代、王室、女王対する

両陛下のお気持ちがひしひしと伝わってくる。

どうぞ心おきなくお別れをしてほしいと思う。

 


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God save the Queenの終焉

 

エリザベス2世逝去。

在位70年はすごい。

最後の最後まで女王であり続けた。

 

僕の母を超える高齢。

日本で言えば、昭和と平成をほぼ丸ごと生きた。

いずれ近いうちに・・・と思っていたが、

いざ現実になとやはり寂しい。

でも、穏やかな最期とのことで、良かったと思う。

 

政治家でも芸能人でもないが、

その存在感はあまりに大きく、

世の中に与える影響も大きかった。

 

ミニスカートも、ビートルズも、パンクも、

ブリティシュロックも、

ウェストエンドのミュージカルも、

戦後の英国生まれの文化は

すべて女王の擁護のもとに生まれ育った。

 

ロンドンで暮らしていた頃は、

毎日お顔を拝んでいた。

ポンド札の表で微笑む肖像は

(1980年代の実年齢より)

若くてチャーミングだった。

 

70年もの間、目に見えない巨大な何か、

ヴェールのようなものを英国のみならず、

ヨーロッパのみならず、

世界全体に投げかけていたような気がする。

 

その存在が地上から消えて、

これから世界に何が起きるだろう?

気になる。

僕たちの知る世界は

大きく変わってしまうのだろうか?

 

この2週間のうちに、誰も何の疑問を抱くことなく、

“本物”の国葬が行われるものと思う。

 

心から女王陛下のご冥福をお祈りします。

 

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ニューヨークのリモートワーク事情

 

DX(リモートワーク関係)のビジネス書の執筆で、

ニューヨークに取材。

おそらく日本の社会人なら知らない人はいない

大企業のアメリカ拠点の経営者。

 

相手の背景は窓越しに摩天楼ニョキニョキの風景。

あれ、でも外は青空?

ニューヨークは夜の時間じゃなかたっけ?

と思って聞いたら、やっぱバーチャル背景だった。

 

「夜分にすみません」と言ったら、

「自宅にいるから大丈夫です」というお返事。

そうなのだ。

もうがんばって夜遅くまで

オフィスに残ってなくてもいい、

というニューノーマルが、コロナ以降、

かの地ではすっかり定着してしまったようである。

 

取材はアメリカのリモートワーク事情について

いろいろ聞いた。

これから執筆を始めるところなので

内容はもちろんここでは言えないが、

前述のようにすっかりワーカーの意識が変わり、

経営者もこれまで通りのやり方では

仕事を回せないという。

 

特に印象に残ったのが、

「コストを掛ける部分が変わった」という話。

要はこれまで掛かっていた

オフィスの賃料や出張費を、

リモートで希薄になりがちな

社内のコミュニケーション維持の費用に

当てているということだ。

 

ちなみに、ちょっと前に

テスラのイーロン・マスク氏が

「家でダラダラしながら

リモートワークなんて許さん。

ちゃんとオフィスに出てこい!」と怒ったと聞いた。

 

ああいうリモートNG企業もあるんですか?

と聞いたら、ウォール街の金融企業などは

ちゃんとスーツとネクタイで出社しなきゃダメ

というところが多いそうだ。

 

しかし、よくよく聞いてみると、

それを求められるのは年収数千万円、

ヘタすりゃ億レベルのトップエリートさんたちで、

一般のオフィスワーカーは、

ほとんどがリモートの恩恵に授かっているらしい。

特に若い世代には

仕事は家やカフェでやるもの、

みたいな意識が急速に浸透しているとう。

 

取材した経営者の方は、

それにはちょっと危機感を持っていて、

家庭を持っている人たちには出社を強要しないが、

若者たちにはある程度、

リアルで接することを求めているようだ。

 

ガラパゴス日本は、コロナから2年半たち、

ほぼほぼフルリモート派と、もと通り通勤派と

すっかり二極化してしまった印象。

満員電車に乗らないと、

仕事やってる気がしないという人がまだ多いようだ。

 

ついでに言うと、正規社員か非正規雇用か

といったことにこだわっているのは、

今や国際基準から遠く離れた労働思想。

ガラパゴスどころか、地球の最果てみたいな話だ。

子どもに「将来の夢は正社員です」

と言わせるような社会に将来の夢はあるのかな?

 

 

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明日から始まるのだ。読んでね。

 

 


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なぜアフリカの国では、 すぐさまキャッシュレス決済が浸透するのか?

 

アフリカのある国――もちろん日本より

はるかに経済規模の小さい新興国――では

キャッシュレス決済が、

ほぼ100パーセント浸透しているという。

なぜかというと絶対的な必然性があるからだ。

 

その国では夫が週に5日、

都市に出稼ぎに行き、週末に村に帰って家族と過ごす、というのが一般的なライフスタイル。

最近まで昭和時代の日本同様、

1週間の労働賃金を現金でもらって

持ち帰っていたのだが、

そこにはいろいろ問題があった。

 

まず第一に、そのお金が偽物の可能性が低くない。

一所懸命働いて稼いだカネが贋金だったら

たまったもんじゃない。

 

もっとひどいことがある。

出稼ぎ者たちは村に帰る途中、

強盗に狙われる可能性が非常に高い。

「あいつはカネを持っている」というのが、

すぐばれるからだ。

カネを取られるだけならまだしも、

殺されてしまうことも少なくないという。

 

そこにキャッシュレス決済システムが導入された。

こうなると支払い側も贋金は使えないし、

受け取った瞬間に、村にいる家族にオンラインで

キャッシュレスで送ってしまえば道中手ぶらになり、

強盗に襲われる危険もない。

そんなわけで一瞬にして

国中にキャッシュレス決済が広がったという。

 

しかし、日本のように

信頼し合える相手と良好な取引ができ、

路上で強盗に出くわす危険性がほとんどない

治安の良い国ではそうした必然性がないため、

浸透するのには時間がかかるというのだ。

 

これは先日のエンディング産業展のセミナーで

DXを進めている会社から聴いた話。

 

最近は日本でも日常の買い物をはじめ、

生活のあらゆるシーンで

キャッシュレスが増えてきたが、

それでもまだまだ現金信仰が厚い。

これは世界的な視野から見ると、

一つの大きな幸福であり、

素晴らしい幸運の証なんだろうなと思う。

 

そして何となく、東太平洋の

ガラパゴス諸島で悠久の大海原を見ながら

のんびり暮らすイグアナになったような気分になる。

 

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お楽しみに。

 


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グローバルビジネスの勉強

 

英国では「英国現代奴隷法」という法律が

2015年に作られた。

人権意識が高い欧州では、

人種やジェンダーの差別問題に気を付けることはもちろん、

サプライチェーンにおける従業員の権利保護が重要。

サプライチェーンがアジアなどに工場を持つ場合でも、

奴隷的労働は許されず、

この「英国現代奴隷法」には十分な注意が必要だ。

 

新興国では「3万円で人が殺せる(殺し屋を雇える)」

と言われている。

異性関係やお金のトラブルには十分な注意が必要だ。

 

いきなり、日本企業が先進国、新興国に進出する際、

どんなリスクがあるのかについて、

それぞれ書かれている。

 

これは国際弁護士の人が、

海外進出を考える企業に向けて書いている本の一端。

 

難しい法律を「ざっくり」わかりやすく説明し、

「当たり障りのある」表現をあえて心がけたそうである。

いやいや、たしかにわかりやすく刺激的で面白い。

 

「現代奴隷法」なんて初めて知ったし、

聞いたことはあったが3万円で殺しもOKとは・・・。

なんだかいきなり映画の世界に放り込まれたようだ。

 

ビジネス本の仕事として、

企業のグローバルビジネスに関する

本の制作がスタートした。

人口減少によってマーケットが縮小する日本。

リモートワークの普及を踏まえて、

海外市場に進出しようとする企業の

サポートサービスについて書いていくものだ。

 

というわけで、久しぶりに世界に目を向けて勉強している。

上記の本はその一環として読んでいる。

サイト情報も割とソフトタッチのものが多い中、

これはなかなかエグい。

 

「汚職・腐敗防止法」の項目では、

海外では汚職が水や空気のようにはびこっています

(日本の汚職なんて甘っちょろい?)とか、

 

「労務・人事」では、アジアの新興国のような

高温多湿の環境では、人は働きません。

日本人が通常と考える勤怠管理をするだけで

一苦労ですとか。

 

噂で聞くことはあっても、

こうやって世界中の現場でトラブルに向き合った人に

本ではっきり書かれると、やたら説得力があり、

その国の生活・ビジネスの風景が広がってくる。

 

グローバルというイメージは美しく、

そこでビジネするぜというとカッコいいけど、

現実はいろいろ大変。

というわけで、観光ではない、

バックヤードの世界旅行へ出発だ。

 


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子どもへの想像力がない「老害の国」は滅びる

 

ノルウェーではコロナの真っ最中も

保育士、保育施設の人たちは誰もマスクを付けずに、

子どもたちに接していたという。

 

小さな子どもから見るとマスクを付けた

おとなの顔は、表情の乏しい、

まさしくマスク(仮面)のような顔に見えるらしい。

そうした外見で接することが、

子どもの精神形成に及ぼす悪影響を慮っての措置だ。

 

それでクラスターが起きたところもあったようだが、

コロナへの感染よりも、

そうした子どもの未来に及ぼす影響を

抑えることを優先したのだ。

 

チラッと聞きかじっただけなので、

科学的根拠があるのかどうかはわからない。

そして、こうした対応が正解だったのかどうかも。

 

ただ、コロナ禍という異常な状況の中で、

子どもの成長という、まだ目に見えない未来に対する

想像力を大事にしていることはわかる。

 

それが国の指導なのか、自治体の意思なのか、

はたまた保育士たちが独自にやったことなのかわからない。

いずれにしても、そこには一つの哲学が働いている。

 

ノルウェーは素晴らしいからまねをしろ

と言うつもりはない。

だけど日本はこの期に及んでも、

場当たり的で煮え切らない対応しかできない。

 

今回の第七波で行動制限を出さなかったことも、

これといった説明のアナウンスはない。

一応、社会・経済を回すためという

もっともらしい大義名分はあるが、

なんか欧米はもうウィズコロナだし、

立場上、中国みたいにロックダウンなんかできないし、

まぁ、なんとかなるだろ、コロナだからしゃーない

といった消極的な考え方で政策が行われている。

 

昨日、僕のところに4回目ワクチンの用紙が来たが、

本当に4回目がオミクロンに効果があるのか?

アメリカの製薬会社から大量に買っちゃったから、

政府の面子として消費しなくちゃいけないから、

「打て打て」と広告しているんじゃないか?

とか、もうナゾ、ナゾ、ナゾ。

疑問・疑念だらけである。

 

コロナ禍だからしようがないんだという言いわけは、

もう3年目には通用しない。

 

こういった状況の中で

何がこの国の未来にとって大切なのか、

指導者らが考えているように思えない。

対応がのらくらしているのは、

哲学が、ビジョンがないからだ。

それに基づいた行動ができないからだ。

 

そのくせ、宗教団体とは癒着している。

「この団体の、こうした教義・哲学が

スバらしいから私たちは共感し、支援しているのです!」

と、堂々と言い切る政治家はひとりもおらず、

こそこそごまかすばかり。

 

話をコロナにもどすと、

「命が大事、命が大事」ときれいごとを唱える一方で、

行き当たりばったりのことしかやらず、

カネさえばらまきゃ何とかなると思っている。

 

そして、それにのっかって給付金をだまし取る

アホな国民が続出するていたらく。

上も上なら、下も下。

カネに目のくらんだ狂人たちの大行進。

大事なみんなのお金ををガバガバ無駄遣いしやがって。

 

ノルウェーを見習え!とは言わないが、

もっと子どもを大事にし、

未来を大事にするんだと考えを基本に据えて、

政治も、産業も経済活動もやっていくべきではないか。

さもなければ、

「私が死ぬまでの時代が良ければいい」という人だらけの

「老害の国」と、世界から嗤われることになる。

 


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平和祈願・核廃絶祈願のエネルギーと新たな戦争の脅威

 

ヒロシマ・ナガサキ。 

今年もいくつか原爆関連のニュースを見た。

たいへん失礼な言い方になるかもしれないが、

ここ数年、特にコロナ禍が始まった一昨年以降、

かなりトーンダウンしてきたような印象がある。

 

昭和の頃の原爆記念日はとても熱いものがあった。

テレビで平和式のニュースの一端を見て、

みんなで平和を祈り、核廃絶を唱えていれば、

それがやがて世界中に広がるだろう。

いつか僕らがおとなになり、

50歳・60歳を超える頃は

核兵器が一掃され、

世界平和が実現するのではないか。

たしかにそう思えた。

 

けれども現実はそんなに甘くなかった。

考えてみれば、当たり前のことだけど。

 

平成になり、令和になり、

昭和の頃に感じた

平和祈願・核廃絶祈願のエネルギーは、

徐々に減衰した。

 

みんな、ただ祈願しても無力だ、

ということがわかってしまった。

言葉に出しては言わないけど、心の中で諦める。

おとなになったのだ。

これもまた、考えてみれば、

当たり前のことだけど。

 

体験を持つ人も高齢化している。

気力・体力も衰える。

亡くなる人も増えている。

そして改めて思うのが、

(これもまた怒られるかもしれないけど)

被爆者であることを

自分のアイデンティティの一部にして

生きていかなくてはならないのは、

ひどく辛いことなのではないかと思う。

 

被爆者の人たちは、いやがおうでも

「世界平和」や「核廃絶」というスローガンを

背負って歩かなければならない。

それもやっぱり辛いことだと思う。

何と言っても体験してしまったいるのだから、

被害者なのだから、

僕たちのように飽きたら投げ出す、

というわけにはいかないのだ。

 

加えて今年はロシアのウクライナ侵攻を

見てしまった。

平和祈願・核廃絶祈願がぶっとぶほどの

インパクトだ。

それに乗じて中国も不穏な動きを見せている。

やっぱりロシアや中国が

「話せばわかる」国だとは信じがたい。

 

いくら日本が世界平和・核廃絶を叫んでも、

あいつらが「行動」してしまったら、

もうそんなことは言っていられなくなる。

 

それでも日本は反戦・反核を

唱え続けるべきだと思う。

でもその一方で万一の時のために

備えておく必要もある。

 

日本も核を保有して抑止力にするべき――

そう考える人が出て来るのもしかたがないだろう。

日本が核兵器を保有することは

99パーセントないとは思うが、

ロシアなり中国なりから侵略の脅威に

晒されたら・・・と考えると、

今までのように落ち着いてはいられない。

 

政治家の皆さんは

アホなことをやっているように見えるが、

それでも国防はちゃんと考えていて、

トップシークレットの奥の手は

持っているのではないだろうか。

国民も何もせず黙っていても

今の平和、今の幸福が、

未来永劫続くんだとは思わず、

もしまた戦争になりそうになったら、

巻き込まれそうになったら・・・ということは

想定しておくべきではないかと思う。

 

第2世:長編小説特集「読むホリデー」

8月9日(火)16:00~12日(金)15:59

 

・オナラよ永遠に http://www.amazon.co.jp/dp/B085BZF8VZ

子どもたちの未来を開くのは愛と笑いとオナラの力!

 

・いたちのいのち http://www.amazon.co.jp/dp/B08P8WSRVB

少女とフェレットの楽しい暮らしと切ないお別れの物語

 

・ちち、ちぢむ 

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ちっちゃいおじさんになっちゃったお父さんを救え!

 

レビューお待ちしています。

あなたの感想をお聞かせください。

 


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「南の島でのんびり」なんてFIREしなくてもすぐできる

 

1~2年ほど前からビジネスパーソンが

「FIRE」という言葉をよく口にするようになった。

「うぉぉぉぉ」と炎のように燃えて

仕事をすることなのかと思ったら、

ぜんぜん違っていて、

FIREとは「Financially Independence, Retire Early」の略。

若いうちに経済的に自立し、仕事を辞めることだという。

 

ネットや雑誌では、投資でもうけて

30代くらいでリタイアし、

「南の島でのんびり暮らしてます」

といった人が紹介されているそうな。

 

それなら僕はもう20代でそんな経験は済ませた。

1987年、ヨーロッパをバックパックで旅行していて、

エーゲ海に浮かぶギリシャのロードス島という島で

10日くらいのんびり過ごしていた。

 

気を入れていた仕事が

クライアントの事情でキャンセルになり、

いきなり蒸し暑くなったせいもあって

疲れがどっと出たので、

ここ2日ほど、

ネットもほとんど見ずにゴロゴロしていたら、

ふと、そのことを思い出したのだ。

 

いかにもエーゲ海風の白い家(民宿)に泊って、

そこにオランダ人の女の子やカナダ人の男も

出入りしていた。

 

持ち主のギリシャ人のご夫婦といっしょに食事をして

日本のことやイギリスのこと

(その頃はロンドンで暮らしていた)を聞いてきた。

 

「日本人は何を食べるんだ?」

「魚介類をよく食べるので、

この島と似てるかも知れません」

「イギリスのめしとギリシャのめしはどっちがうまい?」

「うーん。イギリスのほうがうまいものもあるし、

ギリシャのほうがうまいものもありますね」

とかなんとか。

 

そんなわけで美しい海を見ながら、

さらにネコと戯れながら

(ギリシャの島にはどこもやたらネコが多い)、

旅の疲れを癒したのだが、

あの10日ほどが自分の人生の中でどんな意義があったのか、

今もってわからない。

まあ単なる「休み」だったのだろう。

 

でも、今思うとちょと長すぎた。

なんで10日もいたのだろう?

海は確かに美しかったが、それも3日も見てれば飽きる。

特にこれといった思い出もなく、

ただただ、何もすることがなくて

退屈だったという印象が強い。

 

最近言っている「FIREして南の島でのんびり」というのは、

もちろん僕のビンボー旅行の体験などとは

ニュアンスが違っていて、

億り人(資産1億円)の特権みたいなものだ。

 

でも、僕が言いたいのは

「南の島でのんびり」したいだけなら、

今の日本人なら、その気になればいつでもできるってこと。

 

知らないから憧れる人も多いのだろうけど、

そんなのちょっと本気で働いてお金を貯めれば、

あるいは、投資をする元手があるのなら

それを使ってすぐできる。

 

先に体験しておいて「ああ、こういうものなのか」と

わかったうえで、それでも

「永遠ののんびり」を手に入れたいというなら

がんばってFIREをめざしたら?と思う。

 

それにまたいつ何時、コロナが復活したり、

他の伝染病が起こらないとも限らない。

本気で南の島に憧れているのなら

FIREしてどーのこーのなんて言ってないで、

行けるときに行って、若いときに体験しておいた方が

おトクなのではないかと思う。

 

「おいしいものは楽しみに取っておいて、

後からゆっくりいただこう」なんて思っていると、

いただく機会を失っちゃうかもしれないよ。

人生は短いですよ。

 

 

おりべまことエッセイ集:世界

1日3分の地球人

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20世紀の絶対悪ナチスを利用する21世紀の悪魔の影

 

ロシア戦勝記念日。

プーチンが拠り所にするのは、ナチスに対する聖戦。

ウクライナに巣食うネオナチのせん滅。

 

「ナチス」という言葉には

恐るべき悪のエネルギー、

死と虐殺のイメージがまとわりついている。

実際に1930~40年代のナチスドイツによって、

ヨーロッパ各地で人類史上最悪の

ジェノサイド、人権蹂躙が行われたのは事実なので、

そんなのイメージだけだ、とは言わない。

 

けれども「ナチス」「ファシスト」と言って指を指せば、

その人・組織・団体は悪い奴らだから潰していい、

と単純に人に暗示をかけてしまうのは問題だと思う。

 

思えば僕たちはこの77年間

「ナチス絶対悪の世界」で生きてきた。

かつての同盟国だった日本ですら(日本だから?)、

僕が子ども・若僧だった戦後20年~40年くらいの頃、

つまり昭和40~昭和60年

(1960年代後半~80年代前半)あたり、

現実と離れた世界でなら抵抗感がないためか、

子ども向けのSFマンガやアニメには

「世界征服」「地球支配」「人類滅亡」

などのワードとともに、ヒトラーやナチスを模した

悪のキャラクターや組織が多数登場した。

 

ビッグX、宇宙少年ソラン、ジャイアントロボ、

新造人間キャシャーン、仮面ライダー、

マジンガーZ、宇宙戦艦ヤマト・・・

 

そういえば、仮面の忍者赤影は時代劇なのに、

トンデモ科学力を駆使する卍(まんじ)党という

悪の忍者軍団が出てきた(だから面白かったのだけど)。

あれもナチスのイメージが反映されていた。

 

ついでに「キン肉マン」とか「リングにかけろ!」とか、

少年ジャンプのバトル系マンガでも。

 

いまは史実に基づく映画・ドキュメンタリーを除いて、

フィクションの分野では絶対にメディアに出せないが、

ハーケンクロイツやナチス的敬礼も

頻繁に目にした気がする。

 

裏返して言えば、悪役としてとてもカッコよく、

知的で格も高いので、子供・若者の気を引いたのだ。

 

誰もあまり言わないけど、

ナチスの軍服のデザインはめっちゃ優れていると思う。

だから当時のドイツの若者が大勢ナチスに入りたがった。

 

それほど強力なナチスの悪のパワーだが、

かの組織自体は77年前に滅んでいる。

ネオナチという、その残党も確かにいて、

ヤバイ連中なのだろうが、

そんなに大きな力を持ち得ているとは思えない。

 

「ナチス」「ファシスト」はわかりやすい記号だ。

その絶対悪の記号を隠れみのにして、

この77年でナチスを凌駕する得体の知れない悪魔が

この世界の裏側で育っているのではないかと恐れている。

 

ヒトラーやナチスを悪魔、大罪人として裁いて

正義は勝った、世界は平和になった・・・

と話が収まっていた時代はとうの昔に過ぎ去っている。

 

国籍問わず、「ナチス」「ファシスト」といった

20世紀の悪に対する言葉・イメージを巧みに操り、

20世紀人のトラウマを刺激しようとする連中にこそ、

僕たちは注意しなければいけないのではないだろうか。

 

世界や歴史に関してのお話にも、

おりべまことのエッセイで軽く出逢ってみてください


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どうなる?イギリスで「となりのトトロ」舞台化

 

これはびっくり!

イギリスのロイヤルシェイクスピアカンパニー(RSC)が、

「となりのトトロ」を舞台化する。

 

トトロの世界って日本人独自の感性によるもの、

と思っていた。

英国人のセンスでどうやって表現できるのか?

と最初はかなり訝ったけど、

よくよく考えてみれば、

ファンタジーにかけてはしっかりした伝統を持つ国。

けっこう面白いものになるかも。

しかも映画じゃなくて、舞台というところが期待大。

 

以下、プレスリリース要約。

 

宮﨑駿監督のアニメーション映画「となりのトトロ」が、

イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー

(RSC)によって初めて舞台化。

2022年10月からロンドンのバービカン劇場で上演される。

映画で音楽を手掛けた作曲家の久石譲が舞台化を提案し、

宮﨑駿監督がこれを快諾したことで始まったプロジェクト。

久石譲がエグゼクティブ・プロデューサーを務める。

 

久石譲は舞台化にあたり

「この作品に本当の意味で普遍性があるなら

――僕はあると思っていますが――

まったく違うカルチャーで育った人たちが

違う言語でやっても、

きっと世界中の人に伝わるはずです」とコメント。

 

また、題字も手掛けたスタジオジブリの

鈴木敏夫プロデューサーは

「果たしてどうやってトトロと出会えるのか。

とても楽しみにしています」

と期待を寄せているという。

 

演出のフェリム・マクダーモットは

「美しい音楽とともに舞台にします。

パペット、役者とともに、命を吹き込みます」

と意気込みを語っている。

 

世界的な作曲家・久石譲のもと、

世界最高峰の演劇カンパニーRSCが

「となりのトトロ」をどう表現するのか、

世界中が期待している。

 

どうやら全体的にオペラみたいな感じの舞台で、

ダンスやパントマイムやパペットの動き、

ポエムリーディングのようなセリフなどを交えて

表現していくのではないかと思う。

 

オリジナルの映画とは違う、

イギリスファンタジーっぽい味の作品になるのだろうか?

いずれにしても、これ見るだけの目的で

またロンドンに行く価値あるかも。

 

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青と黄色はこの春のトレンドカラー?

 

最近、広告でブルーとイエローの二色のデザインを

チラホラ見かける。

内容はべつにウクライナにも戦争にも関係ない。

 

たまたま青と黄色が好きなんだよ、

デザイン、カラーリングとしていいんだよ、

というだけのことかもしれないし、

もしかしたらちゃんとその事業者に

なるほど!と思えるような理由や深い思想が

あるのかもしれないが。

 

このネット時代、パッと見ただけで、

内容を読もうかどうか判断されてしまう。

だからいかに人目を引くかが大事だというのはわかる。

ただ、あまり良い気持ちはしない。

 

グローバル、社会貢献、SDGs・・・

これらにちょっとでも関わる内容なら、

いくらでもウクライナ問題とこじつけられる。

 

もちろん突っ込めば、

「いや、私たちは世界平和を祈りながら

日々、活動を行っています」

ぐらいの切り返しは用意していると思うが、

どうもモヤモヤする。

 

詐欺とか犯罪ではないし、

広告・集客のためならそんなこと気にしてちゃダメでしょ、

と言わるかもしれないが、

やっぱり引っかかるな。

そんなことで引っかかっている僕がおかしいのだろうか?

 

そういえば、レオ・レオ―二の絵本に

「あおくんときいろちゃん」というのがあった。

 

レオーニはオランダ生まれのユダヤ人で、

子ども時代にイタリアに移住後、

ファシストの迫害を受けてアメリカへ亡命したという

20世紀の絵本作家。

 

「あおくんときいろちゃん」は

抽象的な表現で人間の愛情を描いた、

子どもの大好きな本だ。

ぜひ一度読んでみてください。

https://leolionni.jp/


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世界のサピエンスはこの戦争を許さない (ハラリ氏のプーチン敗北宣言)

 

「サピエンス全史」「ホモ・デウス」の

ユヴァル・ノア・ハラリ氏が、

英国のガーディアン紙上で、

また、YouTubeにおいても、

ロシア・プーチン大統領の敗北を宣言している。

 

 

ハラリ氏は世界的な歴史学者、哲学者、

そしてベストセラー作家だが、

彼のこの宣言で世界の情勢が変わるわけではない。

それでも深く共感できる人は多いのではないだろうか。

 

もちろんロシアはウクライナとの戦争で負けたわけではない。

それどころか依然優勢なのだが、

ハラリ氏が言いたいのは、

大国・独裁者の横暴を、世界中のかなりの数のサピエンスたちが

許せない精神状態になっている、

そして未来に対して非常な危機感を抱いている、

という趣旨だ。

 

ロシアの勝利=大国の小国への侵略成功は、

世界を1945年(第2次世界大戦終結時)より以前に

逆行させてしまうことになる。

 

1945年以前、多くの国にとって、国を豊かにするために

戦争は一種の必要アイテムだった。

国家予算の半分以上を軍事費に使うのが

当たり前だった時代。

それがロシアの勝利・成功によって帰ってくる。

 

つまり、この77年間の経済・産業の発展、

いろいろな文化の成熟の歴史が

完全否定されてしまうことになる。

 

そんな時代の再来を、あなたも僕も、

多くのサピエンスたちは望んでいない。

心の底から嫌がっている。

 

ゼレンスキー大統領は、

そのあたりの心理をうまく読み取って、

巧みに情報戦を展開し、ウクライナを有利な方向に導いた。

僕も情報戦・認知戦ではウクライナが

ロシアを圧倒していると思う。

 

そうした世界(といっても西側諸国だが)の

「戦争・侵略は許せない」――ハラリ氏の言葉に変えれば、

「ジャングルに戻りたくない」という心情が、

ロシアの国民を動かせるかが問題になると思う。

 

あと、YouTubeの話の中では、

ドイツに対する提言が興味深い。

ナチスが犯した戦争犯罪の贖罪として、

ドイツがより積極的に動くことを、

イスラエル人(ユダヤ人)の立場から訴えている。

 

かつてのドイツの同盟国であり、

アジアで侵略行為を行った日本はどう動くべきだろうか?

 

今のこの世界が素晴らしく幸福であるとは思わないし、

この戦争の陰には、アメリカをはじめとする

西側諸国の陰謀が渦巻いているのだろうとは考えられるが、

それでも今の世界は、

1945年以前より、はるかに良くなっていると思う。

 


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100年生きるホモサピエンスの世界はこれから

 

「サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ:著/柴田 裕之:訳)」

「ライフシフト(リンダ・グラットン + アンドリュー・スコット:著 / 池村千秋:訳)」

 

2016年に出されたこの2冊の本で

僕たちの生き方は大きく変わった。

前者は人間がどこから来て、

どうして今こうなっているのかを解き明かし、

後者は人間がこれからどう生きるのかを示唆した。

 

大げさな話ではない。

この2016年以前と2017年以後では世界は、

社会は、人生はすっかり変わってしまった。

 

僕たちは猿から進化した唯一の人類ではなく、

共同幻想の能力によって協力することで

他の人類を駆逐して繫栄した

サピエンスという一種族である。

 

そのサピエンスはこの先の世代は

100年の寿命があると言われた。

僕たちは人生100年時代の幕開けに遭遇してしまった。

60歳は定年でもなく、人生の終盤でもなく、

新たなスタートになった。

 

今までそう言ってた人も少しはいたが、

それがすべての人に当てはまるようになった。

社会もそれを望んでいる。

 

概念を変えること。

今まで続いてきた固定観念を変えるというのは

すごいことだ。

 

これから先の人間・人生にまつわるすべての物事は、

「サピエンス全史」と「ライフシフト」を基準に

回るだろう。

多くの研究者・思想家は

ハラリとグラットン/スコットのフォロワーになり、

こうしている間にもじわじわと世界を変えていく。

 

ダイジェストで何となく読んだつもりになっている人は、

未だ遅くないので、

できればちゃんと読んだ方がいいですよ。

 


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死ぬまで戦争体験はしたくないけれど

 

去年の東京オリンピックの映像で「イマジン」が流れた時、

「またイマジンかよ。マンネリ~、芸なし~」と思った。

確認してないが、ブログにもそう書いたような気がする。

だけどあの感情は撤回する。

 

いま、インターネット上に

40年以上前にこの世を去った

ジョン・レノンが降臨している。

そんな錯覚にとらわれる。

僕たちの世代は無力さを自覚しつつ、

やっぱり「イマジン」を聴いて平和を祈るしかない。

 

今日、テレビでキーウ郊外のブチャの街の惨状を見て

震えあがった。

番組ではほんの数年前の同じ街の

平和で穏やかな風景も映し出した。

その日常の営みが完膚なきまでに叩き潰された。

 

こんなことを書くと、被災者の方にたいへん申し訳ないが、

阪神淡路大震災でも、東日本大震災でも、

同様に街が破壊された惨状を映像で見た。

けれどもやはり違うのだ。

自然災害と人間の手による殺戮の現場とは。

 

あの街には案の定、

人間の醜さ・おぞましさの痕跡が記されていた。

自分がリアルにあの場所にいたら発狂しそうだ。

 

僕は戦争体験をしていないし、死ぬまでしたくないが、

親は昭和ひとケタ生まれなので子どもの頃してしまった。

僕は自分が子どもの頃、よくその話を聞かされた。

 

べつに強要はされなかったけど、

なんだかちゃんと聞くのが子どもの義務のように感じた。

これも一つの親孝行だとも思っていた。

 

亡父は軍需工場で働いていたが、

集合時間に遅刻したおかげで爆撃に遇わずに済んだという。

もし、もっとまじめにやってたら死んでたかも、

と笑っていた。

 

そんな父の話を思い出し5つほど書いて、

マンガやテレビやアイドルの話と一緒に、

「昭和96年の思い出ピクニック」というエッセイ集に収めた。

 

平和な時代にこんな話・・・と思っていたが、

とりあえず残しておいてよかったと思う。

もう僕に戦争の話を語る肉親はいない。

 

若い人も、本でも映画でも何でもいから、

やっぱり日本人が当事者になった

最後の戦争のことは知っていおいたほうがいいと思う。

自分が体験しないためにも、疑似体験が必要なのだ。

 

本当にあれが最後であることを祈る。

そして、いつも同じこと言ってるけど、

この戦争もどうにかして終わることを祈るばかりだ。

 

昭和96年の思い出ピクニック

http://www.amazon.co.jp/dp/B08WR79ZCR

●死者との対話:父の昭和物語

●大空襲をすり抜けた父は

「生きてるだけでOK」

●父の話:ラッパ要員を兼ねて軍需工場に就職

●名古屋大空襲:

金のしゃちほこも燃えてまったがや

●父のメガネを借りて終戦を見る ほか

 


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宇宙元旦はみんなで祈ろう世界平和

 

今日3月21日は、なんと「宇宙元旦」なんだって!

春分の日だから?

さらに「一粒万倍の日」であり、

ダブルでスペシャルデーなわけだね。

へー、こりゃ知らんかった。

 

けどね、みんなにとって

そんなW素晴らしい日だったら、

自分の運勢がどうとか、自分を見つめてどうとか言う前に、

ロシアとウクライナの戦争が終わって

一日でも早く平和な日が来るよう、

みんなで祈ろうよ。

 

宇宙元旦&一粒万倍の日なら

スピリチュアルパワーも強化されるわけでしょ。

 

日付が変わる前に(変わってもいいけど)

みんなでスピリチュアル念力を送って、

プーチン氏やロシアの戦争賛成派の人たちの

考えを変えさせよう。

 

せっかくの「宇宙元旦」「一粒万倍の日」なら

もっと有効活用しませんか?

 

食べるエッセイ集お彼岸Wキャンペーン終了しました。

ご購読の皆さん、どうもありがとうございます。

よろしければレビューお送りください。

今後ともおりべまことの電子書籍、よろしくお願いします。

 

ちなみに明日の朝食は、

ギリシャヨーグルトのせバゲット、

ポテッコリーサラダの

チェリートマトブラッサムバージョン、

イチゴのココナッツミルクがけを作ります。

 

平和な朝においしく食事ができることに感謝。

 

 


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「ラブ&ピース」の歌は無力ではない

 

かつて「音楽で世界は変えられる。ラブ&ピース」という

ノー天気なメッセージを、

世界の多くの若者がノー天気に信じていた時代があった。

本当にお気楽な時代だったんだと思う。

でも今、もう一度、あれを信じてみたい思いに駆られる。

 

本当に気が重くなる。

うちのカミさんなどは最近、

ロシアとウクライナの戦争のニュースが

テレビで流れると「見たくない」と言って

チャンネルを換えてしまう。

 

彼女は昔、某商社の貿易事務のロシア部門で

働いていたので、

ロシアやウクライナの地名や都市名に

若干ながら親しみがある。

直接的なつながりがなくても

やっぱり嫌な気持ちになるのだろう。

 

それでもやっぱりまったく目を瞑るわけにはいかない。

破壊された街や難民、

何人が犠牲になったといった報道を見るのは

本当にたまらない。

 

でも、きっと僕たちがこんなにひどい気分になるのは、

第2次世界大戦以降、音楽をはじめ、

さまざまな文化を通して、

いろんな人たちが戦争の悲惨さを訴えてきたからだと思う。

 

戦争はアカンと叫んできたからだと思う。

 

戦争が人間を、いかにおぞましくて

醜い生き物に変えてしまうかを知らせてきたからだと思う。

 

だから僕たちは戦火に包まれた

ウクライナのニュースを見て戦慄を覚える。

 

経済がめちゃくちゃになったロシアの混乱を見て

やるせなさを覚える。

 

憎しみが新たな憎しみを生んでいくのを想像して

悲しくなる。

 

ほとんどのビジネス、旅行、娯楽は

平和だからこそ成り立つものであることを痛感する。

 

そうした知性と感性を持った人間は、

きっと第2次世界大戦時よりは

世界にずっと増えているはずだ。

 

「ラブ&ピース」と歌っても世界は変わらない。

けれども全く無力かというと、そうでもない。

あきらめずに繰り返すことで確実に人の心は変わっていく。

そう信じたいな。

でないと、この世界で生きてる価値がないよ、とも思う。

 


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週末の懐メロ73:サマータイム・ブルース/RCサクセション

 

あの3・11から11年。

亡くなった人の冥福を祈る。

ただ、地震・津波は人間の力でどうにもできない自然災害。

それに対して福島第一原発の事故は完全な人災だ。

「原子力はがつくる明るい未来」という

戦後日本が掲げてきた輝ける看板は

木っ端みじんになり、

あの地域の人々は故郷を失った。

 

その惨状を20数年前に予言したかのような偉人、

忌野清志郎。

「サマータイム・ブルース」は

1988年、彼のバンド、RCサクセションとして

リリースしたアルバム「カヴァーズ」の1曲。

その名の通り、1950年代・60年代の

名曲カヴァーを収めたアルバムで、

オリジナルはアメリカのロカビリー歌手、

エディー・コクランの歌。

それを忌野が日本の原発の在り方を告発する歌詞をつけ、

反原発ソングとして作り変えた。

 

この少し前の1986年4月、

当時のソ連(現ウクライナ)の

チェルノブイリ原発事故が発生。

以降、日本でも一時期、原発の安全性が取りざたされた。

 

3・11の福島第一原発以前にも

小規模・中規模の事故はいくつかあった。

でも、この後、バブル景気になって、みんなすぐに忘れた。

僕もすっかり忘れた。

 

忌野清志郎はこのほかにも、

プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」や

タイマーズとして「原発音頭」を歌って反原発を唱えたが、

時が経つうち、これらは彼のキャリアの

ちょっとおかしな番外編として

隅っこに置かれたような印象がある。

 

でも今、改めて聴くとすごい。

ユーモアとエンターテインメント性にあふれた告発は、

誰にもまねできない反骨精神あふれるパフォーマンスだ。

 

だから、もし彼があの3・11の惨状を目の当たりにしたら、

いったいどんな歌を・・・と、どうしても考えてしまう。

 

ロシアとウクライナの戦争が勃発し、

チェルノブイリ原発がロシア軍に制圧されたという。

次々と攻撃され、制圧されていくウクライナの原発。

久しぶりに「核」という言葉が切迫感を持って

毎日にように飛び交っている。

 

そして、また考えてしまう。

もし彼がこの世界の現状を目の当たりにしたら、

いったいどんな歌を・・・と。

 

2009年に亡くなってもう13年になる。

生きていれば今年で71。

ロックンロールにゃトシかも知れないけど、

死ぬにはちょいと若すぎたぜ、清志郎。

 


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27年前のモスクワ旅行とロシア人への思い

 

1995年5月、新婚旅行でモスクワに行った。

メインはロンドンをはじめイギリスだったのだが、

最初の2泊3日だけモスクワに寄ったのである。

 

結婚前、カミさんが某大手商社のロシア部門で

貿易事務の仕事をしていたので、

支局の人たちへのご挨拶を兼ねての訪問だった。

 

ソ連からロシアに移行したばかりの時代。

泊まったホテルは以前、国営だったが、

その時にはロシアマフィアの手にわたっていた。

マフィア経営のホテルである。

建物がデカいわりに、部屋は当時の日本の地方都市にある

ビジネスホテルのようなそっけない場所だった。

 

ロシア語ペラペラの支局の人たちは

たいへん歓迎してくれて、

修道院を改装したレストランでごちそうしてくれた。

ボルシチにようなものやサラダを食べた記憶があるが、

悪いけど、あまりおいしいとは思わなかった。

 

新入りの雑用係のミハイルという青年が運転手になって、

赤の広場やモスクワ大学など、

車であちこち観光名所を回ってくれた。

 

シェルターを兼ねる地下鉄の構内には

シャンデリアがいくつも下がり、

さながら地下宮殿のようになっていたのが印象的だった。

 

ロシア、モスクワと言えば、

寒いというイメージを持っていたが、

僕たいが行った日は、とても5月とは思えない

真夏の暑さだった。

ホテルにクーラーなんてもちろんない。

 

それで冷たいものが飲みたくて

街中探しまわったが、自販機なんてあるはずもなく、

お店にも冷蔵庫なんてないので、

ぬるいジュースでがまんするしかなかった。

 

当時、マクドナルドの第1号店が開店したばかりで、

後にも先にも、あそこで食べたチーズバーガー以上に

マックがおいしいと思ったことはない。

正直、レストランの食事の数倍うまかった。

 

ミハイル君にもお礼にごちそうした。

値段は日本より高く、

飲み物やポテトなどつけて1000円そこそこ。

 

それに対して当時のロシアの物価水準は、

戦後間もない日本くらいだったらしく、

ミハイル君の給料は、たぶん2、3万程度。

感覚としては、

僕たちが1万円の食事をとるようなもの。

なのでロシアの人たちにとって、

マックは超高級レストランだったのである。

 

そんなわけで、恐縮しながらも超よろこんで

ハンバーガーをほおばっていた

ミハイル君の幸福そうな顔が忘れられない。

 

今となっては面白い体験で、

もちろん、空港で兵士に銃口を向けられた

ソ連時代の1985年よりも数倍ましな国になっていたが、

それでも滞在するのは2泊3日で十分だなと思った。

 

その後に行ったロンドンが実際以上にラブリーで

素敵な街に思えたものだ。

それから1カ月近く、ロンドンとイギリスの旅を楽しんだ。

 

あの時はソ連からロシアになってまだ間もなく、

物資が乏しく、経済も混乱して、人々は貧しかった。

 

今、ロシアの生活はどうなっているのだろう?

ウクライナは爆撃を受けて悲惨だが、

ロシアも機材封鎖は喰らうわ、

店も企業も次々と閉じるわ・撤退するわで

めちゃくちゃなことになっているのではないか。

 

加えて、世界中の人たちからの非難はものすごい。

日本や西側諸国みたいには情報は入らないだろうけど、

いずれそういう声が耳に届いた時、

非難や憎悪をまともに受け止められるのか?

 

ミハイル君など、1995年の思い出があるので、

あまりロシアの人に対して悪い感情は湧かない。

 

もちろん、こうした為政者を選び、

20年以上も国の運営を任せっきりにした

国民としての責任はあるのだろうけど。

 

これからいったい両国はどうなるのか、

僕が考えても仕方ないが、どうにも心配でならない。

 


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ロシアの兵士の声は聞けないのか?

 

僕が初めてモスクワ空港に降りたのは、

1985年8月5日だった。

(1,2日ズレているかもしれない)

アエロフロートの旅客機で

ロンドンへ向かっていたのだが、

そのトランジットのためだった。

ロシアがまだソ連だった時代のことである。

 

空港内は節電していたのか、

半分くらいしか電灯がついていなくて

薄暗かった。

そして空港職員ではなく、銃を持った兵士が

トランジットの客に対して

「さっさと歩け」と言わんばかりに誘導していた。

 

ちょっと不愉快な顔をしたら銃口を向けられた。

もちろん本気じゃないのでそんなに怖くはなかったが、

あのイヤーな感触は今でもよく憶えている。

 

今のところ、人生で銃口を向けられたことは、

あれ一度きりだ。

その兵士は女だった。

その当時の僕よりいくつか年上に見えたから、

20代後半から30くらいだったのだと思う。

 

それからしばらくしてゴルバチョフが出現し、

ソ連は解体に向かった。

1987年のクリスマスのちょっと前、

ロンドンから日本に帰る時もアエロフロートで、

やっぱりモスクワでトランジットしたのだが、

その時は空港の雰囲気はずいぶん明るくなっていて驚いた。

もちろん、銃を持った兵士は一人もいなかった。

もう35年前のことだ。

 

日本で報道されるのは、ウクライナのことばかりで

ロシアのことはよくわからない。

ウクライナの兵士はとても人間的だ。

何といっても、彼らには

「攻撃され、侵略されているのだから国を守る」

「愛する人たちを守るために戦う」

という大義がある。

 

対してロシアの兵士はどうなのか?

プーチン大統領をはじめとする上層階級の人たちにはある。

「偉大なるロシア帝国の復活」

「ソ連崩壊以来、30年以上にわたる屈辱の歴史を

塗り替える」

 

最初はプーチンの独裁政治かと思っていたが、

おそらくロシアの知識人とか、貴族階級みたいな人たちは、

戦争に賛成してプーチンの後押しをしているのだと思う。

 

世界最高峰の音楽や文学や芸術を愛する人たちが、

現在の世界地図を、

1世紀前の広大なロシア帝国が広がる地図に

書き変えることを待望している。

 

ウクライナの戦地で戦う兵士たちは、

そんな彼らの命令を受けて戦う。

 

洗脳されているのか?

いったい何をモチベーションに戦っているのか?

仕事だからしかたなくか?

カネのためか? 死ぬかもしれないのに?

こんな21世紀の情報社会になっても、

彼らの声を聞くことはできない。

37年前と同じように。

 


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世界最高峰の音楽と文学と侵略戦争

 

2月の終わりごろからやたらとブログのアクセスが

増えている。

そして、その半数以上は、昨年1月30日に上げた

「週末の懐メロ15:キエフの大門」だ。

 

アクセスが増えるのは嬉しいが、

「キエフ」のキーワードから来ていることは明らかなので、

なんだか複雑な心境だ。

 

もちろん中身はロシアもウクライナも全然関係なくて、

1970年代のプログレッシブロックバンド、

エマーソン・レイク&パーマーの

超絶パフォーマンスを紹介するもの。

 

「キエフの大門」とは彼らの名盤「組曲・展覧会の絵」の

クライマックスを飾る荘厳な楽曲だ。

 

原曲はロシアの音楽家・ムソルグスキーの交響曲。

クラシックにさして興味のない人でも、

どこかで耳にしたことがあるはずだ。

 

ムソルグスキーは友人の描いた10枚の絵に

インスピレーションを受けてこの組曲を書いたという。

 

ロシアはムソルグスキーやチャイコフスキーをはじめ、

多数の世界的音楽家を輩出している。

 

音楽だけではない。

文学も、バレエも、演劇も、映画も。

演劇(特に戦後の新劇)を勉強した人にとって

「スタニスラフスキーシステム」はなじみ深く、

ブロードウェイの俳優もこのメソッドを習っていた。

チェーホフの戯曲も日本では人気が高い。

 

映画を勉強した人は、世界で初めて

モンタージュ手法を開発した

エイゼンシュタイン監督の

「戦艦ポチョムキン」について習ったはずだ。

 

優れた芸術を輩出する国が、

世界平和に貢献しているわけではないのは、

すでに20世紀に

ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーが

証明してしまっているが、

それなら芸術は何のためにあるのか?

 

ウラジミール・プーチンは

チャイコフスキーのピアノ交響曲第一番を

こよなく愛し(そう言えば、北京五輪における

ROCの選手の表彰では国家の代わりにこの曲が流れた)、

一番の愛読書はトルストイの「戦争と平和」だという。

 

世界最高峰の音楽を愛し、

世界最高峰の文学を読み込む大統領がどうして?

 

政治と関係ないよと言われればそれまでだ。

わかっているけど、やっぱり問わざるを得ない。

 


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リア王プーチンの恐るべき終活

 

シェイクスピアのリア王を初めて観た時、

道化という存在が不思議で仕方がなかった。

道化はいつもリアのそばにいて、

家来も家族も逆らえない権力者に対して、

馬鹿にしたようなことを言って笑いものにする。

なんでこんなアホにだけ、そんなことが許されるのか?

 

どうもその昔、王の中にははそうした道化=

社会における序列・上下関係がわからないアホに

自分の言動を批判させ、笑わせることによって、

客観性を見失わないように工夫していたらしい。

 

すなわち、道化をそばに置くのは、

権力者であるがゆえに独善的になり、

権力者として人々の信望を失わないよう、

自分を正常な状態に維持するための知恵だったのである。

 

人間は長い間、権力の座に座り、

周囲から敬われ、従わせるのに慣れっこになってしまうと、

たいてい頭がおかしくなってくる。

 

だんだん自分が神に近い存在に思えてきて、

とんでもない妄想の世界にはまっていく。

 

妄想が自分の頭の中だけならいいが、

力があるゆえにそれを実現するのが可能になる。

そしてそれを実践しようと思った時、世界は動乱する。

 

今のプーチン大統領がいい例だ。

おそらく彼の頭の中にある妄想は、

自分が生まれ育った、かつての偉大なる

ソヴィエト連邦の姿と威信を取り戻すこと。

ソ連を崩壊に導いたアメリカと西ヨーロッパ諸国、

そして、裏切り者の旧ソ連圏の

東欧諸国への意趣返しをして、

世界地図を再び書き換えることである。

 

聞くところによると彼は高齢者の域に入り、

健康状態にも異常がみられるという。

トップの座についてすでに20年以上。

元気で活動できる時間は、

もうそんなに長くないという自覚があるのだろう。

サッカーに例えれば、後半40分経過という所だろうか。

 

彼は自分が設定したゴールに向かって突っ走り始めた。

おそらく側近で止められる人はいない。

相手チームの西側諸国もドリブル突破を

阻止するのは困難だ。

これは彼の人生を賭けた「終活」なのである。

 

何やら1939年のナチスドイツによる

ポーランド侵攻を想起させるウクライナ侵攻。

 

人命尊重・人権重視、そして経済を守ることが

至上の課題となった

西側諸国は、ひと昔前と違って、

外国で起こる紛争には容易に派兵しない。

兵士の命には膨大なコストが掛かるからだ。

 

兵士の命に価値をつけるのはよいことだが、

ロシア・中国・北朝鮮など、

そうした「人命=コスト」の意識が乏しい

独裁国家にとっては戦争を起こしやすい環境に

なってしまった。

 

狂ったリア王・プーチンを止めるにはどうしたらいいのか?

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は、

首都キエフにおいて徹底抗戦の構えを見せている。

ロシア国民の多くもこの暴挙を

支持しているわけではなさそうだ。

西側は厳しいSWIFTを含む厳しい経済制裁を決定。

効果はどれだけあるのか?

和平の希望はあるのか?

 

とりあえずウクライナの難民の救済が急務だと思うが、

いったいこれがどう展開していくのか。

中国・北朝鮮に与える影響も気になるし、

日本にとってけっして対岸の火事ではない。

 

アメリカのバイデン大統領は

「アメリカが介入すると第3次世界大戦になる」とまで

言い出した。

耳を疑う言葉。

まさかリアルな第3次世界大戦の危機に

直面するとは思わなかった。

戦争は絶対嫌だ。

 


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ワクチンに対する疑念とコロナのこれから

 

今朝、杉並区から義母宛てに

ワクチン3回目接種の案内が来た。

昨年と違って、日時もすべて指定済み。

どうしても都合悪くて来れなければ変更は可能ですよ、

ただ、もしかしたらだいぶ後回しになるかもねー―

というスタンス。

 

昨年みたいに、希望に応じて予約取って――

なんてやっていると、

受ける側も保健所側も混乱して大変なので、

まぁいいと思う。

高齢者は基本的に時間の自由がきくしね。

 

ただ、現在爆発しているオミクロンは、

海外の例を見る限り、ピークアウトも早そうなので、

今から打って(義母の指定日は来月前半)、

効果としてどうなのか?

 

政府もマスメディアも、ちょっと前まで

「感染拡大に歯止めをかけ、重症化を防ぐためのは

ブースター接種に掛かっている」といったニュアンスで

懸命にワクチン効果をPRしていたが、

あれよあれよという間に感染が広がって、

誰の目にも手遅れという事態が明らかになるとともに、

そのアナウンスもトーンダウンしてきた。

 

ブレイクスルー感染も多いようだし、

国民も1回目・2回目の時ほど、

ワクチンを信頼してないのではないかな?

 

僕は決してワクチン反対派ではないが、

高齢者の接種がすみ、3月・4月になって

オミクロンが沈静化したタイミングで

「今後の予防のために3回目どうぞ」と来ても、

あんまり受ける気にならない。

 

しかし気になるのはオミクロンの後のこと。

巷では「オミクロンでコロナ禍は終わる。

あとちょっとの辛抱だ」という声が多いが、

僕はそれよりも南アフリカの大統領が

「オミクロン株の発生は、

ワクチンの不平等がもう許されないことを示した」

と発言していたことのほうが印象的だ。

 

地球は一つ。

人類みんな一蓮托生。

先進国ばかり3回、4回、5回とワクチンを打っても、

殆ど打てないアフリカ諸国の状況を改善しない限り、

オミクロンの後も

次々と新しい変異株が生まれるのではないか。

 

すると永久にコロナ禍は終わらない、

とまでは言わないが、この先、5年も10年も

パンデミックは解かれない可能性もあるのではないか。

 

良くも悪くもこの半世紀で

それまでとは比べ物にならないほど、

世界の人々の関係は密になり、地球は小さくなった。

 

コロナ禍は分断・格差・差別を生んでいると言われるが、

最終的にはコロナがそれらを

大きく減退させるかもしれない。

 

新型コロナウィルスは、

国連のSDGsの理念「ひとりも置き去りにしない」を

無理やり実現し、人類を団結させ平等にするために

生まれたもの———

そんな妄想にとらわれたりもする。

 


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さらばチャーリー・ワッツ、ブラウンシュガー、 そしてローリング・ストーンズ

 

★チャーリー・ワッツの死

 

今年も大勢の人がこの世を去ったが、

8月にローリング・ストーンズのドラマー、

チャーリー・ワッツが亡くなって、

一時代が終わった感がした。

 

ミック・ジャガーとキース・リチャーズが健在な限り、

ローリング・ストーンズの歴史は続くのだろうが、

僕にとってはチャーリー・ワッツの

ハートビートを失ったストーンズは、

もはやストーンズではない。

 

彼らの初来日公演が実現した1990年、

最も印象的だったのは、

演奏中、メンバーの誰もが随所で

ワッツのドラムを頼りにしていたことだ。

 

彼が刻むハートビートがなければ、

ジャガーの派手なパフォーマンスも、

リチャーズのギタープレイもあり得ないことの象徴だった。

 

最後のアンコールで5人が手をつないだ時、

真ん中にいたのはワッツだった。

なんだか、みんなして彼をねぎらい、盛り立て、

やたら気を遣っていたのが目に焼きついている。

 

よく憶えてないが、あの頃、

ワッツがストーンズを脱退するか?とかいう騒ぎがあり、

それでやめられたら困るということで、

ジャガーもリチャーズも彼を持ち上げていたのかもしれない。

それくらいワッツのドラムは欠かせないものだった。

 

かつてレッド・ツェッペリンは、

ドラマーのジョン・ボーナムの死によって

解散を余儀なくされた。

活動を続けるために、

ボーナムのドラムを失ったことは致命的と判断したためだ。

 

ただ、ツェッペリンの例は特殊かもしれない。

ロックバンドやポップバンドでは

ドラムを重要視しているバンドは少なく、

80年代に打ち込みマシンが使われるようになって以降、

ドラマーの存在感はますます薄くなっていった。

 

けれども、リズムの礎となるドラムが

しっかりしていないバンドの音楽は、

やはりどこか薄っぺらであり、生命感に乏しく、

バンド自体も短命である。

 

ローリング・ストーンズがこれほど長い期間、

ロックの王者として君臨し、

第一線で活躍し続けられたのも、

ドラマー・ワッツがゆるぎないビートを刻んで

サウンドを支えてきたからである。

 

以前、ベースのビル・ワイマンが抜けた時も

正規のベーシストを入れない

このバンドの在り方に疑問を抱いたが、

ワッツが去った後、

正規のドラマーのいないローリング・ストーンズは

はたしてまだ「ローリング・ストーンズ」と言えるのか?

「ジャガー・リチャーズ&ロン・ウッド」でいいのではないか?

そこまでブランドにこだわる必要があるのかと思う。

 

★名曲「ブラウンシュガー」の死

 

そんなふうに思うのは、もう一つ理由がある。

あの超名曲である「ブラウンシュガー」が

封印されてしまったことだ。

 

これは僕が知らなかっただけで、

しばらく前から、スートンズはライブで

「ブラウンシュガー」を

演奏していなかったようだ。

 

この歌の歌詞が、かつての奴隷制を題材にしており、

黒人女性を侮辱し、人種差別を助長するものと

人権団体から糾弾されたのが、その原因だ。

 

「ブラウンシュガー」という言葉自体が、

黒人女性の性器や麻薬などを隠喩する

スラングであるらしい。

 

しかし、この曲はけっして黒人差別の歌ではない。

彼らの音楽のルーツであるブルースを生み出した

おぞましい歴史の事実・悲劇を、

ストーンズ流の猥雑さとワルっぽさと批評眼を交えて

詩的に、刺激的に描いた傑作である。

黒人音楽に対するリスペクトを表現した歌でもあるのだ。

 

それゆえ、1970年の発表以来、

ストーンズの5本の指に入る代表曲として

半世紀にわたって愛されてきた。

 

なんといってもカッコいい

「これぞストーンズ!」というキレまくりのグルーブで、

ライブのハイライトシーンで演奏されてきた曲だ。

 

あまり情報も出ていないので、詳しい事情はわからないが、

ストーンズ側は団体の糾弾に対して

「あまりこの件で揉めたくない」と弱気な姿勢を示し、

抵抗できずに諦めた感じだ。

 

団体の言っていることは、世界的ロックバンドの半世紀の実績さえも

抑え込む正当性があるのだろう。

時代は変わってしまい、今や正義は人権団体側にある。

 

現代にあっては「奴隷制」という言葉や性的な隠語を使って

エンタメすること自体が悪であり、

差別行為になってしまうのかもしれない。

 

反道徳的な表現は、そのまま反道徳的と受け止められてしまう。

その裏に込めた意味や感情や批判精神が

理解されることはあまりに少ない。

 

1960年代・70年代のようなロック的表現、

ロックの精神はもう通用しない。

なんだか寂しい話だが、

社会が進化するということはそういうことなのだろうか。

 

今はまだ「ブラウンシュガー」は

配信でもディスクでも聴けるが、

いずれそれもNGになるのかもしれない。

 

チャーリー・ワッツの死とブラウンシュガーの死。

それはローリング・ストーンズの終焉、

そしてロックの時代の完全な終わりを

象徴しているように思えてならない。

 

チャーリー・ワッツ氏のご冥福を祈ります。

 


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変わらなくてよかったね

 

11月の訪れ。

赤とんぼも飛ぶうららかな秋の日々。

 

コロナで自宅待機者が大勢死んでしまったことも、

自殺者・失業者があふれたことも

みんな、あっという間に忘れてしまった。

 

選挙での自民党大勝利のいちばんの要因は、

コロナが収まったことだろう。

もちろん、野党がダメダメなことも大きいけど。

 

十分とは言えないまでも、平和な日常が戻り、

2年前と同じような生活が送れるメドがつけば、

「ま、いいんじゃね? わざわざ変えて波風立てなくても」

という心境になるのは自然。

ある意味、日本人はとても賢くて優秀なのだ。

 

政治に限らず、企業だって

もう30年くらい前から、

変えよう、変えなくては、

変わるぞ、変わります、変わっちゃえ、へんし~ん!

と、掛け声だけはうんざりするほど聞くが、

一向に変わる気配はない。

 

そうこうしているうちに昭和の人たちは、

「僕たちがんばったから、

あとは任せたから

がんばってねー。

老人の面倒見てね。

地球環境のこともよろしくねー」

と言って、この世から去っていく。

 

いつかは変わる日が来るのだろうか?

いつの間にか変わってた、よかったねー、

大過なく変わって、と、そんなことを言える日が。

 


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週末の懐メロ54:ロックバルーンは99/ネーナ

 

1983年、ドイツで生まれたロックナンバーが

翌年、アメリカをはじめ、日本やイギリスなど、

世界中を席巻した。

 

わたしに時間をくれたなら

あなたのために歌ってあげるよ 

地平線の彼方へ飛んで行った

99個の風船の歌よ

 

抜群にノリがよく、

メロデイーもサウンドも歌声もキュート。

明るくポップでパワフルな、

まさしく1980年代屈指の世界的大ヒットだが、

内容は反戦の意思を志を秘めた寓話の世界の歌だ。

 

風に乗って飛んで行った風船を

敵国の爆弾と勘違いして、

軍人や政治家が大騒ぎして

攻撃を仕掛けるさまを

ちょっとコミカルなメルヘンのように歌う。

 

99年間の戦争の果て、勝者なんて誰もいない

国もない 大臣たちももういない 

戦闘機の影もない

 

いつもの道を歩いて行ったら

瓦礫の街の片隅に 1個の風船を見つけたの

そしてあなたのこと思いながら 空へ飛ばしたの

 

「ネーナ」はこの曲を世に送り出したバンドの名前であり、

ヴォーカリスト・ネーナ・ケルナーの名前でもある。

もともとはスペイン語で

「ちっちゃな女の子」という意味らしい。

 

最初にドイツと書いたが、正確には1983~84年は

「西ドイツ」だった。

当時はまだベルリンの壁が存在し、

ドイツは西と東に分断されていたのだ。

 

その壁が崩壊したのは、この曲のヒットから

5年後の1989年11月9日。

32年前のことである。

 

ベルリンの壁の崩壊は、

アメリカとソ連の冷戦終結を意味していた。

対立と分断の時代が終わり、世界中の人々が手を取り合い、

より良い世界が訪れる――

多くの人がそんな、限りなくリアルな夢を抱いた。

 

けれども現実はそんなに単純なものではなかった。

世界は新たな混乱と暴力と分断の時代に

入ってしまった。

32年経ったけど、

いまはまだ夢の途中なのだろうか?

 

ふたたびネーナの話。

バンドは解散し、ヴォーカルのネーナは一時引退し、

5人の子どもの母となり、そして歌の世界に帰って来た。

この「ちっちゃな女の子」は僕と同い年である。

 

3年前の映像だが、アラカンでこの若さと元気さ。

親子世代がいっしょに歌う、今なお新鮮なポップロック。

21世紀のロックバルーンに

驚きと感動を抑えることができない。

 

おりべまこと電子書籍

「世界のEnding Watch」

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10月27日(水)17:00~

11月1日(月)16:59


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世界のEnding Watch 発売!

 

「わたし、死に興味があるんです」

そう大っぴらに言える人はあまりいないでしょう。

でも人間はいつの時代も、ずっと

「どう死ねばいいのか」を考えてきました。

だって、この世に生まれた人は

ひとり残らず、いつかどこかで死ななくてはならないのです。

 

だから死に対する考え方はいろいろあり、

国や人種や宗教が違えば死生観も変わります。

 

ハロウィーンの原型・ディズニー映画の題材にもなった

メキシコの「死者の日」などの先祖供養の風習、

人生最後の旅や最後の晩餐を提供する臨終ケア、

森や土に還り地球と一体化するエコ葬、

死を意識した人なら誰でも一度は考える安楽死の現実、

そして、新型コロナウイルスによってもたらされた

各国の死と葬送の記録などをエッセイにして収めました。

 

このエッセイ集「世界のEnding Watch」は、

株式会社鎌倉新書発行の葬儀・供養の業界誌

「月刊仏事」で2018年6月号から2021年2月号まで

連載した記事を一冊に収録したものです。

 

死はもちろん哀しいこと・寂しいこと、

深刻なこと・恐ろしいことです。

けれども、なぜだか笑えるところもあったりする、

とてもユニークでユーモラスな事象です。

そして忘れてはいけないのは、

生きているからこそ、そう考えられるということ。

 

死を取り巻く古今東西の人々の

様々な思考や行動をつぶさに見ていくと

人間という生き物がとても愛おしくなります。

 

死について思いを巡らせられるのは生きている証。

あなたも一度、日本社会の常識の囲い、

日常生活の常識の囲いからちょっとだけ出て、

この本で世界のエンディングを旅してみてください。

 


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どうして人は地球滅亡・人類滅亡の物語を創り続けるのか?

 

コロナで人類が滅亡すると思っている人は

ほとんどいないが、この先のことはわからない。

変異を繰り返して、

おそるべき大量殺戮ウイルスにならないとも限らない。

 

でも、そうしたら世界中の人々は

現在のように分断された状況ではなく、

心を一つにして「人類の敵」に立ち向かっていくだろう。

 

そんなことを考え出したのは、

そう言えばここ最近、

地球滅亡・人類滅亡系の映画を観ていないなぁと

ふと思ったからである。

 

最後に観たのは「アルマゲドン」だったか。

ということは、

21世紀になってからほとんど観ていないのか?

 

小説やマンガはどうか?

「寄生獣」などは人類滅亡系のカテゴリーに

 入らなくはない。

 

「エヴァンゲリオン」は?

20世紀の旧作(旧劇場版)はそのニュアンスが強かった。

しかし、新劇場版になると、心の問題にすり替わった。

 

「地球滅亡・人類滅亡は、あなた自身の心の問題です」

というわけだ。

 

キリスト教瀬世界では「ノアの箱舟」など、

地球滅亡・人類滅亡は

大昔から語り継がれてきた一大テーマである。

そこから救世主・英雄の物語が展開した。

 

20世紀後半以降、それが現代科学の発展、

核兵器の開発などと結びついて、

SF分野で地球滅亡・人類滅亡の物語が

量産されるようになった。

 

また、僕らの世代の日本人は

「ノストラダムスの大予言」に当たってしまったので、

「地球滅亡・人類滅亡」に脳のコア部分が侵食されている。

 

僕はこの20年余り、さすがに食傷して、

あんまりその手の物語を楽しめなくなっていたが、

相変わらず滅亡映画は創られ続け、

どれもそこそこヒットしているようである。

 

観客がいなければ映画なんて作らないので、

やはり安定した需要があると考えられる。

 

そして、なんでそんなに需要があるのか?と考えると、

答は割と簡単で、先進国社会はおしなべて、

この先、人口が減っていくからである。

 

先進諸国の人口はピークアウトしている。

ピークアウトしているからこそ先進国であり、

豊かな経済・豊かな生活を実現していると言ってもいい。

 

ということは極論すると、

いずれは日本なら日本人がいなくなり、

人類が地球からいなくなるということだ。

 

もちろんそれは遠い遠い未来の話で、

僕たちや、僕たちの子どもや孫の時代に

起こることではない。

けれどもどれほど先かはわからないけど、

確実にそれはやってくる。

 

現代の人間と同じ新人類が地球に出てきたのが、

およそ20万年前だというから、

それくらいのスパンで人類は消滅するとも考えられる。

あるいは、もう人類とは呼べない、

ちがう生き物になっているのかもしれない。

 

ぼくたちの脳はもうそのことをどこかで感知している。

じつは得体の知れない不安のもとはそれである。

 

僕も含めてみんな、漠然とした将来への不安を抱え、

なんとか拭い去ろうと躍起になっているが、

はっきりいって無理である。

 

いずれ人類は滅亡する。

ぼくたちはその途上にいる。

 

人が地球滅亡・人類滅亡の物語を創り続けるのは、

一時的にでもその不安を払しょくし、

心の安定を取り戻すため。

いわば、一種の宗教的行為なのである。

 

そこには女神が、英雄が、救世主がいる。

そしてあなたの隣に愛する人が、大切な人がいる。

地球滅亡・人類滅亡の物語はそう教え、人々を導く。

安心できるためには、

やっぱり「愛」と「信じること」が必要なのだ。

 

と、ここでアルマゲドン愛のテーマ、

エアロスミスの「I Don't Want To Miss A Thing」が

ドラマチックに流れる。

ああ、また映画が観たくなった。

 

というわけで、もしコロナがおそるべき変異を遂げたら、

マスクしろ・しなくていい、

ワクチン打つべし・いや、あれは毒だ、支配層の陰謀だと

しょーもない喧嘩をすることなく、

人類は愛の心で一丸となてるのではないか?

 

もちろん、そんなことは望んでないけど、

たとえコロナが今のレベルでも、

かかったら重症化して死んでしまう可能性は誰にでもある。

 

べつに地球が滅亡しなくても、人類が滅亡しなくても、

あなたが死んだら、

あなたの地球も世界もそれで終わってしまう。

だから気を付けてね。

そして、死なないでね。

あなたの地球、あなたの世界を守るために。

 

電子書籍新刊「1日3分の地球人」

8月31日(火)15:59まで

新発売記念5日間無料キャンペーン

忙しくて目の前のことしか見えない。考えられない。

でも1日3分でいいから、空に浮かんで地球を見つめてみる。

脳だけ旅人にして世界を歩いてみる。

せっかくこの星に生まれたのなら、

自分が芥子粒のように思える広い空間と長い時間こ手足を伸ばして寝そべりたい。

そんな思いを抱いて綴った地球・世界についてのエッセイ集。

ブログ「DAIHON屋ネタ帳」より30編を厳選・リライト。

●もくじ

他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン

1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット

アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フランク

孤独担当相の誕生

ヒトラーの人間力

 「GACHI」という言葉を外国人に説明すると

 未来のことは子どもに学ぶ

 人新世(アントロポセン)を生きる ほか

 


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「1日3分の地球人」発売記念無料キャンペーン

 

特にこれといったきっかけがあるわけでもなく、時々ふと地球のことを考える。

 

脳が森の中に分け入ったり、深海に潜ったりしてみる。

そこで生きている生き物たちのことを僕らは分かっているようで何も知らない。

 

みんな、草か木の実か肉かプランクトンか、とにかく何か食って排泄して、生殖して眠る……ということは知っているけど、彼らだってきっとメシとトイレとセックス以外の何かを考えながら生きている。

 

人間の「思考」とはちょっと違うものかも知れないけど。動物だけでなく植物も。その想念みたいなものが集まって「地球環境」というのは形づくられているのではないか。そんな妄想にかられる。

 

同じように人間が作ってきた世界のことを考える。

脳がさまざまな時代を旅して、あちこちの国に行ってみて、あの時代、この国の人たちが、あの国の人たちが

どうやって世界を認識していたのか訊いてみる。

そして今、自分がどこにどうやって立っているのか

確かめてみる。

 

情報化社会の恩恵を受けた現代人は、正しく「地球人」であり「世界人」である。

そんな地球人・世界人が皆、1日ほんの3分間、

森や砂漠や海中にダイブして、こういう星で暮らしているんだ、と感じるだけで、地球は少しだけ変わる。

あるいはタイムトラベルして、こうして今、自分はここにいるんだと思うだけで、世界は少しだけ変わる。

 

8月26日(木)16:00~31日(火)15:59

新発売記念5日間無料キャンペーン

 

●もくじ

・一日三分の地球人

・他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン

・1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット

・アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フラン

 ク

・孤独担当相の誕生

・ヒトラーの人間力

・世界を作った歴史人は?(世界史編)

・ロンドン旅行記より:観光都市は空港からエンターテイン

 メント

・京都探訪記より:外国人観光客の群れ、そしてキモノ女の

 大増殖

・急落マクロン株と安定上昇アントワネット株

・EU離脱と大英帝国の幻想とお国のアイデンティティ

・「GACHI」という言葉を外国人に説明すると

・世界初・英国孤独問題担当相 いわくつきの誕生から1年

・ルワンダを復興させた女性たち

・新元号発表とゴッド・セーヴ・ザ・キングと

 戦争のあった時代

・ほんとは幸福になんかなりたくない日本人

・和服でサムライプレゼン

・ロンドン旅行記より:新名所は鉄道駅

・世界自閉症啓発デー&発達障害啓発週間と人権意識の未来

・地球に生きる人間の数と、人間の適正な大きさについての

 疑問

・最強台風と地球温暖化問題

・ハリウッドストーリーがロックスターに打ち克った日

・未来のことは子どもに学ぶ

・「メリークリスマス!」は 時代遅れの宗教ハラスメントな

 のか?

・嵐が丘への旅の記憶

・人新世(アントロポセン)を生きる

・ファットマンを地球最後の核兵器にするために

・日本の子ども・高齢者の幸福度と大人のエゴ

・ロンドン旅行記より:「国家の英雄」が乗った海賊船

・僕たちは世界という方舟に乗船している

。ちょっと地球になって海に潜ってみる

 


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おりべまこと電子書籍「1日3分の地球人」本日発売!

 

忙しくて目の前のことしか見えない。考えられない。

でも1日3分でいいから、

空に浮かんで地球を見つめてみる。

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せっかくこの星に生まれたのなら、

自分が芥子粒のように思える

広い空間と長い時間こ手足を伸ばして寝そべりたい。

そんな思いを抱いて綴った

地球・世界についてのエッセイ集。

ブログ「DAIHON屋ネタ帳」より30編を厳選・リライト。

 

明日8月26日(木)16:00~31日(火)15:59

新発売記念5日間無料キャンペーン

 

●もくじ

・一日三分の地球人

・他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン

・1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット

・アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フラン

 ク

・孤独担当相の誕生

・ヒトラーの人間力

・世界を作った歴史人は?(世界史編)

・ロンドン旅行記より:観光都市は空港からエンターテイン

 メント

・京都探訪記より:外国人観光客の群れ、そしてキモノ女の

 大増殖

・急落マクロン株と安定上昇アントワネット株

・EU離脱と大英帝国の幻想とお国のアイデンティティ

・「GACHI」という言葉を外国人に説明すると

・世界初・英国孤独問題担当相 いわくつきの誕生から1年

・ルワンダを復興させた女性たち

・新元号発表とゴッド・セーヴ・ザ・キングと

 戦争のあった時代

・ほんとは幸福になんかなりたくない日本人

・和服でサムライプレゼン

・ロンドン旅行記より:新名所は鉄道駅

・世界自閉症啓発デー&発達障害啓発週間と人権意識の未来

・地球に生きる人間の数と、人間の適正な大きさについての

 疑問

・最強台風と地球温暖化問題

・ハリウッドストーリーがロックスターに打ち克った日

・未来のことは子どもに学ぶ

・「メリークリスマス!」は 時代遅れの宗教ハラスメントな

 のか?

・嵐が丘への旅の記憶

・人新世(アントロポセン)を生きる

・ファットマンを地球最後の核兵器にするために

・日本の子ども・高齢者の幸福度と大人のエゴ

・ロンドン旅行記より:「国家の英雄」が乗った海賊船

・僕たちは世界という方舟に乗船している

。ちょっと地球になって海に潜ってみる

 


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おりべまこと電子書籍新刊「1日3分の地球人」8月25日(水)発売予定!

 

忙しくて目の前のことしか見えない。考えられない。

でも1日3分でいいから、

空に浮かんで地球を見つめてみる。

脳だけ旅人にして世界を歩いてみる。

 

せっかくこの星に生まれたのなら、

自分が芥子粒のように思える広い空間と

長い時間こ手足を伸ばして寝そべりたい。

そんな思いを抱いて綴った

地球・世界についてのエッセイ集。

ブログ「DAIHON屋ネタ帳」より30編を厳選・リライト。

 

●もくじ

1日3分の地球人

他者に不寛容だから幸福度低い?ニッポン

1月21日のルイ16世とマリー・アントワネット

アムステルダムのナシゴレンとコロッケとアンネ・フランク

孤独担当相の誕生

ヒトラーの人間力

世界を作った歴史人は?(世界史編)

 

「GACHI」という言葉を外国人に説明すると

ルワンダを復興させた女性たち

 

和服でサムライプレゼン

 

ハリウッドストーリーがロックスターに打ち克った日

未来のことは子どもに学ぶ

 

人新世(アントロポセン)を生きる

ファットマンを地球最後の核兵器にするために

日本の子ども・高齢者の幸福度と大人のエゴ

ロンドン旅行記より:「国家の英雄」が乗った海賊船 ほか

 


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日本だから発信できる、大事なメッセージが抜け落ちていた東京オリンピック

 

開催中は選手の活躍にエキサイトした。

感動ストーリーもたくさん生まれた。

日本のメダルラッシュも喜ばしいことだ。

 

でもやっぱり終わってみて、

オリンピックの開催意義を考えざるを得なかった。

 

最後まで理念が抜け落ちたままだった

東京オリンピック。

その印象は変わらない。

 

それを象徴するかのように

閉会式は締まりのないものだった。

 

選手が解放的になり、リラックスするのはいい。

競技をやり遂げた喜びを表すのはいい。

 

けれども平和の祭典・多様性の象徴であるはずの

オリンピックが日本で行なわれているのに、

それも日程に8月6日を含んでいるのに、

閉会式翌日(=きょう)は8月9日なのに、

どうして広島・長崎への黙禱が行われないのか?

 

橋本会長・バッハ会長のスピーチの時に

それはできたはずである。

 

それがあれば閉会式も全然違った印象になったのだろうに。

東京で、日本で開催した意義も、価値も、

後世に与える印象も違っていただろうに。

 

これもまた政治・思想に

オリンピックを利用するのはまかりならん、

ということに当てはまるのだろうか?

 

黙禱はお祭りにふさわしくないからか?

そうとは思えない。

 

1994年のリレハンメル(ノルウェー)冬季大会の開会式では

サラエボに向けて黙祷が行われた。

 

サラエボオリンピック(冬季大会)は、

その10年前の1984年に行われた。

旧ユーゴスラビア(現ボスニアヘルツェゴビナ)の首都である。

 

しかしオリンピック開催後、東西冷戦構造の瓦解に伴って、

ユーゴスラビアという国家自体が崩壊。

いくつもの国に分断され、

サラエボは内戦と民族間の対立と大量虐殺の舞台となってしまった。

 

僕はもちろんテレビで観ていただけだが、

あの黙禱にシーンは

27年経った今でも鮮明に覚えている。

それくらいオリンピックという場はメッセージの発信力が強い。

 

もちろん、サラエボはかつての開催地であるなど、

事情や背景は異なっているが、

それにしてもやっぱり、なぜやらないのか? 

という疑念はぬぐえない。

 

当然、裏では議論もあったようだが、

結局、IOCは首を縦に振らなかった。

 

パンデミックという厳しい条件の下で、

半ば無理やり開催したのだから、

単なる祭典ではない、スポーツだけではない、

オリンピック独特の意義を謳ってよかった。

謳うべきだった。

 

それが、人類がコロナウイルスを克服した証云々にも

繋がるんじゃないの?

菅首相も、小池都知事も

もっとがんばれなかったのか?

・・・といっても、もう遅いけど。

 

パフォーマンスの一部に出演した大竹しのぶさんも

そのことを残念がっていた。

..

宮澤賢治の詩を子どもたちに語って聞かせるという、

ちょっと意味不明のお芝居。

 

正直「なんでこんなシーン入れるの?」と思ったが、

あれは黙祷をしない・できないことの代償だったのか?

しかし、あれではメッセージにはならない。

せっかく東京で、日本で開かれたのに。

せっかく大きなチャンスだったのに。

 

選手の活躍や喜びに水を差すつもりはないけど、

今回のオリンピックは、

かなり残念な気持ちでいっぱいだ。

 


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週末の懐メロ41:カナリア諸島にて/大滝詠一

 

あなたはカナリア諸島に行ったことがあるか?

僕はない。

でもこの40年間、毎年のようにこの季節、

脳みそだけは永遠の夏に遊びに行く。

 

大滝詠一の不朽の名盤「ロングバケーション」が

リリースされたのは1981年。

「カナリア諸島にて」は、その3曲目、

シングル盤では「君は天然色」のB面だったが、

僕にとってはこの曲こそが「ロンバケ」を象徴する曲だ。

 

日本人が戦後の貧しさから抜け出し、

豊かさを実感し始めた80年代前半、

この曲に代表される大滝の音楽は

現代日本人の心に、現実とは別の心象風景をつくった。

 

南の島のパラダイス。

天国に一番近い島のリゾート。

 

それは豊かになった日本人が次に目指したい、

辿り着きたい場所だった。

 

少し前の時代はハワイが「夢の島」だった。

しかし、グァムもハワイも一般庶民が行けるようになってきて、

なんだか俗っぽくなってきた。

 

もっと新しい夢に相応しい南の島はないか?

でもまだ戦後36年(今年は76年)。

忌まわしい太平洋癒戦争の記憶がまだ残っている。

そんな残滓があるような島を選ぶわけにはいかない。

 

そこでアフリカ北西部にある

スペイン領カナリア諸島が選ばれたのかもしれない。

 

海が美しいのはもちろん、

日本からはるかに遠く、手あかがついていない聖地。

「カナリア」という言葉の響きも明るかった。

 

しかし、大瀧詠一も、作詞の松本隆も、

この頃、まだカナリア諸島には行ったことはなく、

詞も曲も完全に彼らの幻想・妄想から出来上がった。

 

いや、幻想・妄想だったからこそ

名曲になり得たし、僕たちの心に

「永遠の夏」を植え付けられたと言っていいだろう。

 

後年、松本隆は実際にカナリア諸島に行き、

その現実の風景をを目の当たりにして冷や汗をかいたーー

という話を聞いた。

 

大瀧詠一は生前、旅したことがあったのだろうか?

 

いずれにしても、1981年はもちろん、

それから40年経った今も、

カナリア諸島に行ったことのある日本人は、

せいぜい1~2パーセント程度だろう。

 

これからもそんなに大勢の日本人が

かの地に出かけていくとは思えない。

 

それでいいのだ。

 

そして僕らは薄切りのオレンジを浮かべた

アイスティーを飲みながら,

永遠にたどり着けない

カナリア諸島の夢の風景に自らを癒しつつ、

酷暑の夏、コロナの夏をやり過ごしていく。

 

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エッセイ集:音楽

ポップミュージックを

こよなく愛した僕らの時代の妄想力

ロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代。僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する音楽エッセイ集33篇。

もくじ

●アーティストたちの前に扉が開いていた

●21世紀のビートルズ伝説

●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について

●ローリング・ストーンズと新選組の相似点について

●キング・クリムゾンの伝説と21世紀版「風に語りて」 ほか

 

 


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世界を感じたオリンピック開会式と聖火への疑問

 

オリンピックの開会式を最初から最後まで、
リアルタイムで見たのは、ずいぶん久しぶりだ。
 
改めて、何よりすごいなと思ったのは、
各国選手団の入場行進だ。
 
特に中南米とかアフリカあたりには、
知らなかった国、
いつの間にか独立していた国、
いつの間にか国名が変わっていた国が
いっぱいある。
 
ちょっと前にNHKの「人体」を見て、
ケニヤの選手がマラソンをはじめ、
長距離走に強いのは
糖質が豊富な食物をいっぱい食べるからだ、
という話をしていた。
 
タンパク質ではなく、糖質が瞬発性と持久性に優れた
筋力を生み出すというのである。
 
けれどもそれはケニヤの民族の人たちが
そういう遺伝子を持っているからだ。
 
日本人や欧米人がその論理を真似ると、
ただ太るだけで、筋力アップにはまるで役立たない。
その民族、その人の個性に合ったことを
やらなくては駄目なのだ。
 
人間って本当に面白いなと思った。
 
なので、今日まで知らなかったこの国の人たちは、
いったい何を食べて、
どんな練習をして出場したのだろうとか、
 
毎日どんな暮らしをしているんだろうとか、
コスチュームはどうやって作ったのだろうとか、
そんなことばかり気になっていた。
 
難民のチームもいるし、
シリアなど、今も内戦をやっている国もいるし、
ルワンダやボスニア・ヘルツェゴビナなど、
いったいどうやってあの悲惨な虐殺や暴政から
復興して選手を送り出せるようになったのか。
といったことも気になった。
 
そして、脱走して強制送還されてしまった
ウガンダの選手は
本国に帰って大丈夫なのか、
今ごろ何をしているんだろうかとか、
ひどく心配になってしまった。
 
今回の開催にはいろいろ問題があると思うけど、
やはり普段意識に上らない世界のことを
あれこれ考えられる機会が出来るのは、
オリンピックの大きな価値だなと思う。
 
いずれにしても開催されたのだから、
日本人選手の応援もいいけど、
知らない国の選手のこともできる限り、知っていきたいと思う。
 
開会式は次々と人が辞めて大変だったが、
最初の野村萬斎が総指揮をする予定だった時の
コンセプトはどれくらい残っていたのだろう?
もっと渋く「和の世界」に徹しても良かったと思う。
 
けど、まぁがんばった。
人も次々と辞めるドタバタ劇の中で、
とりあえずなんとか完走できた。
スタッフはほっとしているだろう。
 
けど。ひとつだけ、
最後の聖火について言わせてもらうとーー
 
未来とロボットを想起させる点火台はカッコよかった。
でも、なんで最終ランナーがプロ選手の大坂なおみなのか?
「多様性と調和」から彼女を選んで
持ってきたのはわかるが、
なんか表面的過ぎる。ウケ狙いに見えた。
 
ここにいたるまでの「多様性と調和」に反する
さまざまな失態を、彼女を起用することによって
一気に帳消しにしようとした。
そう取られてもしかたない。
 
大坂さんにケチをつけるわけでないが、
オリンピックの聖火をともすのは
現役のトップアスリートや
人気のプロプレーヤーではないと思う。
 
震災からの復興五輪、そいて未来への希望を謡うのなら、
あの東北の子どもたちが点火してよかったのではないか。
 
あるいはコロナとの闘いを象徴するなら
あの医療従事者のおじさん・おばさんとか。
 
あるいはコロナのせいで戦わずして出場がかなわなかった
名もなき選手たちが、
せめて点火の栄養を受けてもよかったのではないか。
そう思った。

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小山田問題:才能と人間性

 

世の中は芸術的才能よりも

人間性を重視している。

人として正しく生きている上での

才能でなければ認められない。

そういう世界になった。

 

数年前、ハリウッドの女優が

映画プロデューサーのパワハラ・セクハラを

掘り起こして糾弾したあたりから、

世界が急速に人権や個人の尊厳といったものを

クローズアップするようになった。

 

この流れはもう止まらない。

そして、元に戻ることはない。

 

昔は真逆だった。

 

才能がすべてだ。人間性なんか関係ねーだろ。

 

誰だったか忘れたが、むかし芝居をやっていた頃、

僕もそう言われたことがある。

 

かれこれ40年近く前の話だが、

当時、それは真実の言葉だった。

 

作家も俳優もダンサーも画家も映画監督も、

そして音楽家も、

およそ芸術・娯楽の分野で仕事をしようとする者にとって

それは鉄の掟のようなものだった。

 

いや、でも人間性も大事なんじゃないでしょうか。

そんなことを言おうものなら嗤われ、馬鹿にされた。

 

「いい人」に何ができる?

世間の常識にとらわれた人間に

面白い表現、人を感動させる表現などできるわけがない。

そう言われたらグウの音も出なかった。

 

僕の実感は昭和時代のものだが、

これは割と最近まで、おそらく10年ちょっと前くらいまで

生きていた鉄則ではないかと思う。

 

小山田氏があんなひどい虐待・暴行を

さも自慢げに、笑い飛ばすように話したのも

1990年代半ばは、そうした芸術分野の

才能至上主義みたいな常識が

まだしっかり生きていたからだろう。

 

才能があり、人気もあり、

セールスを上げているミュージシャン。

ほとんど無敵である。

何を言っても、何をやっても許される。

あの記事の内容を読む限り、

そうした自信(今となっては驕り)

が見て取れる。

 

僕は今回読んで吐き気がしたけど、

当時はああした話を歓迎して受け止める風潮も

世の中にあったのだろうと想像する。

 

だから出版したし、

あの雑誌自体もそこそこ売れたらしい。

 

そういう観点からすると、

記事を企画し、リリースに関わった

ライター、インタビュアー、編集者、そして出版社にも

相当大きな責任がある。

(出版社は謝罪文を出した)

 

小山田氏に関して、全然彼の音楽を知らなかったので、

フリッパースギターとか、

コーネリアスとか、ちょっとずつ聴いてみた。

 

胸に響くというほどではないにせよ、

そこそこカッコいいし、才能を感じる。

 

さすが開幕式の音楽担当に選ばれるだけあって、

作曲能力も演奏表現も優れている。

実績も立派なものだ。

 

だけど、時代は変わった。

芸術を生み出すにはにはもちろん才能が必要だが、

それは人間性とセットでなければ、

社会に受け入れてもらえない。

 

それでこの先、本当に面白いものは生まれるのだろうか?

新しい芸術は生まれるのだろうか?

と、古い常識にとらわれた僕は

ちょっと疑問には思っている。


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オリンピックは20世紀のレガシーシステム

 

3年ほど前に「オリンピックはオワコン」と書いた記事に、

ここのところ毎日のようにアクセスがたくさん来る。

 

あの頃は日本の関係者の利権がらみのゴタゴタに

腹を立てて書いたのだが、

ここ数日のIOCの発言は、

そのオワコンぶりを十二分に印象付けている。

 

1年前、延期を決めた時は

「人類がコロナウィルスを克服した証として開催したい」

なんてカッコイイこと言ってた。

 

それなのに、

「緊急事態宣言が出ていても開催する」とか、

「犠牲を払え(日本人を対象に言ったのではないらしいが)」

とか、とうとうなりふり構わぬホンネ丸出しになってしまった。

 

結局、IOCは会社であり、事業体であり、

自分たちのビジネスを遂行することが最優先なのだ。

 

普通の会社や事業体と確実に違うのは、

開催によって感染が広まるなど、

何か非常事態が起きても、

その責任・後始末は開催国なり、

開催都市にあることにして

自分たちは責任取らないこと。

 

ビジネス優先はいいとしても、

今どき、生活者(消費者)がどうなろうが

知ったこっちゃないです、

なんて言っている企業は

10年後には確実に滅びている。

 

IOCもこのままなら同じ運命をたどるだろう。

そもそも日本は大騒ぎしているけど、

他の国はオリンピックに対して至ってクールらしい。

 

「アメリカのテレビの放送権がIOCの収入の大半」と

聞いてたので、アメリカ人も楽しみに空いているのかと

思ってたら、9割くらいの人はてんで興味なくて、

ロクに話題にも上らないらしい。

 

オワコンが言いすぎなら、

IT用語でいう「レガシーシステム」

(アップデート不可な古いコンピューターシステム)か?

いずれにしても

20世紀の華やかなオリンピックはもう期待できない。

 

東京2020の開催が決まった時、

「1964年の夢よもう一度」というムードが広がったことに

イヤ~な気がしていたが、

まさかこんなことにんるとは・・・。

国民全体が昭和の夢の再現を求めたことが、

そもそも間違いだったと思わざるを得ない。

 

開催されたら、選手の皆さんには頑張ってほしいと思う。

だけどこの先は、もうオリンピックは夢の舞台、

人生のすべてをかけて取り組むものではなくなる。

そんなことを強制する大人の言うことなど

聴かないほうがいいよ。

申しわけないけど、そう思っておくべきだ。

 

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週末の懐メロ28:残酷な天使のテーゼ/高橋洋子

 

「エヴァンゲリオン」がここまで人の心に食い込んだのは、

作品の内容はもちろんだが、テーマ曲の存在も大きい。

「残酷な天使のテーゼ」の歌詞は、

とてつもなく美しくドラマチックだ。

 

作詞の及川眠子がこの曲を書く際に与えられたオーダーは

「哲学的であること」「難解であること」。

それに対し、萩尾望都の漫画「残酷な神が支配する」を

元ネタにして2時間で書き上げたという。

 

そうして生まれたこの曲はエヴァ人気とあいまって

前世紀から常に人気カラオケ曲のトップ10に入る名曲となった。

アニメを観たことない人でも、

この歌は知っているという人は多いのではないか。

 

カヴァーもやたらと多い。

外国語バージョンも英語はもとより、10か国はくだらない。

 

それでもやはり高橋洋子のオリジナル版がいい。

このビデオは歌に合わせて、

テレビ版と旧劇場版、

つまり20世紀の旧シリーズのストーリーを

曲の尺4分に編集している。

 

新シリーズの完結編である「シン・エヴァ」を観た後だと、

絵もちょっと懐メロっぽい。

でも、そこがまたいい。

 

そして曲名どおり、

旧シリーズは本当に残酷だったなぁと感じる。

そう感じるのは、苛烈で凄惨なシーンが多いせいもあるが、

一番の要因は、女性の登場人物の運命があまりに過酷だからだ。

 

かつて映画の世界では、

劇中であっても女と子どもは殺してはならないという

不文律があった。

半世紀以上前の話で「女は守られるべき存在」という

一種の差別の表れでもあるのだけど。

 

しかし、自分が男のせいか、たとえ虚構の中とはいえ、

女が死んだり殺されたりするところを見るのは、

心が切り裂かれるような痛みを感じる。

 

旧シリーズでは、レイもアスカもミサトもリツコも、

主要な女キャラがみんな死んでしまった。

それもかなり無残で惨い死に方だった。

 

物語自体も最終的に狂気の世界に突っ込んでいき、

通常のロボットアニメ、

ヒロイックファンタジーとはかけ離れた、

前衛的なアート作品のようなエンディングになった。

 

そして、エヴァ人気が一種の社会現象としても扱われた。

1990年代の世紀末観、オカルトじみた事件の数々、

従来の社会常識の液状化、

人間の心の暗黒面の発見といったことも

影響してたのだろう、

 

それに比べて、新シリーズが

とても優しく温もりのある終焉に感じられたのは、

彼女らの命が無残に潰えることなく、救われたからだと思う。

ただ一人の死も崇高な「英雄死」だった。

 

庵野監督が新シリーズを旧シリーズほど

残酷な物語にしなかったのは、

齢を取って丸くなったせいもあるが、

女を殺し過ぎたことに対する

罪ほろぼしの意識があったからだろうと推測する。

男の心には必ずそういう贖罪の季節が訪れる。

 

この曲とこのアニメは、ある世代、

具体的には1995年から97年の

テレビアニメ放映~旧劇場版上映の時期に

ティーンエージャーだった人たち(現在の40代)にとって、

一つの原風景になった。

 

巨大なトラウマであり、一生消えない感動と傷跡。

幸か不幸か、僕は大人になってから出逢ったので、

適度な距離を置いて見ることができたけど、

耽溺した人を少し羨ましく思う時もある。

 

エヴァの素晴らしいところは、

自分の想像力でストーリーを補完し、

ひとりひとりの心の中に

「マイ・エヴァンゲリオン」をつくれるところにある。

 

エヴァンゲリオン補完計画発動。

四半世紀にわたった新旧シリーズが完結し、

「残酷な天使のテーゼ」が懐メロになった今、

世界中で無数の新たなマイ・エヴァが起動する。

 

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ファミリーストーリー100年史の制作

 

縁あって在日コリアンの方の

ファミリーストーリーを書くことになった。

先祖は100年ほど前、大正時代、鬼滅の刃の時代に

日本へ渡ってきたのだという。

当初は関西のほうにいたというから、

釜山か済州島から船で九州とか大阪に渡航したのだろうか。

 

ご本人は3世で両親からはルーツについて

何も聞かされていない。

唯一、ある程度、事情をご存じだろうという叔父さんが

高齢でご病気でもあるので、今のうちに

子どもたちに伝えるために形にしておきたいということ。

あくまで私家製の本なので、世の中に出回ることはない。

 

その叔父さんが東京近郊におられるので、

来週、取材に行くのだが、

基礎的なことは知っておかなくては、と思って

本やサイトで歴史をいろいろ勉強している。

 

案の定、ネット上では日韓両国の関係にまつわる

さまざまな意見が入れ乱れ、

悪意ある差別的な記事もかなり溢れている。

おそらくこういう記事には一定の需要があるのだろう。

 

1世、2世の方たちは大変な思いをしただろうな、

というのが、まず正直な感想。

 

概して3世以降は比較的、社会情勢が落ち着いた頃に

生まれ育っているので、以前の世代ほど

ひどい差別などは受けていないように思われる。

 

在日の方に限らず、親や祖父母の世代が

子どもに何も伝えてこなかったということは多い。

断片的でもいいから誰か周りの人に取材をして

形にしておくのはいいことだと思う。

 

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★13日(土)17:00~15日(月)16:59

子ども時間の深呼吸 ASIN: B0881V8QW2

 

だれの心のなかにも「子ども」がいる。

自分のなかにいる子どもにアクセスしてみれば、

何が本当に大切なのか、何が必要なのか、

幸せになるために何をすればいいのか、どう生きるのか。

自分にとっての正解がきっとわかる。

〈少年時代の思い出〉×〈子育て体験〉×〈内なる子どもの物語〉で

こね上げた 面白エッセイ集。ブログから40編を厳選・リライト。

もくじ

・大人のなかの子ども、子どもの中のおとな

・ちびちびリンゴとでかでかスイカ  

・天才クラゲ切り:海を駆けるクラゲ 

・子ども時間の深呼吸 

・親子の絆をはぐくむ立ちション教育 ほか

  

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中国製ネコ型ロボットが食事をお届け

 

日本でネコ型ロボットといえばドラえもん。

便利な機械を出してくれるわけではないが、

韓国や中国ではコロナ禍の中で、

ネコ型配膳ロボットが大活躍している。

 

人への感染が特徴であるコロナウイルスの特性から、

非接触配送の需要が世界中の病院で高まり、

現在、韓国のソウルや中国の北京、武漢など数百の病院で

中国のロボットメーカー、Pudu Roboticsの製品

「BellaBot」が利用されている。

 

このネコ型ロボット、配膳にかかる工程を

すべて自動で行うため、

感染の拡大を効果的に防止することができる。

 

また大容量のトレイを搭載しているので

食事、医薬品、その他の物資を一度に患者に

届けることができる。

 

病院だけでなく、昨年からレストランや

オフィスなどでも利用され、

現在では2000社以上の国際企業で

非接触配膳サービスとして

採用されているとのこと。

 

コロナ禍の間隙を縫って中国では

AI・ロボットが大発展しているようだニャー。

 

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★11日(木)17:00~13日(土)16:59

神ってるナマケモノ (動物エッセイ)

 

 

僕たちはこの星の上で137万種類を超す動物たちといっしょに暮らしている。

イマジネーションを掻き立て、人間の世界観の大きな領域をつくってきた仲間たちについてのエピソードや、あれこれ考えたことを編み上げた、おりべまことの面白エッセイ集。

自身のブログから36編を厳選・リライト。

 

目次 

・ネコのふりかけ

・おしりを拭いてもらうイヌの幸せと人面犬の増殖について

・なぜ日本ではカエルはかわいいキャラなのか?

・ウーパールーパーな女子・男子

・ヌード犬・ファッション犬

・いやしの肉球

 

・金魚の集中力は人間以上 ほか

 

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オリンピックの「選手ファースト」は選手自身がつくる

 

今までオリンピックの問題について

批判的なことを書く時は、

「選手の方には申しわけないけど・・」と言ってきた。

 

その気持ちは嘘ではないけど、

若い選手の人たちは次々に起こる

大人たちのゴタゴタをどう思っているのだろうか?

とても気になる。

 

森会長の件だけではない。

東京2020のオリンピックは開催が決まってから、

競技場やエンブレムの問題をはじめ、

各競技の連盟・協会のトラブル

(ボクシング、体操、柔道、テコンドーなど)が続出。

 

こういうことって、どこの国でも起こることなんだろうか?

日本は特別?

 

そのへんはよくわからないけど、

利権まみれ、大人の事情まみれの中で

選手が金メダルを追求する意味って何なのか?

 

「毎日勝つために必死でトレーニングしているのに、

そんなヒマねーよ」

と言われるだろうが、

この際、選手も監督とかコーチとか、

組織の人たちや、いろいろお世話してくれてる人たちに

任せていないで、

自分で自問自答してみてはどうだろう?

そして、いっそのこと自分が運営に関わってみてはどうだろう?

 

現銀実的じゃないかもしれないけど、

利権ファーストじゃなく、

選手ファーストのオリンピックにするには、

それくらいのことが必要なんじゃないかと思う。

 

今のままでは、なんだか選手たちが

利権ゲームの手ゴマにされているようにさえ思えてくる。

 

アスリートの人たちは

生まれた時からオリンピックがあり、

最初からオリンピックありきで考えるから、

その舞台が夢になり、目標になる。

才能がある人ほどそうなる。

 

だけど、それが自分の人生にどういう意味があるのかを

ちゃんと考えて取り組んでもいいと思う。

 

選手生命は短い。

競技を辞めた後は長いセカンドライフが待っている。

スポットを浴び、人々の記憶に残るのは

一握りのメダリストだけ。

それでもいいというなら、それでいい。

 

でも、自分の未来をつくるうえでも、

オリンピックの勝ち負けだけで

燃え尽きてしまってはいけないと思う。

 

どんな方法があるか、具体的には示せないけど、

選手ファーストは選手自身がつくるべきではないか。

 

 

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★9日(火)17:00~11日(木)16:59

どうして僕はロボットじゃないんだろう? (AI・ロボット エッセイ)

 

社会のニーズに応え、生活に入り込み、世界を変革していくAI・ロボット。はたしてやつらは人間の敵か味方か? 上司か部下か? ライバルか友だちか? ただの機械に過ぎないのか、それとも人類の子どもなのか?

2016年夏から2020年夏まで、AI・ロボット・インターネット・DXにまつわる4年間の考察を読み物にした、おりべまことの面白まじめエッセイ集。ブログから33編を厳選・リライト。

 

●もくじ

・介護士・看護師は人間か、ロボットか?

・インターネットがつくるフォークロア

・こちとら機械だのロボットだのじゃねえ。人間でぃ!

・聖書から始まった「人間VS機械」

 

・子どもはどうしてロボットが好きなのか? ほか

 

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理念を失ったオリンピック 変わるためには3年かかる

 

森会長の男女差別発言。

関係者はみんな甘く考えていて、

ここまで大問題になるとは思わなかった。

僕も思わなかった。

インターネット社会の在り方を改めて思い知らされた。

 

もう駄目だと思う。

ボランティアスタッフも大量に辞退した。

選手の人たちは気の毒だが、

今年の開催は諦めた方がいい。

コロナと今回の騒ぎでバタバタやって

慌てて間に合わせようとするとロクなことがない。

政治家がいくら「やるやる」と言っても無理だ。

 

この際、今年はやめて3年後の2024年に開催する。

フランス(2024パリ)だって、

その後のアメリカ(2028ロス)だって

コロナ禍ですべてが狂ってしまっているから、

準備に時間があったほうがいい。

 

問題は森会長が辞めるか、

続投するかといったことだけじゃない。

皆でオリンピックの理念、オリンピック憲章について

徹底的に議論し、考え直したほうがいい。

 

森会長やJOCよりひどいのはIOCだと思う。

森会長があの発言の謝罪・撤回の記者会見をしたあと、

IOCは「これで問題はおしまい」という声明を出した。

 

森会長の発言が女性蔑視、つまり

オリンピック憲章に抵触するとされているのに、

その精神を守るべき当のIOCが

「これでおしまい」とは、どういうこと?

 

「そんなことどうでもいいから、

とにかく早いとこ準備を進めて開催しろ」

と言っているのと同じである。

 

「皆さんを幸せにするのがわたしたちの使命です」

といった美しい企業理念を掲げている会社が、

実際は利益のみ追求して

ネズミ講的な商売をしているのといっしょである。

 

オリンピックの精神などとっくの昔に失ってしまった、

利益追求のIOCがトップにいるだから、

日本をはじめ、各国の関係組織も

オリンピックを利権ビジネスの視点からしか考えられない。

 

今年はやめて、このあと開催国となる国も集めて協議して、

オリンピックの開催のしかたそのものを変えるべき。

 

日本のことを言うなら、森会長が変わるのは無理だ。

森会長だけでなく、昭和の男尊女卑文化が身体の芯まで

染み込んでしまっている人は、今後の社会の要職にはつけない。

 

そういうこともこの際、徹底的に議論して

組織内の人事を一からやり直した方がいい。

今回の問題はそういうチャンス。

スルー出来ない壁。

 

何のためにオリンピックをやるのか、

世界中で話し合う最適な機会が訪れた。

3年かけてそれをやってほしい。

 

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★11日(水)17:00~13日(木)16:59

神ってるナマケモノ (動物エッセイ)

 

★13日(木)17:00~15日(土)16:59

子ども時間の深呼吸 (子どもエッセイ)

 

★15日(土)17:00~17日(月)16:59

ロンドンのハムカツ (食べるエッセイ)

 

18日(火)新刊「昭和96年の思い出ピクニック」発売予定

 


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週末の懐メロ9:ハッピークリスマス」/ジョン・レノン&ヨーコ・オノ

 

1980年代に入ってから、いろんなミュージシャンが

クリスマスソングを作るようになったが、

70年代にはまだまだ少なかったような気がする。

 

中学生の時に聴いてから、

10年くらいの間、「戦争は終わった」と歌うこの曲は

子どもの時から聴いているクリスマスの歌や

戦前に作られたクラシックソングとは一線を画す

「僕らの時代のクリスマスソング」だった。

 

ジョン・レノン没後40年。

あの頃より少しは世界は良くなったのだろうか?

 

と、他人事のように呟くのでなく、

僕たちひとりひとりの心がけ次第なのだろう。

 

 

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嵐が丘への旅の記憶

 

エミリー・ブロンテの「嵐が丘」の舞台は、

イングランド北部のヨークシャー州にある

ハワース (Haworth) という小さな村である。

 

僕は1980年代から90年代にかけてここに3~4度くらい訪れた。

今はどうだか知らないが(最後に行ったのはもう25年前だ)、

ロンドンから半日バスに乗り、途中でSLに乗り換え、

やっとのことでたどり着く。

 

そのアクセスの過程も含め、

ストラトアフォード・エイボン(シェイクスピアの生地)や

湖水地方(ピーターラビットゆかりの土地)と並んで、

イギリスの地方で最も印象深い場所だ。

 

一応、有名観光地ではあるが、

僕がよく訪れていた時代は、いつ行っても観光客はまばらで、

B&B(民宿)もパブものどかな雰囲気で楽しかった。

 

エミリーは3姉妹の真ん中で、

姉のシャ―ロットは「ジェーン・エア」

(これも来年再読予定)、

妹の「アグネス・グレイ」(これは読んだことない)の作者。

ブロンテ姉妹の資料館もあり、お土産も売っている。

 

毎回、嵐が丘(アーンショウ家の屋敷)のモデルとなった

トップウィンゼンという廃屋を目標に、

ほぼ1日かけて丘歩きをするのだが、

ヒースの花咲くムーアの大地を踏みしめ、

次々と雲が流れていく空を見上げると、

何か大きなものに抱かれているような気分になる。

 

そしてしばしば、文字通り、嵐に見舞われた。

丘を吹き抜ける風は強烈で、

傘などあっという間に吹っ飛ばされて、

全く役に立たない。

レインコートとウォーキングシューズは必需品だ。

 

トップウィンゼンでは休んでいると

羊たちがメエメエ寄ってきて、

最初は人なつっこくて可愛いなと思うのだが、

いつの間にか、結構ごっつい羊の大群に囲まれてしまって、

ちょっと怖い目にも遭う。

 

いずれにしても他の土地では到底味わえない、

嵐が丘の特別な旅がそこにはあった。

 

最近は湖水地方などは、ピーターラビットを目当てにした

海外からの観光客があふれて大変だ、

という話を聞いたことがあるが、

嵐が丘の物語の舞台はどうなっているのだろうか?

 

ハワースに行って昔ながらのイングリッシュブレックファーストや

シェファーズパイなどのパブランチを食べたいなと時々思う。

最近のロンドンではめっきりお目にかからなくなった、

おしゃれじゃない、、どんくさくて、あんまり“おいしくない”

悪評たらたらのイギリス料理が似合う、

グルメなどとは無縁の土地なのだ。

 

そういえば「嵐が丘」の物語の中では、

アーンショウ家でも、リントン家でも、

豪華な肉料理やスイーツなどは全然食卓に上らなくて、

穀類のおかゆとか、正体不明の煮込み料理みたいなのを

食べていた。

 

野うさぎの話がところどころ出てくるので、

うさぎのシチューなんかは食べていたのだと思う。

それと乳製品。

グルメなど笑い飛ばすような、

味のある旅ができるかもしれない。

 

 

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ハリウッドストーリーがロックスターに勝った日

 

もしや、ロックスター的カリスマ力を持ったトランプ大統領が

再選されるのではないか?

 

そんな嫌な予感が外れてよかった。

とりあえず一安心。

 

しかし、まだ訴訟を起こす気でいるし、

任期だってあと2か月余り残っている。

いったい何をしでかすか、油断できない。

 

こんな怪物を相手にバイデン氏は勝利した。

まじめで誠実そうには見えるが、

カリスマ性という面でははるかにトランプに劣る。

 

大した政策もありそうになく、

キャラも立っておらず、なによりもう若くない。

(何といっても史上最高齢の大統領になる!)

 

そんなバイデン氏が勝てたのはなぜか?

 

多くの盟友と後輩たちが、そして亡き家族の思い出が

彼を支えていたからだ。

 

勝利が確定した時、ハリス副大統領候補は

「アメリカを“尊敬される国に”」と語った。

トランプ大統領の“偉大な国に”に対抗する言葉はこれかと、

ひどく感心した。

「アメリカを尊敬される国に」

次期大統領は、まるで彼女のようだ。

 

実際、そういう噂はもう常識レベル。

バイデンは傀儡、バイデンはハリスへのつなぎ、

バイデンの役目は選挙で終わりで、4年どころか、

2年後、80歳になったらハリスと交代するのではないかと

マスコミも報じている。

有権者もそれを承知で投票したのだろう。

バイデンでなく、民主党に。

 

けれども唯一、バイデン氏は人の心に訴えるものを持っている。

老齢ならではのストーリー。

詳しくはしらないが、エリートでありながら次々と家族を失い、

幸福とはほど遠いであろう人生を歩みながら、

ついにトップの座にたどり着いた。

 

トランプという、1体1で戦ったら絶対に勝てない大敵と

チームを組んで立ち向かい、勝利し、おそらくはその後を

若い世代に譲って去っていくであろう老兵のストーリーは、

まるでハリウッド映画のようだ。

 

ハリウッドがロックスターに打ち勝ったということか。

いずれにしても、まともな政治に戻りそうで良かった。

傀儡でもいい、次の時代への下準備のためにも、

バイデンさんには力の限り、がんばってほしい。

 

 

 

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偉大なるアメリカの物語を体現するロックスターは、大統領選に勝つのか、負けるのか?

 

4年前、トランプ大統領が当選したとき、

どこの州の人だったか忘れたが、

農業経営者らしき人がテレビのインタビューに答えて

「やっと本当に大統領らしい人が大統領になった」

と感慨深げに語っていたのが、妙に印象的だった。

 

トランプが大統領らしい大統領?

 

その時、僕はアメリカ人の念頭にあるトップ像が

日本人のそれとはひどく違うのだなぁと感じた。

 

もちろん、それはその人特有の考え方だったのかも知れないが、

なぜか僕にはそれが大半のアメリカ人の代表的な考えのように思えたのだ。

 

首相ではなくて大統領と言うところがミソなのかも知れない。

アメリカ人は大統領にヒーローのイメージを重ねている。

 

トランプがヒーロー?

 

日本人や、おそらく他国の人には奇異に映る。

おそらくアメリカ人の半分もそうなのだろうと思うが、

半分は(特に白人は)違う感覚を持っている。

 

「偉大なるアメリカ」

「強きアメリカ」

 

そうした言葉の響きにアメリカのマジョリティは

胸が震える思いがするらしい。

 

日本だったらどうだろう?

「偉大なる日本」「強い日本」なんて言われて、

その政治家に陶酔する日本人なんているだろうか?

 

内に流れる物語が違うのだ。

 

過去1世紀、世界の中心に座り、人類の正義であり続けた歴史――

偉大なアメリカの物語を、人々はそう簡単には手放せない。

 

その偉大なアメリカの物語を体現し、未来につなげるのは、

トランプなのか、バイデンなのか? 

大統領選はそういう問いかけなのだろう。

 

人種差別やコロナ対策などをはじめ、

まともに、理論的に考えれば、

明らかにバイデンの民主党の主張のほうが正しい。

 

けれども正しければ魅力的かと言えば、そうでもない。

 

バイデンがボスになって中国やロシアに勝てるのか?

世界の中心であり続けられるのか?

偉大なるアメリカのプライドが保てるののか?

 

そういう方向に思考が働き、シーソーは傾く。

要は理論よりも感情なのである。

人は理論よりも感情で動く。

何でもそうだが、理論・理屈は

感情で行動した後の後付け・言い訳に過ぎない。

 

僕はロックが好きだが、今思うと、

1960年代・70年代のロックは半ば宗教のようだった。

だから当時の若者たちは本気で

「音楽で世界を変えられる」と信じていた。

(比喩的・間接的な意味では、今でも信じられるけど)

 

その50年後のロックスターの姿を

トランプは体現しているのではないか。

支持者の多くは、かつて

「ラブ&ピース」や「30以上は信じるな」と叫んでいた、

シニアになった若者たちである。

 

ロックスターなのだから、みんなのカリスマなのだから、

ちょっとやそっとのスキャンダルはご愛敬、むしろ勲章である。

 

今のところ、バイデン候補が優勢らしいが、

アメリカ人の潜在意識は違うところにあるのではないか。

 

正論好きの、つまらないいい子ちゃんのバイデン民主党よりも、

コロナを克服し、中国や不法移民に立ち向かう“偉大な”トランプが

またもや選ばれるのではないかという気がしてならない。

 

こんな予想は外れてほしいのだけど。

 

 

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日本の子ども・高齢者の幸福度と「迷惑施設」と呼んでしまう大人のエゴ

 

国連児童基金(ユニセフ)が3日、

先進・新興国38カ国に住む子どもの幸福度を調査した

報告書を公表した。

 

これを読むと、

どうも日本の子どもはあんまり幸福ではないらしい。

「身体的健康」では1位なのに、

「精神的な幸福度」は37位と最低レベル。

めちゃくちゃアンバランスだが、

平均取ってトータルでは20位なので、いちおう中程度?

これをいったいどう読み解けばいいのか?

 

そもそもこういうランキングにどんな意味があるのか?

それぞれの国にはそれぞれの条件・生活・文化があるのだから、

国際比較することに無理があるのではないか?

—-という批判はもっともかなと思う。

 

けどやっぱり目をつむっていてはいけない。

「精神的な幸福度」は生活満足度と自殺率で

指標化されているというが、

やっぱり学校におけるいじめ問題、

また家庭における虐待問題が

大きく影響していると思う。

僕たちはもうそういう報道にも慣れて麻痺してしまって、

大した問題だとも思わなくなっているのではないか。

 

明治時代にやってきた欧米の知識人が

びっくりするほど子どもをかわいがり、

老人を敬う国だった—-という妖精の国・日本。

だが、100年後の現代日本はどうもそうなっていない。

 

子どもの保育施設、保護施設、

また、高齢者の養護施設などは

「迷惑施設」とみられることが多い。

 

東京では保育園の建設に住民の反対運動が起こったり、

虐待された児童の保護施設の建設に

「地域イメージが悪くなる」「地価が下がる」といった理由で

これまた反対運動が起こった。

 

高齢者の養護施設も、障がい者施設も同様。

先だっての7月の九州の豪雨では、

水害リスクの高い地域に建てられた高齢者施設が

浸水被害に遭い、死亡者まで出た。

 

家族が訪問しやすいように山の上や高台などではなく、

利便性の高い川沿いに作った--という前向きな理由もある。

 

けれどもこれも「迷惑施設」ということで、

あまり人の目に触れないところに作らざるを得なかった、

という経緯があるようだ。

 

土地の値段など、現実的な問題もあるので

一概にけしからんとは言わないが、

気になるのは、こうした子ども施設や高齢者施設を

「迷惑施設」と言ってしまう大人のメンタリティ。

 

自分がかつて一人では生きられない

子どもだったという記憶も失い、

生き続ける限り、いずれ老人になっていくという

想像力も働かない大人はヶく大勢、この国にはいる。

生産社会に関わらない人たちの居場所を「迷惑だ」と

行政に訴えるセンスのなさは絶望的だ。

 

政治がどうとか、制度がどうとかいう前に、

こういうひとりひとりのエゴイズムがどうにかならない限り、

子どもの幸福度が上がるはずもなく、

いずれこの国は不幸な人であふれかえることになるだろう。

 

特にコロナのせいでストレスが溜まっている昨今は

とてもとても心配になってくる。

 

 

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ファットマンを地球最後の核兵器にするために

 

長崎に落とされた原爆「ファットマン」は、

今日まで「地球最後の(実戦で使われた)核兵器」とされている。

 

永遠にそうあり続けるよう願うが、

核兵器の開発は終わっていない。

 

75年前、アメリカが示した手本通りに、

それは相手を威嚇する脅しの道具として機能している。

 

そして、75年経った今でも

「強い国」「豊かな国」「進んだ国」の象徴であり続けている。

「我が国は核兵器を持っている」ということに

希望と誇りを感じる人が世界中に大勢いるのだ。

 

アメリカが世界に、未来にバラまいたウイルスは、

いまだに多くの国の子どもや孫やひ孫らの脳を侵し続けている。

 

核兵器の所有は罪悪であり、恥辱である――

そう思える子どもたちを増やすこと。

これからやるべきことは、それ以外には考えられない。

 


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欲望がかなう街「マホガニー市」のアラバマソング

 

昨日はドアーズのファーストアルバム

「ハートに火をつけて」のことを書いたけど、

このアルバムに収録されている

「WiskeyBar(Arabama Song)アラバマソング」は、

いかにもドアーズ、ジム・モリソンらしい、

奇妙で捻じれた曲調の、エロチックでひどくユーモラスな歌だ。が、これは彼らのオリジナル曲ではない。

 

演劇人の間では有名な「三文オペラ」の作者

ベルナルト・ブレヒトが

作曲家のクルト・ワイル(ヴァイル)とコンビを組んで作った

「マホガニー市の興亡」というオペラの挿入歌である。

 

どこかの国(母国ドイツをイメージ?)から逃亡してきた

お尋ね者の3人組が、

アメリカ南部のアラバマ州(らしき地域の)の砂漠に

「マホガニー市」という「欲望がかなう街」を建設。

カネと酒と女(男)を求めて集まってくる

男や女たちの悲喜劇を描く。

 

この物語「マホガニー市の興亡」は初演が1930年のベルリン公演。

90年以上も前の作品にも関わらず、内容はあまりに現代的だ。

 

「三文オペラ」と同じく、

人間批評・社会批評たっぷりに描かれており、

あらすじを読む限り、ラ

ストも決して「人間って素晴らしい」と歌い上げる

ミュージカルなどとは真逆の、かなりシニカルな内容だ。

 

しかし、この作品は欧米で非常に人気が高く、

戦後、くり返し上演されてきたという。

 

その代表曲ともいえる「アラバマソング」も人気抜群で、

ドアーズをはじめ、実にいろんなミュージシャンや俳優が

この歌をカバーしている。

 

物語の世界観・菓子のユニークさも含め、

音楽家たちにとってチャレンジし甲斐がある、

面白い曲なのだろう。

 

ドアーズバージョンで、モリソンは2コーラス目

「Show me the way to next little Girl?」

(教えてくれよ、この近所にいい娘いないかい?)と歌うが、

オリジナルではnext prety Boy――

「近所にいい男いないかしら?」となっている。

 

つまりもともとこれは、

男を漁りに来た娼婦らが歌う歌なのだ。

 

このオペラについては「オペラ対訳プロジェクト」

というサイトで詳しく紹介・解説されており、

初演で主役を演じた女優(歌手)ロッテ・レーニャの

「アラバマソング」も聴ける。

 

対訳もすごく面白い。

「モシモイイ男ガ見ツカラナカッタラ、

私タチ死ヌヨリ他ナイノデス!」なんて最高だ。

 

ちなみにこのロッテ・レーニャという人は、

クルト・ヴァイルの奥さんなんだそうで、

同じドイツ人のせいか、

何となくマリーネ・ディートリッヒをイメージさせる。

 

この作品、最近では日本では

2016年に山本耕史やマルシアらが出演して

音楽劇として上演されている。

 

なかなか興味深いストーリーなので、

コロナ禍が去って再演されるようなことがあれば観てみたい。

 

 

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ロックの邦題マジック「ハートに火をつけて」/ドアーズ

 

ロックの邦題マジックシリーズ第2弾は

「ハートに火をつけて」(ザ・ドアーズ)。

 

●人気フレーズのオリジナル

日本人が大好きで、アイドルが歌い出しそうなこのキュートなフレーズは、少女マンガのタイトルにも用いられていた。

むかし、「りぼん」で一条ゆかり先生が書いたものが最初じゃないかと思う。

他にも少女マンガやライトノベルなどで同名のタイトルが使われているのを見かける。

 

J-POPはもっとすごい。

いちいちミュージシャンの名前は挙げないけど、

同名異曲が5つや6つはあるんじゃないか。

やっぱり魅力的で覚えやすいフレーズで、

ラブソングにぴったりだからだろう。

 

このフレーズを考え出したのは

1960年代の日本のレコード会社の人(たぶん)。

 

1967年にデビューしたアメリカ西海岸のロックバンド

The Doors(ドアーズ)の

ファーストアルバムにこの邦題がつけられた。

 

その意味では、J-POPもマンガもライトノベルも、

みんなドアーズのパクリである。

 

●異常なセックスソングとキュートな邦題とのギャップ

アルバムタイトルはバンド名の「The Doors」だが、

A面6曲目、シングルでもヒットした「LiLIght my Fire」が

「ハートに火をつけて」となり、そ

れがアルバムタイトルにもなった。

 

僕はこれも名邦訳だと思う。

 

現代の感覚で言うと、

原題が「LIght my Fire」?なんだ、だったらほぼ直訳じゃん。

と思うだろうが、

50年以上前に「ハートに火をつけて」なんて

お洒落な曲名がすんなり出てきたとは思えない。

 

そもそもこの曲自体、初期のビートルズのような

明るいヘルシーなラブソングじゃなく、

当時のサイケデリックのエッセンスを盛り込んだ

けっこうきわどい、いわばセックスソング。

 

「LIght my Fire」と言っている歌の主人公は、

恋する胸キュンの女の子じゃなくて、

女とやることしか頭にないスケベ野郎だ。

 

曲調もポップなラブソングでも美しいバラードでもなく、

のっけから猥雑さ漂う不気味なオルガンが

クネクネうねりまくる、かなり“異常な”曲である。

 

邦題的には「おれを燃やしてくれ」とか、

意訳して「エロスの焔」とかつけそうなものだが、

なんでこんな女の子が口にするような

キュートな邦題を考え付いたのか、

考えてみると不思議である。

 

いずれにしても、

ドアーズの奇妙でエロチックな独自の音楽世界と、

キュートな邦題とのギャップが素晴らしく、

日本でのドアーズ人気に一役買っていると思う。

 

●1stと2ndは歴史的大名盤

もちろん、英米でもこのファーストアルバムはド名盤で、

充実度は抜群。

クルト・ワイルのオペラ曲をカバーした「アラバマソング」や

カリスマロッカーにして詩人のジム・モリスンの名を

世に知らしめた大作「ジ・エンド The End」など、

めちゃくちゃ聴きごたえのある名曲が揃っている。

 

そもそもドアーズがその異常性・独自性を見せつけたのは

これとセカンドアルバム「まぼろしの世界 Strang Day」で、

その後はフツーのブルースロックバンドになってしまって

あまり面白くない。

 

これからドアーズを聴く人は、とにかくこの2枚とベスト盤です。

 

●モリソンの伝説とマンザレクの怪しいオルガン

ヴォーカルのジム・モリスンは、僕がロックを聴き始めた頃、

すでに他界していて、

ジミ・ヘンドリクスやジャニス・ジョプリンと同様、

最初から「伝説のロッカー」だった。

しかもセックスシンボルとして、

スキャンダラスなエピソードにまみれていた。

 

すごかったのがそのライブパフォーマンスで

性器を露出したり、

自慰をしたりして逮捕されたこともあるという。

 

アルチュール・ランボーなど、

フランスの詩人に影響を受けていたらしく、

1971年に人気絶頂のバンドを脱退し、

詩作のために恋人とパリへ移住して

そこですぐに死んでしまったらしい。

死因はドラッグのやりすぎというのが通説になっている。

 

いかにも昔の破滅的芸術家らしい人生を送ったせいか、

今でもカリスマ性が高く、やたら「信者」が多い、

そのため、ドアーズ=ジム・モリソンみたいな形で

語られることが多い。

 

だけど、僕にとってはモリソンと同格以上なのが

オルガンのレイ・マンザレクである。

 

「ハートに火をつけて」の

イントロ10秒を聴いただけでわかるように

孤高のドアーズサウンドは、マンザレクの

うねり、くねり、大蛇がのたうつような、

隠微な見世物小屋に誘い込むような

独特の怪しいオルガンに支えられている。

(彼も3年ほど前に他界してしまったようだ)

 

●還暦によみがえったドアーズ

実は僕は最近までドアーズをそんなに

熱心に聴いたことがなかった。

 

「ハートに火をつけて」と「まぼろしの世界」は

アナログレコードを持っていたが、

そんなに頻繁に針を落とすこともなく、

数年前に整理してしまった。

 

なんでか考えてみたが、たぶん理由は3つ。

 

・「サイケデリック」を感じさせる60年代的な音が

 時代遅れだと思ってた。

・「ジ・エンド」がフランシス・コッポラの映画「地獄の黙示録」

 (70年代のベトナム戦争をテーマに描かれた作品)

 で使われ、長らくそのイメージがまつわりついてた。

・ジム・モリソンの伝説が、今一つピンと来なかった。

 

ところがこの1週間ほど前、ふと脳の奥底から、

あのうねうねオルガンがよみがえってきたので、

久しぶりに――と聴いてみたら、

すっかりハマってしまったのである。

 

YouTubeでは、これまで見たことなかったライブも上がっていて、

ありし日のジム・モリソンの姿もたっぷり見られる。

 

「ハートに火をつけて」はマンザレクのオルガンを中心とした、

サイケで不気味でカッコいい、10分以上にもおよぶ、

長大なインストゥルメンタルも楽しめる。

 

音だけだとわからないが、映像付きだと

その間、モリソンが性行為を連想させるような

アクションをやりまくって、

観客が盛り上がるというクレイジーな世界が展開する。

 

興味のある人は、ぜひ半世紀前のヤバい

アナザーワールドを世界を体験してみてください。

 

 

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ロックの名盤「対自核」の邦題マジック

 

日本語の、漢字が創り出す世界観は強烈で深遠だ。

それを最初に教えてくれたのが「対自核(たいじかく)」だった。

 

「対自核」という3つの漢字が並んだタイトルからは

何とも言えない禍々しさ、危うさ、異常性を感じた。

その異世界の感触ロックにハマるきっかけとなった。

 

Uriah Heep ユーライア・ヒープが

1971年にリリースしたサードアルバム。

僕が初めて聴いたのは中学生になってからだから、

その2~3年あとだ。

 

原題は「Look at Yourself」。

「自分を見つめ直せ」という意味だが、

これはロックにおける傑作邦題としても有名だ。

 

「対自核」なんて言葉はもちろん、日常会話では使わない。

本を読んでいてもこんな言葉には一度もお目にかからなかった。

 

つまり1971年からこれまでおよそ50年、

「対自核」とはユーライア・ヒープのこのアルバムと、

1曲目に収められている同名の曲の目に

しつらえられた言葉だったのである。

 

それにしても普通、「Look at Yourself」から

「対自核」なんて日本語は生まれてこない。

いったいこの邦題を付けた日本のレコード会社の人はどんな人だったのだろう?

どうやってこの造語ができたのだろう?

と疑問に思わずにはいられない。

 

バックグラウンドにはやはり時代の特性があると思う。

会社はレコードを売らなきゃいけない。

 

「ルック・アット・ユアセルフ? これじゃ売れんなー。

もっといいタイトルつけられないのか?」

「自分を見つめろ」じゃどうでしょう?

「アホ、そんな直訳じゃだめだ。商品のネーミングだぞ。

ちゃんとマーケティングやって考えろ!」

てなわけで担当者は市場調査をして知恵を絞り始めた。

 

ロックのレコードを買うお客は若者だ。

当時、1971年は学生運動が終わって間もない頃。

その影響をもろにかぶった50年前の若者の多くは、

思想や哲学にかぶれていた。

 

実際に読んでいるかどうか、理解しているかどうかは別にして、

思想家や哲学差の名前を口にしたり、

かばんやポケットに本を入れていればカッコがついた。

女の子にもモテた。

 

中でもブランド力が高かったのが、フランスの哲学者

ジャン・ポール・サルトルだ。

サルトルの実存主義は20世紀を代表する思想の大きな柱だった。

 

実はこの「対自核」の「対自」という語は

サルトルの著作「存在と無」で流行った

実存主義用語から採られたという。

 

レコード会社の担当者は

その対自に、心臓部――コアを表す「核」をつけた。

 

「対自核。どうでしょう?」

「よっしゃー、これで決まりや!」

 

その担当者が本当に実存哲学の理解者だったかどうかはとにかく、

サルトルに考えが至ったというところがすごい。

 

会社としてこの邦題に決めたということは、

やはりそれなりの説得力があり、手ごたえを感じたからだろう。

 

これが今の時代だったら、

いや、当時から10年後の1980年代だって

「対自核」なんて言葉が作られ、

アルバムの邦題として採用される余地はなかっただろう。

 

僕は当時のレコードの購買層だった若者、学生さんたちより

だいぶ下なので、彼らの心にこのタイトルが

どんな具合に刺さったのか、実際はわからない。

 

だが、1973年か74年にこのアルバムのジャケット、および、

それに掛けられた帯の上に書かれた「対自核」という

漢字3文字を見たときの衝撃で、中学生だった僕の人生は変った。

と今では思う。

 

ちなみにジャケットは、

直径30センチのアナログLPレコードを納める、

30センチ×30センチの厚紙でできていた。

帯のタイトル、ジャケットアートと相まって

音楽はリアルな存在感を持ってそこにあった。

 

その頃、僕はサルトルも実存主義も知らなかったが、

ロックという音楽の中には思想や哲学や文学や神話、

そして社会に、世界に、他分野の文化に通じている

扉があることを予感した。

 

タイトルナンバーと「7月の朝 July Morning」という

名曲2曲が入っているとはいえ、

このアルバムが「対自核」という邦題でなかったら、

たとえば原題そのままの「

ルック・アット・ユアセルフ」だったら、

そんなに売れなかったし、

ユーライア・ヒープが日本の音楽シーンに

大きな影響を与えることもなかったに違いない。

 

ザ・ピーナッツが「対自核」を、

西城秀樹が「7月の朝」を歌うこともなかっただろう。

 

そしてこてほどの名盤として50年後の今も語り継がれ、

伝説になることもなかったかもしれない。

 

日本語の、漢字の組み合わせが創り出す、

音楽の域を超えた圧倒的な世界観。

 

対自核にはじまり、神秘、原子心母、狂気、炎、危機、童夢、

四重人格、怪奇骨董音楽箱、太陽と戦慄、暗黒の世界・・・

 

これらの邦題マジックは日本におけるロック音楽を、

本家の英米とは少しばかりニュアンスの異なる、

独自の作品に育て上げたのではないかという気がする。

 

 

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「人新世(アントロポセン)」を生きる

 

イギリスの作家が書いた動物に関する本を読んでいて

「人新世(じんしんせい/ひとしんせい)」

という言葉に出逢った。

英語でAnthropocene(アントロポセン)。

 

現在私たちは「人新世」と呼ばれる、

生命の歴史において、かつてなかったほどの

大規模な絶滅と転換の時代に生きている

 

と、その作家(およびサイエンスジャーナリスト)は言う。

 

地質時代の区分では、最終氷河期の終わる

およそ1万年前から現在までを「完新世」と呼ぶ。

この完新世において、地球のシステムに唯一最大の

影響を与えているのが人類。

そうした認識に基づき、この「人新世」という新しい年代が

発案されたという。

 

2008年には、これが地質学者らの賛同を得た。

この年代が始まった時期については諸説あるようだが、

やはり化石燃料を消費し始めた産業革命以降、

この200年のことと考えて間違いないだろう。

 

特に20世紀後半以降、ここ半世紀余りの繁栄による

大量消費はすごかった。

 

それが今年、コロナによって世界中の経済活動が減退。

それによって世界各都市の大気が浄化されたとか、

ベネツィアの運河にイルカがやってきたとか、

地球環境には良い影響が出ているとかいう話もあったが、

そう単純なものとは思えない。

 

コロナで人の行き来に支障が出たら

国際協調もままならないだろう。

 

今年の夏も九州で大規模な豪雨被害が出た。

被災する場所は、地盤の緩い、かつて(明治時代以前)は

人が住まなかった土地だという話も聞こえてくる。

 

そうしたところを宅地にしたり、工場を建てたり、街を作るなど、

人間の生活圏として開拓してきたわけだが、

その考え方自体が無理なんじゃないかという気がする。

 

もう「100年に一度」だとか「数十年に一度」だとかいう

言葉ではごまかせない。

温暖化が原因となって毎年豪雨被害、台風被害は起こると

思っていたほうがいい。

 

もう昔には戻れない。

かといって、目先の経済を無視しては

明日からの生活も立ちいかなくなる。

 

結局、防災にしてもコロナ対策にしても、

国に頼らず、マスコミなどの情報も鵜呑みにせず、

自己責任でやっていくしかないようだ。

 

そして「人新世」に生きているという、

地球視点、野生動物視点も持っていると、

これから先、何かの役に立つかも知れない。

 

少なくとも動物や植物に愛しみの心をもったほうが

幸福になれるのではないだろうか。

 

 

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エピタフとキング・クリムゾンと西城秀樹

 

「Confusion will be my Epitaph(混乱こそわが墓碑銘)」

その昔、自分の書いた芝居に 
KingCrimson キング・クリムゾンの
「Epitaph エピタフ(墓碑銘)」の歌詞をパクって
台詞に入れたことがある。

 

予言者達の書いた壁が
ひび割れたところから崩れ落ち


殺戮の道具の上に
日の光は燦然と輝く

 

誰もが悪夢や夢想とともに
引き裂かれていく時


栄冠など何処にもない
静寂が叫び声さえ呑み尽くす

 

1969年、KingCrimsonデビューアルバム
「クリムゾン・キングの宮殿」A面3曲目。

 

半世紀以上が経った今でも、キング・クリムゾンは、
プログレッシヴロックの王として君臨する。

そして「エピタフ」はその深紅の血塗られた王の
代名詞ともいえる名曲だ。

 

作詞のピート・シンフィールドは、
英国のさまざまな文学者の影響を受けていた。
特に彼がリスペクトしていたのは、
劇作家ウィリアム・シェイクスピアだ。

 

初期の1stアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」と
2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」の楽曲の歌詞には、
シェイクスピア特有の、
ちょっと時代がかった(でも現代的な)
韻の踏み方、言葉のリズム、演劇的な匂いが感じられる。

 

「エピタフ」の歌詞も「リチャード3世」
「マクベス」「ハムレット」などの、
血と死と幻想を想起させる詩になっている。

 

ちなみにシンフィールドは作詞だけで楽器をやらないのに
正規のオリジナルメンバーだった。
このバンドの誕生時における、
一種のコンセプトメーカーだったのだと思う。

 

彼は自分が書いた詞を、少年時代、聖歌隊に属していた
グレッグ・レイク(ヴォーカル&ベース)が歌うのに
至上の喜びを感じていたという。

確かに若き日のレイクの声は、美しく神秘的だった。

 

ロックミュージックに文学・哲学・思想といった、
それまで誰も思いつかなかった知的なマテリアルを持ち込み、
見事に融合させたのはビートルズ、
とりわけジョン・レノンだが、
クリムゾンはデビューアルバムで、
ビートルズが導いた新しいロックの地平を一気に切り開いたのだ。

 

そのプログレッシブロックの代表曲が、
なぜか日本の昭和歌謡と親和性が高いのはどういうわけか?

 

ザ・ピーナッツや、

ジャニーズ事務所初期のスター・フォーリーブスが
「エピタフ」をカバーしているのにはびっくりした。

 

そしてまたもや西城秀樹だ。

 

ピート・シンフィールドが綴った原詩のまま歌っている。
確かに「エピタフ」なのだが、
ちょっと違う曲に聞こえて、すごく新鮮だ。

クリムゾンを吸収し、完全に自分の歌にしてしまっている。

どんだけすごいのか、天才だったのか、ヒデキ?

 

バックの演奏もいい。
特にベースとドラムは、そこはかとなく
クリムゾンのオリジナルメンバー、
グレッグ・レイク(ヴォーカルと共にベースも兼任)と
マイケル・ジャイルズ(ドラム)を意識していている気がする。

 

雷鳴と驟雨の音は、最初、レコーディング時の演出の
SEかと思ったが、これは野外(球場)ライブで、
この時、ほんとに嵐がきていたらしい。

 

ヒデキのキセキ。
すごすぎる。
40年もたってこんな音源に出逢えるとは、
まさしく僕の頭は「Confusion will be my Epitaph」。

 

 

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7月の朝とユーライア・ヒープと西城秀樹

 

7月になると「7月の朝」を聴く。
ユーライア・ヒープの「July Morning」は
70年代ロック不動の名曲だ。

 

中学生1年生のある時期、僕にとって
ユーライア・ヒープは世界最高のロックバンドだった。

単純に他のバンドをあまり知らなかったからだが、
「ユーライア・ヒープを聴いたら、
ビートルズなんかたかったるくて聴いてられねぇよ」
とうそぶいていた。

 

どうしてそこまでユーライア・ヒープに
肩入れしたのかと言うと、
「7月の朝」がとんでもなく好きだったからだ。

 

1971年リリース、ヒープのサードアルバムにして
ロック史に燦然と輝く名盤「対自核(Look at Yourself)」の、
アナログレコードならA面3曲目。

 

隣に住んでた2年年上の先輩がロック好きで、
それまでディープ・パープルの「ハイウェイスター」などは
聴いていた(聴かされていた)が、
ハードロックってうるせえなぁという印象だった。

 

けれども「7月の朝」は全然違っていた。
何といっても哀調を帯びたメロディが美しい。
そして、それまで聴いたことがなかったドラマチックな曲構成。

前半のバラードから後半、
ギターとオルガンがうねりまくるクライマックスに
繋がっていくのだが、
その盛り上がり方がまた美しく、すべてが完璧だった。

音楽を聴いて鳥肌が立ったのは、たぶんこの時が初めてだった。

 

ユーライア・ヒープは、
もちろんメンバーチェンジをしているものの、
今まだ活動しているようだ。
そのブランドとしての生命力には拍手を送りたいが、
やはり頂点はこのサード・アルバムで、
過去の遺産で食っている感は否めない。

 

ネットの記事によっては
「レッド・ツェッペリンやディープ・パープルと並ぶ
イギリスのハードロックバンド・・・」なんて
紹介の仕方をしているところもあるが、
正直、かなり格下だと思う。
悪いけど、ツェッペリンと並べないでほしい。

 

それでも、僕が若かりし時期、
「世界最高のロックバンド」と信じたように
当時(1970年代)のヒープの、特に日本における名声は
相当なもので、
来日公演も果たし、熱狂的なファンも大勢いた。

その音楽性が歌謡ポップスとの親和性に富んでいて、

日本の音楽関係者もかなり影響を受けたようだ。

 

そのヒープの大名曲「7月の朝 July Morning」を、
かの昭和歌謡のアイドル・西城秀樹が
カバーしていたということを、
彼の死後(2018年5月)、知った。

 

昔はアイドルが「こういう歌も歌えるんだぜ」と
カッコつけてロックを歌っていると思って、
まともに聴こうとしなかったが、
改めて聴くとその歌唱力に圧倒される。

 

デビッド・バイロン(全盛期のヒープのヴォーカリスト)に劣らぬ
詩情と感情あふれる表現力。
日本語の訳詞も良い。
完全に自分のものにしている。これはすごい。

天国の秀樹さん、ごめんなさい。

 

西城秀樹は他にも、
リズム&ブルースからプログレまで歌いこなす
素晴らしい歌唱力を持っていた。
ヒデキ、カンゲキ!

 

その西城秀樹の歌手としての凄み、カッコよさ、
そして当時の熱狂的な人気ぶりを物語る
1980年・後楽園球場での「7月の朝」。

 

 

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何事も思い立ったが吉日

 

2年前の今頃、ロンドンにいた。
17年ぶりのロンドン。
昔暮らしていた1980年代のロンドンとは

ずいぶん様変わりしていて、
正直、ちょっと心は離れた。

 

それでもあの時、行ってよかったなあと思う。
カミさんが割と強硬に主張したからだが、
義母を引き取った昨年や、コロナが蔓延した今年だったら
完全にアウトだった。

人生、本当に何が起こるかわからない。

 

「急いては事を仕損じる」とか「満を持して」とか言われるが、
基本的には「思い立ったが吉日」のほうが人生には多いと思う。

自分の中に湧き出る気持ちを大事にした方がいい。
「宇宙の法則」みたいな、

なんちゃってスピリチュアルではないが、
自分の気持ちが流れを、リズムを、勢いを生み出し、
何かを引き寄せるのだ。

 

旅行も、子育ても、結婚も、仕事のいくつかも、
もっとさかのぼれば、80年代のロンドン暮らしも、
劇団活動も、東京に出てきたのも、
ほとんどその時の勢い・幸運みたいなものだった。

望んで声を上げてアプローチしたら、願いはかなった。

 

もちろん、すべてうまくいったなんて言わない。
てか、うまくいかないことの方が多い。
手痛い失敗もあったけど、

あれはしかたなかったなと今では思える。

 

自分のやりたい、行きたい、逢いたいといった気持ちは

大事にすべきだ。
それで失敗しても、本当の意味での失敗ではない。
変な理屈をつけて押さえつけると、だいたいろくなことはない。

 

近年携わったプロジェクトのいくつかは

リーダーが慎重になるあまり、
他のメンバーの中にあった流れ・リズム・勢いが萎え、

うまくいかなかった。


リーダーはいくらカリスマ性があっても、
素晴らしいアイデア・プランを持っていても、
人に協力してもらう以上、
自分の流れだけじゃなく、

協力者らの内面の流れも読めなくては駄目だ。

 

いろいろ勉強したり、
あれこれ議論して練り上げるのもいいけど、
「満足できる自分」なんて永遠になれない。
「準備万端のスタート」なんて一生やってこない。

そして「満を持して」いると、

潮が満ちる前に人生が終わってしまう。


海がはるか遠くに見える干潟にいても、ここぞと思ったら
波打ち際まで思いきり走っていこう。

 

 

 

お待ちかね、おりべまこと電子書籍第6弾

神ってるナマケモノ 発売!


仕事が忙しくて発売が遅れましたが、なんとか6月に発売。
今回は動物エッセイ集。
動物好きなあなた、ぜひ読んでみてください。

 

可愛いくて、楽しくて、笑える彼ら。
奇妙で、不気味で、不思議な彼女ら。
美しくて、おぞましくて、くさくて、汚くて、とてつもなく怖くて危険なやつらも。
僕たちはこの星の上で137万種類を超える

動物たちといっしょに暮らしている。
イマジネーションを掻き立て、

人間の世界観の大きな領域をつくってきた

仲間たちについてのエピソードや、

あれこれ考えたことを編み上げた面白エッセイ集。

ブログ「DAIHON屋のネタ帳」から36編を厳選・リライト。

 

内容

・ネコのふりかけ
・おしりを拭いてもらうイヌの幸せと人面犬の増殖について
・なぜ日本ではカエルはかわいいキャラなのか?
・ウーパールーパーな女子・男子

・アザラシの入江でヤギの乳を搾ってチーズを作る娘
・ロンドンのリスとイヌとネコ
・ピーターラビットの農的世界への回帰現象
・京龍伝説

・神ってるナマケモノ ほか

 

 

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「安全第一」と考えるなら巣穴に引きこもるしかない

頼まれ

「きょうから再開なんっすよ」
吉祥寺のカラオケ店に勤める若者Mくんはそう言